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2010.11.08|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(11月8日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2010年11月8日(月)
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20101108okada.asx

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■冒頭発言
○党役員会報告事項
○世論調査のあり方
■質疑
○小沢元幹事長との会談
○名護市議会・市長からの陳情対応
○内閣の情報管理
○沖縄県知事選挙への対応
○安全保障調査会の提言の取り扱い
○企業・団体献金
○内閣支持率
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■冒頭発言

○党役員会報告事項

【幹事長】それでは私から何点か、申し上げたいと思います。まず先ほど役員
会を開催しました。その中で、ひとつは党大会について、1月13日に、幕張
メッセで開催するということを報告しました。年に1回の党大会であります。
そこで、しっかりと来年度の活動方針や予算などについて議論していただきた
いと考えております。前回もご報告したと思いますが、江田(五月)先生が実
行委員長であります。今回、長浜(博行)財務委員長を副委員長といたしまし
た。

それから、民主党BBL(ブラウン・バッグ・ランチ)ということで、従来
はシンクタンクの「プラトン」主催で、昼食時に自ら食事を持ち寄って勉強を
する、そういうことをしていましたが、このたび幹事長部局が中心になって同
様のものを開催するということを確認しました。政策は政調でやっております
ので、もう少しレンジの長いですね、政治論や社会論といったことについて、
外部の方にお話をしていただき、質疑、やりとりを行い、国会の昼の時間を利
用して行うというものでございます。企画委員会の委員長に松井孝治参院議員
になっていただき、そのほか、政調部局と幹事長室部局の何人かで運営してい
ただくということにしました。

それから、枝野幸男幹事長代理のほうから、先般、奄美豪雨災害対策本部の
現地調査団として調査を行った、その概要の報告があったということです。

役員会の報告の最後に、先週の小沢元幹事長と私との会談といいますか意見
交換の状況についてご報告をいたしました。そのうえで若干の議論があり、結
論として、役員会のメンバーの多くの皆さんの意見を聞いたうえで、その意を
受けて、これから小沢さんご自身の判断で、政倫審に出てきていただくという
ことを、もう一度私が話し合いをするということになったところであります。
役員会の意を受けて私が話をするということ、従来も、もちろん私が幹事長と
してお話をしていたわけですが、あらためて役員会の話し合いを行って、多く
の皆さんの意を受けて再度話し合いを行うということであります。まだ日程そ
の他は決まっておりませんが、今日の議論を受けてもう一度話し合いをしたい
と考えております。

○世論調査のあり方

最後に若干、苦情ではありませんが、昨日のある通信社の全国世論調査につ
いて一言申し上げておきたいと思います。この場で先般の、契約額1億円以下
の企業団体からの献金の受理に関して、マニフェストに反するものでは全くな
いということは丁寧にご説明したつもりであります。にもかかわらず、調査が
「民主党は昨年の衆院選を機に自粛していた党本部の企業・団体献金の受け入
れを再開する方針を決めました。あなたは、これについてどう思いますか」と。
回答の選択肢は「民主党の衆院選マニフェストの全面禁止方針に反しており、
問題がある」と。ですから「反していない」と説明したにもかかわらず「反し
ており、問題がある」という設問自身が間違っているのであります。そして6
7%の方がそれに同意したということを言っているわけですが、設問の立て方
に問題があると考えております。

そもそも、衆院選を機に自粛していたというのも間違いでありまして、自粛
していたのは今年になってからで、衆議院選後、昨年いっぱいは1億円以下に
ついての献金は受け入れていたわけですのでここも間違いということです。な
るべく正確に世論調査をする際にですね、多少の誘導とかそういうことはある
のでしょうが、正確な調査をしていただきたい、ということを申し上げておき
たいと思います。

■質疑

○小沢元幹事長との会談

【記者】「政倫審に出てきていただく」ということは現時点で役員会としてコ
ンセンサスを得ているか。政倫審に出てきていただくことも含めてこれから役
員会で議論をするということか。

【幹事長】後のお話が、ちょっと理解できなかったのですが、もう一度繰り返
しますが、今後について、小沢さんに自らの判断で政倫審に出てきていただき、
そしてお話をいただきたいということを、役員会の多数が、そういう意見を持
ち、その意を受けて、私が小沢さんとお話をするということです。それ以上で
もそれ以下でもありません。

