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カジノ法案─これで賭博罪の例外を認めれば、立法府として禍根を残す

カジノを一部解禁する、いわゆる「IR法案」が、私の所属する衆議院内閣委員会で、我が党が了解をしないまま一方的に審議入りし、今日、自民党と維新の会の賛成で可決されました。とんでもないことだと思います。

十分に時間をかけて議論すべきものであるにもかかわらず、与野党合意のないなか、わずか6時間の審議で強行採決です。議員立法をこのようなやり方で可決させることは、私の知る限り今までにないことです。いろいろと経緯のあるものを、これだけ数の力で押し切っていくということを強く懸念するものです。

しかも、法案の中身は極めて問題のあるものだと思っています。

本来であれば、カジノは刑法の「賭博罪」に該当します。懲役刑です。その賭博罪にあたらない、つまり違法性が阻却(そきゃく)されるということが、どういう中身で違法性が阻却されることが可能になるのかということの議論が全くなされていません。

今までの政府の説明では、公営ギャンブルを合法化することについて、具体的な条件を例示しています。例えば、実施主体が国や地方公共団体であるのが、カジノの場合は民間業者ということになります。

払戻金(賭け金のうち当てた人に還元するお金)も、競馬で75%、宝くじは50%となっており、残りの収益は公益目的で使うことになっていますが、カジノの場合はそういうことはあり得ません。わずかのお金を国や地方自治体に納付することがあったとしても、それはせいぜい数%にとどまると思います。そうでなければ、他国のカジノと競争できないということになります。

どうやって違法性を阻却するだけの公益性を担保するか、その本質的な議論もないまま、つまり、違法ではないカジノがあり得るということについて、法案の中に何の担保もせずに、中身の詰めを政府に丸投げしたまま、カジノ法案を出すというのは、極めておかしな話だと思います。

この程度の安易さで、賭博罪という、刑法の中に規定された重大な犯罪の例外を認めてしまうというのは、立法府として大きな禍根を残すことになる。しかも、その手続きが極めて乱暴というのは、安倍内閣が法治主義というものを全く顧みない内閣であると、そう言われても仕方のないことだと思います。安倍内閣のおごりが生んだ強硬策としか考えられません。



コメント
  1. siges より:

    この倫理性を無視した法案をこんな形で通す……この方向は亡国につながります。安倍政権打倒!! です。民進党頑張ってください。

  2. 楠本 雄二 より:

    本当に自公政権は3分の2を盾に、無茶苦茶な法案を強行採決しております。
    1、TPP法案
      アメリカ次期大統領のトランプ氏が反対と明言しているのに、強行採決する。TPPはまだ十分議論されておりませ ん。特に地方の農業者は、高齢化や後継者不足でTPPが、発行されたら農家を止める人が増加すると思います。

    2、年金カット法案
      この法案も我々年金受給者は、殆どの人が中身を知りません。知っている人は政治家か、ほんのわずかの国民です。パソコンを持っている私たちは、野党の皆さん(民進党)が詳しくUチユーブで、話されておられますので、大体知っております。
    3、カジノ法案
      この法案は、読売新聞の社説でも(人の不幸を踏み台にするのか)と言って批判しております。
    岡田先生大半の国民は、阿部総理に怒っています。強行採決は一度もしないし、したことがないと言っておきながら、強行採決しております。阿部暴走を止めるのは選挙がゆういつです。野党統一して衆院選を戦って下さい。問題は共産党とどれだけ歩み寄れるかです。新潟知事選の様に野党(民進、共産、自由、社民+市民)で衆院選を戦ったら自公に勝てると思います。岡田先生小選挙区でも野党1本化を早急にし、政権を取って頂きたいです。民進党にもう一度政権を
    取らせたい一国民です。

  3. 楠本 雄二 より:

     カジノ法案は読売新聞の社説でも(人の不幸を踏み台にするのか)と言っております。 カジノ法案は、まだ十分議論されていません。又I Rと言っても国民の大半は知りません。パチンコや競馬でさえ、負けてサラ金を借り財産をつぶす人があるのに、カジノまで許されたら生活が破産し、生活保護者が増えると思います。
     阿部総理は、強行採決はしないと明言しながら、Tpp法、年金カット法、カジノ法を強行採決しました。
    本当に暴走内閣です。岡田先生内閣を倒すのは、選挙です。衆院選も(野党+市民)で戦ったら、自公に勝つと思います。そしてもう一度政権を取りもどし、日本の世の中を住みやすくして下さい。

  4. 比賀江 克之 (小机山人) より:

    このところこのような自民党の横暴な議会運営が続いており心を痛めています。頑張ってください。

  5. 金井正之 より:

    参考になりました。

  6. タカハシです より:

    恐らく犯罪の温床になったりするでしょうから、反対です。
    もっと、住みやすいストレスフリーな社会を創造しましょう。

  7. おチヤル より:

    IR法案を修正可決したのは、なぜでしょうか?  どんなんことがあろうとも、反対を貫いてほしかったです。
    過去には、近くに競輪場があることで敗者によると思われる窃盗があり治安が悪い状態がありました。
    IR法案はそれ以上の犯罪を生むかもしれません、人間の心は弱く荒廃してゆくのが恐ろしいです。

  8. ハコちゃん より:

     党首としての岡田さんは、もう戻りませんか?
     現在の蓮舫さん率いる民進党路線では、ひ弱で力強さに欠けます。分かりにくい。
     対抗勢力として政権を担う姿勢をはっきりと打ち出してほしい。
     そうすれば、政権復帰への期待が強まり一層支持が増しやがて政権奪取できると思います。

     現政権の立法府・国会軽視は、ひどすぎます。
     「有識者」「専門家」「諮問委員会」など選挙民の意思を反映しない輩の意見を重んじすぎます。
     政権は、国会での議論を逃げ回り・回避ばかりしている。
     民進党はじめ野党とのまともな論議ができない。せめて互角にしないとだめです。

     過去の民主党ははるかに素晴らしい政権でした。マスコミ誘導にのせられ、自滅したのはとても残念ですが、
     再び同じ過ちを犯さぬようマニュフェスト厳守で頑張ってください。大いに期待しています。

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