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2015.07.28|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(7月24日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=NC7qOwpVGyQ

岡田克也代表記者会見
2015年7月24日(金)15時00分~15時50分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=NC7qOwpVGyQ

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■冒頭発言
〇参議院選挙制度改革について
〇政府の財政健全化計画について
〇東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設費問題について
〇中国の東シナ海ガス田開発について
■質疑
〇参議院選挙制度改革について
〇東京オリンピック関連施設の建設費問題について
〇《安保法制》安全保障法制に関する民主党の考え方について
〇《安保法制》参議院での論戦のポイントについて
〇代表就任から半年を振り返って
〇党勢回復に向けて
〇東北での地方選挙の対応について
〇当選期別懇談会の開催について
〇岡田代表の装いについて
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■冒頭発言

〇参議院選挙制度改革について

【代表】
 私から4点。
 まず参議院の公選法の改正ですが、自民党の選出議員が7名退席し
たそうですが、自民党と野党4党が提出した「10増10減」案が、残念な
がら可決されました。
 この間の一連の流れを見ていると、はたして与党としての自民党はど
うなったのか。結局、追い込まれる形でようやく合意したが、その間ほと
んど、自ら改革案を作るという動きはなかった。今年2月の衆議院本会
議で安倍総理は私の質問に対して、「私からも党に対し、早期にしっか
り議論を進めるように指示をした」と大見えを切られたが、指示をした割
に参議院は全く動かなったというのは極めて異常な事態ではないか。
 結果的には既に(一票の格差が)3倍を超えているような改正を、はた
して最高裁が「合憲」と判断をするのかどうか極めて疑問。「違憲・無効」
ないし「違憲状態」という判決が出かねない改革案に終わってしまったの
は極めて残念です。
 わが党は一貫して2倍以内にと「身を切る改革」を主張してまいりました。
途中で公明党案に賛同することも、わが党案と比べれば民主党にとって
決して有利ではない案に賛成することにした。それはこういう状況を放置
すべきではないというわが党の責任感から出てきたことであると考えます。
 将来、来年の参議院選挙の後、「違憲・無効」という判決が出た時に、
やはり民主党・公明党案にしておけばよかったということになるかもしれ
ませんが、そういう判決が出た時の責任のすべては、今回の自民党、そ
して野党4党にあるということは申し上げておきたい。

〇政府の財政健全化計画について

【代表】
 2番目に財政健全化について、水曜日に「中長期の経済財政に関す
る試算」が公表されました。それから今日は来年度の概算要求基準が
閣議了解された。
 私が極めて疑問に思うのは、2020年度のプライマリーバランス(PB)
の赤字幅が3兆円ほど縮減できるという結論になっているが、歳入増・
歳出減、いずれについても根拠が極めてあいまいだということ。例えば
歳出減については、2016年度に物価上昇の半分の伸びに歳出がお
さまると盛り込んでいるが、その根拠も明らかでない。歳入増につきま
しても根拠が示されていない極めて不透明な試算だと思います。
 加えて、それでもなおPB赤字があるとなっておりまして、この約6兆
円のPB赤字についてどうするかというプランが全く欠落しているという
のは、予想だにしていないことが今起きていると思います。当然、202
0年PB黒字化の具体的なプラン、例えば歳出をどれだけ、どういうもの
で削るかとか、歳入がどうなるのかとかいうことがこの夏には決まると
思っておりましたので、こういう体たらくになっていることに非常に違和
感を持っております。
 安倍総理が消費税の引き上げを見送った時の平成26年11月18日
の記者会見でも、「2020年度の財政健全化目標についてもしっかり堅
持してまいります」と言った上で、「来年の夏までに、その達成に向けた
具体的な計画を策定します」、こう言われた。「具体的な計画」というの
がこれなのか。6兆円のPB赤字を放置したままで、どうやってそれを埋
めるかということがないままの、これが「具体的な計画」なのかと愕然と
しております。
 これからどうやってこの赤字を埋めるのか。さらに経済成長が名目5
%とか10%になって税収が急に増えるというようなことでも考えておら
れるのか。まさか雨乞いをするわけではないと思いますが、市場も今
回のことについて非常に不安視しているのではないかと私は思います。
政治の意志が感じられない、何とかしなければいけないという意志が
全く感じられない。