【記者】今国会中に会うという考えでいいのか。

【幹事長】今日の役員会で議論したことは、先ほど私が述べたことでございま
す。

【記者】役員会のなかで、政倫審に対して、反対の意見は出たか。

【幹事長】まず、この問題は、役員会で決定する話ではないんですね。つまり、
小沢さんご自身の意思で出てきていただきたい、ということですから、決定に
なりうる話ではないのです。そのことを申し上げ、いろいろな意見があった中
で、多数の皆さんから意見が出て、その意を受けてということです。

【記者】今国会での国会招致をするかと決めているわけでないのか。来年の通
常国会もありえるのか。

【幹事長】まず、「国会招致」というのを決めたわけではありませんので、後
ろの質問がよくわからないのですが。

【記者】政倫審出席は、今国会に限らなくてもいいことなのか。

【幹事長】まず、政倫審出席は、ご本人の意思で、ということを何度も申し上
げたいと思います。別に役員会で、政倫審に出てくるべきだということを決定
したわけではありません。本人の意思で出てくるということについて、多くの
意見が出て、その意を受けて私がもう一度小沢さんとお会いするということで
す。なるべくすみやかにお会いしたいと考えております。

【記者】役員会から一任を受けたという理解でよいか。先週も先々週も、役員
会であまり小沢さんの話をされていなかったようだが、この時点でこういった
お話をされたということは、前回幹事長がお会いになって、小沢さんに政倫審
に自分から出ていただけない、ということを受けて今日こういう話し合いをし
たのか。

【幹事長】そういうことは別にありません。私が先週のことを説明しましたの
で、それをきっかけに意見が出たのだと思います。そもそも幹事長に任せよう
ということで役員会はしばらくきていたわけですが、もちろん任せるにあたっ
ての役員会の考え方というものは、やはりきちんと示したほうがいいというこ
とで、お話し合いをいただき、「意を受けて」、ということになったわけです。
もちろん私としては幹事長として話し合いをしているわけで、私個人でしてい
るわけではないのですが、改めて役員会の意を受けて、話しているということ
を、確認したということです。

【記者】一任という理解でよいか。小沢さんの問題については、役員会の意思
と岡田さんの意思がまったく一緒なので、すべてお任せしますという理解でよ
いか。

【幹事長】そういうことは私、申し上げておりません。私が従来から、役員会
の皆さんから任せられてお話し合いをしてきたわけですが、「任せる」という
ことが、漠然と任せるということではなくて、小沢さんが自ら決めて、決断し
て出てきていただくということについて、それは役員会の意を受けてのことで
ある、ということを、あらためて確認したということです。

○名護市議会・市長からの陳情対応

【記者】先週末、名護市議会議員と市長が、普天間移設の日米合意の撤回を求
めるとする市議会で決議した意見書を持ってきて、関係省庁の政務三役と面談
したいと上京したが、政務三役は難しいということで、事務方対応になった。
名護市側は、誠意を感じないということで、日程をキャンセルして沖縄に戻っ
た。面談したいという要望に対して、党本部としてはどのような方針で臨んだ
のか。一部報道では、政府方針と一致しないから事務方対応でいいという党本
部からの方針が示されたということだ。キャンセルして帰ったという結果から
して、対応は適切だったか。

【幹事長】まず私は、党本部としてどういう判断を示したかを承知しておりま
せん。私が判断したことではありません。それから、市長さんはじめ議会の皆
さんがお見えになって、政務三役が会わなかったということですが、普通は、
市長さんに会うということはあまりありません。もちろんそれは、時と場合に
よりけりですけれども。なんといいますか、それが特別の扱いをしたと、会わ
なかったことが特別であったとご理解いただくと、それは違うと思います。通
常であれば、市長さんが来たときに政務三役が会うということは、そう多いこ
とではないと私は思います。

○内閣の情報管理

【記者】今日、国会質疑の中で仙谷由人官房長官が、尖閣ビデオの公開の問題
を受けて、国家公務員法を改正して、守秘義務違反の罰則強化を図る方針を示
した。どう思うか。

