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2009.06.26|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(09年6月26日)

岡田 克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年6月26日(金)

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090626okada_v300.asx
 56k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090626okada_v56.asx

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○参議院で可決した母子加算復活法案を衆議院でもしっかり議論すべき。
○政府の混乱は国民の不幸。解散するなら早く解散を。退陣も自由。
○委員会では政治改革関連法案の審議をすべき。政治資金の問題はまず議員が説明することから。
○解散時期・自民党内の混乱について今の状況ではコメントはしない。
○マニフェストで財源等については説明しやすい形にしたほうがよい。
○一般財源化で暫定税率の廃止は共通認識だが順序やタイミングを議論する必要がある。
○首長の動き:本当に分権をやるとの思いであれば同じ方向で進むことはできる。
○茨城県医師連盟の動き:医療現場への危機感の結果。
○首長の動き:グループとまではなっていない。マニフェスト発表は選挙時期が決まってから。
○総理の一貫性のなさを国民が見透かしている。西川社長自身は説明責任を果たすべき。

○新名神建設:地方の優先度がきちんと判断できる地方分権の形をつくるべき。
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■参議院で可決した母子加算復活法案を衆議院でもしっかり議論すべき

【幹事長】今日参議院の本会議で母子加算に関する法案が可決されました。これから衆議院で議論されることになりますが、是非つるさずにしっかりと議論してもらいたいと思います。参議院できちんと可決されたものが審議すらされないということはあり得ないことだと思いますので、関係委員会でしっかり議論されることを望みたいと思います。これは別に選挙目当てでやっているわけではありません。これだけ経済状況が厳しい中で弱い立場にある人たちに集中的にしわ寄せをしているということは許し難いことであると考えています。しっかりと議論していきたい問題だと考えております。

<質疑応答>

■政府の混乱は国民の不幸。解散するなら早く解散を。退陣も自由。

【記者】昨日、麻生首相が「解散はそう遠くない時期にあるだろう」と発言され、今日になってから週明けに人事があるのではないかとか、退陣要求をされたという話もありゴタゴタしていますが、これについていまの自民党内のことをどう見ているか。また解散時期をどのように見ているか。

【幹事長】非常に混乱している印象です。自民党内でいろいろと混乱することは関知しませんが、これは政府ですから、これだけいろいろな意見が出てきて方針も決まらない中で、政府として意思決定しなければいけない重要なことが、結局十分に吟味されないで先送りされているのではないかと。そのことは日本国民にとって大変不幸なことではないかと思います。解散するなら早く解散すべきだと思います。退陣されるのも自由です。

■委員会では政治改革関連法案の審議をすべき。政治資金の問題はまず議員が説明することから。

【記者】民主党提出の政治資金規正法改正案について、自民党は来週30日に政治倫理公選法改正特別委員会を開いて審議入りする方針を決めています。その中で鳩山代表の故人からの献金の問題とか西松建設からの問題などを追及する方針のようですが、民主党としてこの委員会審議に応じるのか。また与謝野大臣の迂回献金問題についてどのように追及していくのかをお聞かせ下さい。

【幹事長】与謝野大臣の問題は、まずは参議院で予算の集中審議の開催を求めていると聞いております。そこがひとつの議論の場になると思います。政治改革関連法案はわが党が提出したもので、これは是非審議をしたいと考えておりますが、それを奇貨としてさまざまな別の使い方をするとなると、これは本来、法案の審議すべき委員会が異なることに使われるということになりますので、決して好ましいことではないと思います。
鳩山代表の問題も含めて、それぞれの議員がまずきちんと説明するところから物事は始まるんだと思っています。鳩山代表も時期を見てみずから説明するということは再三おっしゃっておられるわけです。与謝野大臣その他についてもぜひ自らきちんと説明してもらいたいものだと思っています。

■解散時期・自民党内の混乱について今の状況ではコメントはしない。

【記者】今日の参議院の議員総会でもおっしゃっていましたが、解散総選挙の時期をどう見ているか、その前に自民党内では内閣改造や役員人事をするといういわば眼くらましの手法をとることについてどう思われるか。

【幹事長】いつ解散するのか、解散に先立って内閣改造や役員人事をやるといってもそれは解散直前の話なのか、それとも解散はもう少し先だけどとりあえずしのぐということなのかよく分からない。そういう状況であまりコメントしないほうがいいと思います。言えることは非常に混乱していると。そして選挙に向けて現体制のままでは戦えないという認識を持って部分的な入れ替えで済ませるのか、それとも頭も含めて全体を変えるのかという議論が自民党の中でおこなわれているということだと思います。それ以上コメントすることはとくにありません。

■マニフェストで財源等についてより説明しやすい形にしたほうがよい。

【記者】マニフェストに関して、財源が昨年の秋に示した額よりも圧縮されるという一部報道があり、幹事長ご自身も先週のテレビ番組で若干圧縮があるとの発言がありましたが、これは現実路線に転換されるのかという見方もできると思うが、この方針転換は幹事長が財言論を強く主張されてきたこだわりが反映されたものなのでしょうか。

