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2015.04.20|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(4月17日)

岡田克也代表記者会見
2015年4月17日15時01分~15時52分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
〇安全保障法制をめぐる議論について
〇日米ガイドラインの見直しについて
〇党首討論について
〇沖縄県知事と総理との会談について
〇国家権力とメディアの関係について
■質疑
〇日米ガイドラインの見直しについて
〇武力行使の新3要件について
〇安全保障法制をめぐる国会審議について
〇自衛隊海外派遣の恒久法化について
〇国家権力とメディアの関係について
〇若い世代への政治的コミットメントについて
〇統一地方自治体選挙・前半戦の結果と今後の選挙戦に向けて
〇憲法改正をめぐる議論について
〇メーデーについて
〇岡田代表の装いについて
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■冒頭発言

〇安全保障法制をめぐる議論について

【代表】
 安全保障法制についての党の中での議論、それから与党での議論が
行われております。党の中での議論につきましては昨夜テレビ番組など
でもご説明いたしましたが、順次議論は順調に進んでおり、残すところは
集団的自衛権の行使に関するところ。北澤俊美安全保障総合調査会長
のほうでも、なるべく今月中にと、お話をいただいておりますので、もちろ
ん議論してみないとわからないが、4月中に一定の方向性が出せるよう
にご努力をいただきたいと思います。
 私もほとんどの会議には出ておりますが、意見を言わないほうがいいと
いうご示唆もこれあり、黙って聞かせていただいています。
 それから北澤さんも言っておられますように、私も昨日申し上げたので
すが、この国会で、多少延長したとしても、短い期間でやるにはあまりに
も中身が多過ぎると思います。私もPKO法の制定などに委員として携わ
りました。あるいは国連平和協力法案とか、いずれも大議論でした。与党
のほうから「80時間」とかいった話も出てきたりしているようでありますが、
今回の中身を見れば、それは相当時間をかけて国民の理解を得て議論
をしなければいけない。国民は多くの方々が「中身がよくわからない」と述
べている中で、憲法解釈の変更を含む安全保障法制について、どんどん
与党だけで前に進んでしまうというのは基本的に間違ったことだと私は考
えております。
 いろいろな事態についても、「存立危機事態」とか「重要影響事態」とか、
一体どこが違うのかよくわからないような「事態」も議論されているようで
あります。「ようであります」というのは、我々聞かされておりません。

〇日米ガイドラインの見直しについて

【代表】
 それからガイドラインも、総理がアメリカに行かれて合意してくるという話
もありますが、私はやはり国民に中身の説明なしに、どこかの新聞に総理
が訪米されるまでに抜かれたりすることになるのかもしれませんが、現時
点では中身がよくわからない。というか全くわからない状態で、国会も、も
ちろん国民も、理解しないまま、日米両国首脳が合意してしまう。しかもそ
の中には憲法解釈の変更も含む中身であるというのは、異常なる事態だ
と思います。
 そういうことがメディアの中でもあまり問題になっていないことが私は極め
て異常だと思うわけで、何のために国会があるのか。民主主義国家として
は許されざることが今起きようとしているということだと思っております。

〇党首討論について

【代表】
 党首討論を開くよう国対を通じてしておりました。本当は(開催を求めたの
は)一昨日だったのですね。一昨日は日程上、都合がつかないというお話
のようですが、15日の(総理の)日程を確認いたしますと、午後3時頃は塩
崎厚労大臣と1時間くらい会っておられるようであります。これが正しいとす
ると、閣内で大臣と会って、まあ、何をやっているのかよくわかりませんが、
年金局長も入っていたようですが、それが党首討論よりも重要であるとい
う判断をしたということだと思います。
 海外に行かれているとか、動かしがたい外国のお客様との会談が予定
されているとか、あるいは国内でも前々からの動かしがたい約束があると
いうことならともかくとして、内閣の中で話し合いをしている、それが党首討
論を開けない理由になるというのもこれまたひどい話である。
 これは別に私に対してというよりも、国民に対して説明しないという、そう
いう姿勢はもう限界を超えているのではないかと私は思っております。

