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2009.06.19|記者会見

民主党幹事長としての定例記者会見(09年6月19日)

岡田 克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年6月19日(金)

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090619okada_v300.asx
 56k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090619okada_v56.asx

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○重要3法案:再議決は大変残念。野党に転じる前提の与党が両院協議会の議論を否定。
○静岡県知事選:大いに頑張って必ず勝ちたい。
○国道建設の凍結解除:税金の有効活用の視点で考えるべき。
○西松事件初公判:党としてのコメントはない。検察側の主張が一方的に述べられた。今後大久保氏自身の裁判の中で争われること。
○臓器移植法案:参議院でもなるべく早く審議に入り、十分な審議の上、採決することを望みたい。
○事務次官が不祥事を棚に上げて公党の政策を批判することには違和感を持つ。
○マニフェスト:きちんとまとまってから報告する。
○都議選:目標は第一党。
○郵便不正事件:理解に苦しむような事件で展開を注意深く見守っている。
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■重要3法案:再議決は大変残念。野党に転じる前提の与党が両院協議会の議論を否定。

【幹事長】私からは最初に3つ、ひとつは先ほど長い本会議が終わりました。3つの重要法案について再議決ということで、参議院で否決されたものが議論もないままに再議決されるという大変残念な場面だったと思います。

そもそも私は与党も何を考えているのか、次の総選挙で与党がもし勝って3分の2を維持できないということであれば、両院協議会のあり方というものが非常に重要になるわけであります。したがって現時点から、そういうことも見越して様々な議論を本来やっておくべきだと思いますが、今の与党の対応を見ておりますと、次の選挙で負けること、野党に転じることを前提で、野党に転じれば衆参ともに思いが異なることはめったに起こらないわけですから、両院協議会とかそういう場面もないわけで、最初からあきらめているのかなというふうに本会議場であらためて感じておりました。

しかし、いずれにしても本来は両院協議会の場できちんと議論をして、妥協点を探るということがあってしかるべきだと残念なことだというふうに思っています。

重要法案が次々と成立しておりますけれども、残された時間はまだ1ヶ月あるわけで、残された1ヶ月で参議院にまわった臓器移植法案や、これから出てくるであろう船舶検査に関する法案や公務員関連の法案とか、そういうものをしっかり審議し、また空いた時間で一般質疑などもやり、もちろん政治改革法案も残っています。残された1ヶ月を、もし解散総選挙をしないのであれば、有効に使うべきだと、それが国会としての責任だと思っています。

もちろん、重要法案もかなり上がったので、総理が解散総選挙をおっしゃるのならば、それは我々も望むところですから、おおいに受けて立ちたいというふうに考えています。

■静岡県知事選:大いに頑張って必ず勝ちたい。

【幹事長】2番目ですが、静岡県知事選がいよいよスタートしました。初日は野田幹事長代理に行っていただいて檄を飛ばしていただいたわけですが、その後前原副代表など次々に党の有力な議員が入って、しっかり応援させていただいているところです。

国民新党そして社民党の推薦もいただき、態勢は整いましたので、若干出遅れているところはありますがこれから大いに頑張って、必ず勝ちたいと考えております。私も月曜日にまず現地入りをしたいと考えております。

■国道建設の凍結解除:税金の有効活用の視点で考えるべき。

【幹事長】3番目ですけれども、今日の朝刊などでずいぶん触れられましたが、国道の凍結された18路線。コストがベネフィットを上回るということで凍結された18路線について、そのうちの5路線、沖縄と愛媛、高知、その5路線が凍結解除ということが伝えられております。その他も同じようなことになるのではないかと言われています。

もちろん地元で様々な議論があるのはわかります。しかし、一定の基準に基づいてコストがベネフィットを上回るものについては見直すということがなければ、結局決まったものは全部やってしまう、あるいは決めるときに場合によってはコストが上回ってもやるということになりかねないわけで、これでは何のために国会で道路特定財源のときに散々議論したのかということになると思います。

それぞれ知事さんたちがいろいろと言われたということではありますが、これは結局国民の税金でやっていることで、税金をいかに有効に使っていくかという議論ですから、そういう大きな視点で是非考えていただきたい問題だと、簡単に解除されては困るというふうに思っております。

<質疑応答>

■西松事件初公判:党としてのコメントはない。検察側の主張が一方的に述べられた。

今後大久保氏自身の裁判の中で争われること。

【記者】西松の初公判関連で第三者委員会でも党と代表の立場を分けるべきとの指摘がありましたが、それをふまえた上で党としての受け止めと、与党側は小沢さん本人が説明責任を果たすべきとのことですが、そのあたりどのようにお考えかお聞かせ下さい。

