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2002.05.16|国会会議録

154回-衆議院 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会6号

瓦委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田克也君。

〔岡田克也君登壇)

岡田克也 民主党の岡田克也です。

今の官房長官の御答弁、政府の見解だというふうに理解をしておりますが、それを中心に少し議論をさせていただきたいと思っております。

まず、確認なんですけれども、この法案の中に、九条の二項の一号に「武力攻撃事態の認定」という言葉が出てまいります。この武力攻撃事態そのものと武力攻撃事態の認定ということの間にどういう違いがあるのかということをまず確認しておきたいと思います。

今の御説明でも、例えば、予測される事態ということに対して、「武力攻撃が発生する可能性が高いと客観的に判断される事態」という御説明でありました。 それから、おそれがある場合については、「我が国への武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していることが客観的に認められる事態」、こういう御説明であり ました。

「判断される」とか「認められる」という言葉が入っておりますので、そこに一つの政府としてのまさしく判断が加わるということだろうと思うんです。した がって、この九条二項一号に言う「武力攻撃事態の認定」というのは、そういう判断をした結果としてこういう表現に、判断の要素が入るからこういう表現に なっているんだ、こういうふうにまず理解をいたしますが、そういう考え方でよろしいんでしょうか。

中谷国務大臣 武力攻撃事態の認定につきましては、政府としての事態の認識を明確にして、国民の理解と協力を得た上で実施していく観点から、認定に当たっての情勢認識等を記載することを考えております。

武力攻撃事態への対処に関する全般的な方針については、この基本理念を踏まえつつ、事態に即した統一的指針を具体的な形で示すために記述をいたしますけ れども、この認定の記述等につきましては、どの程度の分量等になるかにつきましては、武力攻撃事態の態様によりさまざまであると考えられまして、一般論と して申し上げれば、当初の段階においては簡単なものにならざるを得ないわけでございます。

岡田委員 ちょっと私の聞いた趣旨が違うわけですが、ここで武力攻撃事態を認定するということ、そういう一つの政府としての判断をするわけですね。それは、先ほど言 われた予測される事態とかおそれがある事態というのが、それぞれ、客観的に判断される、あるいは認められる事態であるという今の御説明でありますので、ま さしくそれを認めたということで、ここに「認定」という言葉が使われているんですねという確認をしたいわけです。

福田国務大臣 認定ということの内容ということになろうかと思いますけれども、要するに、そういうようないろいろな客観情勢等々を総合勘案して、そしてそれを、「認定」 というんですけれども、それを認める、それを認識するというか、そういうことになるわけで、これは、それを認定する主体の判断ということになろうかと思い ます。

岡田委員 そこで、聞きたいのは、予測される事 態とかあるいはおそれがある事態ではなくて、武力攻撃、外部からの武力攻撃そのものが現実にあったときには、これは即武力攻撃事態というふうになるんじゃ ないか、そこに判断の要素というのはないんじゃないかというふうに思うんですが、ここはいかがでしょうか。

福田国務大臣 それは、まさに武力攻撃があったということを認識するという事態を指していらっしゃるんじゃないかと思います。

いずれにしても、そのことを政府として認識するということだと思います。

岡田委員 ちょっと、以上の議論を前提にしてお聞きしていきたいと思いますが、中谷長官はかつて、大規模テロというのは武力攻撃事態になる可能性がある、こう言われたんですが、そういう御認識でいいんでしょうか。

中谷国務大臣 これは事態の認定になると思いますけれども、それにつきましては、自衛権の定義がありまして、三要件ですね、急迫不正、必要最小限、または他に手段がないというような原則に基づきまして武力攻撃事態というふうに認定をされる場合には、なり得るということでございます。

岡田委員 今のは自衛権発動の要件でありまして、それは結果ですよね。武力攻撃事態であるということになると自衛隊の防衛出動ということになるわけで、順序が逆だと思うんですね。

ですから、大規模テロの場合、どういう場合に武力攻撃事態になり、どういう場合はならないのか。現実に大規模テロが起きたときに、武力攻撃事態でない事態というのはどういう場合なんでしょうか。