〇沖縄県知事と総理との会談について

【代表】
 沖縄県知事と総理の会談が今日ございました。会ったこと自身は一歩前
進だと思います。今まで会わなかったことが、これも異常事態で、いかなる
理由を付けたとしても、会うチャンスは幾らでもあったということだと思いま
す。官房長官は予算委員会のせいにしていましたが、土日もあれば朝も夜
もあるわけですから、これまた理由にならないわけであります。
 今回平行線に終わったということでありますが、何度でも会って、お互い
の信頼関係を築く中で、それぞれなかなか越えがたい溝があることはわか
りますが、それを埋めるべく努力を、特に総理に求めたいと考えております。

〇国家権力とメディアの関係について

【代表】
 月曜日に特派員協会でお話ししたいと思いますが、今、特派員協会が非
常に関心を持っている話としてメディアに対する権力の介入といいますか、
今日も自民党でテレビ朝日とNHKを呼ばれてお話を聞かれたと聞いてお
ります。
 個々のことは私も中身をよく承知しておりませんので、具体的には申し上
げることは避けたいと思いますが、ただ、外国の記者から見ると、日本国政
府からの介入とか「報道の自由」に対してかなり窮屈になってきているとい
う判断をされているということは、日本という国がどういう国であるかという
問題ですから、政府のほうもよほど注意してもらいたいと思います。
 日本というのは「言論の自由」が保障されたいい国だと我々は思っている
が、どうも欧米から見るとそういう国ではないと見られつつあるということは、
やはりよく気をつけたほうがいいと思っております。

■質疑

〇日米ガイドラインの見直しについて

【フリーランス・宮崎記者】
 今日の衆議院本会議で大串博志議員の質問に対して中谷防衛大臣は、
ガイドラインに関して、「現在、2プラス2(外務・防衛担当閣僚級協議)で見
直し作業を進めており、具体的なことを言える段階ではない」、27日にガイ
ドラインの最終合意というか、署名するのは、「まだ決まっていない」という趣
旨の答弁をした。仮に27日に署名ないしは最終合意という形になったら、
中谷大臣の発言は虚偽であったとお考えになるか。

【代表】
 「まだ決まっていない」と答えておられますから、「虚偽」というのは言い過
ぎだとは思います。
 ただ、10日前にしていまだに中身が全く決まっていないということはあり
得ないので、かなりの部分は煮詰まっているはずであります。したがって、
幾つかの問題が仮に残っていたとしても、そのことをもって説明しないとい
うのは全くもっておかしなことだと思います。

〇武力行使の新3要件について

【テレビ朝日・小田川記者】
 (安保法制について)今日も与党協議が行われたが、その中で武力行使
の新3要件の「他に適当な手段がない」理由を、(集団的自衛権の行使に
当たり政府が国会承認を得る際に提出する)「対処基本方針」に盛り込む
ように法案の改正をするようにという形を了承した。これで政府に一定の
説明責任を課すことで歯止めをかけようという目的でやっているのだと思
うが、このことで歯止めがかかるのかという点についていかがお考えか。

【代表】
 書かないよりは書いたほうがましだと思います。ただ、その新3要件その
ものに疑義があるわけですから、それを書いたから問題点がそれで解消
したということではもちろんありません。
【テレビ朝日・小田川記者】
 先ほど、新3要件そのものに疑義があると。どういった部分に疑義があ
るのかを伺いたい。

【代表】
 本来は国会でいろいろ議論すべきだと思いますが、一例を挙げれば、第
1要件をとっても、それが本当に限定になっているのかと。総理はペルシャ
湾まで行って自衛隊に武力行使をさせる、機雷掃海ということもおっしゃる。
その前提として、石油が日本に一部来なくなるという経済的な理由で、日本
が武力行使を受けたのと同じくらい大変な事態であると考えておられると。
それではとても歯止めになっていないね、ということであります。

〇安全保障法制をめぐる国会審議について

【NHK・花岡記者】
 冒頭で触れられた北澤会長の発言だが、通常国会だけではなくて最低で
も臨時国会での審議が必要だと。この認識は代表も全く同じという理解でよ
ろしいか。

