5/14 経済産業委員会質疑(化石燃料賦課金、石油石炭税、日米交渉など)
【委員会】衆議院 経済産業委員会 質疑
【日 時】2025年5月14日(水) 10:20~(30分間)
見逃し配信はこちらから➾5/14 経済産業委員会
【主な質問内容】
- 化石燃料賦課金
- 石油石炭税
- 日米交渉など
議事録
〇岡田委員 立憲民主党の岡田克也です。
まず、大臣にお聞きします。
地球温暖化対策税は、民主党政権時代、二〇一二年に導入されて、あらかじめ定められたスケジュールに従って税率を上げて、二〇一六年に現在の税率になりました。CO2排出一トン当たり二百八十九円ということであります。
大臣は、この温対税をどう評価しておられますか。
〇武藤国務大臣 カーボンプライシングでありますけれども、これは、地球温対税を二〇一二年、民主党政権さんのときに入れられた背景は承知をしています。このカーボンプライシングは、事業者に過度な負担を課すれば産業の国外流出等の悪影響も懸念されるところで、その導入により経済成長を阻害しないか、慎重に検討を加えてきたところであります。
温対税につきましては、まさにこうした中で、経済成長を阻害しない他の措置を優先すべきと判断をし、温室効果ガスの公表制度、省エネルギー対策への支援措置、産業界の自主的な取組などを基礎とした施策を実施してきたところです。こうした施策により、二〇一三年度以降は着実に排出削減を進めてきたという認識であります。
〇岡田委員 確かに産業によっては負担が増えることで国際競争力を失うとかという問題もありますが、同時に、そういったことで、カーボンプライシング、そのことによって、省エネルギーあるいは再生可能エネルギーの導入、その関連の設備投資も進み、それが経済成長につながる、当然そういう考え方もあるわけですね。
そういう考え方に基づいて温対税が入った。だけれども、順次税率を上げてきたんだけれども、二〇一六年以降は、私は、温対税を更に上げていく、そういう選択肢があったと思うんですね、しかし、それが止まってしまった。
それから、排出権取引は、実はEU共通の取引市場が発足したのは二〇〇五年。我々民主党政権のときに排出権取引も入れたかったんですが、具体的な制度設計をするには時間がなかったので先送りせざるを得なかったんですが、ヨーロッパは更にずっと先を行っていたわけですね。民主党政権のときにできたのは、温対税とそれから固定価格買取り制度。三つのうちの二つはやったつもりなんですが、排出権取引はできなかった。
ようやく最近になって、排出権取引について具体的に動き出したとか、それから、温対税ではなくて違う仕組みですが、事実上カーボンプライシングの制度が入ったというのは、私は遅過ぎるというふうに思うんですね。自民党政権の中でも、菅政権が発足して、小泉さんが環境大臣になられたんだけれども、その辺で少しかじを私は切ったと思っていますが、それまでの、民主党政権の以前も含めて、地球温暖化対策についての遅れというものが私は日本の現状を招いている。
例えば、太陽光発電だって、世界のワン、ツー、スリーは日本メーカーだったんですね。ところが、需要が急に拡大したときに日本の国内市場がなかったものだから、いつの間にかドイツに抜かれ、そして今はもう中国に完全に席巻されてしまっているということだと思うんです。風力発電だって、三菱重工が取り組んでいましたよね。だけれども、日本に市場がないものだから断念してしまった。そういうていたらくを招いたことについての責任、どう考えておられますか。
〇武藤国務大臣 今までのエネルギー政策ですとか今の気候温暖化、いわゆる環境と産業振興、いわゆる経済産業省の立場で、いろいろと政府として統一をしてこなかったというところは、確かにさっきの田嶋先生の御指摘もあるところなんだと思います。
そういう中で、今、世界の潮流の中で、DXがあり、またGXがありという形の中で、大きな政策転換、これがまさに、おっしゃっていただいたように、二〇二〇年、菅政権のときにカーボンニュートラルゼロということで、ちょっと変わってきた、節目が変わったということだろうと思います。
遅過ぎたという田嶋先生からもお叱りを受けましたけれども、ある意味で、日本の政策の転換期に当たって、環境省といつまでもけんかしているんじゃないよというのが、正直、政策の中の中心でもあり、我が党の中でもいろいろな議論がありましたけれども、ここはしっかり先へ進めるべきだ。ただ、そこの中でもやはり慎重論というのが確かにあるのは事実です。
とにかく、このGXもそうですし、半導体のときもそうだったんですけれども、国民が理解をしていただけるように我々としてはしっかり公表というかあるいは示していくということも大事だろうし、そういう意味の中で、私は今回、少数与党という形の中でやらせていただきながら、皆さんの意見を拝聴しながら、間違いのない方向に進めていかなきゃいけない、しかも加速感を持ってやっていかなきゃいけないんだろうと思います。
