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2015.05.16|TALK-ABOUT [ブログ]

安保法制─大事なのは国民の理解と信頼、分かりやすく丁寧な議論を


安全保障法制の2本の法案がいよいよ閣議決定され、総理も記者会見でお述べになって、議論がいよいよスタートすることになりました。

まずは来週20日(水)の党首討論、私自身の配分は27分しかありませんが、それを皮切りに特別委員会での審議もこれからスタートします。

この問題はいろんな論点があり、追々話していこうと思いますが、基本的に戦後の日本の平和、70年間のこの非常に平和な時代を過ごしてきた。私は、これは2つの要因があったと考えています。


1つは日米同盟です。そして、今一つは平和憲法。この2つを車の両輪として、時にはその2つが緊張関係にあるなかで、一定のバランスのもとで日本という国はやってきた、ということだと思います。

私自身も、平成2年に初当選した直後に湾岸戦争が起こり、国連平和協力法案というものが閣法(政府提出法案)として出てきました。

当時私は与党・自民党にいましたが、先輩の先生方から「これは無理だよね」というお話を随分聞かされたことを思い出します。案の定、外務省の答弁の稚拙さもあって、廃案になりました。

そして、次に出てきたのがPKO法。その他、周辺事態法、有事法制、あるいは9.11テロ事件に端を発するテロ特措法。

私はその時に野党の責任者、筆頭理事を務めたのですが、その他様々な議論をしながら、海外における武力行使はしない、武力行使については抑制的にというなかで、現実の必要性との間で一定のバランスを取った法律が出来てきました。

民主党として賛成したこともあれば、反対したこともある。テロ特措法などは国会の事前承認さえ取れれば賛成するというところまで党内を取りまとめたのですが、当時の小泉総理は国会の事前承認を断固認めないというなかで民主党は反対に回ったのですが、いずれにしても、民主党としても様々な緊張感のある議論をしてきました。

今回の安保法制、法律は2本ですが、実質的には10本以上の法律を改正するというもので、今の憲法の中で、集団的自衛権の限定容認は憲法をはみ出ていると思いますが、その他の問題も武力行使ギリギリのラインで、つまり平和憲法の認めるギリギリのラインまで考えて、出来ることはみんな盛り込んだということだと私は受け止めています。

本来は1つひとつについて丁寧に議論する、そして国民の理解を得ながら、一歩一歩積み上げていくと、本来そういうものですが、これを一挙にやろうというのが今回の安倍総理の安全保障法制の全面的な見直しだと思います。

これが全部出来てしまうと、あとは憲法改正をして、集団的自衛権を広く認めるということぐらいしか残ってないのではないかとも思えてしまうわけです。

私は、やはり大事なことは国民の理解と信頼、しっかりとした議論がなされること。あとになって「え? ここまでやるのか。そんなこと考えてもいなかった」という声が、国民の中から強い声として出ないように、丁寧にきちんと議論をして、国民の理解、納得が得られるものをやっていく。そのことが非常に大事ではないかと思います。

期限を切って、短時間で、10本以上の法律を1つの法に束ねて、なるべく分からないような形で議論を進めるようなことはあっていいはずがありません。

安倍総理や政府には丁寧な答弁、説明を求めたいと思いますが、野党としても力量を問われるところで、国民の皆さんに何が問題かということがきちんと理解されるようなやりとりを心がけていきたいと考えています。

目のほうも、処置としてはすべて終わりました。まだ1カ月ぐらいはあまり無理はしないようにと言われていますので、そこのところは留意しながら、しかし分かりやすい議論を心がけていきたいと思います。

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