〇東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設費問題について

【代表】
 3番目。東京オリンピック・パラリンピックです。いろいろ報道されてお
りますが、私は森さんの発言を聞いていてやや驚いた。つまり国立競
技場だけではなくて、森さんが言われたのは、例えば「東京湾にすば
らしいハーバーを造りたいという夢はわかるが、堤防1本造るのに46
0億なんです。それを2本やるという。ボートは東京湾の横に新設する
ことになった。ボートコースは造るのに1000億ですよ。国立競技場の
2000億が高いと皆さん言うが、メディアの皆さんもそのことを少しも書
かない。何なんだよ。そういうお金には何も言わないでおいて、はたし
て理屈に合うのかとも思うんです」という発言をたまたまテレビで聞い
ていて、まずこの1000億円ボートレース(の会場建設)にかかるとい
うことに驚きました。トータルで2兆円を超えるお金がかかるという話も
聞きます。
 ですから、国立競技場の問題も極めて重要で党としてしっかりと検
証していきますし、どこに責任があるのかということも追及していきま
すが、問題はそれに留まらないということです。2兆円の税金、お金が
いつの間にかつぎ込まれようとしている。ボートだけで1000億と言っ
て森さん自身が驚いていると。一体誰が責任を持って全体をマネージ
メントしているのかということは極めて疑問です。
 2兆円になるかどうかわかりませんが、その内訳について、そしてど
うしてそうなってしまったのか、いつの間に膨れ上がってしまったのか、
その原因は何なのかということについてきちんと党として検証してい
きたいと考えております。

〇中国の東シナ海ガス田開発について

【代表】
 最後にガス田ですが、これは私も外務大臣時代に関わってきた話で
あります。2008年、まだ民主党政権になる前ですが、日中両国の間
でガス田開発については、正確に報道されていないが、北部区域は
共同開発で、白樺ガス田については既に中国側が開発を行っており、
日本側は出資をすると決めた。すべて共同開発ではなく、白樺は出資
をすると、具体的に決めて、そして東シナ海のその他の海域における
共同開発をできるだけ早く実現するために継続して協議を行うことを
決めました。境界が決まるまでの過渡的期間において、双方の法的
立場を損なうことなく協力するということも決めました。
 そういう観点から見ると、この2年間で新たに12基の構造物が造ら
れたことは約束違反であって、民主党としても中国に対して厳しく抗議
したいと思います。
 あわせて、この事実が今日まで明らかにされなかった。なぜ政府が
国民に隠していたのか。12基造られることはおそらく日本国政府は当
然把握していたと思われる。今日までそのことを公表しなかったのはな
ぜなのか、政府に説明を求めたいと考えます。

■質疑

〇参議院選挙制度改革について

【フリーランス・宮崎記者】
 「参議院は地域代表だ」という、私には聞きなれない言葉が今週の議
論に出てきたが、衆議院は地域代表で、参議院は職能代表ではない
かと思う。今日の自民党議員の両案に対する質問の中で、自民党は
憲法改正をして必ず1県から1人以上参議院議員が出せるようにした
いと本会議で言っている。「参議院は地域代表・県代表である」という
自民党の考え方に関して、どのようにお考えか。

【代表】
 憲法改正をして各県1人とすることは可能です。ただ、現行憲法上は
やはり人口に対して一定の幅の中でしか、法の下の平等の観点から
言って、県域を越えてでも対応しないと憲法上の要請は満たされない、
それ(参議院議員は都道府県代表)は最高裁の判決の中で明確に否
定していること。
 それが「合区するのはおかしい」と、最高裁の判決が出て何年たつ
のかと言いたいが、今頃そんな議論をしているのは私には理解しが
たい。憲法改正してやるというのは一つの考え方ですから、そのこと
と、今、現に憲法に違反している、法の下の平等に反しているというこ
とは違う話、別の話だと思います。

【共同通信・光山記者】
 今回の改定の附則で、2019年の参議院選までに抜本的見直しに
ついて結論を出すと明記されているが、この文言の解釈について。憲
法の話で、今、自民党は都道府県の代表でやるという認識を示してい
るが、岡田代表としては今後の見直しはどうあるべきとお考えか。

【代表】
 そこの文言がそういう意味なのかどうかもはっきりしません。では、
憲法改正するんですか、ということです。
 もともと入っていた、今も(抜本的改革の附則が)入っている、その
結果が今回の「10増10減」ですから、法律の価値も随分と下がった
ものだなと思います。自分たちで決めた以上、ちゃんと抜本改革をす
べきだ。それができないまま(一票の格差が)3倍を事実上超えるよう
な小手先の改革に終わってしまったことに、まず反省が必要だと思い
ます。

