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2009.07.03|記者会見

民主党幹事長としての定例記者会見(09年7月3日)

岡田 克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年7月3日(金)

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090703okada_v300.asx
 56k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090703okada_v56.asx

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○都議選:民主党が第一党、自公の過半数割れという目標に向かってしっかりと頑張りたい
○町村発言:天皇陛下を語って解散権を封じようということは厳に慎むべきこと。
○鳩山さんの問題:与党が選挙に利用しようする意図はみえみえ。基本的に記者会見で尽きている。
○政治資金規正法改正案:与党は議論したくないから今日のやり方をしている。
○個人献金の占める割合は政治資金収支報告書でもともと分かっていること。
○選挙への影響を大きくしようという与党に左右されないようにしっかりと都議選を戦う。
○水俣病被害者救済法の衆院通過:非常に良かった。今国会での成立を期待する。
○内閣不信任決議案:軽々に論ずるべきではないが、やるときにはきちっとやる。
○年金改革:今の制度は持続可能ではないとの前提で新しい制度を提案している。
○地方分権:大事なことは住民にもっとも近いところに権限・財源を移すこと。地方がまず決めるべき。
○東国原知事発言:ほぼ論評に値しない。
○匿名献金に関する鳩山さんの説明:5万円以下は公開しないことになっている。説明に納得している。
○鳩山由紀夫を告発する会:代表者の名前すら明らかでなくきわめて無責任。特定の意図を感じる。
○与野党の参考人招致:国会という公の場を使って党利党略で行うことは趣味に合わない。
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■都議選:民主党が第一党、自公の過半数割れという目標に向かってしっかりと頑張りたい。

【幹事長】今日から都議選が始まりました。鳩山代表は築地で第一声を上げ、菅さ
ん、私、それぞれ手分けして激戦区と言われるところに行かせていただきました。こ
れから投票日に向かって我々の目標はとにかく民主党が第一党になる、そして自公合
わせての過半数割れを起こすという目標に向かってしっかりと頑張っていきたいと
思っております。私も今日以降、今日はこれから静岡に行きますが、時間と機会を見
てなるべく都議選の応援にまわりたいと考えております。

■町村発言:天皇陛下を語って解散権を封じようということは厳に慎むべきこと。

【幹事長】もう一点。昨日、大変気になる発言を町村元官房長官がされました。それ
は「海外で公務に励んでおられる陛下が国内のことで心配されるようなことがあって
はならない。」ということで、陛下が帰国される17日までは解散すべきでないという
ことを言われたということです。制度上もちろん陛下が国内におられないときに皇太
子がそれに代わって代行できるということは明らかです。別に私は麻生総理を庇うわ
けではありません。しかしこういう発言は、ある意味での天皇の政治利用、解散権を
行使するということについて陛下ご不在に名を借りて制限しようとするという動きは
見逃すべきではないと思います。天皇陛下に語って解散権を封じようとする。これは
自民党の中での話なので余計ややこしいのですが、そういったことは厳に慎むべきこ
とだと思っております。

<質疑応答>

■鳩山さんの問題:与党が選挙に利用しようする意図はみえみえ。基本的に記者会見で尽きている。

【記者】鳩山代表の政治資金に関する問題について、今日は倫選特で単独で審議がお
こなわれたほか、閣僚からも相次いで批判が出ています。これに対する幹事長の見解
と認識をお聞かせ下さい。

【幹事長】倫選特に関しては基本的に国対で判断することとしております。ただ見ておりまし
て、これみよがしに一人で質問している姿は異様ですし、都議選が始まり総選挙も近
いという中でいかにもこの問題をそれに利用しようとする、溺れるものは藁にもすが
るではありませんが、とにかくこのことをことさらに大きく取り上げようという意図
が見え見えであります。ここまで与党のプライドが落ちたかなというふうに思いま
す。

鳩山さんの問題については先般記者会見を開き、鳩山さんご自身と弁護士がメディア
の質問にお応えしたところであります。私はそのときにその話を聞ききまして納得を
しております。先ほどもいいましたように、こういう時期ですからあげつらおうとし
て、いろいろな意見が出てくることは分かりますけれども、基本的にはあの記者会見
で私は尽きていると考えています。

■政治資金規正法改正案:与党は議論したくないから今日のやり方をしている。

【記者】民主党の出している政治資金規正法の審議ができないという状態だが、来週
以降出席して審議をしていきたいというお考えがあるのか。また与党側の求める参考
人招致についてどのように対応するのでしょうか。

【幹事長】絡みません、基本的に関係ない話です。そして我々が出している政治資金
規正法改正案についてきちんと議論するということであれば、いつでも出て行って審
議をすべきだと、それだけの用意はあると考えています。問題は本当にそういうこと
で審議をする気があるのか、むしろ政治資金法改正案について議論をしたくないから
今日のようなやり方をしているというふうに私は思っています。

