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2012.05.17|TALK-ABOUT [ブログ]

国会, 子ども・子育て・教育, 社会保障と税の一体改革

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連休中にバングラデシュとスリランカに行った話の続きですが、今日はスリランカについて少しお話しをしたいと思います。

スリランカは終戦直後、いち早く日本と国交を結び、そして、スリランカからは象が贈られ、今でも多摩動物園で元気にしていますが、「いろいろな戦争中のことを乗り越えて、両国民はしっかりとした関係を作っていかなければいけない」と言ってくれた国、つまり、日本に対して一貫して非常に友好的な国であります。

本来、スリランカは仏教国であったわけですが、インドからタミルの人たちが移住してきたり、イギリスの植民地時代には、インド政府がタミル人を重用したということもあって、民族問題や宗教対立を抱えている国です。

内戦がしばらく続きました(約30年間)。激しい内戦でしたが、数年前(2009年5月)に終わりました。その内戦の末期に、一般人を巻き込んだ人権侵害があったのではないかということで、国連などでも問題になってきたところです。

私も外務大臣の時には、日本を訪れたスリランカの閣僚に対して、そういったことについて、少し厳しく申し上げたこともあります。

今回、ラージャパクサ大統領に対しても、スリランカの国として、そういったことについての調査結果も発表していますので、民族和解のために、そういったことをしっかりやってもらいたい、国連はじめ国際社会の理解を得られる努力もしてもらいたい、ということを申し上げました。

その上で、内戦の最後の戦いの場になった北部の場所を自ら訪れて、今どうなっているかということを、この目で見たいと思った次第です。

その北部にあるキリノッチは最も激烈な戦いが行われた場所です。こういったキリノッチやジャフナで、日本のNGOも元気に活躍しています。
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キリノッチの訪れたところは、再定住と言いますか、元々住んでいた場所に戻るわけですが、家も壊されてない。ご主人が内戦で亡くなり、子ども3人を抱えた母親に対して、日本のNGOがいろいろ相談し、牛1頭を与え、その牛が出すミルクを売って、子ども3人を育てているというケースでした。

非常に楽しかったのは、その女性に、「あなたは将来どうしようと思っているのか?」「夢は何か?」と聞いたところ、「牧場主になること」という答えが返ってきました。

牛1頭を一生懸命育て、そのミルクを売っている。そして、子牛を生まなければ当然ミルクは出ませんが、その子牛も売るという、今ギリギリの生活をしておられるわけですが、将来的には、牛を増やして牧場主になるという、頼もしい答えが返ってきたわけです。

ジャフナでは、日本のNGOの事業として、捕れた魚やエビを干し、都市部のコロンボなどで販売するという事業がありました。日本式のやり方もかみ合わせて、今までは海辺の砂の上に魚やエビを干していたのを、もう少し衛生的に商品を作って高く売るということを、日本のNGOが非常に熱心に取り組んでおられる姿が印象的でした。

いずれにしても、そういった活動を見て、私の実感は、建物が壊されたり、ご主人を亡くしたりしていますが、復興の懸命の努力も続けられていると思いました。
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同行してくれた大統領の弟の経済開発大臣を人々が囲んで、中には食って掛かる人もいたり、黄色い封筒にいろいろなことを書き込んで大臣に渡して陳情したりしていました。

そういう姿を見て私は、内戦の後だけに、あるいは一般人を巻き込んだ人権侵害もあっただけに、もっと険悪な雰囲気だと思ったわけですが、思ったほどではなかったという感じがしました。

いずれにしても、日本の経済協力も、比較的金額が小さい地道な援助をしながら、内戦によって傷ついた、あるいは影響を受けた人たちの生活の再建のために、日本のNGOや日本の資金が役に立っているということが実感できました。

スリランカは日本に近い国で、これから観光客も増えていくだろうと思います。間もなくスリランカ航空が、成田との間を週5便飛ばします。私たちが帰りに乗った飛行機も、最新の非常に良い飛行機でした。

仏教施設、世界遺産も7つあるということですから、これから日本からの観光客も益々増えることを期待したいと思います。

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