【フリーランス・宮崎記者】
 今日可決された自民党などの案では、平成31年に向けて選挙制度
の抜本的な見直しをすると附則で入っている。また、野党とはいえ提
出者である議員が、「次回の参院選のみの暫定的な法律だ」というよ
うなことも本会議で答弁している。来週は衆議院でも採決されるが、こ
ういう附則が入った法律案を出してきた自民党などについてどう思わ
れるか。

【代表】
 現行法にも同じような見直し規定が付則に入っている。それでこの
程度の“改革”ですから、論評に値しないと申し上げているわけです。

【共同通信・光山記者】
 今日の可決で来年の参議院選挙から合区が発生するが、合区での
選挙戦の戦い方について。まず一つは2県に広がった地域での選挙
戦の展開の仕方と、候補擁立については現職を優先するとか新人を
立てていくとか、そのあたりのお考えがあれば教えていただきたい。

【代表】
 現時点で何か申し上げることはありません。いずれにしても鳥取・島
根、そして高知・徳島とあるわけなので、それぞれ両県の、当事者同
士が協議してもらわなければなりませんが、うまく進むような工夫を本
部としてはしなければいけないと思います。

【毎日新聞・福岡記者】
 今回合区になる地域の住民からも、自分のところの代表がいなくな
るという意見は当然出てきている。参議院は地域代表ではないという
前提はあるが、今後、人口の動態でさらに合区が進むとそういう問題
が出てくると思うが、代表自身はどのようにお考えか。

【代表】
 そういう事態を避けるということであれば、比例制を中心とした選挙
制度に変えざるを得ないことになります。どっちが「よりまし」かという
一つの判断をしなければいけない。西岡武夫議長の時にはブロック
比例制が出ました。あるいは全国比例制という議論もあるでしょう。
そういう大きな選挙区にして比例制を中心にやっていくという考え方
に立つのか、今回のような、我々の案だと合区は二つでは済まない
わけで、そういった形で事実上県域を越えるような選挙区がたくさん
出てくる事態を受け入れるのか。これは一つの判断だと思います。

〇東京オリンピック関連施設の建設費問題について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 東京五輪にまつわる2兆円のプロジェクトの無駄の撲滅にどう取り
組むか、これは国民、与党も含めてそういう思いがあると。国会でや
るとか、民主党の中でタスクフォースを作るとか、これにどう取り組ん
でいくか。具体的に2兆円というのがあるのならば、自民党的に言う
と「無駄撲滅」、「事業仕分け」でもいいが、国会もずっとやっているわ
けで、どう取り組まれるか。

【代表】
 まず蓮舫本部長のもとで国立競技場の問題を検討していますが、
これは国立競技場の問題にとどまらず、この2兆円全体について取
り組まなければならないと思います。国会でももちろんさまざまな関
連委員会や予算委員会などでこの問題を議論していきたいと思い
ます。ある程度そういったことで実態を掴んだ上で、これだけ大きな
お金がいつの間にか使われることになってしまっている、そのことに
ついて必要があれば特別委員会を設けるなど、さまざまな実態を解
明するための議論が必要だと考えています。
 こういう内閣に任せておくと財政再建も一体どうなってしまうのだろ
うかと、非常に気になるところです財政の立て直しは、ある程度中期
的な視点を持ってやっていかないと、毎年毎年抑え込んでそれで済
む話ではありません。2020年の6兆円を放置したまま、毎年毎年
でやりくりしていく。それで本当にできるのだろうか、むしろ赤字が膨
れ上がってしまうのではないかという気がしてなりません。

【フリーランス・横田記者】
 公共事業バラマキのアベノミクスによる人手不足・資材不足が建
設費高騰につながったのではないか。設計者側のザハ氏も、デザ
インが原因ではなく(人件費高騰・資材高騰による)建設費高騰が
原因と反論している。これについて全国的な影響があるのかどうか
を含めて調査・検討する考えはあるか。