■個人献金の占める割合は政治資金収支報告書でもともと分かっていること。

【記者】30日の代表の会見では秘書の動機について、個人献金があまりにも少なかっ
たのでそれが分かると大変だと思ったのだろうとの趣旨の説明をされていましたが、
その後個人献金が突出して高いということが分かってきています。弁護士も匿名献金
については調査がまだなので続けると会見でおっしゃっていたかと思いますが、その
段階で代表も幹事長も説明責任を尽くしたとのことだが、その後新たに分かってきて
いる点についての説明責任というのはどのようにお考えでしょうか。

【幹事長】個人献金がどの程度のウェイトをしめるのかということは、その後わかっ
たことではなくて、もともと政治資金収支報告書でわかっていることだと思います。

■選挙への影響を大きくしようという与党に左右されないようにしっかりと都議選を戦う。

【記者】鳩山代表の今回の政治資金をめぐる問題に関して、今日スタートした都議選
への影響はどのようにご覧になっていますか。

【幹事長】影響を大きくしようとして与党が国会という公の場を使って様々やってい
るということであります。そういったことに左右されないようにしっかりと都議選を
戦っていきたいと思います。

■水俣病被害者救済法の衆院通過:非常に良かった。今国会での成立を期待する。

【記者】水俣病救済法が今日衆議院を通過しましたが、幹事長のご所見をお聞かせ下
さい。

【幹事長】与野党でかなり厳しい議論をおこなって合意に達したわけです。私は非常
に良かったと思います。この国会での成立をぜひ期待したいと考えています。

■内閣不信任決議案:軽々に論ずるべきではないが、やるときにはきちっとやる。

【記者】先日の野党3党党首会談の話で、社民党と国民新党から麻生内閣不信任決議
案を出すべきだという声が上がったと聞いていますが、この件についての現時点での
幹事長の見解をお聞かせ下さい。

【幹事長】何度かいろいろな表現を使って申し上げていますが、不信任案提出とかそ
ういった問題は非常に重要な問題ですから軽々に論ずるべきではない。やるときには
きちっとやります。

■年金改革:今の制度は持続可能ではないとの前提で新しい制度を提案している。

【記者】マニフェストでの年金の位置付けについて聞きたい。先の参院選では、小沢
前代表が最低補償部分について、所得制限など具体的な年収の数字を上げながら言及
されていました。今回のマニフェストでは具体的なデータを盛り込んだ制度設計を示
される予定はあるのでしょうか。

【幹事長】マニフェストそのものにはそういった細かい数字は出てきません。いろい
ろそういった具体的な数字の議論になりがちですけれども、基本的には制度設計とし
てどうなのかというところがまずきちんと議論されるべきだと思います。我々は少子
高齢化の中で働く世代の割合が小さくなっていく中で持続可能な年金制度を作りた
い、そのためにどうすればいいかということで税方式の最低保障年金と払った年金に
応じて支払い額が決まる所得比例年金という制度設計を提案しているということであ
ります。具体的には払った額で年金の支払い額が決まるわけですから、ある意味では
かなり幅のある議論だと思います。どれだけ税金を入れるかということ、それによっ
て最低保障年金の形は変わってくるわけです。あまりそういうことにとらわれずに、
我々は今の制度は持続可能ではないという前提で、そういう新しい制度を提案してい
る。舛添さんも民主党の案について金持ち優遇みたいな話も言われたようですが、基
本的には今の制度で持続可能だと思っていると思います。ここのところが最大の論点
です。

■地方分権:大事なことは住民にもっとも近いところに権限・財源を移すこと。地方がまず決めるべき。

【記者】地方分権について東国原知事や橋本知事に注目が集まり、また道州制にも注
目が集まっているが、民主党としては国と地方自治体の二層性というのを主張してい
て小沢代表の時代には300の自治体にまとめるというマニフェストを掲げていました
が、民主党として道州制についてどういうお考えか。また300自治体にまとめるとい
う案については継承されるのでしょうか。

【幹事長】300という数字はマニフェストには出てまいりません。これは将来の目標
として掲げたこともありますけれども、ひとつはマニフェストとは基本的には4年間
の計画ですから、4年間に300に向けて何かをするということではありません。しかも
強制はできないわけですから、そういう意味で目標数値を掲げること自体が適当では
ないと考えているところです。したがってマニフェストには数字は出てまいりませ
ん。

 道州制の話がありましたが、二層性と道州制というのは比較すべき話ではなくて、ま

ず都道府県というものを残すのかそれを道州にするのかという話だと思います。民主
党は二層性的な考え方をマニフェストで言ってはおりますけれども、都道府県をすぐ
に全部なくしてしまえということを言っているわけではありません。基本的に二層性
という大きな方向性は持っていますけれども、そのことに必ずしも固執しているわけ
ではないし、4年間で都道府県がなくなってしまうということはまったくあり得ない
わけであります。 

