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2007.08.31|TALK-ABOUT [ブログ]

中国・北京と韓国・釜山を訪問


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今週、中国・北京と韓国・釜山の両都市を訪れてきました。

北京のほうは、日本の「言論NPO」と中国のマスコミが共催する「第3回北京-東京フォーラム」に出席しました。

この会は3年前、日中関係が非常に緊張した折に、そういう中で政府以外のルートで率直に話し合いをする場が必要だということで始まったものです。


そこで私はまず、15分ほど基調演説をさせていただきました。その概要は言論NPOのホームページにも出ていると思いますので、ご覧いただきたいと思います。

そのあと、非常に楽しかったのは、北京大学で150名ほどの学生と、これは北京大学以外の学生さんも多かったのですが、話ができたことです。

少し残念だったのは、日本側が5名、中国側も5名、合計10名の人間が学生たちと話し合いをしたということで、やや散漫になった嫌いは免れません。

しかし、学生の皆さんはなかなか鋭い質問で、非常に議論を楽しむことができました。

私は少し挑発しようという意図もあって、申し上げたことは、1つは中国の若者の間に排他的なナショナリズムが高まっているのではないかということです。

これは日本もそういう傾向がありますが、そういった排他的なナショナリズムというものに対して同じ世代として学生の皆さんはどう思うかという問題を投げかけました。

2番目が戦後の日本が歩んできた歴史について、どう評価しているのかということです。

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つまり、民主主義あるいは平和、そして近隣の国々に対して経済援助を行ってアジアの今日を築くのにも貢献してきた。中国に対しても天安門事件の直後に経済協力を真っ先に再開し、WTO加盟においては中国に対して最もその手助けをした、それが日本であると。そういうことについて若い人はどう考えているのかということを質問しました。

そして、3番目に私が申し上げたことは格差の問題。日本の政治においても格差の問題は大きなテーマですが、中国における格差、都市と地方、都市の中でも地方から来た人たちと都市に元々住む人たちの間の格差、こういうことについてどう考えているのかと、やや挑発的でしたが、こういう問題提起をしまして、そういうことも含めて、活発な意見交換ができたことは非常に楽しかったわけです。

こういう若い人たちとの議論というのは、これからも続けていきたいと思っています。

韓国のほうは「日韓フォーラム」、これは日韓の有識者が10数年毎年開いて議論しているもので、去年は日本の淡路島で行われました。そして、今年は韓国の釜山で開催されたわけです。

私はわずか1日という滞在でしたが、最近の韓国の状況、昨年の淡路島での議論では韓国側がAチームとBチームとに分かれてお互いが議論するという非常に面白い現象だったのですが、今年は韓国側も少し静かになって、議論をいたしました。

ちょっと気になるのは、日本に対する関心そのものが薄れているのではないかと。アメリカとの間にFTA(自由貿易協定)を結び、いまやEUとも結ぼうとしています。日本との間は、その協定の締結に向けた議論がいま停滞している状況にあります。

韓国の人たちの関心は、アメリカや中国のほうに行って、日本から薄らいでいるのかなという気がしないでもありませんでした。

この中国・韓国の旅で1つ気付いたことは、円がすごく安くなっているなということです。特にウォンに対して非常に安くなっていて、帰りは釜山からソウルに飛んで、ソウルから羽田に最終便で戻ってきたのですが、韓国の若い人たちが乗客の大半を占めていました。週末で日本に遊びに来るという感じです。

一昔前は日本の女性たちが韓国に週末エステに行ったりした時期もありましたが、いまはウォン高で逆転現象になっている。

そしてもう1つは、羽田に着いて出口を出ようとすると、日本の女性が――中年の女性が多かったのですが――100名から150名くらいが詰めかけているのです。韓国の俳優が来日するということで、集まっておられたようです。ちょっと違和感を覚えたわけです。

いずれにしても、韓国の俳優の人気というのは、すごいものだなと改めて感じました。



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