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2011.02.03|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(2月3日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年2月3日(木)16時01分~16時50分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110203okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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■冒頭発言
○「党改革検討本部」の初会合について
○本日の臨時役員会について
○大相撲の八百長疑惑について
○新日本製鉄と住友金属の経営統合について

■質疑
○本日の臨時役員会について
○産業界の再編について
○愛知県知事選挙、名古屋市長選挙について
○北方領土における外国企業の活動について
○年金改革の議論について
○予算委員会の論戦について
○マニフェストの検証について
○大相撲の八百長疑惑について
○東京都知事選の候補者擁立について
○党改革検討本部について
○「竹島の日」記念式典について
○国会対策委員会について
○財政健全化責任法案について
○三重県知事選について
○予算関連法案の修正協議の場について
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■冒頭発言

○「党改革検討本部」の初会合について

【幹事長】先ほど、党改革検討本部の第1回を開催いたしました。今年の夏までにと
いう前提で3つの委員会を立ち上げて、規約の改正、綱領、あるいは代表選のあり方
についてしっかり議論して、結論を出していきたいと思います。
夏までにと申し上げたのは、いずれもこれは党大会でご承認をいただく話でありま
すので、まとまれば、夏ごろに臨時党大会を開くのかなということで申し上げたとこ
ろであります。実際のタイミングはもう少し早く議論を集約していかなければいけな
いと思っております。

○本日の臨時役員会について

【幹事長】それから今日、臨時の役員会を開きまして、小沢元代表の件で議論をいた
しました。議論したというか、少し私のほうで党規約や党倫理規則についての説明
を、確認のため行いまして、そのうえでいくつかの論点についてお話をし、皆さんか
らご意見をいただいたということであります。
私からは、まず過去の事例について口頭で簡単に申し上げました。一つは、ご本人
が逮捕・起訴された場合というのは、いくつかわが党でもあります。それについてど
ういう対応をしたかということを簡単に説明いたしました。それからもう一つは、ご
本人ではなくて秘書が逮捕・起訴された場合、これはわが党では事例は2つ、鹿野道
彦さんの場合と鳩山由紀夫さんの場合であります。ただ、他党ということでは、加藤
紘一さんとかいくつか例があります。大きく言って、ご本人の場合、それから秘書の
場合について、簡単にご説明いたしました。
2番目は、国会での説明がいまだにされていないことについて、政倫審で説明が望
ましいということを、そして場合によっては決議をしてでも、ということを役員会で
決めた、あるいは菅代表(総理)が1時間以上にわたって説得した、そういう中でい
まだ説明がなされていないことをどう考えるか。
3番目は、強制起訴の性格をどう考えるべきかと。
こういった論点について、ぜひご議論いただきたいということで、かなり活発な意
見がありました。ただ、時間的には非常に限られた時間でありますので、引き続き、
来週月曜日に定例の役員会の場でより深い議論をしていきたいと思います。
なお、いろいろメディアの皆さんには報じていただいておりますが、私が今まで申
し上げてきたことは、期限を特に私は定めていないと。少なくともそういうことを今
言うつもりはないということ。しかし、いつまでも時間をかけていいとは思わない、
というのが私の今までの発言であります。そういう発言を踏まえて、皆さんそれぞれ
記事にしておられますが、ちょっと私、首をかしげるような記事もあることは申し上
げておきたいと思います。

○大相撲の八百長疑惑について

【幹事長】大相撲の話が、また今日の夕刊でも報じられておりますが、八百長を認め
る、という事実が出てまいりました。これはやはり相当な危機感を持って、人々に、
子どもも含めて夢と希望を与えてきた相撲が八百長であったということになれば、こ
れは、相撲そのものが問われる、そういう話であります。ぜひ関係者の皆さんは真剣
に受け止めて、そして厳正なる対応をしていただきたいと思います。「相撲道」とい
う名前に恥じないような、きちんとした対応が求められると思います。

