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大学入試改革─世論と国会審議が政府を動かす

いま国会で問題となっているのが、2021年実施を目指している大学入試の記述式導入です。50万人以上の受験者の答案を、アルバイトを含む1万人の採点者が、一定の基準に基づき採点するというのですが、とても公平な採点が可能とは思えません。

他方で公平性をより重んじて、採点基準に基づく客観的な採点が可能な仕組みを作ろうとすればするほど、学生にとっては定型的な文章作成テクニックが必要となり、本来記述式導入の目的であった自由な表現力、思考力とはかけ離れたものになります。

こういった根本的なジレンマを乗り越えられない以上、大学入試共通テストでの記述式導入は先送りすべきです。必要があれば、それぞれの大学が自らの判断で記述式の入試を取り入れればよいのです。

そして、高校生の不安を取り除くためにも、記述式導入先送り決定を今国会で早急に行うことが求められています。

記述式導入と並ぶ大学入試改革の目玉、英語民間試験の導入は、5年間先送りされることがすでに決まっています。英語の能力をより幅広く問うという考え方は賛成ですが、民間試験活用先にありきで、地域格差や経済格差に対する配慮が極めて不十分なままの導入はあり得ないことです。

いままで、教育現場や当事者である高校生の指摘がありながら、文部科学省がここまで導入を強行しようとしてきたことは驚きですが、遅ればせながらとはいえ、中止になったことを歓迎しています。

政府の検討不十分なままでのこれらの大学入試改革案に対して、受験者である高校生を含む当事者の声を背景に、野党が国会でしっかりとした議論を行ってきました。

どうせ何も変わらないという政治に対する諦めの声もよく聞かれますが、今回の大学入試改革の見直しは、当事者が声を挙げれば変えることができることの具体例です。多くの高校生が声を挙げてくれました。今回のことが、若い人々の間で政治に対する関心が高まるきっかけになることを期待しています。




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