【幹事長】私は直接発言を聞いておりませんが、外務大臣としてやっていても、
どうしてこういろいろ重要な情報が表に出てしまうのか、外に出てしまうのか、
ということは、常々問題意識は持っておりました。国際的にもなかなかそうい
うことによって信頼を得られない。信頼を得られないのみならず、重要な情報
が来ないということも起きております。今回の尖閣の問題だけではなくて、そ
の前の、個人データを含むテロ情報が漏れたということも、大変私にとりまし
てショッキングなことです。協力した方の身の安全の問題にも関わってくるこ
とであります。

従って、そういう情報漏えいということについて、もっと真剣に深刻に受け
止めるべきだと思っております。おそらく官房長官もそういう思いのなかで罰
則強化を言われたと思います。もちろん研修の強化とか、そういったことも含
めて、そもそも情報に対するアクセスの問題ですね、あるいは情報の管理とい
うものが、きちんとできているのかどうか、そういう総合的な対策というもの
を講じていかなければいけない。そういうことのひとつとして、そういった罰
則強化の問題もあると思っております。

【記者】民主党幹部の中には「倒閣運動」と評した方もいる。鳩山前総理は
「情報クーデターだったら大変なことだ」と表現した。菅内閣は、いまの官僚
組織を統制しきれているのか。

【幹事長】統制といいますか、法に反して情報を出すということが、いけない
ことだということは、普通は分かっているはずであります。それでも出すとい
うことは、今までのテロの情報も含めて非常に認識が甘いということだと思い
ます。それはこの15カ月で突然起きたことではなくて、それ以前も、防衛省
とか様々な役所の重要な情報の漏えいというのがあったわけですから。そうい
う意味で私は、菅内閣の問題ではなくて、日本国政府の情報保全のあり方の問
題であると受け止めております。

【記者】各種世論調査ではビデオの一般公開をしてほしいという意見が多数だ
った。そもそも初期の段階で公開していれば今回の流出事件もなかったのでは。

【幹事長】そこはいろいろな解釈がありえると思います。様々な要素を考えな
ければいけません。なるべく事実を知りたいという国民の気持ちはよく分かり
ます。しかしそのことがたとえば捜査上、どういう影響を及ぼすか、あるいは
外交上、どういう影響を及ぼすか、さまざまなことを考えて、政府として判断
したのだと推測しております。

【記者】仙谷長官は、国家公務員法の罰則強化だけではなく情報保全のための
法制のあり方を早急に検討するという言い方をした。法制化の必要性はどうか。
党として、たとえば政調などで議論をする考えはあるか。

【幹事長】党のほうでも情報保全の問題について総合的に検討したほうがいい
と思っています。幹事長部局でやるのがいいのか、政調でやるのがいいのかを
含めて現在検討中です。

【記者】具体的に法制化を視野に入れているのか。

【幹事長】まだそこまで結論を出しているわけではありません。まず具体的に
今の何が問題なのかということをきちんとおさえることが重要だと思います。
それは今回のことだけではなくてですね、われわれは野党時代にも、さまざま
な、イージス艦のデータが漏れてみたり、いろいろなことがありました。こう
いう状況はやはり何とかしないと、本当に日本に来る情報というもののレベル、
質が落ちると思っておりますので、きちんとした対応が必要だと思います。

【記者】今日の予算委員会の中で、ビデオが流出したという問題について、菅
総理が陳謝した。結果責任という点で、ビデオの流出は菅内閣に一定の責任は
あると考えるか。

【幹事長】まず事実関係を良く調べないと、これは簡単には言えない問題だと
思います。広い意味では、それは、政府の中から出ていたと仮定をすると、政
府全体の責任だということは言えると思いますけれども。どこにどの程度責任
があるかというのは、事実関係を見極めないと、なんともいえないと思います。

○沖縄県知事選挙への対応

【記者】7日の候補者の決起大会に川内(博史)議員が出席したがどう考える
か。

【幹事長】常任幹事会で私は、県内に入って特定の候補を応援することを認め
ないと申し上げました。先ほど川内さんを呼んでお話を聞きましたが、ご本人
の言い分もあるようです。ただ私としては今回、警告を発して、今後の活動に
ついては十分よく考えてもらいたいと申し上げたところです。いずれにしろ、
川内さんに限らず、いろいろなことがこれから起こるかもしれません。そうい
ったときには、選挙戦が終わったところでどう対応するかということをきちん
と考えなければいけないと思います。