是非、岡田委員のまた御指摘もいただきながら、先に進めていきたいというふうに思っています。
〇岡田委員 私は、やはり、地球温暖化対策に対する取組の決定的な遅れ、これは相当政府あるいは経産省の罪は深いというふうに思いますよ。今頃になって慌てていても、産業の方は消えてしまっているということだと思います。
今回、石油石炭税の減収分を埋め合わせる形で化石燃料賦課金というものを入れるということですが、私よく分からないんですが、埋め合わせる形でといったって、何でそんなことをする必要があるのか。特に個々の企業から見たら予見可能性というのが非常に失われる。むしろ石油石炭税を段階的に増税していく、そういうスケジュールを示した方が、賦課金というのは幾らになるかよく分からないということになりますから、企業にとっては投資の予見可能性を失わせることになりかねない。こういう複雑な制度になぜしなきゃいけないんですか。もう既に決まってはいることですけれども、法律で。
〇武藤国務大臣 ちょっとテクニック的にメカニックなところもあるので、もし私のあれで説明不足でしたらまた事務方の方から補足させていただきますが、化石燃料賦課金を含むカーボンプライシングは、石油石炭税とか再エネ賦課金といったエネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させていく中で導入することを二年前に成立した現行GX推進法で皆様方に御審議をいただき、ここに明記をされているところであります。
こうした負担への配慮に加えて、GX投資促進のためには、委員から御指摘いただいたような事業者にとって予見性の確保、これがまさに重要な視点だと思っています。この点、化石燃料の使用量減少に伴う石油石炭税の減収額が拡大することから、徐々に化石燃料賦課金の単価は上昇していく見込みであるというふうに思います。
毎年の石油石炭税の減収の範囲の中で機動的に化石燃料賦課金単価を上げていくので、将来にわたっての具体的な賦課金単価をあらかじめお示しすることはできませんけれども、中長期的に単価水準が安定的に徐々に増加していく点は予見可能であることから、企業のGX投資の意思決定を促進するには十分可能であろうというふうに思っているところだと思っています。
〇岡田委員 ですから、何で減収の範囲という考え方に立つのかと聞いているわけですね。むしろ石油石炭税を今までやったように定期的に上げていくということを示せば、それが一番予見可能性が高まるというふうに私は思うんですね。非常に分かりにくい制度だと思います。
そもそも、この化石燃料賦課金というのは、これは税なんですか、何なんでしょうか。税なら、憲法上、憲法八十四条で租税法律主義というのがあって、法律の定めがなければ税率などは変えられないということになっているんですが、今回の賦課金は政令でその額を定めることになっていますよね。本来、実態は税であるものをこういう形で恣意的にというか政府の判断で税率を変えられるというのは、私は租税法律主義を逸脱するものだというふうに思いますが、いかがですか。
〇畠山政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の化石燃料賦課金、これはまさに、今大臣から申し上げましたように、エネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させていく中で導入する。このため、これは税ではなくて賦課金として措置することとしております。賦課金として措置することで、毎年、既存のエネルギーに係る負担額の最新状況を踏まえて、適切に単価を定める制度設計にしてございます。その意味では、予見性の確保と負担の水準というもののバランスを考えた、そういう仕組みとしているわけでございます。
こうした制度の基本的な考え方を前提としつつ、委員御指摘の租税法律主義の趣旨を踏まえて対象者の予見性を確保することが重要だと考えておりまして、化石燃料賦課金の対象物や単価の設定に当たっての考え方、単価の上下限、こうした必要事項を可能な限り法律に明記する形で二年前に国会で御審議をいただいたものでございます。
その上で、政令で決定する具体的な負担水準につきましても、法律に定める単価の上下限の範囲内で適切に定め、行政手続法に基づきパブリックコメントを実施するなど、恣意的な運用を排除して、透明性の確保に努めてまいる所存でございます。
〇岡田委員 租税法律主義というのは、国会の決定なくして勝手に負担を増やしてはならないというのが基本的考え方で。いろいろ仕組みは書いてはありますけれども、具体的にどうなるかというのは政令で決めるわけですから、国会は関係ないんですね。そういうやり方が適切だとは私は全く思えないということは申し上げておきたいと思います。