○新日本製鉄と住友金属の統合について

【幹事長】4番目に、先ほどのニュースで新日本製鉄と住友金属の経営統合が報じら
れております。4時半に両社の社長が会見されるということですので、そういう報道
はおそらく事実だろうと思います。
「もしそれが事実であれば」という前提で、4時半というと途中で事実かどうか明
らかになると思いますが、申し上げますと、これは成長戦略を考えるうえで、非常に
重要な意思決定がなされたと私は受け止めております。久しぶりに元気の出る話だと
思っております。
もちろんこれから、おそらく公正取引委員会において独禁法上問題があるかどうか
について議論が行われるのだろうと思います。それは厳正なる審査というか、そう
いったことが行われることは必要だと思います。
ただ、八幡・富士が合併したときにもこれはずいぶん様々な議論がありました。た
だ、あのときには世界一の鉄鋼会社ができるということだったと思います。今は残念
ながら、おそらく合併しても、規模でいえばベスト5に入るか入らないかという状況
だと思います。そもそも市場がグローバル化していることも考えていかなければいけ
ない。そう受け止めております。そういったことも含めて、しっかりとした議論がな
されることを望みたいと思っております。

■質疑

○本日の臨時役員会について

【毎日新聞・野口記者】(本日の)臨時役員会で活発な議論が行われたということ
で、小沢さんの処分について、強制起訴を受けてするべきだという意見と、慎重な意
見と、両方あったと思うが、具体的にどういった意見が出されたのか。

【幹事長】今日は1回目ですから、自由に意見を言っていただいたということで、誰
が何を言ったかというのは言うべきではありません。これは中の会議ですから。まず
は皆さんが意見を言われたということで、それが最終的なものだとは思っておりませ
んし、これから集約していかなければいけませんので、途中の段階で何か言うことは
ありません。必ずしっかりまとまると確信しております。

【読売新聞・中島記者】幹事長が示された論点について、過去の事例はともかくとし
て、強制起訴の性格と国会での説明がなされていないことについては、幹事長の考え
方は示されたのか。

【幹事長】申し上げておりません。

【NHK・広内記者】役員会の議論を踏まえて、何かしら決定する前には、幹事長な
りどなたか執行部の人が小沢さんに会われる予定はあるのか。

【幹事長】現時点では特にありません。「お会いすべきだ」という意見はあります。
もちろん、これは相手のある話ですから、そういったこともこれから確認していかな
ければいけないと思います。私自身は、前から申し上げておりますように、いつでも
お会いして話をする用意があるということです。

【朝日新聞・南記者】今日の役員会では小沢元代表の処分について「長期化するのは
好ましくない」という意見は出たか。

【幹事長】中身は申し上げません。いろいろな意見がありました。ただ私は、やたら
時間をかけていいものではないと考えております。

【共同通信・中久木記者】議論の進め方として、役員会での議論が収斂していくのを
待つのか、あるいは意見が出そろったところで幹事長が引き取るのか、やり方はどう
されていくのか。

【幹事長】それは、やってみないとわかりませんね。それを今から縛るつもりはあり
ません。ただ、今まで役員会でいろんな意見を交換しながら、12月にも一つにまと
まったということがあります。私は、議論を尽くしていけば必ずまとまると思ってお
ります。

【日刊ゲンダイ・小塚記者】確認だが、処分をするという前提で議論されるのか、そ
れとも処分をしないこともあり得るという可能性も入れて議論しておられるのか。

【幹事長】処分・措置の必要性について議論しているのであって、何か特定の前提を
置いているわけではありません。処分・措置を行うことに関して議論しているという
ことですから、特定の前提を置いて、そういったものが必要であるとか、そういった
前提で議論しているものではありません。