【記者】それに対して川内議員はもう沖縄には入らないと言ったか。

【幹事長】私は発言を求めたわけではなくて、「警告を発しますよ」、と申し
上げておきました。あと、握手をしました(笑)。

【記者】今回発した警告というのは、これ以上やりましたら処分しますよ、と
いうものか。

【幹事長】いや、何も私は申し上げておりません。選挙が終わったうえで、川
内さんに限らず、いろいろな方が、いろいろなことをなされるかもしれません
ので、選挙が終わったところで判断することになります。私が独断で決めるわ
けではありません。

【記者】今後も何らかの行動をした議員は、選挙が終わるまでの間、毎回呼ん
で話を聞くのか。ブログで特定候補者を応援すると表明している議員もいる。
そういう場合、警告はするのか。基準がよくわからない。

【幹事長】明確ではありませんか。「県内に入って選挙を応援する」ことを認
めない、ということです。

【記者】サッカーで言うところの「イエローカード」と解釈していいのか。2
回出されたら退場という。

【幹事長】特に意味はありません。お互い気をつけようね、というそのくらい
の意味だとお考えいただければと思います。彼は特に常任幹事会のメンバーで
もありますので、特にお話をよく聞いた、ということです。

【記者】川内議員は「候補者を側で見守る。これは応援に当たらないと解釈し
ている」と発言した。側で見守る行為をどう考えるか。

【幹事長】川内さんの行為が、側で見守るという範疇に入るかどうかを含めて、
私はコメントしません。いちいちコメントする必要はないと思います。

【記者】総決起集会に出席するというのは「節度ある慎重な行動」と言えるか。

【幹事長】私は、先ほど申し上げた以上のことは申し上げるつもりはありませ
ん。

○安全保障調査会の提言の取り扱い

【記者】党の外交・安全保障調査会が防衛大綱について提言するという。日本
版NSCの設置、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の制定が出ているが、その
ほかにどういう提言をするのか。今回の提言はどれくらい拘束力を伴うものか。

【幹事長】拘束力といいますか、提言ですから、それを受けて最終的には政府
で決定するということで、それ以上でもそれ以下でもないと思います。中身に
ついては私は承知しておりません。政調のほうで最終的には集約するのだと思
います。私は幹事長の立場で何か申し上げるということは特にありません。

○企業・団体献金

【記者】民主党には企業・団体献金を受け入れてほしくないという民意のあら
われが、今回、逆に、誤解によって、ハッキリしたという見方もできるのでは
ないか。3年後うんぬん、1億円うんぬん、という条件をつけてやっていくと
いう方針は明確だが、今回の反応を受けて、企業・団体献金について考え直す
べきではないかなどの考えはあるか。

【幹事長】私がこの法案(政治資金規正法改正案)についての考え方を政治改
革推進本部長としてまとめたわけであります。その時に何度も確認をしました
が、民主党だけが手をしばるということはしない、そのことは前提として議論
を進めてきました。法律ができて全く同じ条件で禁止をするということになれ
ば、もちろん民主党はそれを率先してやるわけですが、法律ができる前の段階
で、自民党は企業・団体献金を受けている、あるいは他党が受けているにもか
かわらず、民主党だけが受けないということはしない、ということが議論の前
提であり、私が何度も確認したことであります。

そういう私から見ると、当然といえば当然のことであります。法律ができる
までの間は受け取るというのが当然のことであって、当時のことをよくトレー
スしておられた記者の皆さんはその辺は分かっておられると思うのですが、あ
れから時間もたって何か非常に誤解している方が、マニフェストを読んでいた
だければわかったわけですが、誤解に基づく報道があって、それがかなり流布
したというのが現実ではないかと思います。

【記者】他の政党にもかかるようなかたちで法律にする、という努力を、より
前に進めることについて、情報発信がない。そういうところで今回、単に何か
再開したという批判にさらされている面があるのではないか。

