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2015.08.04|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(7月31日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=SiNfPI7bOJM

岡田克也代表記者会見
2015年7月31日(金)15時00分~15時25分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。


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■冒頭発言
〇安保法制の参議院での議論について
〇参議院選挙制度改革について
〇韓国訪問の予定について(配布資料添付)
■質疑
〇韓国訪問の予定について
〇普天間基地移設問題について
〇TPP交渉について
〇《安保法政》磯崎総理補佐官の「法的安定性は関係ない」発言について
〇オリンピック・パラリンピック関連施設の建設問題について
〇東京電力旧経営陣に対する起訴議決について
〇《安保法制》安全保障関連法案の国会審議について
〇労働基準法改正案について
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■冒頭発言

〇安保法制の参議院での議論について

【代表】
 私から冒頭3点。
 一つは、安全保障法制の議論が参議院でスタートいたしました。委員会
で総括・集中と3日間行われたが、衆議院のさまざまな論点を整理した上
で、わかりやすい、いい議論が行われていると思います。
 ただ、総理の答弁は相変わらずで正面から答えることなく、時に脱線し、
関係のないことをお話しになる、これでは国民の理解は深まらない。もう国
民から見ると「わかってしまっている」ということかもしれません。つまり(国
民の方が)理解した上で「説明不十分」と、言っているのだと思います。
 私自身注視しているのは、南シナ海の話が集団的自衛権の行使、「存立
危機事態」の3要件の中で出てきていること。これは今まで(の審議の中で
は)なかったことかと思います。集団的自衛権の行使については、ホルムズ
海峡が唯一例外という説明だったが、いつの間にか南シナ海ということにな
っている、これもやはり3要件の、「存立危機事態」のあいまいさの表れでは
ないかと思います。

〇参議院選挙制度改革について

【代表】
 2番目は、参議院の選挙制度改革が衆議院本会議も経て成立したが、改
めて極めて残念、つまり(一票の格差が)3倍近い倍率です。しかも法案の
中に制度改革をやるということを書きながら、結局最低限の手直しに終わっ
た。3倍近いというか、事実上3倍を超えるような代物。
 そして何より残念だったのは、自民党がこの間全く物事を決められない状
況だったこと。2倍以内ということであれば、公明党の案あるいは民主党の
案ということにならざるを得ないことはわかっていたわけで、そもそも、もとに
なっているのは脇さん(前参議院選挙制度協議会座長)の案ですから、早々
と決断すべきだったのをズルズル引き延ばして最小限の手直しにした。「違
憲状態」「違憲」という判決が出る可能性を残してしまった。
 何よりも、国会議員が自分たちのことについて何も決められないという姿を、
特に自民党が示したということは政治不信につながる、そういう意味では深
刻な問題を残したと私は考えております。

〇韓国訪問の予定について

【代表】
 3番目に、資料も配られていると思いますが、韓国訪問です。2日の日曜日
に出て4日の午前に帰ってくる日程です。
 なぜ今、韓国かということですが、今年は日韓国交正常化50年という区切
りの年でもあり、戦後70年でもあります。非常に重要な近隣の国、そして同
じ価値観を持つ韓国であるにもかかわらず、残念ながら両国関係は必ずし
もいい状況ではありません。
 野党としてしっかりと政府をある意味補完して、野党外交を展開したいと考
えております。両国関係が少しでも前進するように、そういう視点で対応した
いと考えております。

■質疑

〇韓国訪問の予定について

【共同通信・光山記者】
 朴大統領と面会される予定はあるか。そのほか政府高官、どういった方に
会われるのか伺いたい。

【代表】
 現時点では、外務大臣(外交部長官)とお会いすることは決定しています。
そもそもこの訪韓の要請は、先般来日された外務大臣と会見した際に出た
話です。
 大統領との会見については、こちらはそういう方向性で今調整しておりま
すが、明確に決まっているということはございません。

【朝日新聞・高橋記者】
 先ほど、「政府をある意味補完して」とおっしゃったが、もう少し具体的に、
政府の足らざるところは今どういうところで、民主党としてはどういうふうにア
プローチしていくお考えか。