【代表】
 もちろん単価は上がっています。公共事業も資材価格とか人件
費などが上がっていることは事実ですので、その影響は当然ある
と思います。ただ、その影響による合理的な説明の範囲に留まる
のか、そうではないのか、きちんと検証しなければならないと思い
ます。
 森さんの言ったようなボートコースを造るのに1000億円などと
いう話は、私は驚きました。常識では考えられないようなことで、
やはり個々の中身をきちんと検証しなければならない。どこでどう
やってチェックする仕組みがあったのかということも含めて、やら
なければならないと思います。

【読売新聞・前田記者】
 新国立競技場をめぐって、文部科学大臣の辞任を要求する声も
一部にはある。民主党としてそういったことを求めていくのか。また、
全体的に政府としてどこに責任があったのか、現時点でのお考えを
伺いたい。

【代表】
 責任という議論をするのであれば、まず説明責任。文科大臣だけ
ではなくて総理大臣も含めて、説明責任をきちんと果たしていただき
たい。なぜこんなに膨れ上がったのか説明してもらいたい。その中
身によっては、当然文科大臣や総理ご自身の責任ということが生じ
てくる。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 やはり森さんの発言はすごく重くて、またおもしろいわけだが、お
っしゃりたいことはいっぱいあるようだから、この方を国会に呼んで
組織委員長たる立場で話を聞くのが責任論の前の情報公開の本
質だと思う。元総理だが、そういうことを民主党からおっしゃったら
おもしろいと思うが、どうお考えか。

【代表】
 国会に呼ぶ、党に呼ぶ、いろいろな選択肢があるが、党の中で
蓮舫本部長のもとで具体的な進め方を、どうするのが一番国民に
対してきちんと説明したことにつながるのかということは考えてもら
いたいと思います。

○《安保法制》安全保障法制に関する民主党の考え方について

【フリーランス・横田記者】
 対案を出さない理由として、「違憲法案に対案はない」と。あるい
は、「政府案を追及する時間が少なくなる」ということだが、「対案」
の定義にもよるとは思うが、合憲の法案を民主党としてまとめて
出して、それをもとに「ここが違憲だ」と政府案を追及するのは十
分あり得る選択ではないか。政権交代した時に安保法制のある
べき案は提出するということは聞いているが、それを今国会の参
院審議で出しても不利になることはないと思うが、お考えを伺いた
い。

【代表】
 まず、「対案がない。対案を出せ」というのは官邸が盛んに言っ
ているが、そういう作戦に乗るつもりはない。
 この問題について幾つかの問題が混乱していて、今日の朝日
新聞もそうだと思いますが、きちんと整理して議論しなければな
らないと思います。
 「対案」と言う時に、それが法案の形で国会に出されるという意
味なのか、それともわが党の考え方がまとまっているか。後者で
あるとすると、わが党は4月に既に対案(「安全保障法制に関す
る民主党の考え方」)をまとめている。そこに考え方は示されて
おりますので、対案はもちろん持っている。それをもとにして衆
議院の議論も行われてきた。私は「民主党の考えはこういうこと
だ」ということは、この前の反対討論でも繰り返し申し上げた。
 その上で2番目に、集団的自衛権の行使については、我々は
認めないという立場ですから、対案は存在しない。現行の憲法
解釈で、個別的自衛権で対応するという考え方ですから、対案
という概念は成り立たない。ですから、ないものを「出せ」「出せ」
と言われても、政府案は違憲で認められないと言っている以上、
対案の作りようがないということはちょっと考えていただければわ
かること。ここが整理されないまま、「集団的自衛権の行使につ
いて対案がないのはおかしい」という議論になっている。違う観
点で、維新のように集団的自衛権を部分的に認めるというのな
らば対案はありますが、我々は現行法の下でやれると考え方を
示している。
 3番目に、周辺事態法・PKO法については、我々は法案をい
つでも出せる状況にまで持っていこうと、議論しています。間もな
くNC(ネクストキャビネット)に上がると思うので、そこで承認され
れば、法案として出せるということです。
 4番目に、じゃあそれを国会に出すかどうか、これはまた別の
判断が必要で、私は参議院の審議が始まったこの時に対案を
出すつもりはありません。それは私が消極的なのではなくて、今、
政府案について国民の8割が「政府の説明は不十分」と言って
いるわけですから、説明責任を果たさせることが、まず野党で
ある我々がやらなければいけないこと。8割の人が「説明が不
十分だ」と言っていることをどう考えるのかということだと思う。
 したがって、当面は政府案の問題点をしっかり指摘して、国民
に伝わるようにすることが大事。しかし、議論が進んでいく中で、
時期が来れば対案を国会に提出することもあり得る。その時
に維新との関係をどうするかとか、そういう問題も当然出てくる。
 この前のNCで考え方を整理して、参議院でこれから審議が
進む以上、対案を国会に提出するかどうかの判断、あるいは
いつ出すかの判断は、審議の状況を見ながら決めるしかない。
その点について、私や郡司彰参議院議員会長、細野豪志政
調会長、高木義明国対委員長、北澤俊美筆頭理事に一任を
いただくことは確認されています。そういう時期が来れば、この
メンバーで最終的な意思決定をする。これは明確になっています。