【北海道新聞・舟崎記者】基本的なことの確認で申しわけないが、今回、具体的に小
沢さんの何について処分・措置の対象にされているのか。

【幹事長】そのことについても議論していくということです。ですから、強制起訴が
あったということは、これは議論の対象になっているわけですが、それ以外に、秘書
が逮捕されたことをどう考えるかと。それから、先ほど言いましたように、国会での
説明を党として求めていることに対して、それがなされていないこと、そういったこ
とを議論の対象に含めるかどうかを含めて、議論していくということです。

【北海道新聞・舟崎記者】政倫審に今まで出てこられていないというお話だが、1月
下旬の与野党幹事長会談で岡田幹事長は野党に対して、「小沢さんは決して政倫審に
出ないとは言っていない」という発言をされている以上、出ていないというのは、現
時点ではそうですけれども、決して「出ない」とは言っていない。時期的に出ていな
いのは事実だが、出ていないということでもし処分の対象にするとしたら、ちょっと
違和感を感じるが。

【幹事長】早期に出ていただきたいと思ってまいりました。あの時点で、幹事長会議
をやった時点から(後に)強制起訴があり、強制起訴後の記者のぶら下がりで、「出
ない」というに等しいことを言われたのではないかと思っております。そこの解釈も
分かれるかもしれません。

【毎日新聞・野口記者】この問題の最初に、2年前に小沢元代表の秘書の大久保さん
が逮捕されたときに、第三者委員会が報告書をまとめた。その報告というのを幹事
長、覚えていらっしゃるか。

【幹事長】大久保さんの逮捕のときの第三者委員会の報告書、中身は私、記憶してお
りません。

【毎日新聞・野口記者】その中に、民主党の危機管理の対応について問題があった
と。政治家個人と党首の立場を切り離せずに事態の悪化につながった、というのがあ
るのだけれども……。

【幹事長】思い出しました、はい。

【毎日新聞・野口記者】今回も同じような問題だと思った。小沢さん個人の問題を民
主党全体の問題と考えるのかと。そういった同じような論点だと思うが、そのときの
報告書のそういった指摘、今改めてどのようにお感じになっているか。

【幹事長】私の記憶では、そのときの報告書は党首が当事者であるということで、い
ろいろな議論が円滑になされなかったことを指摘したものだと思います。ですから今
回とは違うと思います。

【産経新聞・宮下記者】今後、処分の必要性の有無を議論していくということだが…
…。

【記者】処分・措置ね。

【産経新聞・宮下記者】処分・措置ですね。世論調査等では「議員辞職」「離党」が
望ましいという意見が多いが、こういった国民世論も考慮に入ってくるのか。

【幹事長】いろんなことを考えるべきだという意見はあります。しかし私は、これは
純粋に法の適用と同じことなので、客観的に今の倫理規則、党の中の、そういったも
のに照らしてどうかということを考えていけばいいと思います。

【朝日新聞・南記者】確認ですが、幹事長が冒頭に、秘書が逮捕・起訴されたケース
について民主党で2例があって、自民党では加藤紘一さんの例があるとおっしゃった
が、今日の役員会でも加藤紘一さんの例はご紹介されたのか。

【幹事長】名前は言いました。中身は説明していません、全く今日は。もう一人、井
上(裕)さんでしたっけ、参議院議長がありましたよね。

【読売新聞・中島記者】今後の議論の進め方だが、毎週ある定例の役員会で議論して
いく以外に、臨時の役員会を開いたりするのか。

【幹事長】それは必要に応じて考えます。

○産業界の再編について

【ブルームバーグニュース・廣川記者】新日鉄と住友金属の件をコメントされたが、
日本の産業界、特に家電メーカーなどは国内での過当競争の弊害があって、韓国など
のメーカーに抜かれているという指摘もある。グローバル競争で勝負できるような企
業ができるために、日本の産業界の大規模な再編は必要だとお考えか。

