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幹部検察官定年延長―残された二つの課題

 検察庁法改正案の採決先送りが決まり、また黒川検事長も辞任となりました。しかし、これで問題が解決したわけでは全くなく、二つの課題解決に全力であたらなければなりません。

 まず第一に、幹部検察官に対する定年延長の特例規定を確実に削除することです。この規定は国会審議でも強く批判されました。検察OBも指摘するように検察権行使に政治的な影響が及ぶこと、検察の独立性・政治的中立性が損なわれることに懸念せざるを得ないものです。安倍総理はこれらの指摘に全くこたえることなく、検察も行政の一部であり内閣の人事権が及ぶ以上問題ないと考えているようです。しかし、内閣法制局長官に外務省OBを採用することで、集団的自衛権に対する政府解釈を大きく変えた安倍さんです。検事総長等に対する人事権を制約なく行使できることになれば、その影響ははかり知れないものがあります。三権分立の基本が大きく揺らぐことになります。戦前国家権力による迫害に苦しんだ経験を持つ日本です。安倍総理の考えは、歴史に対する認識が浅いかそれとも確信犯か。いずれにせよ認める訳には絶対いきません。

 第二に、黒川氏が辞任しても検察庁法の解釈をかってに、しかも例えば決裁文書もないままに極めて不透明なやり方で変え、定年延長を決めたことを放置するわけにはいきません。そのようなことが繰り返されないために、プロセスの検証を第三者によってしっかりと行うことと、検察官には国家公務員法上の裁量による定年延長が適用されないことを明記すべきです。

 今回多様でかつ強力な国民の声があって、検察庁法の改正が先送りされました。しかし、新型コロナウィルスへの対応をめぐって、内閣支持率が低下していることがなければ改正は強行されたと私は思っています。黒川氏のマージャンも取材を受けたことを事前に関係者が知って、改正先送りの原因となった可能性があります。
 油断はできません。安倍総理も菅官房長官も今回の改正案に問題があるとは全く考えていないのです。検察庁法上の幹部検察官に対する特例規定削除と、国公法の裁量による定年延長規定を適用しないことの明記を実現しなければなりません。皆様の更なるご協力をお願いします。




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