【朝日新聞・渡辺記者】
 民主党として条文化された対案を国会に提出して、他党から
質疑を受ける、それに対して幹事長なり政調会長なりが答弁を
して、民主党の考えはこうなんだ、この法案についてはこう考え
ているのだと訴えることも、一つ民主党の考え方を世にアピー
ルすることができるのではないかと思うが、その点については
いかがか。

【代表】
 先ほど申し上げたように、国民の8割が「政府の説明は不十
分」と言っている。そのことについてしっかり議論することが先
だと考えます。
 その上で、長い審議時間が確保できるとすれば、わが党の
案は今でも説明はできる、ほとんど条文に近い形で考え方を
持っているわけですから。ですから国会に出さなければ説明
できないというものではない。(もし民主党に質問があるなら)
質問してください、私、説明します。しかしながら国会で答える
というのも一つの考え方。それは状況を見ながら判断する。極
めて国会戦術的なところです。
 それから維新とすり合わせができるならばした上で、まとめ
て出したほうがいいとも思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 公明党の山口代表や井上幹事長は、民主党は参議院で対
案を出してほしい、そして修正協議に臨んでほしいと言ってい
る。このことに関して山口代表や井上幹事長から岡田代表に
直接話はあったか。

【代表】
 ございません。
 ですからその「対案」というのはどこの部分を言っているのか。
集団的自衛権の部分を言っているならば、修正協議というこ
とはない。

【フリーランス・宮崎記者】
 公明党はなぜ参議院に行ってから、「修正協議をしてほしい」
などと言ったと思われるか。ちょっと不思議だが。

【代表】
 それは私に聞かれてもわかりません。
 ただ、これは自民党に対しても申し上げたいのですが、私が
1年間何を言ってきたかと。あの協議会で学者の皆さんが議
論していた最中、あるいは与党協議が続いていたその時に私
が一貫して申し上げたことは、閣議決定をいきなりするような
ことは絶対にすべきではない、与党の案がまとまったらまず議
論しましょうと私はずっと呼びかけてきました。それを無視して、
与党協議が成立したらいきなりその日のうちに閣議決定した
のは安倍総理そのものです。
 それからアメリカに行く前も、普通なら党首会談などをして
理解を求めるはずです。そういうことを全く行わずに、アメリカ
に行っていきなり約束してきている。
 法律は10本を1本にまとめて、極めてわかりにくくした。
 そういうことの積み重ねは、野党と協議しようという姿勢がな
いのだと思わざるを得ない。今になって対案とか協議とか言う
のも、そういう意味では戦術的に言っているとしか考えられませ
ん。本当に協議したければ、10本をそれぞればらして別々の
法律にして、その中のPKO法や周辺事態法ならば我々は協議
できます。でも、今のように10本が1本になっていたら、その部
分を合意しても、法案全体としては「反対」と言わざるを得ない。
だから協議が成り立たない。公明党にもそう申し上げたい。

【TBS・長谷川記者】
 であれば、なおさら民主党として対案を出すほうが、自民党に
対しても国民に対してもアピールになるのではないかと思うが。

【代表】
 おっしゃることがちょっと論理的によくわかりません。私が今、
るる説明したと思いますが、10本が1本になっていて「対案」と
言ったって、修正協議はできない。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 今は共産党とある意味では共闘でこの法案を葬るという路線
だが、共産党は綱領を読むと反米帝国主義であり日米軍事同
盟破棄という政党だ。前政権党である民主党が、憲法や外交
政策や国防問題のこの法案を共産党と組んでというのは、アジ
ア諸国やアメリカがどう受け取るのか。民主党には説明責任が
必要で、自民党の案に対して対案で、日米同盟を深化させる方
向でこういう案もあるよというのを出すことも一つの見方だと思う。
岡田代表のその辺の意思が世の中に伝わっていないのではな
いかと思うが、どうお考えか。

