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2009.06.12|記者会見

民主党幹事長としての定例記者会見(09年6月12日)

2009年6月12日(金)

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090612okada_v300.asx
 56k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090612okada_v56.asx

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○鳩山総務大臣、事実上の更迭:政治リーダーの無様な姿に危機感を覚える。
○世襲、政治資金、議員定数:すべて先送りの自民党。民主党との違いは明らか。
○第三者委員会報告書の指揮権に関する見方は我々とはまったく違う。
○総務大臣辞任:問責決議の議論は聞いていない。
○郵政社長人事:総理の決断が遅れに遅れて混乱を招いたところが問題。
○政権交代が実現すれば日米間の様々な課題について違う観点で話し合いができる。
○水俣病救済法案:この国会終了までに結論を出したい。
○郵政社長人事を巡る混乱:小泉郵政民営化選挙の様々な弊害が出ている。
○鳩山民主党1ヶ月:順調な滑り出しではないか。
○鳩山総務大臣との連携:たらればの話はしない。
○北朝鮮に関する国連決議での船舶検査法案などは、これからの議論。
○第三者委員会の報告書:党の対応について正すべきものは正していく。
○解散時期:与党の思惑にいちいちコメントしない。いつあっても対応できるよう準備する。
○麻生政権9ヶ月で3閣僚辞任:反面教師にさせていただく。
○総務大臣更迭で問題が解決したわけではない。国会でしっかり取り上げていきたい。
○マニフェストで政策財源をどう書くかは政調会長の下で検討している。
○静岡県知事選への対応は現状をふまえて早急に党として結論を出す。
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■鳩山総務大臣、事実上の更迭:政治リーダーの無様な姿に危機感を覚える。

【幹事長】私から3点申し上げたいと思います。まず鳩山総務大臣が、事実上の更迭ということになりました。この間のいろいろな経緯を見ておりまして、どうしてもっとうまく対応できなかったのかという思いがしてなりません。子供のケンカじゃあるまいし、総理大臣と総務大臣という日本の政治のリーダーたちが、これだけ無様な姿をさらしたということに対して、非常に危機感を覚えます。本来であれば、当事者同士がきちんと話をして対応していれば、こういう罷免騒ぎになることもなかったでしょうし、何よりもこの間の無駄なエネルギーを使う必要はなかったと思います。麻生総理のリーダーシップのなさということが改めて示されたそういう一件だったと思っています。

■世襲、政治資金、議員定数:すべて自民党は先送り。民主党との違いは明らか。

【幹事長】第2に政治改革について、昨日、麻生総裁のところに自民党の党改革実行本部から意見具申がなされました。3つあるわけですが、いわゆる世襲問題については事実上の先送り、政治資金については1年後でこれも先送り、そして議員定数については10年後に3割減ということで、10年後に麻生政権はもちろんありませんし、自由民主党、あるいは日本の政治ですらどうなっているかわからない状況の中で、10年後の話では何も言っていないに等しいもので、すべて先送りされたということです。ちなみに我々は、世襲については先の常任幹事会で党のルールを明確に決めましたし、定数については衆議院では比例の80減、参議院については10年後に3割減という無責任な言い方を私たちはするつもりはありませんが、参議院ではどういう選挙制度にするかということをにらみながら定数削減についても議論していく。そして政治資金については3年後企業団体献金の廃止、パーティーも含むという明確な考えを示しています。このひとつだけとらえても、先送りの自民党ときちんと国民に対して答えを出していく民主党、そこの違いと言いますかコントラストが明らかになったと思っております。

■第三者委員会報告書の指揮権に関する見方は我々とはまったく違う。

【幹事長】3番目に第三者委員会について、今日法務大臣が記者会見で報告書には指揮権を発動すべきだったと読める部分があり、民主党もこれを是としているようだというふうに発言されたと伝えられています。これはまったくの誤解あるいは曲解であり、民主党の中でこれを是とするというような考え方はありません。もちろんこれは第三者が書かれたもので、我々が書いたものではないわけです。したがって第三者がお書きいただいたものを我々が受け取るという立場にあるわけですけれども、この指揮権についてあえて言わせていただけば、この報告書に書かれたようなことは我々の考え方とはまったく違うということは明確に申し上げておきたいと思います。

<質疑応答>

■総務大臣辞任:問責決議の議論は聞いていない。

【記者】鳩山総務大臣の件で、今回麻生総理のリーダーシップのなさや官邸のゴタゴタがあらわになりましたが、これをもって参議院で問責決議を提出して解散に追い込むチャンスではないかという見方がありますが、それについての幹事長のお考えをお聞かせ下さい。