それから、先ほど田嶋さんとの質疑の中で答弁いただきましたので省きますけれども、本当に二十兆円返せるのかということも、先ほどの答弁を聞いていてもよく分からなかった、非常に不安の残るところであります。
さて、次に、石油石炭税についてお聞きしたいと思います。
例えば、石油天然ガス田の探鉱、資産買収等で今年度予算でも五百六十三億円計上されているというふうに思うんですね。
ただ、資産買収はともかくとして、探鉱の方は時間がかかるわけですね。石油があるかどうかを試掘をして確認して、そして、あれば生産する、そのための、探鉱のための予算ですから。そうすると、二〇五〇年には、完全になくなるかどうか分かりませんが、我が国に対する原油の輸入というのはゼロに近くなってくるということであると、二〇五〇年というのは二十五年後ですから、探鉱のために十年とか十五年はかかりますよね、そうすると、これから十年ぐらいかけてこの予算というのはフェードアウトしていくというのが本来の考え方だと思うんですが、いかがですか。これは事務方で結構です。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、化石燃料が我が国のエネルギー供給の大宗を担っている状況を踏まえますと、GXを推進する中におきましても、エネルギーの安定供給を確保しつつ、現実的なトランジションを進める必要があるというふうに考えてございます。
まず、石油でございますけれども、これは、現在、一次エネルギーの約四割を占めておりまして、幅広い用途を持つことに加えまして、平時のみならず緊急時のエネルギー供給に貢献するため、国民生活、経済活動に不可欠と考えてございます。
それから、天然ガスでございますけれども、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少なく、再生可能エネルギーの調整電源として中心的な役割を果たし、カーボンニュートラルの実現後も重要なエネルギー源であると考えてございます。
中長期的な石油や天然ガスの需要量につきましては、今後のカーボンニュートラル燃料の価格の動向であるとかあるいは新産業による電力需要の拡大等に大きく影響を受けますが、このような環境下におきましても、我が国の民間企業がエネルギーの安定供給に必要な石油、天然ガスに関する権益を維持、獲得し、資源開発を推進することは重要であると考えてございます。
このため、脱炭素技術の進展状況などを精査しながら、民間のみでは負担することが困難なリスクをJOGMECが補完することで、エネルギーの安定供給と脱炭素の両立を図ってまいりたいと考えてございます。
〇岡田委員 何も答えていないんですね。
ですから、カーボンニュートラルは国として決めているわけでしょう。私は、それがぴたっと二〇五〇年に本当にゼロになるかどうかというのは、それはアローアンスはある程度見てもいいと思いますが、基本的な流れとしてそういうふうにするときに、新たに石油があるかどうかを試しましょう、そういう探鉱予算までこれから十五年も二十年も計上していくんですか。だって、探鉱して、それから現実にそれが出るかどうかは分かるまでにやはり時間がかかるじゃないですか。二〇五〇年ゼロに向かってやっていくということであれば、少なくとも探鉱予算についてはそんなに多額の予算を計上し続けるというのは明らかにおかしいんじゃないですか。無駄遣いじゃないですか。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
私どもとしても、二〇五〇年の石油、ガス需要については様々な機関の分析なども踏まえて検討しているところでございますけれども、二〇五〇年の石油の需要につきましては、相当、様々な機関が様々な幅を持った見通しを出しているところでございます。まだまだ続くというところも、そういう見通しを出している機関もございます。
そういった中で、委員御指摘のとおり、開発については相当リードタイムがかかるということでございまして、需要が、必要なときに、そのときにすぐに開発をして石油を掘削するということはなかなか難しいという意味では、長い目でしっかりと、長期的な需要の不確実性なんかも踏まえながら、探鉱開発をしっかりと支援をしてエネルギーの安定供給を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
〇岡田委員 国家備蓄についても、今年度で四百六十八億円が計上されていると思いますが、石油の消費量が減れば当然必要な備蓄量も減っていくわけですね。これから二〇五〇年に向けて国家備蓄基地というのもある程度整理していかなきゃいけないというふうに思うんですが、その具体的スケジュールは作っておられますか。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、我が国は、石油を海外からの輸入に依存していることから、地政学リスク等による我が国への原油輸入の途絶、それから国内の災害時の石油供給の不足といった事態に備える必要があると考えてございます。