【幹事長】まず再編は、私、個人的には必要だと考えております。ただ、それを国と
か役所が先導することがいいかどうかは、また別の議論であります。それは自主的に
なされることが望ましいと思います。
それから、今回もそうなんですが、いろいろな法の適用とか、特に独禁法ですね、
そういうことを考えるときに、市場そのものがグローバル化していることは踏まえて
判断していかなければならないのではないか。もちろん、ものによって国内だけの
マーケットで成り立っているような産業もあるかと思いますが、グローバルに競争し
ている産業にあっては、やはりそのことを踏まえて判断すべきだと思っております。
日本の鉄鋼メーカーも、つい最近までは世界一とか2とか言っていたのが、今や中
国メーカーや、しかも中国メーカー自身も統合されて競争力が急激に上がっています
し、あるいはインドも非常に大きくなっていて、相対的に地位が低下していますよ
ね。そういうことはよく考えなければいけない点ではないかと思っています。

○愛知県知事選挙、名古屋市長選挙について

【朝日新聞・南記者】「減税日本」という地域政党に対して、二大政党が苦しんでい
る展開になっていると思うが、この事態をどのように幹事長として受け止めている
か。

【幹事長】政党間でそういうことになっているのかどうかと。私は必ずしもそうは思
いませんが、ただ、やはり自民党・民主党が国民の期待に十分こたえていないと。そ
の国民の不満・失望感の受け皿になっているとは言えると思います。これは「減税日
本」だけではなくて、ローカルパーティー、他にもあるわけであります。そのことに
ついては、われわれ真剣に受け止めなければいけないと思います。ただ、言っている
こと、政策は、私は全く評価しませんけどね。

【朝日新聞・南記者】河村さんの、政策の内容はともかくとして、市議会解散という
手段を使ってでも有権者に公約した内容を実現しようという姿勢への共感も一定程度
あると思う。その点についてはどのように受け止めていらっしゃるか。

【幹事長】市議会解散だけならともかく、自らも辞して、そして選挙をやり直すとい
うのは、私は行き過ぎていると思います。

【朝日新聞・南記者】市議会解散という手法に関してはいかがか。

【幹事長】それは権限的には認められていることですから、全くいかんと言うつもり
はありません。しかし、そこに至るまでに十分に議論をしたのかどうかは問われると
思います。

【毎日新聞・野口記者】今回の名古屋・愛知の選挙は自民党も民主党もともに埋没し
ている。このままの結果で終わった場合に、今後の国会の運営や政権への影響をどう
考えるか。

【幹事長】知事・市長の選挙ですから、直接影響があるとは思いません。しかし、先
ほど言ったようなことで、国民の期待に十分こたえられていないことについては、わ
れわれ真剣に受け止めなければいけないと思っています。

【中日新聞・関口記者】告示前後に幹事長は、今回の2つの選挙は統一地方選の前哨
戦だ、という位置づけを示されていた。今もその認識は変わらないか。

【幹事長】当然、時期的にいっても統一地方選挙の前哨戦と位置づけております。

【中日新聞・関口記者】そのうえで、今回の2つの選挙の結果が統一地方選挙に与え
る影響はどうお考えか。

【幹事長】先ほどもお話に出ておりますように、自民党も2人の候補者に分かれて
やっている状況ですから、知事選に関していえば、ですね。市長選については、石田
よしひろさんを市議の方で応援している方もいるというか、市議団は推薦したと聞い
ていますので、自民党との比較においてどうこうということはないと思います。

ですから、ある意味では地域におけるそういった現象が起きていると。しかし、こ
のことは、大阪においても同様のことが起こりかねないと。あるいは他の都市部でも
そういうことがあるかもしれないという意味では、十分に対応を考えていかなければ
いけない問題だと思っています。

【中日新聞・関口記者】幹事長、知事選の告示から昨日まで4回選挙区入りされてい
るが、この後、選挙区入りする予定があるかということと、与党幹事長が地方の選挙
にこれだけ現地に足を運ばれるのは異例だと思うが、その理由はどういう思いから
か。