【代表】
 最初からそう言ってしまいますと、国会をまたいだらそれでいい、とも受け
取られかねない部分もあります。
 北澤さんがおっしゃったのは、こういう重要な問題、国会でいろいろな議論
があるわけですから、それをみんながそれぞれ地域に持ち帰って国民に説
明して、それを踏まえて次の国会でまた議論する。そういう国民にフィードバ
ックするプロセスが必要だという趣旨でおっしゃっている。そのことについて
私はそのとおりだと思います。
 特別委員会ということになれば国会を毎日のように開くわけで、もちろん
報道はされますが、なかなか政治家自身が国民に対して、どこに問題があ
るとか、あるいはなぜ必要かとか、そういったことの理解を求めたり説明し
たりする時間が土日しか取れません。そういう意味では若干間を置く。今ま
では、そういうこともあって幾つかの国会をまたいできたというのはそのとお
りだと思います。

〇安全保障法制をめぐる国会審議について

【日本経済新聞・恩地記者】
 法案提出後の話だが、今日、自民党の国対から、維新の党を念頭に修
正協議に前向きな発言があった。民主党としては来週にかけて見解をまと
めると思うが、修正協議についての姿勢はいかがお考えか。

【代表】
 修正協議の議論をする前に、やはり国会の質疑を通じて法案の意図する
ところをしっかりと確認する作業が要ると思う。それがないのに修正協議も
何もないわけです。まず国会できちんと時間をかけて議論する、説明を受
ける、その中身について我々が質す。その説明を聞いた上で、どういう展
開があるかということを考えるというのが物事の道理だと思います。

【共同通信・高尾記者】
 集団的自衛権について(の党内の取りまとめは)、昨日代表は「来週にも」
とおっしゃったと思うが、先ほど「4月中」とおっしゃった。そんなに違いはな
いという認識でよろしいか。

【代表】
 一応、4月中ということですね。連休に入る前にという意味です。

〇自衛隊海外派遣の恒久法化について

【フリーランス・宮崎記者】
 (安全保障法制の)与党協議では、今週になってから、国会の事前承認
か事後承認かということが論点になっている。以前、テロ特措法などの審
議で、国会の承認に対して最終的に衆議院での議会修正が入ったことに
関して、おそらく公明党は今回もそういった形にしようという考えがあるので
はないか。岡田さんは、テロ特措法の時に野党筆頭理事として安倍官房副
長官と打ち合わせをしたことがあると国会でもおっしゃっていたが、今後の
見通しとして、この国会承認に関してどのようにお考えになるか。

【代表】
 あの時とはだいぶ状況が違います、特別法ですから。今回は恒久法。
 いつかも申し上げたように、民主党の中はいろいろな議論がありましたが、
国会の事前承認が取れるのであれば賛成に回るということについて一任を
取り付けて、官邸での代表・幹事長・政調会長が出席しての会談になったの
ですが、小泉総理は頑としてそれを認めなかった。あの時にそれを認めてい
れば、我々は賛成に回った。そうするといろいろなことが変わってきたかもし
れないという思いはあります。
 ただ、あくまでも特措法の話であって、今回とは状況が違いますからあまり
参考にならないと思いますし、国会承認の話だけ取り上げて、ここで私がい
ろいろ申し上げるのは適切でないと思います。

〇国家権力とメディアの関係について
【フリーランス・堀田記者】
 民主党もNHKを「クローズアップ現代」のことで呼んだのか。

【代表】
 NHK、籾井会長は何度かお越し頂いています。これは彼の言動、予算に
ついての判断をしなければいけませんから、そういう中でそういうことも聞い
ているということです。
 ですから私、自民党さんがやられたことについて中身は今言わなかったの
ですが、しかし、民放であるテレビ朝日を呼ぶというのはちょっと次元が違う
話だと思います。
 それから衆議院選挙前に、自民党が、公平中立な報道ということを求めた
結果、昼の選挙に関する報道が大幅に減ったとか、投票率が非常に下がっ
たということについて、それは民主党はじめ野党にも問題があったかもしれ
ませんが、それだけ関心が高まらなかったのは報道が減ったことも影響して
いた可能性は高い。それは結局、自民党を利した可能性があるわけです。