【幹事長】基本的に党としてのコメントはありません。私も概要を見ましたけれども、検察側は一方的に様々な主張をしております。根拠は示されておりません。本来争われるべきは大久保秘書の裁判でのことですから、今回違う裁判で検察の主張が一方的に述べられたというだけですから、そのことについてコメントすることはありません。

【記者】当時の鳩山幹事長は大久保秘書は容疑を一切認めていないと断言して主張されていましたが、今日の検察側の中では大久保秘書の供述調書として西松からの献金だということが分かっていたと大久保さんが述べていると紹介していますが、この部分については当時の民主党としての認識と違いがあるように思うのですが、どのようにお考えでしょうか。

【幹事長】まず本来私は、そういった個別の案件について党としてコメントすべきことかどうかも疑問に思います。そのことは第三者委員会の報告の中でも述べられていたことだと思います。当時の状況は私はよく分かりません。どういう背景で、いまご紹介された鳩山幹事長の発言があったのかは、私自身事実関係をまったく知りませんのでコメントのしようがありません。必要があれば、それは大久保氏自身の裁判の中で争われていくことではないかと思います。

【記者】今日の裁判について、与党からはもっと説明を求めたいとの声が聞こえています。衆院選も近いということで大久保さんの公判もあると思いますが、衆院選に与える影響をどのように考えていますか。

【幹事長】衆院選に与える影響はないとは言えません。今回のことも根拠なくいろいろなことが述べられていて、私はそのことに対しては釈然としない感じもします。根拠が何か示されて述べられているのならともかく。そもそもこれは大久保氏の裁判でありませんから、そういう意味での限界があると思います。党としては今日の検察の主張が出たということは、選挙に影響がないかと言えばあると言わざるを得ないと思います。

【記者】検察の冒頭陳述の中で、小沢事務所が談合に関して「天の声」を出していたとの指摘もあります。代表代行という党幹部として残っている中で、説明責任について反論するなり何か果たされるべきではないかとのお考えはないでしょうか。

【幹事長】先ほどから申し上げておりますように、検察側の一方的な主張ですね。今回のことは。しかもそれが争われている裁判ではありません。本来この問題が取り扱われるべきは大久保秘書の裁判です。そういう中で一定の説明がされていくのではないかと思います。裁判を控えて今の段階でいろいろ言うということは、私は普通あり得ないことだと思います。

【記者】大久保氏の裁判になれば、その点は小沢さんも話されるべきだということでしょうか。

【幹事長】基本的に説明すべきはというか、裁判で争う当事者は大久保秘書ご本人です。ですからそこで足りないときに場合によってはそういうことはあるかもしれません。

■臓器移植法案:参議院でもなるべく早く審議に入り、十分な審議の上、採決することを望みたい

【記者】昨日衆議院を通過した臓器移植法案について、参議院での扱いをどうするかというのは野党第一党として参院で多数を握る党として考えなければならないことだと思いますが、幹事長は今の時点でどうお考えか。また党として早期解散を求めている立場からするとジレンマがあると思いますが、そのへんの絡みをどうお考えかお聞かせ下さい。

【幹事長】個々の法案があるからと言ったら解散を求めることができなくなりますから、これは切り離して考えるべきだと思います。いつ解散するかを決めるのは結局総理ですから、我々に決定権があるわけではないので、切り離して必要な審議はきちんと求めていく、そして一方で解散を求めるということは決して矛盾することではないと思います。

臓器移植法案は私も法律を作ったときに厚生委員会の野党側筆頭理事をしておりまして、その時も大変忙しい国会でありましたので厚生委員会には介護保険法案を作ったときの国会でしたので、介護保険法案をどうするか、それから健康保険法、本人の負担を1割から2割に上げるという非常に重要な法案がありましたので、臓器移植法案は次の国会にまわしたほうがいいのではないかとの意見がありました。確か150時間以上議論したと思いますが、戦後の委員会の歴史で予算委員会を除いてレコードになるような審議をやりまして、この難しい3つの法案を採決したという記憶があります。やはりいつまでも延ばすべきではないという思いで当時はさせていただきました。

それがまたもっと早期に見直しの論議があるべきであったのを、議論がなされないまま今日までまいりましたので、またWHOの議論なども予想される中で、できれば私はこの国会で決着を見たほうがいいと思います。もちろん参議院のほうに行っておりますので一方的に決め付けるわけにはいきませんが、なるべく早く審議に入って十分に審議をおこない採決を行うということを望みたいと考えています。

