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G7サミット―世界が結束を示す場に

 トランプ大統領が今月末に予定されていたG7サミットを9月に延期するとともに、ロシア、韓国、インド、オーストラリアが加わることを望んでいると発信しました。
 コロナ危機で、各国が渡航制限を行っている中でのワシントンでの今月開催は違和感がありました。また、G7以外の有力国も呼んで議論することは有益で、額面どおりに受け取れば全体的によい提案だと思います。ただし、私はG7サミットは民主主義国家のリーダーが集うことに意味があると考えているので、ロシアが正規のメンバーとなることには反対です。
 しかし、大統領選挙直前に、わざわざ中国を除いて開催することに危うさを感じます。既に米中対立は厳しくなっています。今回のサミットで中国に対して強く出ることとし、それを大統領選挙に利用する可能性が高いとみられるからです。
 確かに新型コロナウィルスや香港問題などサミットで議論すべき中国がらみのテーマがあります。しかし、中国を一方的に批判し、大統領選挙に政治利用されるためのサミットとなるのであれば、時間をかけて各国首脳が集まる必要があるとは思えません。そもそもコロナ危機はこれからが本番で、より脆弱なアフリカや南アメリカの国々への感染本格拡大が懸念され、また先進国も含めて今後予想される経済危機への対応も重要です。いま世界が望んでいるのは主要な国々が協調と結束を示すことであって、二大経済大国である中国と米国が対立する姿ではありません。
 そのことを肝に銘じて、関係国でサミットが意味のあるものとなるよう十分に調整すべきです。仮にトランプ大統領提案どおりのサミットになるのであれば、事前に日中首脳間で十分に協議し、サミットが一方的なものとならないようサミット参加国と中国の仲立ちをすることが日本の役割ではないかと思います。



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