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2010.01.26|記者会見

外務大臣会見記録(平成22年1月26日)

外務大臣会見記録(平成22年1月26日(火曜日)20時00分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)ハイチにおける地震被害に対する緊急無償資金協力について
(2)国連気候変動枠組み条約事務局に対する我が国の目標提出について
(3)いわゆる「密約」問題に関する調査について
(4)政務三役会議について
○米軍再編問題
○いわゆる「密約」問題に関する調査
○ハイチに対するPKO派遣
○官邸での協議
○政治資金疑惑
○核政策に関する岡田大臣発クリントン国務長官及びゲイツ国務長官宛書簡
○屋久島における米軍機の飛行訓練
○ツイッターの活用
○北方領土問題
○中国製ギョーザ問題
○フリーランス記者に対する情報提供

冒頭発言
(1)ハイチにおける地震被害に対する緊急無償資金協力について

【岡田大臣】本日、予算委員会が1日中ありまして、その後、長い閣議がありましたので、この時間になりました。私(大臣)からは何点か申し上げたいと思います。
 私(大臣)からの第1点目は、ハイチにおける地震被害に対する緊急無償資金協力、本日の閣議で決定したものであります。25日に我が国政府はハイチにおける地震による甚大な被害を踏まえ、追加的支援の一部として2000万ドルを上限とする緊急無償資金協力を行うことを決定いたしました。この追加支援は、現地時間25日、モントリオールで開催されたハイチ支援に関する閣僚級会合において、武正副大臣より表明した7000万ドルの支援に含まれるものです。これら支援は各国より高い評価を受けました。今後ともハイチの復興支援に向けて我が国の知見を生かした支援を協調して行ってまいります。

(2)国連気候変動枠組み条約事務局に対する我が国の目標提出について

【大臣】それから、2点目は、これも先程、関係閣僚委員会で行ったものでありますが、国連気候変動枠組み条約事務局に対する我が国の目標提出ということであります。総理の方からご発言がありましたので、私(大臣)から重ねて申し上げることは避けたいと思いますが、1990年比で2020年までに温室効果ガスを25%削減するという目標を提出することを確認したものであります。ただし、その際に「すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの公式及び意欲的な目標の合意を制定する」という条件をつけて提出するものであります。本日、在ドイツ大使館を通じて、条約事務局に我が国の目標を提出する予定でございます。

(3)いわゆる「密約」問題に関する調査について

【大臣】それから密約調査について申し上げたいと思います。先程、北岡座長から中間報告を受けたところでございます。委員会としては、関連文書の検証を行うとともに、外務省OBを含めた関係者から聞き取りを行う等精力的に活動していただいているところでございます。
 報告書の提出については、先に私(大臣)からお願いした際、1月中にお願いしたいと申し上げた訳ですが、この点については、本日、北岡座長より、検証すべき関連文書が膨大であることに加え、機微な文書を扱うため、基本的に外務省によって行わなければならないという意見もあり、委員会として責任ある報告書を提出するために、さらに1ヶ月程度の時間が必要であるとの話がありました。私(大臣)としても、有識者の方々に拙速を避け、当時の歴史的な背景も含めて、この問題について十分に検討して頂き、検証に耐えうる報告書の提出を受けたいと考えておりますので、報告書の提出時期については、北岡座長の意向に沿った形で差し支えないと判断し、(そう)申し上げたところでございます。

(4)政務三役会議について

【大臣】それから、政務三役会議を昼に行いました。本日は武正副大臣と吉良政務官がそれぞれ海外出張中でありますので、政務三役3名で行いましたが、私(大臣)からは、ハイチの地震を踏まえて緊急援助体制のあり方について、省内で少し検証が必要だということ、それから行政刷新、公益法人、独立行政法人の対応について、本日はおられなかったのですが、武正副大臣を中心にしっかりチームを作って検討してまいりたいということです。それから、ODA改革、これは福山副大臣、西村政務官の方からODAのあり方に対する検討体制について報告があり、意見交換を行ったところであります。1週間後頃くらいに、この場で、具体的な体制、検討項目等をご報告できるのではないかと思っております。
 それから、私(大臣)の方から、少し気が早いのですが、5月の大型連休の政務三役の海外出張について、よく役割分担して、戦略的に行うべきだと考えて、よくこれから具体的に相談して行きましょうということを申し上げたところでございます。