【フリーランス・堀田記者】
 2~3日前に民主党が、NHKの「クローズアップ現代」の問題でNHKの人
を呼んだということは確かか。

【代表】
 私も詳細は承知していませんが、「クローズアップ現代」の問題も含めて、
呼んで質問したと聞いています。

【TBS・山本記者】
 今回、自民党はテレビ朝日とNHKの2社を呼んだが、内容としてはNHK
よりもテレビ朝日の「報道ステーション」の番組内容について呼んだことのほ
うがより問題とお考えかという確認と、今回のことに関して自民党幹部は「放
送法に照らして事情聴取をした」と説明しているが、その説明に対してはどの
ような受け止めか。

【代表】
 むしろお聞きしたいのですが、放送法の何に関係するのですか。私はよく
わからないのですね。そこで、ある意味では(コメンテーターが)勝手にお話
しになったことですから。何かシナリオを作ってそういうのを読ませたとか、
そういう話なら議論があるかもしれません。そうではなくて、いわば自分の思
いを述べられた。それが放送法(に抵触する)というのは、私の頭では理解
できないのです。こじつけに近い話ではないかと思いますが。

【産経新聞・山本記者】
 確認だが、NHKに関しては予算もあるから、各党それぞれが呼ぶ分には
構わないと。しかしテレビ朝日(に対する事情聴取)は問題だという認識なの
か。

【代表】
 NHKは、もちろん予算の賛否を決めなければいけませんから、呼んでい
ろいろなことを聞くことはあってしかるべきだと思います。ただ、それは慎重
に考えながらやらないと、「報道の自由」を圧迫することにつながってはいけ
ないということだと思います。NHKであっても当然のことです。そういう事情
のない民放については、より「報道の自由」を尊重する、そのことが必要に
なるということだと思います。
 もちろん(報道内容の)事実関係が違うとか、それを質すとか、抗議すると
か、そういうことは、おかしなことではない。あらゆる報道に対してそれをそ
のまま受け入れなければいけないということではないとは思いますが、「報
道の自由」を不当に制約することにならないかということは常に念頭に置き
ながらやらなければいけないと思います。

【朝日新聞・奈良部記者】
 他の民主党幹部の方もこの問題についていろいろ言及しているが、「与
党が言うから問題だ、与党が介入することが問題だ」と言う方もいるし、あ
るいは「民放であるのが問題だ」「(NHKを呼ぶのは)予算審議があるか
ら許される」とか、いろいろな言い方をされているが、改めて何が問題なの
かということを、代表はどうお考えか伺いたい。

【代表】
 そういう質問が出ること自体が私はちょっと驚きです。むしろ権力をチェッ
クするのがメディアの重要な役割で、だからこそいろいろな意味での特権も
認められていると思います。権力側によってその自由が制限されようとして
いると。
 もちろん野党も一つの権力でありますが、それは基本的に政権を持って
いる政党や政府と、野党との間には、同じ権力といっても質的な違いもあり
ます。
 むしろ最近の、テレビ朝日を呼んだこともありますし、選挙前に各社に通
達がなされたこととか、そういうことが問題でない、「何が問題なのですか」と
聞かれること自身が、失礼ですがメディアの自覚を欠いているのではないか
と思います。
【朝日新聞・奈良部記者】
「問題と思わないほうがおかしい」と。別に私が問題だと思っていないわけ
ではないということは申し上げておきたいと思います。
 問題だとおっしゃるのであれば、NHK会長を民主党も呼んでいて、自民
党は今日、副会長を呼んだ。その違い、線引きは何なのか。先ほどおっし
ゃったように与党・野党の違いとか、民放とNHKの違いとか、さまざまある
と思うが、問題視されるのであれば、その論拠を示さなければいけないと
思うのです。

【代表】
 籾井さんを度々わが党が問題にして、国会あるいは(党の部門会議で)
呼んだりしているが、それは彼の言動がNHKに求められる公平性というこ
とを踏み越えてしまっているのではないか、公平な報道がなされていない、
法律に基づく公共放送の責任を果たしていないのではないかという視点で
聞いているということです。法律に基づいて、いわばそれを背景にして聞い
ているということです。

