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2010.11.04|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(11月4日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2010年11月4日(木)
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20101104okada.asx

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■冒頭発言
○唐家セン氏との会談
○補正予算案の審議開始を受けて
○小沢元幹事長との会談
■質疑
○小沢元幹事長との会談
○沖縄県知事選挙への対応
○唐家セン氏との会談
○日露外交
○APEC会合の横浜開催
○米国の中間選挙の結果を受けて
○三宅議員へのお見舞い
○TPPに関する有識者の発言
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■冒頭発言

○唐家セン氏との会談

【幹事長】それでは私から3点。いずれも今日の件ですが、唐家セン前国務委
員が、新日中友好21世紀委員会の開催ということで、唐家センさんは座長で
すが、さきほど本部にもお見えになりました。私は新たに21世紀委員会を再
スタートさせるにあたって、日本側の座長、西室さんですが、あるいは委員の
皆さんの選定に関わった者としてこの委員会が順調に動いていることを非常に
うれしく思っております。先ほど申し上げましたが、こういった政府ベースで
はない別の議論の場というのは時に非常に有効に作用するわけで、小泉総理の
時代に靖国の問題で日中両国政府があまり話がスムーズにできなかったときに、
やはりこの21世紀委員会というのは非常に機能したということであります。

今回はそれとはまた状況は違いますけれども、こういった民間レベルでの意
見交換というものが、さまざまな困難に直面している日中関係を後押しするも
のになっていただきたいと思っております。唐家センさんとの議論では、私の
訪中についても話題にのぼりまして、12月中ごろにお邪魔するということも
申し上げたところです。

○補正予算案の審議開始を受けて

【幹事長】それから、補正(予算案)の審議が始まりましたが、国民生活に非
常に影響がある問題ですから、早期にこれが成立するように、われわれも努力
をいたしますが、野党にも審議にご協力いただきたいと思っております。野党
の中でもぜひ中身を見て、賛同いただけるところが出てくることを期待したい
と思います。

○小沢元幹事長との会談

【幹事長】3番目に、小沢元幹事長との面談であります。最近この問題よくご
質問をいただくわけですけれども、今日先ほど、本会議中ではありましたが、
幹事長室でお会いいたしました。この問題は、さまざまな経緯のある話といい
ますか、10月25日に最初にお会いしたいということを申し上げて以来、昨
日まで来ていたわけですが、今朝また私のほうから、「本会議にご出席になる
と思うので、その時間の前後に、お話ができないか」と申し上げて、結果とし
ては途中になったわけですが、この会談が成立したわけであります。

中身については、私から小沢元幹事長がどういうことを言われたかというこ
とを、言うべきでないと思いますが、私が申し上げたことは、「小沢さんの問
題がさまざまな国会上、たとえば予算審議への影響、あるいは野党の予算の賛
否への影響、予算の後の今後の法案審議への影響、来年度の予算、法案、それ
から統一地方選挙、そういったことにさまざま影響している、あるいは影響し
てくる可能性があるので、ご自身でご判断してぜひ政倫審の場で説明をしてい
ただきたい」と申し上げたところです。

その議論の過程で、昨日もニコニコ動画で小沢さんが言われたような話に対
して、私のほうから、「法的責任と政治的責任というものは違う。したがって
法的責任については訴訟の場でということであり、それに不利な影響を及ぼす
ことがあってはいけないとは思うが、そのことが国会で説明することと完全に
矛盾するものではない。議院証言法4条というのはそもそもそういった訴訟を
行っている当事者が国会の場に出てくることを前提にして作られた規定である。
もちろん一方で宣誓、証言はしなくていいということで、守る規定であるとと
もに、しかし出てこなくていいとは書いていない」ということも申し上げまし
た。

それから、先ほど申し上げたいろいろな影響があることについて、「それが
政倫審に出てこられて説明されたから全部クリアされるかと言えばそういうこ
とはわからない、これは野党がどういうふうに受け取るかは分かりません。わ
からないものの、現にそれが障害になっていることは事実であるので、ぜひそ
このところを考えていただきたい」と私から申し上げたところであります。

私がいろいろと申し上げてきたことは、私個人の意見ではなくて、幹事長と
しての岡田克也の意見であり、当然、私が申し上げるに際して、参院の幹部も
含めて、役員会メンバー全員ではありません、役員会メンバーの中でも特に中
心的なメンバーの人々とは不断に意思疎通をしながら申し上げているというこ
とも申し上げたところであります。