【代表】
 ですから「対案」の意味です。我々の考え方は既に定まってい
て、公表している。PKO法も周辺事態法も。「近くは現実的に」
ということで、今の周辺事態法を維持する、それを世界じゅうに
広げるのではなくて、今の枠組みを維持しながら、中身をより
充実したものにするというのが我々の対案です。ただ、集団的
自衛権は違憲の疑いが極めて濃いということですから、ここに
対案を出すつもりはありません。それでは我々も違憲ということ
になってしまいます。
 共産党とは別に共闘しているのではなくて、今、国民の6割、
7割の人がこの法案に反対して、そしていろいろな活動もあるわ
けです。我々はそういう方々と共闘している。場合によっては共
産党の皆さんと一緒にやることもありますが、それが先にあるの
ではなくて、国民の過半数の皆さんと行動をともにしていく中で、
他党と連携することも場合によっては出てくる。

【フリーランス・横田記者】
 10本をばらすということに関連して、であれば野党全体で共闘
して、まず10本をばらしてくれと与党側に要求し、そうでない限り
対案提出や協議には応じないという姿勢をとることも可能ではな
いか。対案提出が国会戦略上の手段になっているというのはお
っしゃるとおりで、維新の人からも「せっかく対案を出したのに、5
時間の審議で打ち切られた。何のためだったのか」という声が出
てくるくらいだ。本当に修正をやりたいのであれば、まず与党側が
10本をばらしてくれと要求する考えはあるか。

【代表】
 そういうことは言っております。ただ、ばらすとなると、また一から
やり直しですから、そう簡単には応じないだろうと思います。
 最初から議論せずに何が何でも夏までにやり切るのだと、そう
いう総理の思いがあって、すべてが組み立てられている。そこに野
党の存在もないし、国民も置き去りになっているということだ。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 民主党の支持率は徐々に上がっていくと思う。例によって「バラ
バラ」というのが出てこなければ、という条件付きでそう思っている
が、朝日新聞が書いているように本当に対案をめぐって民主党は
もめているのか。参議院での審議が来週から始まるが、やはり野
党で民主党の存在感は大きいわけだが、一体感を持ってやってい
けるのか、共産党とあれしてでもこの法案をというのであれば、そ
この覚悟を伺いたい。

【代表】
 今日の記事ですが、ちょっと、情報が遅いという感じはします。こ
の前のNCで一任を確認した。その前にいろいろな思いの人がブ
ログに書かれたりと、いうことはあったかもしれませんが、その後、
意見は出ていないはず、出ていたらおかしい。もし出ていれば、私
から注意します。

〇《安保法制》参議院での論戦のポイントについて

【読売新聞・前田記者】
 今日、参院で安全保障特別員会が設置され、民主党は筆頭理事
に北澤俊美さんが就くことになったが、この人事の狙いと、今後参
院でどう追及していくか、改めて伺いたい。

【代表】
 人事の狙いは、私が直接決めたわけでないので申し上げる立場
にはありませんが、この間、安全保障総合調査会で中心になって
案を、それこそ対案を取りまとめる責任者を務めていただきました
ので、私はベストの人事ではないかと思います。
 国会でどうするかは、これからの戦術的な対応ということになりま
すが、やはり今の法案にさまざまな問題がある、そのことをきちん
と指摘して、あとは政府だと思う。私自身も含めて、(これまでの審
議において)細かいことは全く聞いていない、基本的なことを質して
いる。しかし、論理的な答えが返ってこない、日によって答弁が違う。
それでは国民の皆さんはわからないのは当たり前。(政府は)誠意
を持ってしっかりと準備をして答弁してもらいたい。中には「総理に
聞かないでください。法制局長官に聞いてください」と懇願した役人
もいましたが、やはりそれはいかがなものか。これだけ大事な法案
ですから、総理がきちんと準備されてお答えになったらどうかと思い
ます。

【読売新聞・前田記者】
 特別委員会で、参議院は11のすべての会派が委員を出すこと
になって、野党は9会派ある。法案に対する態度がまだよくわから
ない政党もあるかと思うが、今後、野党共闘に向けてどういった働
きかけをしていくお考えか。