【フリーランス・宮崎記者】
 今回の件に関してはテレビ朝日の中でも「取締役である幹部から何も説
明がない」と中堅社員の間にも不満がたまっているようだ。更迭された「報
道ステーション」の女性プロデューサーは、民主党結党当時に民主党を担
当していた記者で、政治部で女性記者が一気に増えた時代のパイオニア
でもある有能な方だ。よく官邸などでも取材されている姿を見かけたので、
直接今回の件とは関係ないかもしれないが、そういった中で何となく目を
つけられるところがあったのではないかというのが民放テレビ局の現場で
出てくると、それで報道局幹部が何も説明しないとなると、やはり民放の
現場は萎縮するのではないか。野党の立場で「萎縮するな、頑張れ」と言
うのはわかるが、サラリーマンの方々なので、そういったところで何か励ま
していく考えはあるか。

【代表】
 私が励ます立場にあるかどうかですが、事実関係がはっきりしないところ
があります。そういう状況の中で私が発言することは、慎重でなければなら
ない。相手に(つけ入る)隙を与えてしまうことになりかねないとは思います。
 何か問題があるのであれば、基本的には社内で解決してもらう問題。あ
るいは社と、もしそういったことがあったとすれば、それを強いた何者か。
その何者かはわかりませんが、そこの間の問題だと思います。そのことも
含めて、「権力側が」と私は断言しているわけではないです。

【フリーランス・宮崎記者】
 やはり「報道ステーション」の放送が少しおかしいと思う。今週も、特段ニ
ュースがないような日には思えなかったが、古館キャスターと秋元康さん
の対談を長々と流していた。昨年、労働者派遣法改正案の国会審議が
注目されている時に、韓国はヨーロッパと同様に派遣労働者の均等均衡
待遇が実現しているが、その特集をやると書いてあったのに、延期されて、
そのまま放送されなかった。その日も特段ニュースがあったとは思えない。
放送法上、テレビ局は1日に1回必ずニュースを放送しなければいけない
という規定までで、1時間以上ある「報道ステーション」でずっとニュースを
やらなければいけないわけではないが、そこは株式会社としての経営とい
う観点からそういうことをやっているのではないか。その辺、地上波テレビ
局に報道機関としてどういったことを望まれるか。

【代表】
 個々の番組についてコメントすることはなるべく避けたいと思っています。
【フリーランス・堀田記者】
 菅さん、安倍さんサイドから、民放も含めて「公正な報道をしてくれ」とい
うのが出たという話ですよね。それは何かいけないのですか。

【代表】
 それが出たタイミングですね。文言上は、それは字面を眺めれば問題な
いとしても、どう受け取るかが問題だと思いますね。

【フリーランス・堀田記者】
 それを受け取って、民放側は萎縮したのか。

【代表】
 「萎縮した」と言う民放はないと思います。そういうことを認めるはずは
ないので。ただ、結果を見ると、選挙期間中の(各社)同様な事例につい
て言うと、昼間の選挙に関する報道が大幅に減ったということは事後的
に出てきていると。それがどのくらい影響したかは誰も立証できない問
題だと思います。

〇若い世代への政治的コミットメントについて

【日本テレビ・中村記者】
 選挙権年齢18歳以上へ引き下げの法案の成立をにらんで、今は若
い人の投票率が非常に低い中で、今後民主党としてどういった取り組
みをしていくのか、あるいは民主党の支持を訴えていくのか伺いたい。

【代表】
 これは18歳ということに必ずしもとらわれる必要はなく、民主党は若い
世代に以前は強かったのですが今は弱い。そこへの働きかけはいろい
ろなツールを使ってやっていかなければいけない。
 先日、早稲田大学に行って学生たちと意見交換をさせていただきまし
た。私は非常にいい議論ができたと思っているのですが、今度は品川
女子学院の高校生の皆さんとも意見交換させていただきますが、そう
いう機会も作って、若い世代といろいろな意見交換をしたい。
 民主党の政策というのは、実は若い世代のための政策が多いわけ
です。社会保障・税一体改革なども、まさしく社会保障制度の持続可
能性、あるいは世代間の負担の公平さ、そういう観点でなされている
ことです。一方で若い人の中に「消費税上がってけしからん」といった
声もありますが、それは必ずしもそういうことではなくて、若い世代の
ためにやっていることだよということを我々としては説明したいし、それ
に対するいろいろなご意見も聞きたいと思っています。