そういう説明をいたしましたが、小沢さんからは、自分の今の考えを変える
つもりはないということ、それがお返事でした。ただ、また再度お会いをして、
私の申し上げたことについてさらに意見交換をしようということになりました。
いつかということは特に決めておりません。

■質疑

○小沢元幹事長との会談

【記者】小沢さんのほうから、国会や党内に迷惑をかけているというような、
謝罪的なお話はあったか。

【幹事長】小沢さんがどう言われたかということは、私の口から言うべきでは
ないと思いますので、それは小沢さんのほうにお聞きいただきたいと思います。

【記者】今後、幹事長は、政倫審出席に向けて、意思が変わらないという小沢
さんをどう説得するか。

【幹事長】今日の時点で、先ほどご説明したようなことですが、しかし、昨日
までは会うことはないということだったわけですが、今日だいぶ意思疎通、意
見交換をすることができました。私がどう考えているかということもお分かり
いただけただろうと思います。小沢元幹事長からのお話も承りました。そうい
う意味で、前進がないということではないだろうと思っております。

【記者】このまま強制的に政倫審を開くというような選択肢はあるのか。

【幹事長】今日は非常に、お互いの考え方を述べ合って、いろいろな意味で、
言葉は非常に難しいのですが、意思疎通ができたわけですので、あまりそう硬
直的に考えるべきではないと思います。

【記者】再度話し合うことの意味合いは。

【幹事長】先ほど申し上げたように、私はいろいろなことを申し上げました。
もちろん小沢さんもお話になったわけで、そのことを踏まえてお互い今は考え
方が違うわけですが、意見を一致させるために再度お会いしたいと。一定の時
間を置く必要があります、それは。よく考える必要がありますから。これはお
互いですけれども。私も党のほうに諮って役員会の主要なメンバーの皆さんと
意見交換をしなければなりませんし、総理のご意見もどこかでよくお伺いしな
ければなりません。そういったことを踏まえて、またお会いしたい、こういう
ことです。

【記者】会談は何分間くらいで、他に同席者はいたか。本人の申出に伴う政倫
審出席を説得されたということでよいか。

【幹事長】基本的にそうお考えいただいたらと思います。総理が数日前に国会
で言われた、「何らかの形で国会で説明されることが必要と考えている」と発
言されたわけで、私もそのことを引用して、野党との幹事長会談で同じことを
申し上げたわけです。この考え方は党の幹部間で共有されている考え方である
ということも申し上げたところであります。時間は、30分くらいではなかっ
たかと思います。同席者は、ノートテイカーがひとりです。名前は申し上げま
せん。

【記者】議員ですか。

【幹事長】ノートテイカーです。

【記者】今まで要請されたのと違うように要請したのか。昨日まで面談に応じ
ないと言っていた小沢さんが今日になって応じたことをどう考えるか。

【幹事長】今日お会いいただいたのは、私としては大変ありがたいことだと思
っております。なぜ昨日と違うかということは私に聞かれても分かりませんが、
よくお考えいただいたと、そして決断していただいたということは、私は評価
しております。全体的に非常にいい雰囲気の中で、お互いの考え方をしっかり
述べ合ったとお考えいただければと思います。

【記者】小沢元代表は、昨日のインターネット番組で(政倫審について)基本
的には秘密会だと。一方で裁判は公開だという考えを示した。幹事長は、政倫
審に出席するときは基本的に公開という考えか。

【幹事長】そこまで別に何も決めておりません。制度的には、政倫審も、議院
証言法に基づく証言も、非公開でなければいけないとは書いてはいないという
ことです。ご本人が望んだり議決によって公開にすることは可能な仕組みであ
るということです。

【記者】参院の輿石会長はかねてから小沢さんの国会招致は必要ないと、会見
でも言っている。政倫審を小沢さんにお願いするということで参院幹部も含め
て一致したということでよいか。

【幹事長】ご自身の判断で政倫審に出ていただくということが望ましいという
ことは、「幹部」というのはどの範囲かということはありますが、それは輿石
会長も含めて共通の認識であるとお考えいただきたいと思います。それは別に、
昨日、今日の話ではありません。そういう延長上に、菅総理の「何らかの形で、
国会で説明されることが必要と考えている」という発言もあるわけです。