【幹事長】そういう見方がどこから出ているのかわかりませんが、私の知る限りそういう議論というのは聞いておりません。問責決議というのは従来から申し上げているとおり必要なときに出す、あまり安売りすべきではないと考えています。

■郵政社長人事:総理の決断が遅れに遅れて混乱を招いたところが問題。

【記者】最終的に今回、麻生総理は西川社長を続投させる判断をしましたが、この判断についてどう思われるか、またそれを受けて辞任した総務大臣の決断についてどのようにお考えでし
ょうか。

【幹事長】西川社長については、我々はご存知のようにかんぽの宿の問題を含めて、様々な社長としての問題があり、西川社長が責任をきちんととるべきだと考えています。ただ今回の一件は、そういう結論の方向性ではなくて、それに至るプロセスの問題として先ほど申し上げたように総理と担当である総務大臣が早く調整して結論を出せば済んだ話であり、それをメディアに向かってことさらにいろいろと総務大臣も言われましたし、総理も決断も遅れに遅れて今回の混乱を招いた、そこのとこ
ろを我々は問題にしているわけです。

■政権交代が実現すれば日米間の様々な課題について違う観点で話し合いができる。

【記者】雑誌「世界」のインタビューで、米軍再編についてオバマ政権と交渉したいということだったが、それについて政権をとった場合に党の米軍再編の見直し方針とか北東アジア非核化構想もありますが、これについてはどういう時間軸で進めていくのかということをマニフェストの行程表などで示すお考えはあるのでしょうか。       

【幹事長】まず私があの中で言っていることは、米軍再編というよりは基地の問題なんですね。ですから戦後体制を色濃く引きずった今の基地の配置の問題、もちろん基地だけではなくて地位協定の見直しの話もありますし、思いやり予算の話もあります。様々な課題が日米間にあるので、政権交代が実現すれば今までとは違う観点で話し合いができる。アメリカのほうもオバマ政権はそういったことに対して議論ができるのではないかと私は思っています。ただ具体的な持ち出しのタイミングその他については、いま議論するのは早すぎると思います。まだ政権交代も実現していない中で、そういったことについて具体的に触れることは避けたいと思います。

■水俣病救済法案:この国会終了までに結論を出したい。

【記者】水俣病救済法案について与野党協議があり、救済の範囲とか地域指定解除についてはかなり民主党に寄ってきたと思いますが、今国会での合意に道筋が見えたと受け止められます
か。

【幹事長】私は詳細は聞いておりません。そしてまだ具体的に協議をしている最中ですので、特に申し上げることはありません。ただ患者の皆さんの現状を考えると、この国会終了までに結論を出したいと考えるのは私だけではないと思います。

■郵政社長人事を巡る混乱:小泉郵政民営化選挙の様々な弊害が出ている。

【記者】総務大臣の件に関連して、幹事長は代表の時に郵政選挙がありましたが、郵政のゴタゴタがいまなお続いていることに対する受け止めと、政権をとったときに西川社長の処遇はど
うされるのでしょうか。

【幹事長】私は政権をとったらどうのこうのという話は基本的にはしません。そんなに簡単に政権交代できるものとは楽観しておりませんので、いろいろなお話をすることは適切ではないと思います。ただ西川社長に対する基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりです。今回の与党あるいは政府の中の混乱は、おそらく郵政民営化に対する考え方の違いをある程度反映したものではないかというふうにも思います。結局、議論が尽くされないまま郵政民営化、しかも小泉民営化に賛成か反対かということだけで選挙をした様々な弊害がいま出てきていると思います。もう少し丁寧な議論をすべきだったと改めて感じています。

■鳩山民主党1ヶ月:順調な滑り出しではないか。

【記者】鳩山代表が就任1ヶ月になりますが、この評価と、幹事長に就かれてどのように自分が役割を発揮できたか感想をお聞かせ下さい。

【幹事長】うちうちでどういう評価をするのかはなかなか難しいことですが、私は非常にうまくいっていると思います。鳩山代表のリーダーシップは発揮されているし、国民の期待も集まっている。そのことは各地区の選挙応援などに行けば、期待感が非常に高まっていることが実感できます。そういう意味で、この1ヶ月順調な滑り出しではないかと思っています。私自身も代表を支えるのが幹事長の仕事であると最初に申し上げましたが、代表を支えて地味ながら一生懸命頑張っていると自分で
は思います。

■鳩山総務大臣との連携:たらればの話はしない。

【記者】鳩山総務大臣は、党内の議員とも相談して離党なども含めて今後のことを検討するということですが、衆院選を前にして民主党が連携するような余地があるのでしょうか。