中谷国務大臣 それは、我が国に対して外部からの武力攻撃が発生した場合でございまして、一国に対する組織的、または計画的な武力行使というものでございます。

岡田委員 つまり、外部から武力攻撃があったときには、その大規模テロというのは、現実にあったときには武力攻撃事態になる、こういうことですね。

中谷国務大臣 今御説明をした原則に基づいて、組織的、計画的、またその他継続性とかございますけれども、それらの認定等につきましては、それぞれいろいろな状況がございますけれども、いわゆる武力攻撃事態に認定するものにつきましては、武力攻撃ということで対応するものでございます。

岡田委員 確認しておきますが、今おっしゃったのは、まず、武力攻撃の定義の問題で、先ほど官房長官が言われた政府の見解の中にあるように、「我が国に対する外部からの組織的、計画的な武力の行使」であるということですから、まずこれに当たる必要があるということは大前提ですね。

その上で、主体としては、国だけでなく、国に準ずる者もある、それから攻撃の規模の大小、期間の長短や攻撃が行われる地域、攻撃の態様等もさまざまであり、武力攻撃の態様は一概に言えないものである、先ほどそういうふうに言われたわけですね。

そうすると、しかし、後段、私が言ったことは、武力攻撃の態様にはいろいろあるということであって、武力攻撃であることは前提にして、その態様にはいろ いろあるというふうに述べておられると思うわけですけれども、そうすると、小規模な外部からの組織的なテロがあった場合には、これは武力攻撃になるんです か、ならないんですか。ならないなら、その根拠は何ですか。

福田国務大臣 結局、テロなのか武力攻撃なのかということ、テロでも武力攻撃であることはあり得る、そういう前提でお聞きだと。

ただ、それが、武力攻撃が短期間とか一過性とかいったようなことということなのかとも思いますけれども、しかし、これはその状況次第ということもあろう かと思います。テロか武力攻撃かと、こういうふうに言ったときには、先ほど防衛庁長官がお答えしたように、組織性とか継続性とか、それが国なのか、国に準 ずるような、そういうような組織、そういったようなものの攻撃とかいったようなことでもって判断するということになりますけれども、今のお話のように、一 過性的な攻撃、テロ攻撃もしくは武力攻撃といったときにどうするか、これはまさにそのときの判断ということになろうかと思います。

攻撃を受けた、そしてそれが客観的に見て、それだけで、一回で済むことが確認されるというようなことがあれば、それはそこでもって自衛権の発動というよ うな行使をするのか、もしくは、平和的にと申しますか、外交交渉によって解決するという手段に頼るか、それはそのときの判断ということになろうかと思いま す。

岡田委員 私が申し上げたいのは、武力攻撃の定義として「外部からの組織的、計画的な」という要件がありますから、ここは規模の大小を言っていないんですね。ですか ら、小規模テロであろうと大規模テロであろうと、外部からの組織的、計画的な武力の行使であれば、これは武力攻撃になるというふうに法律上考えるべきだと 思うんです。

その上で、武力攻撃の態様にはいろいろあると先ほど官房長官は述べられたわけで、攻撃の規模の大小というのもその態様の一つに入っているということです から、大規模であれ小規模であれ、武力攻撃ではある、しかし、その態様の中に大きなもの、小さなものがあるということですから、それはいわば武力攻撃であ ることを前提にしておっしゃったわけですね。

したがって、論理的に詰めていくと、組織的、計画的なものであれば、大規模であれ小規模であれ、これは武力攻撃事態になるというのが論理的な結論じゃないでしょうか。

福田国務大臣 そのとおりだと思います。

武力攻撃、例えばミサイルが一発飛んできても、武力攻撃というように言うことはできるわけですね。ですから、これはまさに武力攻撃であります。ミサイル が十発飛んできたら武力攻撃か、もしくはミサイルが一発飛んできたら武力攻撃でないのか、こういうふうなことになれば、やはり一発でも十発でも同じことで あるというように考えるべきだと思います。規模の大小に関係ないというように思います。

岡田委員 自衛隊法上は、防衛出動というのは、前回も述べたんですが、我が国を防衛する必要があると認めるときに防衛出動をするということで、それよりも小さな場合 には、場合によっては命令による治安出動で対応するということもこれはあるんだと思うんですね。そういうふうになっている。

しかし、この法律では、常に、外部から武力攻撃があれば、この法律には乗っかる、しかし、武力攻撃を、防衛出動するかどうかは、それは自衛隊法の要件で すから、必要がないと認めれば、自衛隊の出動をしないこと、防衛出動をしないことはある、こういう理解でよろしいですか。