米軍再編問題
【フリーランス 岩上氏】先日、名護市長選が行われまして、辺野古への移設反対を唱えている候補が当選いたしましたが、これによって、より辺野古案ではなく、他の地域もしくは県外の候補を探さなければいけないという必要性が高まったのではないかと思われるのですが、政権内部での温度とそれから米側の意向と言いますか、受け止め方の度合いみたいなものを教えていただければと思います。

【大臣】米国の考え方は特に承知をしておりません。それから、これは確かにひとつの争点になりましたので、そういう意味でひとつの民意の表れだと思いますが、この普天間代替施設の問題は基本的に国が責任を持って決める話であります。そういう意味では、今、検討委員会でゼロベースであらゆる可能性を検討しておりますので、今回のことはひとつの出来事ではありますが、だから(辺野古案の)可能性がなくなったとは考えておりません。

【時事通信 水島記者】普天間ですが、官房長官は本日の会見で地元との合意がなくても移設先を決定することは可能であるという認識を示しておられますが、基本的には大臣も同じ認識ということでよろしいでしょうか。

【大臣】これはそのように言ってしまうと、何か地元をまったく無視するような印象を与えますので、表現に気を付けなければならないと思います。なるべく地元のご理解を得るための努力ということも必要だと思います。どこに決まったと言う訳でもありませんので、どこに決まったとしても、その地元の理解を得るということは必要だと思います。ただ、法的に言いますと、例えば埋め立てをする、海岸を埋め立てするということになれば、これは知事の権限ということに関わってくることになりますけれども、法的にどうかという視点からいうと官房長官が言うようなお答えになるのではないかと思います。そのことが地元の意向を無視してでも、あるいはまったく地元の意向を聞かずしてやっていくというように受け止められるとそれは少し違うということです。

【共同通信 上西川原記者】同様の質問ですが、普天間問題が十何年間もなかなか前に進まなかった原因として、沖縄の中の県内移設への反発というものを政府がある意味見誤った、過小評価した部分があるのではないかと思いますが、今後の移設先を決めるに当たって、今回の市長選挙ではひとつの争点であり、新市長は明確に反対の意思表示をしていると思うのですけれども、地元の合意はどの程度重要だとお考えなのでしょうか。

【大臣】具体的に場所が決まった訳ではありませんので、仮定に基づいて議論する必要がないと私(大臣)は思います。あとは、先程言ったことに尽きていると思います。地元への説明、そしてご理解を頂くための努力は当然求められると思います。

【琉球新報 滝本記者】5月末までの決着と言うのでしょうか、米側の理解も得てということもあると思いますけれども、米側とは、向こうの理解を得た案にまとめるのが5月末までという理解でいますが、最終的に地元の理解も全部収まったものが5月末というスケジュールになると大臣は理解しているのでしょうか。

【大臣】地元については、先程申し上げたとおりであります。地元に対してもきちんと説明して、そしてなるべく理解していただくために努力をいなければいけないと思います。そういうことも全体を含めて、政府として決めるのが5月末ということであります。

【琉球新報 滝本記者】米側との合意も含めてということでしょうか。

【大臣】それは総理が国会で何度も述べられているとおりであります。

【共同通信 西野記者】名護市長選の中では、1600(票)ぐらいの差ではありましたが、県外移設という声が強く出ました。大臣は昨年、検証作業を進めていく中で、県外移設は無理ではないかと(発言しました)。それは抑止力の観点ということだと思うのですけれども、1月の名護市長選というひとつの節目を越えた今、やはり県外移設は難しいのではないかという認識にお変わりはないでしょうか。

【大臣】今、検証委員会で議論しているところですから、私(大臣)が何かを申し上げるのは適当ではないと思います。

【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読いたします。確認も含めてでございます。東京新聞が25日、オバマ米政権が日本側に、米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、「決着するまでは、首脳会談には応じない」と通告していたことが明らかになった、と報じました。複数の日米関係筋が24日明らかにしたとのことですが、この通告がまず事実であるのか、また事実であるとすれば、この通告に対する大臣のご見解をお聞かせ下さい。