【日本経済新聞・恩地記者】
 25日からの「ニコニコ超会議」に出展するということだが、統一地方
選の後半戦投票日前日に当たるということで他党は出なくて、民主党
だけが出展する。代表は後半戦に向けてどういうスタンスで臨まれる
のか。その前日にあえてやるということは、足元の選挙だけではなくて、
将来もにらんだ積極性を示すというスタンスなのか。

【代表】
 私自身は出演するのは日曜日(26日)、投票日に当たります。目の
前の選挙に直接関係するという話よりは、もう少し長い目で見てメッセ
ージを送りたいと思っています。本当は選挙が終わってからのほうが
よかったのでしょうけれども、日程が設定されていますので、日曜日は
選挙運動もできない時期ですから、そういう時にしっかりと若い世代と
意見交換したいと思っています。

〇統一地方自治体選挙・前半戦の結果と今後の選挙戦に向けて

【フリーランス・安積記者】
 前半戦、大阪では1人とか愛知は伸ばしたとか、自治体でデコボコが
あったが、それは外から見ると、党自体がまだ再生し切っていないので
はないかという見方ができると思う。後半戦にどういう姿勢で臨まれる
のか。代表が地方に飛んで重点のところに応援に入るのか。その時に、
紫外線がかなりきついので、サングラスをかける予定はあるか。

【代表】
 あまり無理はしないようにと思っています。特に市議会、町村議会、
政令指定都市以外の市町村長ですので、かなりローカル色が強くな
る。党派色はかなり薄くなります。そういう中で、私も含めて党の幹部
がどこまで応援に回るか、これはそれぞれ地元の要望とも相談しなが
ら決めていきたいと思っております。
 それから前半戦を見て、まだ民主党が再生できていないのではない
かというお話ですが、まだ、再生できていないんです。再生できたと思
っている人はいない。問題は、そろそろ底打ちしているのかどうか。私
の個人的な意見ですが、国政選挙で見ればやはり前回の参議院選挙、
これが底だったというのが私の実感です。昨年12月の衆議院選挙は
2年前の衆議院選挙と比べれば、小選挙区での当選者も増やしました。
自民党は実は小選挙区の当選者を減らしている。民主党はベースが
あまりにも小さくなっているので、とても胸を張れるような数字ではない
のですが、底打ちはその辺かと。しかし、だからといって順調に回復し
ているとか、そういう状態ではないというのが私の見方です。今回も政
令指定都市とか、都市部では特に厳しい結果になっていますので、そ
ういう意味でなお厳しい状態が続いているとは思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 2013年の参議院選挙がボトムだろうというのは私も同じように思う
が、その前に都議選でも負け、参議院の東京でも負け、その後、衆議
院でも東京で海江田さんが落ちて、今回、大阪。この大都市における
民主党の不人気という問題、その共通認識が民主党の中にあるのか
疑問だが、これはどうするのか。大都市といえば、これから大阪都構
想が国民的議論になるわけだが、大都市における人気回復をどうや
っていくのか、具体策をお持ちか。

【代表】
 これは簡単に答えの出る問題ではありません。政策もそうだし、運動
もそうです。例えば大都市で民主党が強かった時代は、駅前で街頭演
説をする、そうすると多くの方が支持してくれるという一つのビジネスモ
デルがあったのですが、今やそれは全くない。そういうやり方ではもう
通用しない。逆に言うと、自民党も含めていろいろな党が同じことをや
っているという中で、差別化できない。ですから運動のやり方も含めて、
もちろん政策の中身も含めて、全体を立て直していかなければいけな
い。次の参議院選挙、そして衆議院選挙に向けて、そこを大都市部、
それから若い世代、女性、そういったところをそれぞれターゲットにして
再構築していかなければならないと、そんなふうに思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 最近、霞が関の幹部の方に伺うと、与党は「小刻み解散作戦」、自分
たちの都合のいい時に小刻みに解散する。それは、野党第一党である
民主党が受け皿になっていない、対抗軸になっていないからだと。小刻
みに解散すること自体は憲法上の疑義もあると思うが、そういう状況を
どう考えているか。今回の地方選の結果、次に来る国政選挙に向けて
何がしか反発力のある組織体制ができたかと言われれば、全くの敗北
だった。要するに小刻み解散戦術を打たれる状況は何も変わっていな
いと思うが、その辺をどうごらんになっているか。