【幹事長】今後、(選挙区入りする)予定は特にありません。もちろん、まだわかり
ませんけれどもね。
4回が多いかどうかですが、何といいますか、石田さんは現職の衆議院議員だった
わけで、その石田さんが退路を断って立候補した。私、「いかがなものか」と言った
こともありますが、本人は非常に「このままでは政治がおかしくなるし、名古屋がお
かしくなる」ということで、退路を断って出られたわけですね。それから、みそのさ
んは、やはり党として推薦をした。私、かねてから存じ上げている方ですが、厳しい
状況の中で出馬を決意してくれたと。そういった候補者にしっかりと、幹事長として
できる限りのことはするのは、私は必要なことだと思っております。幹事長として、
というよりも、ある意味では「人間として」と言ったほうがいいかもしれませんが。

【日刊ゲンダイ・小塚記者】この結果の影響というところで幹事長は、「自民党との
比較においてどうこうではない」とおっしゃったが、知事選に関していうと、大村さ
んは、河村さんの応援を受けているとはいえ、もともと自民党の議員だし、自民党が
分裂した選挙になっている。民主党は一丸となってみそのさんを推している状況だ。
そう考えると、民主党が本来勝ってもよさそうなものなのに、もし負けるとなれば、
自民党よりも民主党のほうが深刻な状況と考えられるのではないかと思うが、どうお
考えか。

【幹事長】どの党が、ということではおそらくないでしょうね。河村さんの応援を受
けた大村さんが、ということだと思います。こういう中にあっても党がきちんと一丸
となって戦ったことは、私は貴重なことだと思っています。

【産経新聞・宮下記者】今回の選挙にあたって「全議員が一度は愛知に現地入りして
ほしい」という指示を出されているかと思うが、その現状はどのような状態か。1回
生を中心に現地入りされていない方が少なくないと伺うが、もしそうであれば、その
状況をどうごらんになられているか、その原因とか、ご説明いただきたい。

【幹事長】現状は私、詳細を把握しておりませんし、申し上げることではないと思い
ます。ただ、電話作戦とか、あるいは自ら入っていただくことはお願いしているとこ
ろです。そういったことについてみんなが力を合わせてやると。そういう党にぜひし
たいと思っておりますので、結果についてはしっかりとデータとして蓄積させていた
だきたいと思います。「ひとの選挙は行かないけれども、オレの選挙は応援に来い」
というのは基本的に成り立たない話だと思います。ひとのために汗を流す人がやっぱ
り報われる、そういう党でありたいと思います。

○北方領土における外国企業の活動について

【日経ビジネス・森記者】北方領土について、ロシアが韓国に共同開発を呼びかけて
いる。今後の日韓関係にも影響が出るかと思うが、いかがごらんになっておいでか。

【幹事長】基本的にはこれ外務省の問題ですので、私があまり口を差し挟まないほう
がいいと思いますが、北方領土に例えば日本人が入ることに対して、従来、国は、そ
ういうことはやめていただきたいと言ってまいりました。
他国の企業が北方領土で活動することについて、法的にはなかなか難しいところが
ありますが、しかし、決してそれは日本にとって喜ばしいことでないことは事実です
から、何らかの外交的対応が必要になってくるのではないかと。強制力はなかなかな
いのですが、日本政府としての意思を示す必要があるのではないかと、個人的にはそ
う感じております。

【世界日報・早川記者】その意思というか姿勢を示す必要があるということだが、2
月7日が「北方領土の日」で、昨年11月からメドベージェフさんや国防次官とか、
(ロシア)の政府高官が相次いで訪問している。一昨日には(ロシアの)地域発展大
臣が記者会見して、北方領土をロシア領として長期的に開発していくことを話され
た。今まで「遺憾である」というコメントで、遺憾、遺憾が続いてきているが、ここ
で何か次の一手が打てないのかなという気もする。今ちょっと抽象的におっしゃった
が、具体的に何か打てないのか。

