歴史的緊急事態の指定―重要会議の議事録を残す事の大切さ
国会では、新型コロナウイルス感染症への政府の対応に関し、公文書管理法上の「歴史的緊急事態」に該当するか否かが問題となっています。北村公文書担当大臣は、「事案の推移を注視しつつ、社会への影響や国家としての教訓が明らかになった段階で判断する」と先送りの珍答弁を繰り返しています。国家としての教訓を残すために設けられた制度なのです。内容を理解しないまま、官僚作成答弁を棒読みしているだけだと思われます。
平成24年1月、前年の東日本大震災への対応をめぐる政府の意思決定について、重要な会議の記録が不十分にしか残されていないことが判明。副総理であった私は公文書管理担当を兼務していたことから対応を迫られました。関係官庁を徹底調査させ、残されたメモや資料、ヒアリングなどにより議事録・議事要旨を復活・作成させました。
その際、再発防止について専門家(=公文書管理委員会)に議論していただきました。得られた結論が「歴史的緊急事態において、政府は現在・将来の国民に説明する責任があるとの観点から意思決定及び経緯についての記録を作成・保存すべき」というものでした。この結論に基づき、行政文書の管理に関するガイドラインを改正し、意思決定を行う会議における発言者及び発言内容等を記録した議事録又は議事概要を作成すべきと決定しました。平時と比べて文書作成の、より強い責任を負わせたのです。
既に突然の学校臨時休校要請など、どこでどのように議論され結論が出されたのかはっきりしない政府の決定がなされています。感染症対策本部だけでなく、そこに至る関係閣僚や事務方の会議も含めて誰が何を述べ、どう決まったのかが明確でなければ、政府の対応の検証も将来への教訓も得ることはできません。
これだけの重要な事態にあって、文書を残すことの決定を先送りしようとしている安倍政権からは、責任を持って決定し後世の検証を甘んじで受けるという姿勢は感じることができません。文書にまとめることに手間がかかるというのであれば、まずすべての会議を録音することを約束すべきです。
