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2015.04.27|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(4月24日)

岡田克也代表記者会見
2015年4月24日(金)15時00分~15時31分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
〇統一地方自治体選挙・後半戦について
〇安全保障法制をめぐる議論について
〇大型連休中の予定について
■質疑
〇大阪都構想について
〇安売りを規制する酒税法改正案について
〇日米ガイドラインの見直しについて
〇安全保障法制の国会審議について
〇自衛隊の海外派遣における国会承認について
〇集団的自衛権に関する民主党の考え方について
〇日米ガイドラインの見直しについて
〇集団的自衛権の行使について
〇若い世代への政治的コミットメントについて
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■冒頭発言

〇統一地方自治体選挙・後半戦について

【代表】
 私からはまず、統一地方自治体選挙も最終盤。各候補者全力を尽くし
て、いい結果につなげていただきたいと思っております。

〇安全保障法制をめぐる議論について

【代表】
 それから安全保障法制についての与党協議ですが、主要条文案が一
応了承されたということです。かねてから伝えられているように、膨大な
「束ね法」と、それから「恒久法」という2本立てだということですが、いず
れにしても来月15日に閣議決定と聞いております。
 私からお願いしておきたいことは、戦後の安全保障法制を根底から覆
すような法制でありますので、我々もしっかり準備をして論戦していかな
ければいけない。閣議決定で法文が我々の手に入った後、十分な準備
期間を経て、国会における議論としていただきたいと考えております。私
も、委員会での質疑などには積極的に参加して、さまざまな議論をしてい
きたいと考えております。
 中身はまだ正式には承知しておりませんので、あまり具体的に申し上げ
ることはございません。
 党内的には、今日も安全保障総合調査会の役員会を開き、かなり突っ
込んだ議論をしていただきました。先ほど北澤俊美会長はじめ役員の皆
さんからご報告もいただきました。あと一息のところに来ていますので、月
曜日の総会で何とかまとめていただきたいということをお願いしたところで
す。もちろん、これは開いてみないとどうなるかということは、今、断定的に
は言えませんが、ここまで議論を重ねてきましたので、そして意見の違いと
いうのも、出席した人たちの意見を私もほとんど出席して聞いておりますが、
そう大きな開きがあるようには思えません。何とかまとまるのではないかと
思います。
 昨日、ある、どちらかというと慎重な立場に立つ方が発言をされまして、
今まで党の会議に参加してきたけれども、これだけいろいろな意見を聞い
てもらって、そしてまとめてもらったことはなかった、自分としてはいろいろ
な意見はまだあるけれども、しかし、このまとめた結果については、「満点」
と言ったか「合格点」と言ったかちょっと覚えておりませんが、そういうふう
に思っている、ということを言われた方もいらっしゃいました。これまでの間
の役員はじめ関係者の皆さんのご努力に対して心から敬意を表すると同
時に、最後までしっかりとまとまって、火曜日のNC(ネクストキャビネット)で
最終合意ができるよう、最後の努力をお願いしたいところでございます。

〇大型連休中の予定について

【代表】
連休中の日程ですが、前から申し上げておりますように、私は目の手術を
28日の夜に行う予定です。順調に行けばそれから2~3日の入院となりま
す。
 したがって、連休中は安静を保って、どこかに出かけるということは基本
的にはないようにしたいと。安全保障法制の国会審議もありますので、そ
れに備えたりしながら、基本的には在宅で過ごしたいとは思っております。
もちろん、その途中で病院に行ったりということはあるかもしれませんが、
遠出をする予定はないということだけ申し上げておきます。

■質疑

〇大阪都構想について

【時事通信・越後記者】
 大阪都構想について伺いたい。5月17日に住民投票が行われるが、民
主党としてはこれまではっきりとしたスタンスを示されていないと思うが、今
朝の参議員総会ではかなり明確に反対を打ち出してほしいという声も出たと
聞いているが、改めてスタンスを伺いたい。

【代表】
 民主党のスタンスは明確であります。幹事長も何度か申し上げていると
おりで、基本的に法案については、これは民主党時代にできた法律であり
ます。したがって、そういった考え方そのものについて我々は反対している
わけではありません。一般論として言えば、です。
 しかし具体的に、じゃあ今の大阪都構想についてどうかと言えば、それは
やはり大阪府連で判断すべきことであると、党本部としてはそれについてい
い悪いとか、そういう判断をする立場にはないというのが我々の基本的スタ
ンスです。それは全く揺らいでおりません。

〇安売りを規制する酒税法改正案について

【日本経済新聞・恩地記者】
 今日、自民党が総務会で、酒の安売りを規制する酒税法改正案を了承し
た。大手スーパーなどから町の酒屋さんを守るという趣旨だと思うが、代表
がかねてからおっしゃっている「成長戦略が大事だ」という観点から、こうい
う規制強化についてはどう評価されるか。