【記者】小沢さんが政倫審などに応じない理由を直接聞いて、納得いくものだ
ったか。

【幹事長】昨日のニコニコ動画での小沢さんの発言に関連しても、いろいろ私
の考え方を申し上げたところです。話し合いをしているときに、納得したか、
しないかって、あまりそういう言い方は、私はしないほうがいいと思います。

【記者】これまでの役員会では小沢さんへの対応を幹事長に全部任せたという
やり取りはされていないと思う。今後、執行部の総意として要請するか。最後
まで小沢さんの判断にゆだねるのか。もっと大きい中で、小沢さんに強制的に、
勧告というか政倫審に出ることを求めていくか。

【幹事長】今、話し合いをしているところですので、先の先のことまで言う必
要はないと思います。いろいろなことを考えてやはり政倫審で、自らの判断で
お話いただくことが望ましいと思っております。他方で、何らかの形で国会で
説明されることが必要と考えているわけで、それ以上言うつもりはありません。
それから、一任を受けても困ってしまうわけで、それはやはり今までもそうで
すがこれからも、役員というと非常に多いものですから、役員会で議論すると
これは正式に党としての意思決定ということになります。今はまだ話し合って
いる最中ですので、もう少し限られたメンバーで、連日お互いの確認をしなが
ら、私が代表して、幹事長としてお話申し上げているということです。

【記者】先日の幹事長会談で、野党側に、小沢さんの国会への説明について、
今国会中を目指して説明の環境整備に努めると言ったと思う。今日の面談を受
けてもその方針に変わりはないか。

【幹事長】まず、幹事長会談で申し上げたのは、ひとつは小沢さんの問題に関
しては、国民に説明できるように環境整備に努力すると。これは役員間で共有
された考え方です。私の前に鉢呂国対委員長も前日、国対委員長会談で同じこ
とを言われたと思います。今国会中にというところだけは、私の責任で申し上
げました。

【記者】小沢さんにどういった政治的責任があると考えるか。

【幹事長】それは私に聞かれるよりも、メディアの皆さんとか野党の皆さんが
言われる話だと思います。私がここで幹事長として何か申し上げるということ
ではないんじゃないかと思います。求めておられるほうが言われるべきことで
はないかと思います。

【記者】証人喚問ではなく、なぜ政倫審なのか。本人の意思を踏まえるという
のも、なぜそういうことを言うのか。

【幹事長】政倫審というのは基本的にいろいろな疑惑が降りかかったときに自
らそれを明らかにするというものですから、まさしく政倫審でお話しになるこ
とが適切ではないかと考えているところです。

【記者】小沢さんのニコニコ動画出演がひとつのきっかけになったか。

【幹事長】これは、わかりません。私は何度もぜひお会いしたいということは
申し上げてきました。今回それが成立したことは大変ありがたいことだと思っ
ております。

【記者】幹事長の会談要請が秘書と秘書を通じてのもので、直接本人からなか
ったというのは事実か。今日の連絡は、幹事長から直接小沢さんにお話したの
か。

【幹事長】まず、秘書と秘書、というのはやや違うと思います。今まで党の幹
部職員と小沢事務所の事務所長の間で行われていたとお考えいただきたいと思
います。私の個人秘書が行ったものでは、もちろんありません。何度かこの2
人の間でやり取りがあったわけでありますが、そういう中で私からは、もしお
会いできないということであれば、その事務所長の方に私のところに来ていた
だいて、私から直接事務所長にお話ししたいということを申し上げました。そ
の時に、それはできないというお話で、10月25日からこのやり取りが始ま
って、何回か往復が、確か3、4回あったわけです。

11月1日に初めて、中身は何ですかというお問い合わせがあり、私から、
先ほど申し上げたような趣旨のことを申し上げたわけであります。つまり国会
の説明についてご自身で決断していただくことが望ましいと考えているが、そ
ういったことも含めてお話ししたいということを11月1日の朝、申し上げま
した。