【大臣】私(大臣)が承知している限り、そういう事実はありません。

【NHK 禰津記者】米国務省のグローリー次官補が、「あくまで普天間の移設に関しては米国の立場は変わらない」ということを仰っていまして、キャンベル国務次官補も同じようなことを言っている訳ですが、改めて、米国の立場が変わらないという中、5月末までというデッドラインがある中で、どのように今後米国と交渉していくのか、特に来週、キャンベル国務次官補が来日されるということで、その辺についてどういった話し合いをするかの見通しについてお伺いします。

【大臣】米国の主張は一貫している訳ですから、そのことが繰り返されているということであります。それを超えるような新しい案を見つけることができるかどうか、そして地元も含めて、それを政府としてきちんと米側に提示できるところまで持っていけるかどうかということが問われています。

いわゆる「密約」問題に関する調査
【J―CASTニュース 亀松記者】密約調査についてお伺いします。先程、北岡座長から中間報告があったということですが、どのような内容であったのか、もし教えていただける範囲であれば、お話し頂きたいと思います。

【大臣】残念ながら、中身はお話ししない方がいいと思います。私(大臣)も逐次、話は聞いておりますし、今回、北岡さんからも話をいただきましたので、承知はしておりますけれども、それはきちんと報告書がまとまった段階でお話し申し上げたいと思います。

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ハイチに対するPKO派遣
【西日本新聞 斉田記者】昨日、ハイチへのPKOの準備命令が出ました。今回、日本政府がハイチにPKOを派遣する意義と特にそのことが日本の国益にどのような影響が出るか、その2点を教えて下さい。

【大臣】これは基本的に国連の方から、代表部から派遣について求めがあったということがまず基本であります。安保理で議論が行われ、そういう中で、全会一致で現在いるPKOのMINUSTAH(国連ハイチ安定化ミッション)の増強について、各国に要請があったものであります。したがって、まだ我が方としては、準備があるということは申し上げた訳ですが、今後、国連の方から具体的な中身とか人数とか要請がまいりますので、それを受けて派遣するということになるかと思います。
 意義ですが、まずこれだけ悲惨な地震による災害、多くの方が亡くなって、そういう中での復興支援が急がれる訳ですから、それをPKO部隊という形でそれをやっていくということです。もちろん、治安の維持もありますが、もうひとつは復興です。例えば、瓦礫を取り除いたり、道路を作ったりという作業、そういったことで1日も早いハイチの復興を支援していくということです。これは当然、日本としてやらなければならないことと思います。

【朝日新聞 五十嵐記者】今回のハイチのPKO派遣にあたっては、これまで日本の自衛隊のPKO派遣というのは、PKO派遣法5原則に基づいて派遣されていたのですが、今回は武力紛争がないということで、その5原則とは別の基準に基づいて派遣されることになっていると理解しています。これは、初めてのケースだと思われるのですが、予てから岡田大臣はPKOに対する派遣というものに積極的だったと思われますが、こういう形での派遣ができるということで、他のPKOへの派遣というものがさらにスムーズに運ぶことになるのか、そういった見通し、どのようなお考えをお持ちかということについてお聞かせください。

【大臣】まず、基本的考え方としてPKO法に基づく派遣でありまして、5原則を充たしているという上での派遣であります。例えば「紛争の停止」ですが、ハイチのPKOの場合は、そもそもそういう意味での紛争がないということですので、「紛争停止についての合意がある」ということは充たしていると考えられます。そういう形で5原則をきちんと充たしているという前提で派遣するものであります。もちろん、紛争地帯そのものではなく、治安が非常に悪くてPKO部隊が派遣されていたということですから、いくつかの勢力が相争うという意味での、そういう形での典型的なPKOとは違います。しかし、あくまでもPKO法に基づいて要件を充たすという前提で派遣するものであります。私(大臣)はPKO法に基づく派遣というものは、より積極的に行うべきだというように従来から申し上げておりましたので、今回このハイチもありますが、それ以外も含めて、いろいろな可能性を検討しているという状況です。PKO法の見直しそのものの議論は様々な検討を行っておりますが、具体的にすぐ法案の形にして提出というところまで煮詰まっている訳ではありません。今国会に提出する予定はございません。

【共同通信 西野記者】大臣は先ほど、復興支援と同時に治安維持についても言及されました。いわゆる「本隊業務」と言われる領域に入ってくると思うのですが、もちろん国連の方がどのような要請を日本にしてくるかということになるのでしょうが、瓦礫を片づけたりするような復旧作業、そういったものがメインになるということなのか、それとも他国のPKOがやっている治安維持というようなところにも自衛隊が出ていくといった可能性もあるのでしょうか。