■事務次官が不祥事を棚に上げて公党の政策を批判することには違和感を持つ。

【記者】昨日の農水省の事務次官の定例会見で、民主党の農業政策について具体的でないとか適切でないとか話しましたが、それについて何かコメントがあればお願いします。

【幹事長】菅代行にイギリスの状況を聞かせてもらいましたが、イギリスではあんなことを言ったらクビですね、というかそういうことは認められていません。それは大臣あるいは副大臣などが記者会見をできるのであって、菅代行の説明では官僚には記者会見をおこなうことすら認められていない。

そういう観点からすると、どちらが変わっているのかわかりませんが、いずれにしても事務方のトップが公党の政策について意見を言われたわけです。私は今の日本の制度の中ではそういうことがあってもいいとは思いますが、その前に数々の不祥事についてきちんとすべきではないか、そういうことを棚に上げて公党の政策を批判することに私は違和感を持ちます。

【記者】選挙に向けてネクストキャビネット(NC)のメンバーを代える考え、あるいは連立政権を念頭においたNCというお考えはありますか。

【幹事長】これは私にお聞きになるのはちょっと違うかもしれません。鳩山代表に、つまりNCの総理ですから、お聞きになったほうがいいのではないかと。幹事長は閣僚ではないそうですので、私自身はまったく権限がございません。ちょっと残念に思ってはおりますが。

いずれにしてもそれはもう少し時間をかけて代表がお考えになることではないかと思います。私がコメントするのは適切ではないと思います。幹事長が閣僚をやらないほうがいいというのは私の持論でもありますので、菅代行が昨日そういう発言をしたからといって、私がショックを受けているわけではありません。(笑)

■マニフェスト:きちんとまとまってから報告する。

【記者】マニフェストについて、今日、実務者から報告を受けたかどうか、またもし受けていれば幹事長が主張されていたことがどの程度反映されていたのかお聞かせ下さい。

【幹事長】どこかの新聞にマニフェストの中身みたいなことが、私の知らないことがいろいろ書かれていましたが、途中経過をあまり言うべきではないと思います。きちんとまとまればご報告したいと思います。

■都議選:目標は第一党。

【記者】都議会議員選挙の民主党としての目標と候補者擁立の目標があればお聞かせ下さい。また一方で麻生総理は第一党を目標とするといい、それがかなわない場合責任をとるのではないかと、そしてまた総裁選ではないかという話も自民党内で出ていますが、こうした自民党内で5人目の総裁を選ぶのかどうかを含めてどのように見ているかお聞かせ下さい。

【幹事長】自民党内のことは私がコメントすべきことではないと思います。都議選で自民党がどうなるかということも予想の域を超えていませんからコメントは控えたいと思います。

わが党としては鳩山代表は第一党ということを言われたと思います。私も第一党をぜひ実現したいと考えています。簡単なことではないと思いますけれども。

候補者の擁立については都連会長の菅さん、あるいは都議選対策本部事務局長の鈴木寛さん(都連幹事長)にお願いしているので、あまり細かく言うつもりはありません。ただ、4人区以上のところで1人とか、そういうところにはもう1人立てる余地があるのではないかとか、そういう原則論を申し上げております。あとはそれぞれ選挙区の状況がありますので、細かく口を挟むのではなくて、菅さんも責任をもって自分がやるとおっしゃっておられましたので、信頼してお任せしているところです。

【記者】マニフェストに関連して幹事長として次期衆院選で何を柱にしたいと考えていらっしゃいますか。

【幹事長】それも出来上がってのお楽しみで、みんながいろいろ言っても仕方のないことです。きちんと議論してプライオリティをつけるわけですから、あまりそういうことを今の時点で言わないほうがいいと思います。

■郵便不正事件:理解に苦しむような事件で展開を注意深く見守っている。

【記者】郵便不正について先日現職の局長が逮捕され、かつての上司だった方が国会議員から要請されたとのことでそれが民主党の議員だったのではないかということが取り沙汰されていますが、この件について党として何か対応を考えているのかお聞かせ下さい。

【幹事長】これは党というより個人の問題だと基本的に考えています。週刊誌に対して抗議を申し入れたとも聞いています。それ以上のことは今とくに申し上げることはありません。私が見てもよく理解に苦しむような事件なので、今後どういう展開になるのか注意深く見守っているところです。偽造文書を官僚が作るのかどうか、そこは私には理解できないところです。そしていろいろな噂の段階で野党の議員がとか出ていることはきわめて遺憾に思います。何か具体的な根拠があってそういう話になっているのかあまりそれは示されていないのですから。




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