それに対して、ニコニコ動画でお話しになったのと同じ趣旨だと思いますが、
司法手続きに入ったので司法の場で説明していきます、というお話をいただき
ました。私からは11月1日の夕方ですが、先ほど申し上げたように議院証言
法第4条の趣旨、これはまず徹底させていきますと。つまり、証言とか宣誓を
拒むことができるという規定ですね、趣旨は徹底させていきますということを
まず申し上げました。これは幹事長会談でもそのことは何度も私、申し上げた
ところであります。単なるショーにしてはいけない、質問して証言できません
ということで、それはショー化するようなことがあってはいけないということ
を申し上げました。

それから、そのうえで、先ほど申し上げたように、議院証言法第4条の趣旨
は、あるいは政倫審についてはまったく規定がないということは、結局司法手
続きに入っていることであっても立法府の場で説明することを否定するもので
はないということを、これも同じルート、伝言、人づてで申し上げたところで
あります。今日になって、再度、院内でお会いしたいと申し上げて、会談が実
現したということです。

【記者】今朝、再度打診したというのは、これまでと同じルートで打診したの
か。

【幹事長】基本的にはそうです。

【記者】そこで今日会えるというような返事があったということか。

【幹事長】基本的にはそのようにお考えいただければいいと思います。

【記者】本会議場でも二、三言、言葉を交わしていたというが、どういうやり
取りだったか。

【幹事長】個々のことを言うつもりはありませんが、何時ごろに、お待ちして
おりますので、と申し上げました。

【記者】党内で、国会招致に応じない場合は離党勧告や除名など強い処分を求
める声がある、ということは伝えたか。

【幹事長】そういうことは申し上げておりません。

【記者】小沢さんとの会談の後、輿石さん、枝野さん、鉢呂さんと協議したと
思う。何か党幹部側から意見はあったか。

【幹事長】私からやり取りについて少し詳しくご説明をいたしました。あとは
意見交換をしたということです。中身は申し上げるつもりはありません。なお
働きかけをしていこうということは確認しました。

【記者】一致したということでよいか。

【幹事長】それについて何か異論があったということではありません。

○沖縄県知事選挙への対応

【記者】前回幹事長は県外の議員が沖縄県に入ることは禁止すると言った。応
援自体も禁止ということになるのか。

【幹事長】今回候補者を立てないということの趣旨を尊重して自重する、とい
うことを申し上げた上で、具体的には、県外の議員が沖縄県に入って応援する
ことは、これは認めない、ということを申し上げたところです。それ以外のこ
とは特に申し上げておりません。ですから、そのことについて、すべて「こう
いう場合はどうだ」というつもりはありません。その時々に判断すると。ただ
全体として自重するということは、これは当然かかっているということです。

【記者】いわゆるルールを破った場合のペナルティについて、県外の国会議員
が、沖縄に入ったというだけで処分の対象になり得るのか。

【幹事長】どうしてそういうことまで聞かれるのか、よくわかりませんが。そ
れを今申し上げるつもりはありません。「それは対象外だ」と言えば、「みん
などんどん入ってください」と言っているようなものですし、仮定の議論で、
「そういうことをすればアウトだ」と言うこともおかしな話ですから、それは、
その時その時で判断していくということです。判断の基準を常任幹事会で確認
したということですから。

○唐家セン氏との会談

【記者】唐家セン氏と話したときに、訪中団について言及があったということ
だが、(訪中)メンバーについては最終決定したか。

【幹事長】まだ決まっておりません。決まると当然、常幹に報告されて、そこ
で最終的に確認、確定するということです。まだ1カ月以上ありますから、現
時点ではまだ決まっていないということです。

【記者】今日出席した議員の方たちは現地に行くのか。

【幹事長】必ずしもそうではないと思います。決まっていないのですから、わ
からないですよね。

【記者】尖閣諸島問題について言及はあったか。

【幹事長】話の中では出ました。ただ、あまり具体的なことを申し上げるつも
りはありません。わざわざ「記者を出して」と唐家センさんがおっしゃったの
で、その中で話したことですから、詳細は申し上げません。

【記者】APEC(アジア太平洋経済協力会議)での胡錦濤国家主席の(菅総
理との会談の)話とか、その点は出たか。

【幹事長】どうなるということは別に出ておりません。APECは大事な会議
であるということはお互い共通認識として持っていると。何とか成功させたい
という気持ちは共通だと私は認識しました。