【代表】
 小刻み解散戦術を打つかどうかはわかりませんが、何があっても対
応できるようにはしておかなければいけないと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 火曜日に、川崎二郎(自民党・三重1区選出)さんといろいろと話をし
たが、「鈴木英敬(三重県知事選)では勝ったが、県議選では負けた。
民主党は強い」と言っていた。岡田さんはあまり暗くならないで、自信を
持ってやってください。

【代表】
 いや、別に暗くはなっておりません。先ほども言っていますように、勝っ
たところもあれば負けたところもある。それぞれ理由があると思います。
そのことを分析して、弱点をしっかり補っていかなければならない。

〇憲法改正をめぐる議論について

【NHK・花岡記者】
 先日、憲法審査会が開かれ、岡田代表が常々おっしゃっていた総理
の憲法観についても話題になった。その中で自民党の船田議員が、「作
った時の経緯はあるが、憲法自身は戦後日本に定着して、戦後日本を
形づくってきたものだ」と一定の評価をして、「総理自身は、憲法自身を
『こう変えるべきだ』ということを言ったことはない」という話をされた。この
発言について、代表は総理のもとでの憲法議論についてはなかなか危
険があるとおっしゃっていたが、その点については解消されたとお考えか。

【代表】
 まず経緯は、総理がおっしゃったのは、「(GHQの)憲法の素人がたっ
た8日間で作った代物である」と言ったのです。GHQが関与して作ったこ
とは事実だとしても、「素人が作った代物だ」という言い方には、私は憲法
に対する敬意が全く感じられません。そのことについて、総理から何か訂
正なり、間違っていたという話を聞いたことはない。
 それから戦後果たしてきた役割について憲法審査会幹事が言われたこ
とは評価しますが、もともとそういうことで各党合意してやったものを、総理
が先ほど言ったような言い方をされたから、私は問題にしているわけです。
船田さんご自身も、いやいや、最初は当たりさわりのないところで改正して、
本命は次の9条だというようなことも言われていると私は理解していますの
で、そういう発言は極めて不適切だと。疑念が消えたわけではありません。

【読売新聞・前田記者】
 逆に、総理から憲法観について明確な訂正とか考え方を変えたというよ
うな発言、申し出があった場合は、今後、憲法改正の議論に乗れるとお考
えか。

【代表】
 そういう仮定の議論に答える必要はないと思います。総理はそういうこと
を全く言っておられないわけですから。

〇メーデーについて

【フリーランス・宮崎記者】
 29日のメーデーの対応を教えていただきたい。

【代表】
 私は難しい状態ですので、幹事長に出ていただこうと相談しています。

〇岡田代表の装いについて

【フリーランス・安積記者】
 (目の手術後)眼鏡をおかけになっているが、もう慣れましたか。

【代表】
 慣れましたが、まだ左目の視力はほとんど回復しておりませんので、片
目で見ている状態ですね。

【フリーランス・安積記者】
 こちら(今着用している眼鏡)のほうは何度かお見受けしているが、眼鏡
のお顔はちょっと慣れない感じがする。眼鏡を替えてみようとお考えになるか。

【代表】
 私も幾つか持っていますので、その日の気分で替えたりします。もし「こう
いう眼鏡が似合う」というご提案でもあれば、ご意見も聞いてみたいと思い
ます。

【フリーランス・安積記者】
 眼鏡は今、何本お持ちか。老眼鏡は含めないでお答えいただきたいが。

【代表】
 老眼鏡を含めなければ今使っているのは2本です。古いのはいっぱい持
っています。
 似合っていると言う人もいるのですが。昨夜もテレビは縁なしに、日テレ
の皆さんのご忠告をいただいてしたのですが。だけど、やはりこっちのほう
がいいという家族のアドバイスで元に戻しました。




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