【代表】
 党内でも、一度私も話を聞きました。私が聞いている話では、保護とかそ
ういうことではなくて、酒税を確保することが法目的で、そのためにいろいろ
な規制を入れると聞いております。
 まだ党として賛否は決めていないと思いますが、これは議員立法ですが、
あとはNCで最終的に決めることになると思います。

〇日米ガイドラインの見直しについて

【フリーランス・宮崎記者】
 総理は明後日から総理が訪米し、現地時間月曜日にガイドライン(日米防
衛協力の指針)に署名、水曜日には連邦議会での演説ということになる。連
邦議会でどういう演説をされるか、ガイドラインとTPPということになると、非
常に高い確率で歴史的転換点、「ザ・ポイント・オブ・ノーリターン」にわが国が
なる可能性があるのではないか。総理に期待されることは、ガイドライン、T
PPに関して、どういったことを言ってほしいと思われるか。

【代表】
 まず、総理の議会における演説の内容について承知しておりません。TPPと
かガイドラインについて具体的に触れるのか、歴史認識はどうなのか、そうい
ったことについていろいろ憶測はありますが、我々、何の説明も受けておりま
せん。普通なら党首会談でも開いて丁寧に説明するのが今までのやり方です
が、安倍政権というのは、野党に対してあらかじめ説明するとかそういう視点
がない政権でありますので、我々は承知していない。残念なことだとは思って
います。
 そういう中で、ガイドラインについて私が非常に懸念しておりますのは、前に
も申し上げたと思いますが、国内で何の説明なく、一部のメディアに少し出て
いますが、少なくとも正式に説明することなく、国会にも国民にも全く説明なく、
アメリカに行って大統領と合意してくる。中には憲法解釈の変更も含まれてい
るというのは前代未聞です。そういうやり方をするということは、国会無視のみ
ならず国民無視であり、私には全く理解しがたいことです。そのことも含めて、
しっかりと国会の中で議論していかなければならないと思います。

〇安全保障法制の国会審議について

【テレビ朝日・原記者】
 来月15日には安保法制関連の法案が出てくるのではないか、審議日程に
関しても国会を8月まで会期延長して成立を図るという報道がされている。ま
だ法案自体が出ていない状況の中でこのような話が上がっている現状につ
いてどのように思われるか。

【代表】
 我々としては判断のしようがありません。法案の中身がわかっていないわけ
ですから、どのくらいの日程が必要かということすら判断しようもない。想像す
るに、かなりの日数がかかる。おそらく一国会では無理と思うが、そういうこと
も含めて何の情報もないままに具体的な日程が言われていることも極めて異
例であり、国会での審議を単なる通過儀礼と思っている、そう言われても仕方
がないと思います。
 安全保障に関わる、しかも憲法解釈の変更を含む問題ですから、国民の皆
さんに国会審議を通じて丁寧に説明する、理解してもらうと、そういう視点は絶
対に政権としては必要だと思います。そういうものが全く感じられないというの
は、内閣の姿勢として極めて異例だし、私には全く理解しがたいことです。

〇自衛隊の海外派遣における国会承認について

【フリーランス・宮崎記者】
 火曜日の与党協議によると、周辺事態法を改正して「重要影響事態安全確
保法」というものを作ると。現行の周辺事態法は例外ある国会承認であって、
国会の承認がなくても周辺事態に行ける。これについての改正という話が与党
協議でなかったので、その状態のまま、日本平時において、地球の裏側でアメ
リカの戦争につき合って、「現に戦闘行為が行われていない現場」で弾薬補給
をできるということになる法案が出てくるのだろうと思う。法案はまだいいとして、
(このことが)月曜日のガイドラインに入ってくるかと思うが、所見を伺いたい。

【代表】
 ガイドラインというのは法案を下敷きにして、その中で日米協力が必要な部
分について述べたものですから、法案とは表裏一体です。
 法案は幾つもありますが、公明党との与党協議で、国会承認をめぐって、世
界の平和と安定のための「恒久法」については事前に国会での承認が要るこ
とが決まったと。それは非常に大きなことだというふうに宣伝していますが、し
かし(周辺事態法改正案の)「我が国の平和及び安全に重要な影響を与える
事態」と、恒久法の「国際社会の平和及び安全を脅かす事態」、その境目は
実はシームレスであって、きちっと書き分けられているわけではありません。
総理はかねがね「世界の平和が日本の平和と安定に直結する」ということを
国会で述べているわけですから、「世界の平和と日本の平和と安定というの
は、実は同じことなんだよ」と言っているに等しいわけです。そう言いつつ、法
律が別だと。
 だから国会承認が取れないようなものであれば、「これは日本の平和と安定
に重要な影響がある事態だ」と言ってしまえば、事前承認なくしてもできるわけ
です。与党は国会の事前承認について「こんなに大変なことを決めました」み
たいに言っていますが、私から見れば、実はそれはほとんど意味のないことだ
と思います。