【大臣】中身はまだ具体的に決まっておりませんので、あまりこれはこうだとかああだとか言わないほうが良いと思います。十分に事前に三党の中で調整をして、そして国連に対して「派遣する用意がある」と申し上げたところでございます。

【西日本新聞 齋田記者】先ほど大臣は、「ハイチではそもそも紛争がなかった」と仰ったように私は聞こえたのですが、そうしますと確か地震が起きる前にPKOが入っていた、これはなぜPKOが入っていたのかと、つまり、「紛争がなかった」という認識をもう少し詳しく教えて下さい。

【大臣】普通は「紛争がある」と言うと、先ほど言いましたように複数の、普通は二つだと思いますが、場合によっては三つ四つのそういう集団が相争っているという状態を言うと思います。ハイチの場合はそういうことではなくて、非常に治安が悪いと、犯罪が多いとか、そういう状況の中で国連が入っていてPKO部隊が活動してきたということであります。

【朝日新聞 鵜飼記者】細かい法律解釈の点で恐縮ですが、先程(PKO)5原則の絡みです。PKO法の中で、武力紛争がそもそも起きていない場合というのは、「紛争の停止の合意」というものは必要でなくて、「当該国の同意により派遣ができる」という括弧書きがあり、我々の解釈としては、今回、この括弧内の条文を用いて派遣されるというように理解していました。つまり、(PKO)5原則の適用除外になるケースだと、紛争停止の合意とかの部分が適用されなくなるケースだと理解していたのですが、先程の大臣の答弁を聞くと、お話が少し違うような気がするのですが。

【大臣】それは、(PKO)5原則のうちの第一の原則ということで、どこまで読むのかということだと思いますけれども。そういう除外規定も含めて、第一の原則であるというように考えて、私(大臣)はお答え申し上げました。

【TV朝日 新堀記者】先程、北澤防衛大臣が閣議後の記者会見で、ハイチにPKOを出すことについて、「(ハイチは)特に米国の玄関口のような所ですから、米国世論に非常に良い感じに受け止められておるようで」というように、米国へのことを配慮した発言をされたのですが、今回、非常にスピーディーに決まった決断の裏には、そういったこともあるというように大臣もお考えでしょうか。

【大臣】ハイチの問題は、国際社会の非常に大きな関心事であって、もちろん米国も非常に大きな関心を持っております。それだけではなくて、ヨーロッパの国々も、アジアも、或いはヨルダン等もPKOについて既に手を挙げておられますし、世界的な大災害であるという認識です。

【大臣】先程は言わなかったのですが、基本的には治安維持ということではありません。工兵部隊を出すつもりでありますが、(詳細は)まだ決まっておりません。(政府の)中ではそういう前提で議論しています。

官邸での協議
【朝日新聞 東岡記者】先程、大臣は総理のところに、斎木アジア太洋州局長とお入りになりましたが、どういった用件で、どんな話をされたのか、差しつかえない範囲でお教えください。

【大臣】私(大臣)は官邸に入った時は、そういう説明はしないことにしています。ただ、(官邸に)行ったのは斎木局長だけではありません。杉山地球規模課題審議官も行きました。さまざまな案件についてご報告したというようにお考えください。

政治資金疑惑
【東京新聞 佐藤記者】民主党の小沢幹事長の問題についてお伺いします。23日に小沢幹事長の資金管理団体の政治資金規制法違反の事件で、小沢幹事長は特捜部の事情聴取を受けました。小沢幹事長は「虚偽記入については一切関与していない」として、ゼネコンからの裏献金も会見等で否定していますが、大臣は小沢幹事長の説明をどう聞かれたか、疑惑は晴れたとお考えでしょうか。

【大臣】これは検察が話を聞いて、まさしく、そういうレベルの話になっていますので、何か私(大臣)が感想めいたことは言わないほうがいいというように思います。また、法に基づいて、必要な措置が今進んでいて、どういう結果か等も含めて、知りえない立場であります。