【幹事長】外交当局はいろいろと考えていると思いますが、私はそういったことの詳
細を承知しておりませんし、あまり軽々にものを言うべきではないと思います。当
然、現状を放置しているわけではないと理解しております。

【日本テレビ・福井記者】「日本政府としての意思を示す必要があるのではないか」
と言われたが、どこに対してか。今回の主体は韓国企業だと思うが、韓国政府に対し
ても何か意思を示す必要があるという意味か。

【幹事長】私は双方だと思います。企業というより、政府ですね。

○年金改革の議論について

【朝日新聞・南記者】年金改革の関係でお伺いしたいのですが、菅総理が昨日の予算
委員会で、最低保障年金について確定しているものではないという形での答弁をされ
た。これをもって民主党公約の後退とか撤回という受け止めもあるが、幹事長として
はこの国会論戦の状況をどのように受け止めておいでか。

【幹事長】なかなか難しいところですね。ですから各党との協議を進めようとして、
わが党の案をあまり強調すると、それを理由に協議に乗ってこない。といって柔軟姿
勢を示すと、ウソつきだと言われるという、非常に難しい状況かなとは思います。
ただ、別に、例えば民主党の主張を今いったん強く主張しないからといって、それ
でやめたということではないので、当然協議の中でそういったことは主張して盛り込
まれるようにしていくということで、民主党のマニフェストに書かれたことが全部取
り下げられているということではない。議論するために少しハードルを低くしている
と、そうご理解いただきたいと思います。

【朝日新聞・南記者】岡田幹事長が超党派のメンバーで08年12月にまとめたペー
パーには、「基礎年金が果たす役割というのが最低保障年金であることを明確にし
て、金額も設定すべきだ」という提言をされている。岡田幹事長としてはそのお考え
は変わりないか。

【幹事長】「幹事長としては」と言われれば、私の幹事長としての考え方は、マニ
フェストの考え方であると申し上げたいと思います。
超党派のものは、自民党の野田毅さんや河野太郎さんなどと議論を重ねてつくった
もので、あれはあれで一つの整合性ある提言で、ぜひ参考にしてもらいたいと思いま
す。1階建ての部分は最低保障ということで、これは税で基本的に考えていくと。2
階のところはむしろ積み立てにするということで、理念としては非常に整理されたも
のだと思っております。これから幅広く議論する中で一つの参考にしていただけない
かと思っておりますし、与謝野さんには私の案もお渡しをして、「これも検討してみ
てください」ということは申し上げてあります。真剣に取り上げられるかどうかはわ
かりませんが。

○予算委員会の論戦について

【読売新聞・中島記者】昨年の臨時国会での予算委員会の論戦について、「揚げ足取
りが多かった」という評価をされていたと思う。通常国会が始まって予算委員会を何
日かやっているが、これまでのところをどうご覧になっているか。

【幹事長】これまでのところ、いろいろなバリエーションはあるんですが、全体とし
て見れば私は有益な議論が多いと思います。若干厳しいやり取りもありますが、政策
論が中心になっていて、こういうことこそ予算委員会にふさわしいと、そう思ってお
ります。

○マニフェストの検証について

【ニコニコ動画・七尾記者】視聴者の質問を代読します。
政府・民主党は2009年衆院選マニフェストの見直しに本格的に着手するとの報
道がある。見通しは望ましい形ということで結構だが、見直した結果の公表は一気に
されるのか、あるいは段階的に個別政策単位で公表されていくのか。2点目として、
その際、必要な財源規模や確保に関する明示はされていくのか。