【代表】
 政府は、残念ながら首脳会談もできていない状況です。私は無条件で首
脳会談をやるべきだということをたびたび申し上げておりますが、そのこと
も直接大統領にも申し上げたいと思っております。日韓関係を考えた時に
日本側として言うべきこと、言ったほうがいいこと、幾つかありますので、そ
ういったことを直接申し上げたいと思います。

【NHK・花岡記者】
 大統領もしくは外務大臣と会談された時に、いろいろ日韓関係の障害に
なっている点もあると思うが、安保法制や歴史問題、どういったところに力
点を置いて意見交換をされたいとお考えか。それと、代表は常々、北朝鮮
の情勢についてご関心があると思うが、それも議題の一つになるのか。

【代表】
 どういう会談の中身かということを今お話することはいたしませんが、日
韓関係を基本的に前向きに進めることができるように、私としては申し上
げたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 戦後70年談話に関して先方から話があるかもしれないが、基本的なお
考えを伺いたい。

【代表】
 どういう会談の中身になるかということは、今申し上げないほうがいいと
思います。

【読売新聞・前田記者】
 今回の訪韓について、政府と何か協議したこと、もしくは報告したことなど
はあるか。

【代表】
 私は、政府に報告する立場にはございません。

【読売新聞・前田記者】
 現在、国民世論の中でも韓国に対する反発が一部であるような感じだが、
訪韓することで政府の対応と若干異なる対応になりかねないという懸念も
あるかと思う。反発を招かないかという懸念はあるか。

【代表】
 私は野党第一党の代表として、日韓関係を前進させるためにしっかりと
した会談をしてきたいと思います。

【共同通信・光山記者】
 代表は、今の安保の議論の中で総理に対して、朝鮮半島有事があった
場合に外交で対応すべきだと。在韓の日本人を避難させる場合に、今、
日韓関係が冷え込んでいる中で、こうした状況ではたして無事に避難させ
られるのかという話をよくされると思うが、そういった意味で半島有事の際
に、日本人をスムースに避難させるためのスキームについて話をされる予
定はあるか。

【代表】
技術的・具体的なことを首脳間でお話をすることはないと思います。

〇普天間基地移設問題について

【NHK・花岡記者】
 翁長知事は、仲井眞前知事の下した辺野古移設に関しての決断に法的
な瑕疵がなかったのかどうか、第三者委員会の報告を全部公開して、その
見直しについてもかなり踏み込んだ発言をされている。この問題について代
表はどのようにお考えか。

【代表】
 県には県のお考え、お立場があると思います。行政手続の問題で、私が
どちらがいい、よくないと言わないほうがいいと思います。国とよく話し合う、
ということではないかと思います。

〇TPP交渉について

【フリーランス・宮崎記者】
 ハワイのマウイ島で開かれている会合で、日本時間8月1日に大筋合意に
なる可能性が極めて高くなってきている。今日の最終的な交渉にどのような
期待をされているか。交渉に関してと、国会対応と、2段階で伺いたい。

【代表】
我々具体的に中身を承知しておりませんので、コメントは控えたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 仮に合意した場合の国会の対応について伺いたい。幹事長は今週水曜日
の定例会見で、条約とその落とし込みの国内法を一括・束ね法案で出さない
ようにと政府を牽制していた。早ければ臨時国会、また秋の国会に条約の承
認及び国内法、これは膨大な本数が出てくるとも言われているが、どのよう
に臨まれるのか。

【代表】
 どう国会で議論するのかまだわかりませんので、いろいろな前提を置いて
コメントすることは適切ではないと思います。ただ、重要なことはまず中身で
す。きちんと国益が守られているか。私はTPPを締結することは国益だと思
いますが、しかし個々の中身、これは全く知らされておりません。その中身が
適切なものかどうかということは精査しなければいけないと思います。
 もちろん「TPP反対」と言って前々回の選挙で叫びまくった候補者がたくさん
いる自民党ですから、その政治的な問題は当然あると思います。
 あとは、一定の国内、特に農業を中心に影響を受けるところが出てくると思
われますので、それにどういう対応がなされるのかということも非常に重要だ
と思います。
 単なる一時的なバラマキに終わるということでは日本の農業を再生するこ
とにはなりませんので、持続可能な農業をどういう仕組みの中で実現していく
かということが真剣に議論されるべきだし、それに値するような法案や予算
案をしっかりと政府は準備してもらいたいと思います。