【代表】
 なるべく野党共闘はしたほうがいい。ただ、考え方が明らかに違う、
次世代などは最初から与党と同様のお考えではないかと思う。考え
方、方向性が同じところとはなるべく、ともに協力していけるように
すべきだと思います。

〇代表就任から半年を振り返って

【共同通信・光山記者】
 漠然とした質問だが、代表就任から半年、この間を振り返って一
番成果として挙げられるもの、アピールしたいものは何か。

【代表】
 成果は自分で判断するものではなくて、国民・有権者が判断する
ものだと思います。ただ、この間の衆議院安全保障特別委員会に
おける審議は非常に充実していたし、中身もあったと思います。そ
ういう中で「反対」の人が2ヵ月前に比べると10ポイント増えて、「賛
成」が10ポイント減っている、それは野党としてはしっかりした審
議をした結果だと私は思います。

〇党勢回復に向けて

【共同通信・光山記者】
 民主党への支持率が伸び悩んでいる原因はどこにあると思われ
るか。

【代表】
 それはいろいろな見方があると思うが、私はやはり政権時代の
いろいろなご批判、これを解きほぐしていくには時間がかかると思
います。安倍政権の支持率は急落しましたが、それに応じて民主
党の支持がなぜ上がらないのかと言っている議員もいるようです
が、世の中そんな甘いものではない。これは地道な努力の積み重
ねが求められると思います。

【朝日新聞・渡辺記者】
 支持率の伸び代という部分では、どういうところに可能性を感じ
ているか。

【代表】
 私は民主党の支持率がそんなに順調に上がるとは思いませんの
で、あまりそういうことを考えたことがないのです。日々しっかりと、
一日一日頑張っていく、「全員野球」で頑張っていくということだと思
います。

【フリーランス・田中記者】
 支持率の伸び悩みについて、12年末の総選挙で民主党がなぜ
野党に落ちたのかをきちんと総括しないことには信用は返ってこな
いと思う。原発の収束宣言をし、消費税を上げることを決め、これ
によって福島の被災者も庶民も塗炭の苦しみにある。これを何の
総括もしないままきれいごとを言っても信用は返らないし、信用が
返らないことには支持率は上がらないと思うが、代表の考えを伺い
たい。

【代表】
 個々の政策の話はそれぞれのところでやっております。ただ、今、
福島における民主党の支持は決して悪くないと私は思います。先の
知事選を見ても、いろいろな調査を見ても、むしろ与党自民党のほ
うが福島は厳しい状況ではないかと思います。

〇東北での地方選挙の対応について

【日本経済新聞・恩地記者】
 日曜日に山形に入られる。山形市長選も9月にあるし、これから
秋にかけて東北で対決構図となる地方選、あるいは参院補選もあ
ると思うが、改めてどういう姿勢で何を訴えていくか伺いたい。

【代表】
 今、仙台の市議選が行われますが、復興や、今の安保法制も国
会の開会時期と重なる部分もありますから、そういったことが中心
になると思います。
 別途、マニフェストは作るように指示はしてあります。今回の仙台
市議選は、彼ら・彼女らが作ったマニフェストがあり、党としては関
与していませんが、それ以降の選挙については、党としてのマニフ
ェストを作る必要があると考え指示を出しています。

〇当選期別懇談会の開催について

【産経新聞・山本記者】
 先日の常任幹事会で出席者から、当選回数別の期別懇談会を
やってほしいという要望があったそうで、続々と日程も組まれてい
るようだ。党所属議員とのコミュニケーションのとり方について、思
うところがあれば伺いたい。

【代表】
 割と難しいのですね。特定の人とは度々、顔を合わせているが、
全員と合わせているわけではない。そういう意味で、期別懇もご指
摘いただく前から幹事長と手分けをして既に始めています。それを
加速化してやろうと思います。なるべくいろいろなことをおっしゃって
いただいたほうが私もありがたいので、有効な機会にしたいと思い
ます。

〇岡田代表の装いについて

【共同通信・光山記者】
 最近メガネをかえたが、それはどういう経緯でか。

【代表】
 それは毎日新聞を読んでいただければ。

【共同通信・光山記者】
 ぜひ代表の口からお聞きしたいが。

【代表】
 何回も繰り返すのは「ネタ」じゃないと思います。今日の参議院
総会でも申し上げましたし。次にかえる時にはまた発信します。




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