〇集団的自衛権に関する民主党の考え方について

【日本テレビ・中村記者】
 北澤会長がまとめている集団的自衛権についての民主党の考え方は、安倍
政権が掲げる新3要件に基づく集団的自衛権についての民主党としての考え
方がおそらく出てくるのだろうと思うが、安倍政権が掲げるものではなくて、現
下の中国の脅威とか朝鮮半島有事の可能性がある中で、そもそも集団的時
自衛権が必要かどうかということに対する民主党としての考え方も火曜日に示
されると考えてよろしいか。

【代表】
 集団的自衛権一般について、それが必要ないという言い方を我々はしていな
い。そのスタンスは変わらないということです。
 どういう言い方になるかはまだ若干幅があると思いますが、今の安倍政権の
言っているような具体例を見ても、集団的自衛権として挙げているものは三つ
か四つしかない。それは集団的自衛権以外で説明すべきものであったり、ある
いはそれだけのために集団的自衛権という概念を無理して「新3要件」などと言
って認める必要性に乏しいものであって、だから現時点では集団的自衛権を認
める必要性は、それは認められないということです。
 将来どうかということについては、それは絶対ないと断言はしないということで
す。

〇日米ガイドラインの見直しについて

【フリーランス・宮崎記者】
 今回のガイドラインの再改定は、もともと民主党政権が2プラス2で働きかけ
たものだ。もともと民主党政権が想定していたのは、尖閣諸島などの離島防衛
で、できれば在日米軍に平素から協力してもらえないかという考えだったので
はないかと思うが、今回のガイドラインでは日本有事の際に米軍が協力すると
いった日米協力が盛り込まれるようだ。この件に関してコメントを伺いたい。

【代表】
 日本有事というのは、それは今のガイドラインも基本的にそうです。ただ、今
回のガイドラインは、伝えられるところでは、日本有事と関係なく、世界中どこ
でも日米協力しますというところに広がっていると私は理解しています。

【フリーランス・宮崎記者】
 離島防衛については。

【代表】
 離島防衛であれ何であれ、それは日本有事に分類されるものは当然あると
思います。

〇集団的自衛権の行使について

【東京新聞・横山記者】
 具体的な必要性について納得できるものが提示されると仮定するなら、容
認する余地はあるとお考えか。

【代表】
 もう何度も何度も1年間聞いていますが、具体的事例の提案はありません。
今出てきているものは最大限四つだと私は思う。
 これは私が本会議で聞いた時は二つだった。ホルムズ海峡の話が一つ。
これは経済的理由で武力行使をするということは全くおかしなことだと思って
いる。だから集団的自衛権の事例ではない。
 もう一つは、日本人を載せた米艦が襲われた場合、総理の「赤ちゃんを抱
えた日本人のお母さんを見殺しにするのか」と。私ももう1年近く前から申し上
げていますが、それも集団的自衛権の話ではないでしょう。じゃあ米艦ではな
くて、他の国の船が襲われた時はどうするのですか。それは集団的自衛権の
概念では説明できないと思う。つまりアメリカとどこかの国が武力衝突していて、
つまり日本にとって密接な関係にある国、アメリカが武力行使に至っている時
に、日本自身は武力行使を受けていないけれどもアメリカを助けるためにと、
アメリカ艦に乗った日本人も結果的に助かるという説明だと思うのですが、例
えば第三国の船に日本人がたくさん乗っている時に、(その船を防護するのは)
それは集団的自衛権の行使という概念では説明できない。アメリカの船ではな
いですから。「いや、できる」と総理は答弁したことがありますが、どう考えても
集団的自衛権では説明できません。だからそれはグレーゾーンの対応のよう
な形できちんと対処すべき話で、どこの国の船であっても必要なことは警察権
の行使としてできるようにするべきではないかと私は言っている。ですから、集
団的自衛権の問題ではありません。
 あと彼らが言ったのは臨検ですね。臨検は言ったり言わなかったりしていて、
よくわからないのですが。それと、ミサイルがアメリカ領土に飛んでいく場合に
それを撃ち落とすという話。これもしばらく出てこなかったのですが、また最近
出てきました。それだけ集団的自衛権の具体的事例に困ってしまっているの
だと思う。
 だから、まず集団的自衛権を認めること先にありきで、無理に事例を作って
いるとしか思えない。必要性がとても認められないということだと思います。