【幹事長】そういうたらればの話はしないほうがいいと思います。まず離党された上で、そういうことが現実であればその段階で判断すればいいだけのことであって、それ以上のことは言
うつもりはありません。

■北朝鮮に関する国連決議での船舶検査法案などは、これからの議論。

【記者】北朝鮮の国連決議に関連して、政府与党内では特措法などで船舶の検査法案を出す動きもありますが、これに対して民主党としては独自にそういった法案を検討するお考えはある
のでしょうか。

【幹事長】これはこれから議論していくことだと思いますが、必要があればそういったことも含めて考えたらいいと思います。具体的な中身はこれからの問題です。

■第三者委員会の報告書:党の対応について正すべきものは正していく。

【記者】第三者委員会の報告書についての執行部の受け止めと、これからどうするかをお聞かせ下さい。

【幹事長】この前に少し申し上げたかと思いますが、その時点では私もまだ読んでいませんでした。ただ答えとしては同じです。あの中で大きく3つに分かれるかと思いますが、マスコミに対しての意見、検察捜査に対する意見、ここのところは基本的に第三者としての見解が述べられたということですから、それに対して党としてコメントすることはありません。意見をいただいたということです。ただし先ほど指揮権の問題についてはあえて私のほうから違うと申し上げました。

党の対応については、真摯に受け止めて正すべきものは正していかなくてはならないと思っています。来週党の様々な会議がありますから、そこでもご相談しながら、今報告書をもう一度精査しているところですが、必要に応じて党としての態勢を整えていきたいと思っています。代表、とくに政治家小沢一郎としての立場と党としての立場というものが、渾然一体となったというか、きちんと分けられていなかったのではないかというご指摘もいただきましたので、そういったことは今後同じことが繰り返されることがないように、必要があれば党の態勢を整えることも含めて考えていきたいと思います。

■解散時期:与党の思惑にいちいちコメントしない。いつあっても対応できるよう準備する。

【記者】今回の鳩山総務大臣の件を受けて、解散総選挙の時期について政府自民党がこれだけ混乱しているので今すぐには解散できないということで、9月10月に延びるのではないかとの見方がありますが、それについて幹事長はどう見ていますか。

【幹事長】与党はいろいろな思惑をもって発言しているわけですから、そういったことにいちいちコメントすることはありません。我々としてはいつが可能性が高いかということは議論できますけれども、最終的には総理大臣が決めることですから、いつもっと早めに解散があったとしても対応できるように準備を急がなければいけないと思っています。

■麻生政権9ヶ月で3閣僚辞任:反面教師にさせていただく。

【記者】麻生政権が発足して約9ヶ月ですが、その間に、中山文科相、中川財務相、鳩山総務相と3人目の辞任になりましたが、麻生政権のガバナビリティのなさはどこに問題があるとごらんになりますでしょうか。

【幹事長】お友達ばかりですね。あまりそういったことを具体的にコメントしようとは思いません。もともとの人選が誤っていたのか、それともその後の対応が間違っていたのか、いずれにしても選んだのも総理であり、閣内をきちんとコントロールしていくのも総理ですから、総理のリーダーシップの欠如は否めないと思います。反面教師にさせていただきたいと思います。

■総務大臣更迭で問題が解決したわけではない。国会でしっかり取り上げていきたい。


【記者】西川社長が続投して大臣が事実上の更迭ということになりましたが、かんぽの宿の問題などいろいろな不透明な問題について解明がなされるのかどうかも大事ですが、これについ
てのお考えをお聞かせ下さい。

【幹事長】我々は国会の場で引き続きしっかりと取り上げていきたいと考えています。問題が解決したわけではもちろんありません。

■マニフェストで政策財源をどう書くかは政調会長の下で検討している。

【記者】マニフェストについて幹事長として財源をもう少し分かりやすく出せればということでしたが、方針としてどのように進めていくかお聞かせ下さい。

【幹事長】どういうふうにマニフェスト上で書くかということについて、いま議論しているところです。私の意見はもう伝えてありますので、そういったことをふまえて政調会長の下で検討していただいていると思っています。

■静岡県知事選への対応は現状をふまえて早急に党として結論を出す。

【記者】静岡県知事選について、小沢代表代行は昨日民主党の県連が推薦している川勝平太氏と民主党を離党して無所属で出る海野徹氏の一本化を断念する意向を表明されました。静岡県連としては川勝氏の推薦を党本部に上申している段階だと思いますが、その推薦についてどのようにお考えかお聞かせ下さい。

【幹事長】最終的に一本化の可能性は非常に厳しいと私は認識しております。そのことをふまえて党としてどう対応すべきかは急いで結論を出さなければいけない問題だと思っております。




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