〇《安保法政》磯崎総理補佐官の「法的安定性は関係ない」発言について

【フリーランス・横田記者】
 磯崎補佐官の発言について、ようやく来週の参考人招致が決まったが、こ
の間の政府の対応が遅過ぎる、甘過ぎるという声もある。それについてと、改
めて磯崎補佐官の発言についてのコメントを伺いたい。

【代表】
 発言自身は非常に問題のあるものです。そして国会の場で説明することは
当然必要です。
 ただ、この間の個々の、例えば委員会の現場でのやりとりとか、理事会での
中身とか、そういったことについて代表である私が言うことは特にありません。

【共同通信・光山記者】
 公明党とか与党内からも辞任論が出始めているが、このことについてはど
うごらんになっているか。

【代表】
 党として方針を決めることになりますので、代表である私が、先取りして言わ
ないほうがいいと思います。国会で説明されるということですから、その説明も
聞く必要があると思います。
 ただ言えることは、磯崎さん、我々も与党時代にどういう方かというのは十分
承知をする機会もありましたけれども、そういう人を補佐官として近くに置いて
いるという総理の任命責任、これは免れないと思います。

〇オリンピック・パラリンピック関連施設の建設問題について

【日経新聞・恩地記者】
 来週以降、衆参の予算委員会の中で行われると思うが、その中で一つ大き
なテーマとして新国立競技場の問題があると思う。民主党としてはどういう観点
で、どういう点を追及していくお考えか。

【代表】
 蓮舫代表代行のもとで既に党として議論しております。私はその考え方で、特
にそれに加えることはございません。なぜこんなに高額なものになったのかとい
うことについて、誰が責任を負うべきかということも含めて、しっかりと議論して
いく必要があると思います。
 (文科省の担当)局長が辞めたとかいろいろなことが言われておりますけれど
も、そういうレベルの話ではないのではないかと思います。ただ、新国立競技場
だけではなくて、オリンピック・パラリンピック全体にかかる費用について、もう一
回検証しなければいけないと思います。

〇東京電力旧経営陣に対する起訴議決について

【時事通信・岡谷記者】
 東京電力福島第一原発事故の関係で、今日、一度不起訴になった東電の勝
又元会長を含む旧経営陣3人が、検察審査会の起訴議決で起訴されることに
なった。これは民主党政権時代に起きた事故だが、改めて東電の責任につい
てどのようにお考えか。

【代表】
 検察審査会で結論が出て、これから裁判になるわけですから、それを見守り
たいと思います。裁判に係っていることについてあまり言うことは適切でないと
考えています。法的責任の話です。

〇《安保法制》安全保障関連法案の国会審議について

【フリーランス・宮崎記者】
 これから先、(自民党の)支持率がより下がった場合、総理は強行採決を早
める場合もあるのではないか。あるいは今国会で成立しない場合、内閣総辞
職という話が浮上する可能性もある。安保法案の今国会での成否と総辞職と
は絡めて考えるべきか、あくまで法案は法案として考えるか、代表のお考えを
伺いたい。

【代表】
 これは私が何か言う話ではない、総理がいろいろな状況の中でご判断される
ことで、私が軽々に申し上げることではないと思います。

〇労働基準法改正案について

【NHK・花岡記者】
 民主党が重要法案・対決法案と位置づけてきた労働基準法の改正が、今国
会での成立が絶望的な状況になっている。改めてこの法案に対する民主党の
立場と、今後の国会での闘い方について伺いたい。

【代表】
 労基法がどうなるか、この国会で成立しないだろうとか、そういう前提でコメ
ントすることは控えたいと思います。
 我々はこの労基法が問題であるということを従来から指摘してきた最大の
ものは、労働者を保護するための規制が外されて、特に裁量労働制の拡大
などは所得に関係なく拡がる。「残業代ゼロ法案」は高額所得者としているが、
それは将来下げられる可能性も高いということです。
 日本の今の働き方が長時間労働で過労死を招くとか、あるいはこういう長
時間労働は女性の仕事と子育ての両立にも大きな妨げになっている。そうい
うさまざまな問題が言われている中で、さらに労働時間を延ばしてしまうよう
な法改正は間違いであるというのが、私たちの基本的考え方です。




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