【共同通信 西野記者】民主党が企業団体献金を一定の猶予期間をおきながら、全廃していくことを選挙前に決め、それが有権者の中に民主党のクリーンさをアピールしたという面もあると思います。今回、まさに争いのあるところではあるのですが、企業献金が裏献金という形で、もし渡っていたとすれば、民主党の方針で掲げた理想とはかなり離れてしまうと思います。そういった意味で言うと、何らかの自浄能力を示していくことも一つの有り様だと思うのですが、その辺りはどのように考えられますか。

【大臣】今おっしゃったことそのものが、今、検察と小沢幹事長との間で事実関係が争われていると思います。そういう状況にあることについて、軽々しくコメントすることは、私(大臣)はすべきでないと思います。

核政策に関する岡田大臣発クリントン国務長官及びゲイツ国務長官宛書簡
【NHK 梶原記者】本日の閣議で決定された答弁書について、核兵器に関する答弁書が出たと思うのですが、この中で「当時の外務大臣の了承を得て我が国政府の考え方を説明した」とのくだりがあるのですが、年末に大臣がクリントン国務長官にお出しになった書簡と内容によっては矛盾するのではないかと思うのですが、具体的にどのような説明をされたのでしょうか。日本政府としては、トマホークの退役等について、場合によっては懸念するという立場を取っていらっしゃるのでしょうか。

【大臣】中身は申し上げるべきではないと思いますが、質問主意書に書いたことと、私(大臣)の手紙は矛盾をいたしません。私(大臣)の手紙にトマホークについて議論したことを私(大臣)が否定しているものではないということは、手紙を注意深く読んでいただければ分かると思います。むしろ、私(大臣)は、もしトマホークがなくなるということであれば、説明を求めるということを言っている訳です。あの手紙で言っていることは、「日本がそういったことでは困る」というように言っている訳ではありません。トマホークが退役することが困るとか、あるいは地中貫通型小型核が必要だとか、そのようなことを日本が言った訳ではないということを申し上げている訳です。

【NHK 梶原記者】確認ですが、そうしますと、この答弁書に書かれていますが、一般的な核態勢の見直しについての政府の考え方を伝えたという理解でよろしいのでしょうか。

【大臣】私(大臣)が先ほど言ったことに尽きていると思います。本日の閣議で決まった質問主意書の答弁に尽きておりますので、それ以上のことを申し上げるつもりはありません。

屋久島における米軍機の飛行訓練
【南日本新聞社 谷上記者】鹿児島県の屋久島空港で低空で侵入してくるローアプローチ(訓練)を正体不明の飛行機が繰り返している問題について、米側が機体は米軍機であることを認めたという新聞報道がありました。これについて、日米合同委員会合意の中では、「民間空港の場所は安全かつ実際的な形で回避する」という合意があります。これについて「屋久島空港の上空の飛行については抵触する恐れがある」という外務省に対して、米側は「訓練は民間空港に出入りする権利等を認めた(日米地位協定)5条を根拠に訓練は問題ない」という見解を外務省に示したということです。これについて、大臣のご所見と、今後、こうした訓練をしないように(米側に)求めるお考えはあるのかどうかをお聞かせ下さい。

【大臣】よく協議していきたいと思います。協議する場がある訳ですから、あまりこういう場で申し上げるべきではないと思います。よく協議をしていきたいと思いますし、米側の説明も聞いていきたいし、理由も聞いていきたいと思います。

【南日本新聞社 谷上記者】米側が認めていることに対して、訓練をしないように申し入れるお考えについてはどうでしょうか。

【大臣】ですから、これは協議の場であり一方的に通告する場ではありませんので、お互い意思疎通をよくしていきたいと思います。

【琉球新報 滝本記者】先程の屋久島の件で事実関係の確認ですが、大臣としては、米側が不明機が米軍機であることを認めたという報告を受けられているのか。そのことが日米地位協定に抵触するのではないかと(考えられますが、)大臣のご認識はいかがでしょうか。

【大臣】そういうことをこの場でいきなり言うのではなくて、協議の場がある訳ですから、そういうところで議論をすべきだと私(大臣)は基本的にそう思います。

【琉球新報 滝本記者】米軍が米軍機だと認めたということの事実関係については、いかがでしょうか。

【大臣】それは承知しております。

ツイッターの活用
【フリーランス 岩上氏】くだけた質問ですが、最近ツイッターというミニブログが流行っております。代議士や議員の方々もコミュニケーション・ツールのひとつとしてお使いになられて、閣僚の中でも原口大臣のように非常に積極的に活用されている方もいらっしゃいます。岡田大臣としてはツイッターをお使いになってダイレクトに国民有権者とコミュニケーションを図るというお考えはありますか。