【東京新聞・横山記者】
 安全保障法制はもともと不測の事態にいかに備えるかという視点もあるか
と思うが、「不測の事態」は何が起こるかわからないわけで、あらかじめ事例
がないと議論ができないのかという疑問がある。その点について、事例をベ
ースに考えるべきか、あるいは不測の事態は何でもあるのだからそれに備え
るという考え方なのか。

【代表】
 安全保障法制において、何が起こるかわからないから法律であらゆる事態
を想定して作っておくというのは、私は法定主義に反すると思います。そういう
考え方はないと私は思います。

【フリーランス・宮嶋記者】
 ホルムズ海峡の問題は早い段階から岡田さんは、これはやるべきではない
と。これはすごく振り切ったなと思ったが、本当に経済的状況については集団
的自衛権は発動できないのだと。オイルの問題は過去に幾つか歴史もあり、
本当に大丈夫なのかと思っている国民も多いと思う。代表は経産省出身で
石油危機の時もおられたと思うが、本当に大丈夫なのか。ホルムズ海峡の
問題は、先ほどの事例の中でも一番議論になると思うが、民主党はそれでま
とまるのか。

【代表】
 全く問題ないと思います。
 総理は、よく第1次オイルショックの例を挙げられて、もちろんあの時に餓死
者が出たとかいうことはないのですが、「パニックになる」とおっしゃるのです。
私はあの話を聞いて、国会で総理に直接申し上げたいと常々思ってきたが、
「あなた、総理大臣ですか?」と。パニックを防ぐのが総理大臣の仕事であっ
て、総理大臣が「パニックになる」と言うのは、私は全く不適切な発言だと思い
ます。
 もちろん第1次オイルショックの時にいろいろな問題が発生したことに鑑みて、
例えば民間備蓄や国家備蓄を義務付けるとか、いろいろな法整備もしてまい
りました。私が資源エネルギー庁にいた時に第2次オイルショックが起きたの
ですが、実は日本に来る油の量がカットされたという意味では、第2次オイル
ショックのほうが大きかった。しかし、世の中は何事もなく、それを乗り越えて
いった。もちろんその陰では、配給切符を作ったりいろいろな制度を整えたり
という努力を我々はしましたが。
 そういういろいろな事態について、きちっと準備をして乗り越えることが政府
の責任であって、「パニックになります」と言い切ってしまう総理というのは一体
何なんだろうかと私は思います。

【朝日新聞・奈良部記者】
 新3要件、現時点では認めないということで、将来どうかということについて
は、絶対にないとは断言しないということか。

【代表】
 新3要件はだめです。まず、もっと明確な必要性が具体的に出てくること。そ
れから、よりクリアな限定ができること。そういう条件を満たした時。今から全否
定してしまう必要はないということです。

【朝日新聞・奈良部記者】
 それは、未来にわたって行使し得るような事例が起こることを否定しない、と
いうこととはイコールではないのか。

【代表】
 行使するような事態が起こるかどうか、現時点ではわからない。
 集団的自衛権の概念を使わないと説明できないというようなことが出てきた
場合に、それがクリアに限定できるということであれば、解釈変更ということを
100%否定することはないし、あるいは解釈では無理だということになれば憲
法改正ということも100%否定することはないいということです。
 ただ、現時点で考えれば、集団的自衛権の行使というものを認める必要は
ないということです。

【朝日新聞・奈良部記者】
 今回、丁寧な党内議論ができたということだが、これは時間をかけてやった
ことが丁寧だということなのか。まだ終わってはいないが、今回の党内議論の
プロセスをどう考えているか。

【代表】
 私ほとんど総会も出ましたが、総会でいろいろないい議論が出ました。立場
はそれぞれ違いますが。それに対して丁寧に答えていたし、役員会でも議論し
て、じゃあどういうふうにその意見を盛り込むかということも真摯に議論が行わ
れた。そもそも役員の中には両方の立場の人も入っていて、真剣に議論して、
いい意見はしっかりと盛り込もうという努力がなされたということだと思います。

〇若い世代への政治的コミットメントについて

【時事通信・越後記者】
 「18歳選挙権」が導入された場合を見越して、民主党としてはどういった取り
組みを今お考えになっているか。

【代表】
 今日、これから(品川女子学院での講演に)行くのも、その一環です。先日、
早稲田大学でもお話をさせていただきました。日曜日に「ニコニコ超会議」(ブ
ース出展)も、そういう趣旨で、若者にもなるべくいろいろな場面で、私だけで
はなくて、党として働きかけをしていきたいと思っています。




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