【幹事長】再開したということについても、12月までは受け取っていたので
すね、総選挙後も。1月になって、内々受け取らないということをお決めにな
った。背景にはいろいろあったと思います。その内々、を元に戻したというこ
とであります。いろいろなご意見があると思います。私が特に大事だと思うこ
とは、きちんと事実を収支報告書に書くということ。そのことがまず大事であ
って、そのことをきちんとしたうえで、あとはしかし、個人献金が中心になる
ことが望ましいと思っておりますのでそのための税制をしっかりやる。

現実にはまだそういうふうにはなっていないという中で、今年の1月からの
党の収入は税金だけです。個人献金がごくわずかありますが。基本的には、立
法事務費と政党交付金、政府から本来最も独立していなければならないはずの
政党が、税金丸抱えで運営されているということがいいことなのかどうかとい
うについて、私は、それは望ましいことではないと思っております。

【記者】再び政治改革推進本部はまだ、総会も開いていないと思う。他にも定
数削減など課題があるが、スピードがゆっくりではないか。積極姿勢はあるの
か。

【幹事長】役員会は週1回ずつ開くことになっておりまして、いろいろな論点
の整理をいま行っております、事実上ですね。別にそれが消極的とか、そうい
うことはまったくありません。この場で以前、申し上げたと思いますが、「組
織対策費」という領収書の要らない、そういうお金の使い方をやめるとか、現
金のやりとりをやめるとか、いろいろな政治とカネにまつわる改革を進めてお
りますので、そういったことについてはぜひご評価をいただきたいと考えてお
ります。なおそういった政治資金にまつわる改革について、更に議論し、進め
ていきたいと考えております。

○内閣支持率

【記者】報道各社の世論調査で、内閣支持率が3割台に低迷している。このま
まだと、いずれは2割台に行くこともありえるのではと考えられる。どう対応
するのか。

【幹事長】2割台に行くというのは、それはひとつの想像ですので、そうなる
かどうかは私は承知しておりません。いずれにしても、菅総理を先頭に、やる
べきことをしっかりやっていくということに尽きると私は思います。

【記者】菅政権発足後、支持率が乱高下している。世論の支持が非常にうつろ
いやすい原因はどのあたりにあるか。

【幹事長】原因は分かりませんが、外交的な案件がたまたま続いたということ
は、ひとつあると思います。ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問と
か、その前の尖閣の問題にはじまる中国との関係とか、そういうことが影響し
たということは言えると思います。しかし同時に、日本とインドの間で非常に
成果が多かった首脳会談が行われましたし、ベトナムとの間も、レアアースや
原発の話も含めて、非常にいい会談がありましたので、そういったいいことも、
国民の皆さんにはぜひ見ていただきたいなと思います。

【記者】たまたま続いたということだが、積極的な外交をしたうえでの評価と
いうよりも、起きた問題への対応、措置についての評価の部分が(世論調査の
結果には)多いと思うがどうか。

【幹事長】こういうときに重要なことは、一時的な人気取りに走らないことで
す。つまり、国民の狭いナショナリズムを刺激するようなことは、政権として
そういうことに陥ることもありますが、そういうことは絶対しないというのが
菅政権、菅総理の決意だと思います。ですから、いろいろな意味で人気が下が
るということはあっても、王道を行くということだと思います。

私が思い出すのは靖国をめぐる小泉元総理の対応ですね。私は当時代表を務
めておりましたので、党首討論でこの問題を議論したときに、小泉さんに、
じゃあ岡田さんは中国が言うから靖国に行くなというんですか、と問い返され
たことがあります。私はそういうことはまったく言っていないので、それは日
本自身の判断として、A級戦犯が合祀された靖国に行くべきではないというこ
とを論理展開したなかで、突然、総理に言われて、非常に驚いた記憶がありま
す。

つまりそれは、一部の国民に受ける、ということがわかっていて出てきた発
言だと理解できたからです。一国の総理が、そういうふうにして国民の一部の
ナショナリズムを喚起する形で政権の浮揚力をつけようとする。そういうこと
になっては絶対いけないと私は思いますし、菅総理もそのことはよくおわかり
で、多少の支持率の短期的な低下ということにとらわれずに、しっかりと外交
の王道を行かれていると思います。




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