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2008.09.12|TALK-ABOUT [ブログ]

インドへの核技術輸出容認――政府は説明責任を果たさず


先日、インドに対する核技術の輸出について、原子力供給国グループ(NSG)総会が開かれ、基本的に認めるという結論を出しました。日本も賛成をしました。

このことについて、私はたびたび国会で取り上げ、懸念を表明してきました。政府はまだ態度を決めていないということで、説明責任を果たしてこなかったわけですが、突然、今回賛成するということになりました。


私は非常に大きな問題だと考えています。インドは核不拡散条約(NPT)にも入っていませんし、インド政府はインド国会で、もし、例えば核実験をすべきでないとか様々な条件を付けられるということであれば、インドはそれを認めないということを明言しているわけです。

しかし、にもかかわらず、今回承認をした。核実験をこれからインドが行うことについて、何の歯止めもないわけです。それで本当にいいのでしょうか。

そして、核不拡散条約に入っていないインドが、原子力の民生利用について技術協力を得られるということになると、じゃあ他の国はどうなんだということも当然問題になります。パキスタン、あるいは北朝鮮です。

特に日本にとって、北朝鮮の問題を抱えているなかで、インドの核開発がよくて、北朝鮮がダメだという論理は、いくらインドが民主主義国家であって、核の拡散、核技術の拡散について北朝鮮のようないろいろな国に核技術を流出させたことはない、そこは違うと言ってみたところで、北朝鮮からすれば、インドに認めたのに、どうして北朝鮮には厳しいのかという、少なくともそういう議論の余地を与えてしまうということです。

そういったことについて、日本政府が何も国民に対して、あるいは国会において説明をせずに、今回賛成に回ったことは極めて問題だと思います。

広島、長崎で総理は「核のない社会」ということを言われました。しかし、それは全くのお題目に聞こえてしまう。大変問題ある決定がなされたわけです。

こういったことも、これから国会で議論していかなければならない問題です。

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