【大臣】私(大臣)は週平均二回程度のブログ(を書いており)、そこには色々な御意見も寄せられます。それも目を通すことにしておりますが、頻繁に反応ということになるとそれを見ている暇もないし、そもそも発信をするタイミングも今の生活の中ではなかなか難しいので、今のところやろうという気持ちはありません。もう少し流行ってきたら考えたいと思います。

【フリーランス 岩上氏】大臣のつぶやきを聞きたいという人もいると思いますが。

【大臣】今のブログも、実は書いたものではなくて、しゃべっているものをそのまま文章に起こしている訳ですが、あれ(ブログ)を週二回やるだけでも結構大変です。ですから、それ以上は、もう少し生活環境を改善しないと無理だと思います。

北方領土問題
【日経新聞 山本記者】ロシアに関して、本日、日本経済新聞の取材に対してロシアのデニソフ第一外務次官が北方領土での共同経済活動について前向きな意向を示されました。領土の帰属問題がなかなか進展しない中で、共同経済活動を進めていくことについて、大臣としてのお考えをお聞かせ下さい。

【大臣】本日の次官の新聞記事は私(大臣)も見ましたが、日露戦略対話の場でそういう意見は特に出ておりません。北方四島における共同経済活動への言及はありませんでした。この問題は、基本はやはり北方四島の帰属を明確にするということが重要であって、そういった根本的な問題解決を行わないまま、四島についての共同経済活動ということは、法律的にも非常に難しい問題を含みますし、必ずしも私(大臣)自身は前向きには考えておりません。もちろん、例えば、シベリア東部とか極東での経済協力といいますか、経済交流という機会を、領土問題の交渉と車の両輪として進めていくということについては当然そうすべきだというようには考えていますが、北方四島における経済交流ということに対して、私(大臣)は慎重であります。

中国製ギョーザ問題
【ニコニコ動画 七尾記者】中国製冷凍ギョーザ問題についてお伺いします。昨年12月31日の日経ネットニュースによりますと、「中国公安当局が専従捜査班の人員を百数十人規模から十数人規模に縮小していたことが、中国公安関係者の話で分かった」とのことです。今月30日で発覚から2年となります本件の現状認識と今後の対応について、お聞かせください。

【大臣】 私(大臣)は、人事異動があったと聞いておりますが、大幅に縮小したかどうかというのは、私(大臣)自身は確認しておりません。この前、楊潔チ外相が来られた時に、この問題も少し議論しようと思っていたのですが、他の問題に時間をとられて、そこまでなかなかいきませんでした。非常に前向きな話としては、日中間で「食の安全」に関する話し合いを行っておりまして、かなり話としては煮詰まってきております。それがひとつできれば、消費者から見て安心できる材料かというように思います。もうひとつは、時間があれば是非、外相に「最近、中国に対してどのくらい好意を持っているのかという調査をどこかで見たのですが、かなり上がっているということです。ただ、男女別に見ると、女性の好感度は男性に比べると低いです。それはやはり、ギョーザの話が効いているのではないか。」と言おうと思っていたのですが、そういう時間がありませんでした。そういうことを考えても、中国にとって、この問題をきちんとした方がいいと私(大臣)は従来から申し上げているところであります。

フリーランス記者に対する情報提供
【フリーランス 畠山氏】先ほど大臣から5月の大型連休の海外出張のお話がありましたので、それに関連してお伺いします。これまで大臣の海外出張には、記者クラブに加盟していないフリーランスの記者は同行取材をしていなかったと思いますが、その要因の一つに海外出張に関する情報が、クラブの記者以外には積極的に知らされなかったということもあると思います。例えばアフガニスタン訪問もそうだったと思います。今後、海外出張の情報はクラブの加盟社以外にも平等に周知されると考えてよろしいのでしょうか。

【大臣】いつかこの場で申し上げましたが、既にパスを持っている人に対しては同じように門戸を開くと申し上げたはずです。そうした方々については、同じような情報がきちんと行くようにしたいと思います。




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