【記者】岡田幹事長なり、党のほかの役員側から、漁船衝突について、遺憾で
あるなり、抗議なり、そういうお話はあったか。

【幹事長】いろいろ申し上げました。

【記者】どういうような話を。

【幹事長】全体の流れの中で、お互い信頼関係に基づいて議論していることで
すので、こと細かく言うつもりはありません。

【記者】幹事長は外務大臣時代、上海万博に行って、梅屋庄吉展などを見たと
思うが、そういった話はあったか。

【幹事長】梅屋庄吉の話は出ませんでした。これは記者の皆さんが入っている
ときの話だったと思いますが、本年は新潟で開かれたのですね、21世紀委員
会は。上海万博の日本館の中心テーマはトキでしたので、いわば日中のさまざ
まな交流があるということのひとつですね、佐渡島のトキ由来の新潟へ行かれ
たということは、非常に意義深いことであると私は申し上げました。

ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、中国から贈られたトキなん
ですね、佐渡島のトキは。日本人で、トキの生態観察をしてさまざまなデータ
を蓄積されていた先生、お名前は失念しましたが、そういう先生がいらっしゃ
って、そのデータを、中国でもトキは非常に少なくなっていたのですが、中国
側に提供されて。日本のトキが絶滅したあとです。そのデータに基づいて中国
のトキの数が増えて、そのうち、日本に、そういったデータ提供とかそういっ
たこともあって、お礼の意味もこめて日本にトキが贈られたと、私は理解して
おります。そういう相互の草の根レベルの交流があったということですね。

【記者】一部報道で、今年も小沢さんが長城計画をしようと中国に行くことを
中国側に打診したところ、向こうから難色を示されたという話がある。長城計
画を今年小沢さんが実施することを計画していることについて幹事長はどう考
えているか。唐家セン氏との話し合いの中でそういった話は出たか。

【幹事長】長城計画のお話は出ておりません。長城計画は非常に長く続いてい
て意義深いことだと思います。これは議員だけではなくて一般の方々もたくさ
ん参加されるということで、毎年やっておられるわけですね。今年あるいは来
年、長城計画を党として取り扱うかどうかということはまだ決めておりません。

○日露外交

【記者】ロシアのラブロフ外相がオスロで「メドベージェフが色丹、歯舞も訪
問する用意がある」と言ったり、前原外相が駐ロシア大使を一時帰国させたり、
関係がちょっとヒートアップしているように思われる。前原外相の、不法占拠
だと言ってみたり、水面下でのパイプがない中での強硬姿勢、発言を繰り返す
外交姿勢について、前外相である岡田さんのお考えは。

【幹事長】いろいろなやり方があると思います。不法占拠と前原大臣が言われ
たのは、外務大臣になる前だったと思います。私も、何度も何度も野党に国会
で、これは竹島のことだったのですが、不法占拠という言葉をなぜ使わないの
かとしつこく言われて、私は、北方領土であれ、竹島であれ、そういう言葉は
使わないと申し上げて、だいぶネットの世界では吊るし上げをくいました。い
ろいろな考え方があると思います。それぞれの大臣がそのときに判断していく
ことでありますので、そのことについていちいち私は申し上げるつもりはあり
ません。

それから「ルートがない」と言いますが、外交ルート以上のルートはないの
で、前原大臣がラブロフ外相とずいぶんお話になったとかもしれませんが、機
会があればいつでもお話できるわけですし、何かこう「正規のルート以外のル
ートがないとダメだ」というお話は、私はまったく理解できないわけで、外交
ルートできちんと話ができるということは、いまロシアと日本の間も、そうい
う関係は維持されているということだと思います。ただ、それぞれいろいろな
事情がありますから、予想外のことが時には起きる。その時に「全部日本が悪
いんだ」「日本がお粗末だからこういうことになったんだ」というマイナス思
考で考えることは全然ないと私は思っております。

【記者】前原外相も外相就任会見のときから、北方領土についても竹島につい
ても不法占拠という言葉は使わなかった。これは何か、前任者として申し送り
をしたのか。

【幹事長】引継ぎのときにそういうことを申し上げたかもしれませんが、私は
それを何か、「そうでなければいけない」というような引継ぎはしておりませ
んので、「私はこう考えてこうしていた」ということは確か申し上げたと思い
ます。「野党の追及は非常に厳しいよ」ということも申し上げたような気がし
ます。あとは前原大臣の判断で、私が前原大臣が言われたのか言われなかった
のかというと、正確には知らないのですが、それはまさしく大臣のご判断の問
題ではないかと思います。