【幹事長】私がそういったことを述べていることは事実です。それは代表選挙の中でも申し上げましたし、幹事長になってからも申し上げております。もちろんそれは私だけが言っているわけではなくて、この際財源その他についてより説明しやすい形にしたほうがいいと思っている方がかなりいるのだと思っています。

■一般財源化で暫定税率の廃止は共通認識だが順序とタイミングを議論する必要がある。

【記者】財源論に関連して、マニフェストに暫定税率の廃止について先送りとの報道がされている。幹事長はかねてから環境のほうに振り向けることも大切だと言われていますが、その兼ね合いについてどのように考えていらっしゃいますか。

【幹事長】まずいろいろな報道がありますけれど、ずいぶん古いものとか、中には新しいものとか、いろいろ出ております。そういうものは記者の皆さんの努力の結果なのでしょうが、これだけ出ることはあまり望ましくないと幹事長としては思っています。まだ議論の途中ですからね。
 そういう中で今日、党税調でも暫定税率の議論がされたということは聞いております。暫定税率は、従来党が主張していたように来年度からやったほうがいいのではないかという声が強かったことも、先ほど藤井さん(藤井裕久税調会長)とも話をしてだいたい状況は把握しています。藤井さんとも話をしましたが、私が思っておりますのは、まず暫定税率の廃止は論理的な帰結であって動かないということです。特定財源として道路を作るということのために置かれた暫定税率でありますので、それが一般財源化されるということであればその部分は廃止されるのが筋というふうに考えております。そこは共通の認識です。
 ただそれをどういうタイミングでおこなうのかということについては、やはり2兆5千億ぐらいあったと思いますが、かなり大きいので財源との見合いということも出てきます。1年2年ぐらいのことなら埋蔵金を食いつぶしてやるというのも、ひとつの説明かもしれませんが、もう少し恒常的なそれに見合う財源というものを見つけ出して廃止していくということも考え方ではないかと私は思っております。この点なお党内で議論したいと思っております。
 私も自分の意見に固執しているわけではありませんが、率直に申し上げて、すべてを初年度からやるというのはなかなか難しいという中で、どういうふうに順序をつけていくのかということでいま真剣に党内で議論しているということであります。暫定税率やこども手当て、あるいは高速道路無料化についてもそれぞれみんな思い入れがあって、自分のところをまず優先的にやるべきだという声があるのは事実で、それらは最終的には党として交通整理しなければいけないと考えております。やらないと言っているわけではありません。

■首長の動き:本当に分権をやるとの思いであれば同じ方向で進むことはできる。

【記者】今週、地方の首長、とくに東国原知事、橋本知事、中田市長と、それぞれが地方分権、あるいは地方主権をテーマに今後の中央政界に切り込んでいくというと言う話があり、新党の可能性まで示唆しています。民主党としては今までも地方分権に関しては会も開き、方針を示した段階で大阪の橋本知事は最初の段階では民主党の案を絶賛していましたが、突然批判の対象になったり、また今は民主党案がいいのでそれを越える案を自公に出して欲しいなどと言っています。こういった流れを幹事長としてどう見ているか。今後こういったグループに対して民主党としてはどのようにアプローチしていくか。

【幹事長】いろいろな首長の皆さん、知事や市長、町長の皆さんが地方分権を推進するために様々な提言をしていただいていることは本当にありがたいことだと思います。地方分権を進めていかなければいけないということは、民主党の本当に大きな政策の柱でありますので、その意味で方向性が一致しているわけです。小泉改革の三位一体改革はまったくの看板倒れに終わり、地方にとっては権限も財源も来ないと。金だけ削られるという悲惨な状況に陥ったことは皆さんもご案内のとおりです。ああいういい加減な分権論ではなくて、権限と財源をしっかりと地方に移していくという本当の意味での分権をやらなければいけないというのは民主党の一貫した主張であります。
 いろいろな首長のみなさんが言っているのは、いまグループとおっしゃいましたが、個人個人なのかまとまって同じことを言っておられるのかというと、私はまだ意見もそれぞれ違うような気がするんですね。これからそれがひとつの動きになっていくのかどうかということも、よく注視したいと思います。
 ただ方向性が一緒であれば協力できる部分が多いのではないかと。本当に分権をやるということで言っておられるのであればですね。ただ中には政策が大事だといいながら、民主党になれば民主党のファシズムになってしまうというような言い方をされた方もいました。いろいろな思いで皆さん言っておられると思うので、本当に分権をしっかりとやっていきたいという思いで言われているのであれば、それは民主党と方向性は同じですから明示的に協力するかどうかは別にして同じ方向で進むことはできるのではないかと思っています。