 そこで道州制と現在の都道府県制とどちらが望ましいと考えているかということです

が、我々は基礎自治体がもっとも重要であると。それは別に二層性という意味で言っ
ているわけではありません。市町村になるべく権限と財源を移すべきであると。住民
に一番近いところにある基礎自治体、市町村が重要であるという観点に立って、基礎
自治体ができないことは中二階であれば、県であれ州であれ、そこがやると。それで
もできないところを国がやると。これはEUでいう補完性の原理ですけれども、そうい
う考え方に立って、あくまでも住民本意の地方分権を考えているわけです。

 ところが道州制の中には国が上から道州制を論ずるという傾向があるわけです。結局

国の権限の一部を州に持っていくと。これだけでは住民から見れば、結局州であれ国
であれ住民から遠くにさまざまな権限が集積しているということでほとんど意味のな
いことです。大事なことはやはり多くの権限、財源を住民のもっとも近いところに移
すということであります。我々はそこのところをまず強調すべきだと考えているわけ
です。

 しかし一方で我々はすべての市町村を強制的に合併するなどとは思っておりません
が、望ましい姿としては、ある程度、権限、財源を集積するためにもある程度の規模
はいると考えています。例えば人口30万の市に権限財源を移し、政令市並の権限
を持たせると。こういうことになると、県の仕事はほとんどなくなると思います。
例えば今でも神奈川県は、横浜と川崎があって今度、相模原市が政令都市になる
とすると、残ったところは非常に割合としては小さくなってしまうわけで、県の機能
すべき範囲というのは非常に狭くなってしまうわけです。そういう中で都道府県が自
主的に合併してより大きなくくりにしようというのであれば、それは非常に結構なこ
とだと思います。国が必ずしも強制するものではなくて、自主的な都道府県の判断の
中で道州制に移行していくところが出てくるのは望ましいことだと思います。

ですから私がこの前テレビで橋本さんの道州制について申し上げたことは、橋本知事
が他の近県の知事とともに、こういう形の近畿州を作りたいということで話がしっか
りまとまるのであれば、それはおおいに歓迎だし、おおいに支援したいと考えている
ところです。あくまで国が決めるのではなくて地方がまず決めるという考え方でいま
す。

■東国原知事発言:ほぼ論評に値しない。

【記者】東国原知事についてマニフェストを一言一句自民党にのんで欲しいと言った
り、今日はちょっとそれは間引いてもいいというような発言をされたりと報じられて
いますが、こういった知事の発言についてどのようにお感じになっているかお聞かせ
下さい。

【幹事長】宮崎県の知事なので失礼があってはいけませんが、私はほぼ論評に値しな
いと思います。メディアがあれだけ取り上げるのが不思議です。

■透明献金に関する鳩山さんの説明:5万円以下は公開しないことになっている。説明に納得している。

【記者】先ほどの鳩山代表の件で、匿名献金の部分も含めて30日の会見の説明で幹事
長は納得しているという認識でよろしいでしょうか。

【幹事長】匿名献金の部分というのは、政治資金収支報告上は5万円以下は公開しな
い、する必要がないということになっています。そういう前提の上で私は納得しまし
た。

■鳩山由紀夫を告発する会:代表者の名前すら明らかでなくきわめて無責任。特定の意図を感じる。

【記者】鳩山代表の個人献金の問題について、任意団体が東京地検に告発状を提出し
たようだが、それに対する受け止めをお聞かせ下さい。

【幹事長】「鳩山由紀夫を告発する会」ですね。この代表者のお名前はご存知です
か。代表者の名前すら明らかにしないでメディアにこういう案内状を送ること自身が
私はきわめて無責任であるし、特定の意図を持っていると言われても仕方がないと思
います。告発の中身は鳩山さんが記者会見で述べられたことそのものであって目新し
ことはありません。何か新しいことがあって告発しているという印象を与えようとし
ているとは受け止めますが、私は意味のあることではないと。特定の意図が感じられ
るペーパーだと思っています。一生懸命この問題を大きくしようと意図している方が
どこかにおられるのだろうと思います。

■与野党の参考人招致:国会という公の場を使って党利党略で行うことは趣味に合わない。

【記者】与党側が求める鳩山代表の参考人招致への対応と、向こうは与謝野大臣やい
ろいろな問題がありますが、与党側がそういったことを言った場合にこちらも参議院
側で他のことも検討することもできますが、それについてはどうお考えでしょうか。

【幹事長】それはひとつの考え方ですが、しかしいま国会で述べなければならないよ
うな事態だとは、私は思いません。しかも鳩山さんは記者会見まで開いてこと細かく
話しています。いまおっしゃった与謝野大臣がそういうことをしたとは聞いたことが
ありません。わざわざそのために記者会見を開いてお話になったということはないと
思います。まずそれをおこなうのが普通だと思います。あまり選挙が近いからといっ
てお互いが国会という公の場を使って党利党略に基づいて様々なことをやることは、
私はあまり趣味に合わないと申し上げておきます。




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