○APEC会合の横浜開催

【記者】これからAPEC閣僚会議、首脳会議が開かれるが、外相時代に積み
上げたことがあったと思う。そういったことを内閣の皆さんに説明したことが
あるか。期待することは。

【幹事長】引継ぎでいろいろなことを申し上げましたので、それ以上私が申し
上げることはありません。基本的には、それぞれの立場、職務にある方が、一
生懸命自らの考えでやられればいいと思います。APECが横浜で開催される
ということで、非常に大きな会議で、なかなか大変なんですね。会議ひとつ、
首脳会談をやるにしても、ひとり30分しゃべったら、それだけで1日かかっ
てしまいます。そういう中で事務方も含めて大変苦労をして、方向性をしっか
り出してもらいたいと。いままでは成功の歴史ですから、やはりアジア太平洋
圏で、自由経済、自由市場というものを努力しながら作ってきたと。そして確
かにAPECができて以来、アジア太平洋地域の経済発展というのは世界の中
でも抜きん出ているので、そういう成功の上に立ってさらに歩みを進めていた
だきたいと思っています。

【記者】菅総理は議長としてある意味当然プレッシャーもあると思う。なにか
メッセージは。

【幹事長】総理に前外務大臣が何かメッセージを贈るというのは、ないと思い
ます。ただ日本に対する期待感が非常に強いので、アジアの国々も南アメリカ
のメンバーもそうですけれども。しっかりその期待に応えてですね、存在感を
発揮していただきたいと思っております。

○米国の中間選挙の結果を受けて

【記者】アメリカの中間選挙で共和党が大勝ということだが、幹事長はどう受
け止めているか。共和党の大勝が日本に与える影響があるか。

【幹事長】他の国の選挙のことについてあまり直接的に言及すべきではないと、
基本的にはそう思います。慎重にものを言わなければいけないということです。
ただ、私自身は政府の人間ではありませんので、政党の人間ですから、多少お
許しいただくとすると、やはりオバマ大統領が始めた変革、チェンジというも
のが、日本と同じようにねじれになって、その歩みが遅くなるということがあ
ってはならないと思います。

特に思うのは、核をめぐる、核なき世界を目指したオバマ大統領の方向性と
いうものが、果たして議会の構成が変わって維持されるのかどうかということ
は非常に私が注目しているところです。いずれにしてもこれは日本もそうです
が、世界にとって、ここ数年というのは非常に重要ですので、その中で世界の
リーダー国であるアメリカが引き続きしっかりとリーダーシップをとってもら
いたいと。そういう問題についてはぜひ、党派を超えてアメリカのリーダーの
皆さんが協力していただきたい、アメリカの中でですね、大統領に協力してい
ただきたいと、そのことを期待したいと思います。

○三宅議員へのお見舞い

【記者】三宅雪子議員が4階から転落して大ケガをするという事故があった。
この件について三宅議員側に幹事長としてお見舞いの言葉を何かかけたか。国
会議員として、印象を含めて、行動や自覚について何か改めて注意喚起をした
い部分はあるか。

【幹事長】私の幹事長としての意を受けて、近々、議員がお見舞いに行く予定
にしております。ただ、ご本人の状況もありますので、よく連絡を取ってお伺
いして、いろいろどういう状況だったのかというお話も聞いてくることになっ
ております。当然その時に、まずお見舞いは申し上げなければならないと思っ
ています。状況がそういうことで、はっきりと把握できませんので、あまりい
ろいろなことを申し上げるべきではないと思います。ただ、来週の日曜日に、
私は、三宅さんのところにも行くことになっておりましたので、それをどうす
るのか。おそらくご本人が出られないということであれば中止になる可能性が
高いと思いますが、それは非常に残念なことだなあと思っております。

○TPPに関する有識者の発言

【記者】本日午前中に行われた、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に反
対する民主党内の集会で、金子勝慶応大学教授が、日本がTPPに加盟するな
らば米国の民主党と同じような結果が日本の民主党に起こると発言したが、ど
う考えるか。

【幹事長】学者の先生が自らの意見を述べられたことに、いちいち反論するつ
もりはありません。





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