■茨城県医師連盟の動き:医療現場への危機感の結果。

【記者】茨城県医師連盟で昨日、1256人が自民党を集団で離党すると正式に発表しました。これはもともと原中会長が衆院選に限らず知事選も含めてのようだが、自民党茨城県連から除名も含めた上での離党を言われて10名の離党を決めて賛同者を募ることでこういうことになった。茨城県は全国で唯一、茨城1区から7区まですべて民主党に推薦を出している。幹事長は先日、水戸に行かれ、原中会長とも会ったとのことですが、この茨城での動きについてどう思われるか。

【幹事長】原中さんとは過去2回お会いして話をしています。そのうちの1回がこの前の日曜日です。非常に立派な方で学者としても実績があり医師としても実績のある方です。医療にかける思いがお話をしていると強く伝わってきます。その原中さんが民主党だということで旗を挙げられ、非常に珍しいことだと思いますが、本来自民党を支持してきた医師会所属の政治連盟の方々がほとんどそれに同調して自民党から離党されたということです。それは私たちは当事者でないのでわかりませんが、やはり今の医療の現場の状況に対して、現場のお医者さんたちが危機感を持っておられるという結果ではないかと思っています。

■首長の動き:グループとまではなっていない。マニフェスト発表は選挙時期が決まってから。

【記者】マニフェストについて、来週にも解散ではないかとの話が出ている中で最終的にいつごろ決めるのでしょうか。橋本知事などのグループについて、民主党に対してはどのような影響があるか教えて下さい。

【幹事長】まだグループというところまではいっていないように思います。それぞれの市長さんや知事さんの言い方もかなり違います。東国原さんのように自民党でほぼ旗を揚げておられる方もいます。出るかどうかは別として政策の中身如何にかかわらず自民党という方もいますので、私は少し動きを見守りたいと思います。ただ先ほど申し上げましたように、分権を熱心に推進しているのはどこかという純粋に政策問題で考えるなら民主党以外に答えはないはずだと私は自負しています。
 マニフェストをいつ作るかということは言えません。選挙に合わせて作成を急いでおりますが、選挙の時期ははっきり決まっていません。もし時間ができれば、さらに中身をいいものにしたい、そのための時間ができるわけですので、現時点でいつできあがるということを言うつもりはありません。むしろ解散とか投票日から逆算していつごろという感じになると思います。いつできると言ったら皆さん血眼で原稿を探すでしょう(笑)。ですからそういうこともあってぼかしておきたいと思います。

■総理の一貫性のなさを国民が見透かしている。西川社長自身は説明責任を果たすべき。

【記者】来週月曜日29日には、日本郵政をめぐって株主総会がおこなわれるが、改めてこの問題についてどう追及していくか。また社民党からは続投を容認した佐藤総務大臣の不信任決議案の提出を求める意見も出ていますが、それについてどうお考えでしょうか。

【幹事長】社民党とはそういう話は具体的にしておりません。幹事長レベルでもそういう話は出ていませんのでコメントは控えたいと思います。 国はただひとりの株主でもあるわけで、総理が一時言っていた民間の会社に介入するのはいかがかというのはまったく理解できない発言です。そもそも総理自身が介入しようとしていたのではないかとも思われるわけです。そのへんの一貫性のなさというのは総理のブレとして国民から見透かされているのだと思います。西川社長自身の問題は、きちんと説明責任を果たしてもらいたいと思います。かんぽの宿はじめ様々なことについて、我々も国会の場でも来ていただいて説明を求めたいと考えております。そういうものがなかなか開かれない中で、野党で集会も開くということになったわけですけれども、今我々の立場で即辞めろというところまで私は言うつもりはありません。様々な問題についてきちんと説明していただいて納得がいかなければ辞めていただくべきと考えています。

■新名神建設:地方の優先度がきちんと判断できる地方分権の形をつくるべき。

【記者】今日、新名神推進の地元団体の方が要望に来られたと思いますが、どのようなお話をされたのかお聞かせ下さい。

【幹事長】いろいろお話しました。私は元々新名神については熱心でないと言われています。確かに、私だけが地元の国会議員士の中では顧問になっていません。新名神の建設を急いでもらいたい、あるいは三重県のその他の道路についても、とくに北西地域についてなど、様々なお話をいただきました。私からはそういったお話をお聞きするとともに、私の選挙区だけを見ても優先度の低い道路が優先度の高い道路よりも早く作られたり様々な問題もありますねと。そういう意味で高速道路と地方高規格道路と港湾予算で作られている道路と、それぞれ国土交通省の中でも決定する場所が違うことで優先度がきちんと判断ができなくなっている、基本的にはもっと地方に権限を移して地方の判断が生きるような形を作っていくべきではないかというお話をさせていただきました。

【記者】今朝、マイケル・ジャクソンさんが死去されたとの報道で、このことは世界でも衝撃をもって迎えられていますが幹事長の受け止めをお願いします。

【幹事長】コメントは難しいですね。私は歌、とくに英語の歌には関心がないので。




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