このため、本年二月に閣議決定をされた第七次エネルギー基本計画におきましても、引き続き石油備蓄の役割は重要であり、石油備蓄水準を維持することとされております。
今後のスケジュール、御質問のスケジュールでございますけれども、需要の動向など様々な考慮事項がございまして、予断を持ってお答えすることはできませんけれども、備蓄量につきましては、エネルギーセキュリティーの観点から、絶えず見直しを行ってまいりたいと考えてございます。
〇岡田委員 ですから、備蓄水準というのは、従来、何日と計っていたわけですね、何日間耐えられると。だから、消費量が減れば当然日数は増えちゃうわけですよ。それをずっとやっていくんですかと。やはり、二〇五〇年に向けて、国家備蓄基地も全国にありますけれども、こういうものもどこを残してどこをやめるかとか、そういう長期スケジュールを作るべき時期に来ているんじゃないかというふうに申し上げているわけです。結局、既得権で、今までやってきたから予算は減らせませんよというんじゃ話にならないというふうに思うんですね。
もう一つ聞いておきますが、石油の国家備蓄の平均購入単価、価格というのはどうなっていますか。もしそれを全部、今、市場価格で売り出せば、どのぐらいの含み益というのが出るんでしょうか。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、国家備蓄石油の平均購入単価は、令和六年三月末時点におきまして、国家備蓄原油の簿価を数量で割りますと、リッター当たり約二十八円でございます。
また、国家備蓄石油の時価と簿価の差は、令和六年三月末時点では約二兆二千億円のプラスになってございます。
ただし、これまで、原油価格等の影響を相当受けるということで、過去を見ますとマイナスを計上している年もございます。時価につきましては、国際的な情勢に伴う油価や為替の影響を受けて変動し得るものであることに留意が必要というふうに考えてございます。
〇岡田委員 ですから、含み益が二兆円以上あるという御答弁だったと思いますが、これだってGX債の償還に私は充てるべきじゃないかというふうに思うんですね。すぐに売れと言っているんじゃないですよ。二〇五〇年に向けて段階的に縮小していく中でやはり利益が、含み益が顕在化するわけですから、そういうものも含めて考えていくべきじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
〇武藤国務大臣 今も答弁させていただきましたけれども、石油、天然ガス、これが我が国のエネルギー供給の大宗を担う状況がまだ当面は継続するものだというふうに思っております。現実的なトランジションを進めなきゃいけない。
そしてまた、日本の地政的な今の状況、そして今の国際情勢、様々こういうところも判断をしながら、上流権益の確保支援や石油備蓄の水準維持、必要な措置も講じつつも、脱炭素技術の進展状況等も踏まえながら、関係予算を不断に精査をしながら、バランスをしっかり取っていかなきゃいけないんだろうと思っているところです。
本当に難しいかと思いますけれども、二〇五〇年カーボンニュートラルということで、まだ十五年ございますけれども、今の情勢をしっかり、我々としては、基本的に、再資源もそうですけれども、利用というものも含めて、資源の少ない国としては、やはりそこも含めて日本の安定的なものを図っていかなきゃいけないんだろうと思っていますので、また委員の御指摘、御指導をいただければというふうに思います。
〇岡田委員 私も、すぐにやれと言っているわけじゃないんですね。ただ、二十五年先には、国として、ゼロ、カーボンニュートラルを目指しているのであれば、もちろん、それが本当にできるかどうか分かりませんし、場合によっては地中にCO2をためるとか、そういうことであれば輸入はその分は続くわけですけれども、そろそろ、そういうものをにらんで、全体的な撤退戦略といいますか、そういうものをきちんと作ってやっていくべきじゃないか、柔軟性は持ちつつ、ということを申し上げているところであります。
次に、全然話は変わりますが、日米交渉についてちょっと大臣にお聞きしたいんです。
この前、商務長官とお会いになる前に、当然、いろいろな準備はしておられたと思いますが、安倍総理とトランプ大統領の会談、日米貿易協定を決めたときの会談、その議事録は、事前に勉強していかれましたよね。いかがですか。
〇武藤国務大臣 勉強させていただいて、見ています。
〇岡田委員 その議事録にどう書いてあったかというのは我々は分からないんですけれども、本来であれば、今回の自動車関税については、これは明らかな約束違反ですから、安倍総理の言うことを前提とすれば。