福田国務大臣 武力攻撃の認定ということは、これはできますね、認定をする。しかし、それでもってどういう対応をするかということは、これはまたその状況において判断をすべきことであるというように思います。

岡田委員 どういう対応をするかと言いますが、この新しい今議論している法律上は、外部からの組織的な武力攻撃があれば、規模の大小を問わず、この法律に基づいて対 処基本方針をつくり、そして必要な措置をとるという、その必要な措置の中に自衛隊法による防衛出動が入るかどうかは、これはそのときの判断ということにな りますが、基本的にはこの法律に全部乗っかるというのがこの法律の建前じゃないでしょうか。

福田国務大臣 武力攻撃があった、そしてその武力攻撃が、継続性とかいろいろな要素を考えて、これは例えば短期間で終わらないというように判断すれば、当然ながら、武力攻撃事態ということで、自衛隊の発動等々も含めた措置を講じなければいけない。

武力攻撃事態であるけれども、しかし、相手が、攻撃の意図は明確でない、そしてある情報によれば、それはどういう事態になるかわかりませんけれども、そ の最初の攻撃だけでとどまる、そういう可能性があるといったときに、外交的な交渉によって、自衛隊の行動をしないで、発動によらないで解決するということ が可能であるということがあれば、それはそれで自衛隊行動というものを伴わなくてもいいのはこれは当然でありまして、それはあくまでもそのときの状況判断 によるものと考えております。

岡田委員 今官房長官がおっしゃったケースでも、今議論しているこの法律に基づいて対処基本方針を定めるということはやるわけですね、法律上、やらなくてもいいという規定はどこにもないわけですから。

福田国務大臣 その事態が、例えば予測をされるというようなことがあった場合には、当然ながら、予測される段階でもって安全保障会議を開いて必要な措置を講ずるということはあるかと思います。

しかし、その予測の段階において外交交渉が可能だというような状況があった場合には、これはその状況に応じてその後の措置は決めていくということになるわけでございますから、その辺は状況次第ということはあろうかと思っております。

岡田委員 議論の大前提として、私、予測される事態やおそれがある事態を除いた議論をしているわけです。そういう場合は、判断の要素が入りますから、判断の結果、こ の法律に乗っけないこともそれはあるんです。しかし現実に、一度そういう外部からの武力攻撃が行われたときは基本的に、この法律の書き方だと、全部この法 律に乗っけてやっていく、外部からの武力攻撃が現実にあればそういうことですねということを確認しているわけです。

福田国務大臣 予測をされる段階であれば、予測の事態から対処措置というものは安全保障会議を開いてこれは決めなければいけないということになります。その後、外交交渉 をしようが、武力の発動をしようが、自衛隊の行動をしようが、それは対処措置に基づいて行うということになるわけです。外交交渉も、もちろん含むわけで す。

岡田委員 ちょっと私の質問に答えていただいていないというふうに思います。

私が申し上げているのは、予測とかおそれの事態じゃなくて、現実に外部からの武力攻撃があった、その武力攻撃の定義というのは、先ほど官房長官が述べら れたように、「我が国に対する外部からの組織的、計画的な武力の行使」、そういうものが現実にあったときに、この法律の立て方によれば、必ずこの法律上の 対処基本方針を定めるということになりますね、しかし、その中にはもちろん防衛出動が入るかどうかはそれは状況によって変わりますよ、そういう理解でいい ですねと確認しているんです。

福田国務大臣 そのとおりでございまして、対処措置を講ずるということによって、自衛隊の行動また外交交渉、こういうものがそこに含まれてくるわけであります。

岡田委員 そのとおりというお答えをいただいたんですが、そうだとすると、武力攻撃という定義に当てはまれば、それが小規模であっても必ずこの法律に乗っかるということになって、私はちょっとそれは過大過ぎるんじゃないかというふうに思うんですね。

そこを常に、この法律でわざわざ対処基本方針をつくり、そして場合によってはいろいろな私権の制限まで入るような全体としての傘がかぶってしまうという ことは、私はちょっとそれはやり過ぎじゃないかという気がするんですね。そこにもう一つ、そうであっても、外部からの武力行使があっても、この対処基本方 針をつくらなくていいケースというのは、そういう余地をとっておくべきじゃないか、そういうふうに思っております。