【幹事長】見直しというより「検証」と、われわれ申し上げております。1年半たっ
て、夏ごろには2年ということになりますから折り返し点ですね。政権交代して4年
の任期の中の折り返し点になりますので、既にできたもの、これからやるもの、残念
ながらすぐにはできないもの、あるいはそもそもできないもの、そういったことにつ
いてきちんと議論をして、できないものや遅れるものについてはその理由も正直に説
明する、申し上げることは、私は政党としての誠意であると思っております。
そのための作業の、どういう形でやるかということは今、政調会長と議論をしてい
るところでありまして、多少時間がかかっておりますが、個別の問題はそれぞれの政
調の中の担当セクションで議論することになりますが、マニフェストは党全体のもの
ですから、最終的には一つに集約して、そして国民の皆さんに説明すると。そういう
ことになると思います。

【ニコニコ動画・七尾記者】見通しとしてその時期はいつごろになるのか。

【幹事長】私は、夏ごろまでにはと思っております。

○大相撲の八百長疑惑について

【日刊スポーツ・中山記者】大相撲の八百長の件で、閣僚の中からは「現段階では、
公益法人としての認可は厳しいのではいか」という声が出ている。幹事長としてのお
考えを伺いたい。

【幹事長】それは相撲協会の対応をちょっと見てみないと、簡単には結論を出せない
問題だと思います。長い伝統のあるものですので、簡単に突き放すこともいかがかと
思います。ただ、根本的にこの問題にメスが入らないことになりますと、これはもう
スポーツではないという、あるいは「相撲道」にあまりふさわしくないことになって
まいりますので、それは単なる財団法人としての認可の問題を越えて、より深刻な問
題になりかねない。そういう深刻な問題でもあると思っています。

【日刊スポーツ・中山記者】冒頭にも「相撲道にふさわしい対応」とおっしゃった
が、姿勢を示すということで具体的に協会としてはどうあるべきだと思われるか。

【幹事長】徹底的に検証することですね。過去も含めて、洗いざらい検証して、事実
を出すと。そして再出発することだと思います。

○東京都知事選の候補者擁立について

【TOKYO MX・塚越記者】東京都知事選について、最近(共産党の)小池氏へ
の出馬要請や、東国原氏が出馬するかもしれないと、にわかに騒がしくなってきてい
る。民主党としては都知事選をどう位置づけて、どんな準備をされているのか。

【幹事長】民主党としては、候補者の擁立について現在協議を行っているところで
す。都連を中心に議論が行われています。

【TOKYO MX・塚越記者】東国原氏が出馬するとなった際、民主党としてはど
うお考えになるか。

【幹事長】まだ決まってもいない話を、公党の幹事長がコメントすることはありませ
ん。

【朝日新聞・南記者】東京都知事選で他党が擁立した候補を相乗りの形で推薦するこ
とはあり得るのか。

【幹事長】基本的に、そういったことは考えておりません。

○「党改革検討本部」について

【共同通信・中久木記者】今日の党改革検討本部の初会合でのやりとりというか、確
認したことと、今後のスケジュールを紹介していただきたい。

【幹事長】個々のやりとりを申し上げることは特にありませんが、まだメンバーが固
まっていない委員会もありますので、そこを早期に確定したうえで、それぞれ、全体
は長妻さんに見てもらうのですが、スタートすることを確認いたしました。月に1回
はこの本部を開いて進捗状況の報告を受けると。それから春ごろまでには少なくと
も、中間的であれ、報告していただきたいということです。

【日本テレビ・福井記者】規約など重要なものを決めるメンバーということで人選が
非常に大事だと思うが、委員会のメンバーはどのように決めているのか。

【幹事長】メンバー、委員長は私が決めました。長妻さんと相談をして。副代表ある
いはそれに準ずる方にお願いをいたしました。川端さんは、従来、規約について検討
を一度お願いした経緯がありますので、委員長になっていただいたわけです。あとは
執行部の中で長妻さんとか総括副幹事長に事務局長になっていただいて、その委員長
と事務局長に委員の人選はお任せしているということです。