時間も限られておりますので、次に参ります。

それから、先ほど言われた、予測される事態それからおそれのある事態の定義をおっしゃったわけですが、これを今の政府見解ではなくて法律にちゃんと書く、そういうお気持ちはありませんか。

福田国務大臣 この武力攻撃事態というのは、これはもうさまざまな態様があると思うんです。この法律は、法律が成立すればその日から使えるということになるわけでありま すけれども、しかし、この法律によれば、十年先ということになるかもしれぬし、またもっと先になるかもしれぬ、そういう事態がないことが望ましいわけであ りますけれども、今の世界情勢、国際情勢、そしてまた軍事力がどうなっているか、それが将来またどう変化していくか、予測しがたいところも随分あるかと思 いますので、その辺は、厳密な定義というのはなかなか難しいのではないかというように思います。

そのことだけでなくて、本当に、武力攻撃というのは、あるかないかという予測をするというようなことにつきましても非常に難しい問題があろうかと思いま すので、個別具体的に一つ一つを定義するというのは、今回、先ほど御説明を申し上げました例示などを見て御判断をいただくということにとどまるのではない かと考えております。

岡田委員 官房長官は、定義は難しいとおっしゃるが、先ほど政府の定義を述べられたのですよね。だから、難しいというのは、今の定義というのは、これはいいかげんだということですか。そうじゃないと思うのですけれども、どうですか。

福田国務大臣 それは、先ほど申し上げました定義以上の定義は難しい、こういう意味で申し上げたわけでございます。

岡田委員 予測される事態というのは「我が国に対する武力攻撃が発生する可能性が高いと客観的に判断される事態」ですね、その前にも「国際情勢や相手国の動向、我が 国への武力攻撃の意図が推測されることなどからみて、」というのが入っていますが。それから、おそれのある場合というのは「我が国への武力攻撃が発生する 明白な危険が切迫していることが客観的に認められる事態」と。こういうのは、法律に私は十分書き込める話だというふうに思っております。

また、そのぐらいのことがないと、非常にあいまいで、またおそれと予測ということで政府見解でも述べられましたが、やはり法律に書くと書かないでは非常 に違う。基本的な、一番この法律の核心の部分ですから、おそれがある事態、予測される事態というのは。そういうのはちゃんと法律に書いておくべきではない かというふうに私は思っております。

それから、後段いろいろ言われた件で少し質問したいと思うのですが、この法律の二条六号で「対処措置」というのが書いてあって、そして、「法律の規定に 基づいて実施する次に掲げる措置をいう。」ということでございます。そして、例えばロの(1)のところですが、「警報の発令、避難の指示、被災者の救助、 施設及び設備の応急の復旧その他の措置」というふうに書いてあります。(2)は、「生活関連物資等の価格安定、配分その他の措置」。

この「その他の措置」というのは一体何なんでしょうか。非常にこれは一般的な書き方で、その前に例示がいろいろ書いてありますが、結局「その他の措置」 というのが入っていることによって、何でもできると。もちろん別に法律が要るということでしょうが、しかし、この法律上は何でもできるという形になってい るのはなぜなのかということをお聞きしたいと思います。

福田国務大臣 この二条六号ロの(1)、(2)の「その他の措置」についてお尋ねがございましたけれども、これは、例えば現行の国民生活安定緊急措置法に基づく生活関連 物資等の生産、輸入等に関する指示、また生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律に基づく売り渡しに関する指示及び命令、また石 油需給適正化法に基づく使用制限、そのようなものを想定しておるところでございます。

岡田委員 私がお聞きしたのは、なぜ、法律にもうちょっとちゃんと書いておかないのか、「その他の措置」という一般条項をここに入れたのかということなんです。

というのは、二十二条で「事態対処法制の整備」ということで、その一号にイからヘまで具体的に書いてあるのですね。ここには、その他の措置なんて基本的 に書いてないわけですよ。こういうことについて、同じようなことが先ほど読み上げたロの(1)のところに書いてあるにもかかわらず、ここは「その他の措 置」という一般条項を入れて、二十二条の方は個別に列挙しているのかということなんですが。

福田国務大臣 二十二条の一にイからヘまでいろいろな措置の内容が書いてございますけれども、この二十二条一に「次に掲げる措置その他の武力攻撃から国民の生命」云々、 こういうふうにございまして、この「その他」ということで、二十二条にも規定してない、厳密にそこのところは書いてないわけでございます。

この辺につきましては、国民生活等との関係において今後審議いただきます国民生活、権利等々の関係の法律において記述しなければいけない、そういう項目だと考えております。

岡田委員 ここで一番問題になるのは、メディアの問題なんですね。それは、別に法律で定めるから、そのときに考えればいいということかもしれませんが、やはり一般的な条項としてここに責務ということになっております。

「指定公共機関の責務」ということで六条が入っておりますので、これがメディア規制につながるのではないかと。将来法律でちゃんと決めるので、限定的に 決めるのでいいのではないか、そういうお考えだと思いますが、しかし、一たん法律にこういう一般規定が入ってしまうということは、やはり非常に不安感を招 くというふうに思うわけです。

先ほどの官房長官の御答弁の中で、「報道の規制など言論の自由を制限するようなことは全く考えていない」、こうおっしゃったわけですが、他方で、「民間 放送事業者が指定される可能性はある」、それから新聞についても、「一般には考えにくい」という言い方で、何らかの規制がかかる。その規制の中身というの は、警報等の緊急情報の伝達だと言われるかもしれませんが、しかし、何らかのそういう規制がかかるということは否定されなかったわけであります。

将来法律を制定していくためのその一つの基準という意味でも、先ほどおっしゃった言論の自由あるいは報道規制、報道規制などはこういう緊急事態において もやらないんだということをやはり法律の中にしっかり書いておくということが、今後法制を整備していく中で、一つの判断基準になるんじゃないか、そういう ものを明文として入れるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

福田国務大臣 確かに、法律に書いてございません。書いていないけれども、言論の自由、これを制限するというようなことは考えているわけでないということは、この国会答弁におきまして何度もお答えしているところでございます。

また、新聞については、印刷媒体という意味におきましては、これは緊急性という意味においてはテレビ等々にはかなわない、放送にはかなわないということ であります。しかしながら、新聞ということでなくて新聞社ということになりますと、例えばインターネットを使って即刻その報道を通知できる、そういうこと が今可能であり、現実に行われており、また、将来それがさらに一般的になるというようなことを考えますと、新聞社にも御協力をいただくという可能性という のは、ないわけではない、こういうことを、可能性を申し上げているわけです。

岡田委員 ですから、そういう可能性はあるということは言っておられるわけですから、それが一般的な報道規制、表現の自由の規制にならないようにきちっと法律に書い ておくべきじゃないかと。六条、指定公共機関の責務だけが書いてあるということは、非常に不安感を及ぼすし、将来立法するときに間違った判断の基準になっ てしまうかもしれない、そういうことを申し上げているわけであります。

最後にもう一つだけ。対処基本方針をつくる際に、国会は事後承認ということになっているわけでありますが、基本的に、対処基本方針をつくるのは予測され る事態というような場合につくられることが多いと思うのです。いきなりぼかんとやられた場合もあるかもしれませんが。

したがって、時間的余裕という意味では、私はかなりあるんじゃないかと。それがなぜ事後承認なのか。やはり、ここは基本的に事前承認にすべきじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。

福田国務大臣 例えば、予測がされるというような段階において、至急、例えば予備役の招集をするとか、そういったようなことを考えますと、これは即刻手をつけた方がいいだろうという判断でまずその行動をさせていただいて、直ちに国会承認をいただく、そういう形になっております。

ただ、武力攻撃ということになりますと、武力攻撃と申しますか、自衛隊の行動ということを下令するというようなことになりますと、これはまた自衛隊その ものを動かすという、また武力攻撃そのものを容認するということでありますから、これは全く事態が違うんだろうというように考えまして、これは事前の国会 承認というふうにさせていただいたわけでございます。

岡田委員 防衛出動は、おっしゃるように原則事前承認ですね。緊急度からいうと、多分、防衛出動のような事態の方が、予測される事態よりもはるかに緊急度は高いわけ ですね。それが原則事前承認で、なぜ今回の場合に事後承認になっているのか、そこもよくわからないということを申し上げて、私のきょうの質問を終わりたい と思います。




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