【日本テレビ・福井記者】人数など規模についてはどのようにお考えか。

【幹事長】私はあまり多くないというイメージで、5~6人という感じですね、委員
は。

○「竹島の日」記念式典について

【フリーランス・安積記者】2月22日の「竹島の日」の記念式典について、主催者
の島根県に問い合わせてみたら、既に民主党県連に出席要請はあり、一応、渡辺周さ
んの出席が決まっているという話だった。領土問題は国家というか中央政府が動いて
ほしい、与党も動いてほしいということなので、党の役員クラスのメッセージなり出
席なりが欲しいというような話だった。幹事長自身が出席される、ないしは幹事長名
で誰か代理で派遣される、またはメッセージを出されるおつもりはあるか。

【幹事長】県連にそういう要請をされたということもあると思いますが、私のところ
には届いておりません。少なくとも私はそういう認識をしておりません。あと渡辺さ
んが出られると。渡辺さんがどういう資格で出られるのか。党務委員長であることは
間違いありませんが、ちょっと私、詳細を承知しておりません、どういう経緯でそう
なったのか。

【フリーランス・安積記者】竹島については領土問題プラス経済的なことの関連もあ
るので、やはり国家、中央政府が動かないといけないと思う。これについていまだに
幹事長のほうに何も上がっていないということは、幹事長のほうから、どういう動き
があるのかと調べるおつもりはあるか。

【幹事長】今聞きましたので、ちょっと県連に確認してみたいとは思います。

○国会対策委員会について

【テレビ東京・大江記者】予算委員会を見ていてもなかなかスムーズに進まない場面
もあると思うが、今の国対をどうごらんになっているのか、安住国対委員長の評価、
またはどういうことを要望なさるか伺いたい。

【幹事長】評価をする、しないというのは私が言うべきことだとは思いません。国対
というか今の予算委員会はかなりスムーズに進んでいると思います。時々止まったり
することもありましたけれども、根本的に何か行き詰っているという話は全くないと
思っております。順調に進んでいるというのが私の認識です。

【テレビ東京・大江記者】どういう要望をなさいますか。

【幹事長】いや、こういう場で何か言わなくても、いつも会って話はしておりますの
で、それ以上のことはありません。

○財政健全化責任法案について

【時事通信社・近藤記者】財政健全化責任法案について近く自民党が修正案を再提出
するということで、新たに予算を伴う政策にはそれを上回る恒久財源が必要だという
条項が加わるということで、11年度予算案からの適用となると、子ども手当の実現
にも影響してくる。これまで「前向きに議論する」とおっしゃっていたと思うが、ど
ういった議論をしていくおつもりか。

【幹事長】よく法案の中身を見てみたいと思います。いつからのことを言っているの
かということもあると思います。これから法案が出てくるということは、法の施行は
いつを想定しているのか、それにもよるわけですから。今、想像ではものを言わない
ほうがいいと思います。

○三重県知事選について

【伊勢新聞・中森記者】自民党は鈴木英敬氏擁立に向けて再調整を行っている。民主
党の相手候補が鈴木氏ということに対する感想と、民主党のほうがまだ擁立されてい
ないが、いつごろをめどか、なぜまだ擁立されていないのか。

【幹事長】県連のほうは一生懸命に、今いろいろな議論をしておりますが、主要メン
バーが幹事長であったり予算委員長であったり予算筆頭であったり、あるいは首相補
佐官であったりということで、なかなか一堂に会して議論する機会がないことも、遅
れている一つの原因かなと思います。しかし、そろそろ決めなければいけないとは
思っております。
自民党のほうの動きはまだはっきりとしておりませんので、特にコメントは控えた
ほうがいいと思っております。

○予算関連法案の修正協議の場について

【朝日新聞・南記者】子ども手当法案など予算関連法案の修正協議の場についてお伺
いしたい。これは予算委員会の場なので修正協議を並行してやることを念頭に置かれ
ているのか、それとも子ども手当法案であれば個別の厚生労働委員会の現場で修正協
議を行っていくのか、その辺のイメージについてお聞かせ願いたい。

【幹事長】コメントは控えたいと思います。




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