本当にきちっと議論して約束できているのかどうかというのは、私は国会として確認する必要があると思うんですね。予算委員会でそのことを協議してもらっていますけれども、政府の方は出せませんというのが取りあえずのお答えのようですが、私は、外に出ない形の秘密会とか、いろいろなやり方はできますから、国会議員なら漏らしちゃうとか、役所の人なら漏らさないとか、そんな話はないと思いますので、きちんと秘密性を担保した上で、その議事録を国会として精査すべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。
〇武藤国務大臣 委員の御指摘は承知しているところであります。
これは多分、予算委員会の方の理事会で検討されていると思いますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
〇岡田委員 是非、これは国会の問題ですので、与党、野党の問題ではありませんので、そのことは申し上げておきたいと思います。
最後に、日米協議の中で、交渉範囲というのが食い違っていますよね。関税について、どうも米国側は、相互関税の上乗せ分、一四%部分が交渉の対象、日本側は、相互関税全体と、自動車関税もあれば鉄もある、関税全体だと。ここの食い違いがある中で中身の議論に入っているというのは、私は非常に危ないなというふうに思うんですね。例えば、非関税障壁の話であったり農業の話であったり、そういう議論もしておられるようです、国会のやり取りを聞くと、赤澤さんの。土俵が決まらないのに中身の話をする、そういうやり方をどうして取られるんですか。
〇武藤国務大臣 基本的には、赤澤大臣が石破総理からの御指名を受けて、トランプ大統領からベッセントが指名を受けての、両者間、それが決まっていますので、経産省はもちろんですけれども、そういう、私は、国内の関税、国内の今の状況も含めて、しっかりサポートしていかなきゃいけない立場であります。
ですから、そういう意味で、今回、今委員の御指摘のあった相互関税でも、向こうは一〇%は残して一四%について議論しているとか、日本は、自動車関税についての撤廃を求めているとか、あるいは鉄やアルミも含めて総合判断をしなきゃ駄目だとか、いろいろ議論はされております。
一応、今月の中旬以降にまた第三回目の閣僚会談をやるということで今進められていると承知をしていますが、内容については、今、我々の方もサポートしながら、しっかりとした形でこれがまとまるように、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでいかなきゃいけない課題だというふうに認識をしているところであります。
〇岡田委員 この前御指摘申し上げた交渉者の数が一対三になっている話とか、今申し上げたように交渉の範囲が定まらないのに中身を議論しているとか、私は、非常におかしなことをやっていて、これで本当に大丈夫かというふうに思っているということは申し上げておきたいと思います。
それから、時間も参りますので、最後。
トヨタ自動車が決算発表の中で、国内生産台数は十一・四万台増加させる、三百三十五万台とするというふうに発表されました。私は、それは本当によかったし、企業として立派な態度だというふうに思うんですが、でも、他の、例えば日産は世界全体で二万人減らすということになっていますし、ほかのメーカーも減益予想を出しておられて、これから非常に国内生産のレベルが下がる可能性があって、この前も申し上げましたが、そのための対策というのは、これは機を逃さずにやっていかないと雇用問題が相当深刻になる可能性があるというふうに思っております。一言ありましたらおっしゃってください。
〇武藤国務大臣 千か所の相談窓口をつくった云々かんぬんは今までも御答弁させていただいたとおりです。なおかつ、情報についてはプッシュ型でこれからも情報収集してまいりますし、今いろいろと今度の経済対策の話も出てきておるようでありますので、しっかり、そういう形の中で、我々としては、特に賃上げというものに非常にこだわりながら、これからもしっかり頑張っていきたいというふうに思っているところです。
〇岡田委員 時機を失しないように、しっかりやっていただきたいと思います。
終わります。
まず、大臣にお聞きします。
地球温暖化対策税は、民主党政権時代、二〇一二年に導入されて、あらかじめ定められたスケジュールに従って税率を上げて、二〇一六年に現在の税率になりました。CO2排出一トン当たり二百八十九円ということであります。
大臣は、この温対税をどう評価しておられますか。
〇武藤国務大臣 カーボンプライシングでありますけれども、これは、地球温対税を二〇一二年、民主党政権さんのときに入れられた背景は承知をしています。このカーボンプライシングは、事業者に過度な負担を課すれば産業の国外流出等の悪影響も懸念されるところで、その導入により経済成長を阻害しないか、慎重に検討を加えてきたところであります。
温対税につきましては、まさにこうした中で、経済成長を阻害しない他の措置を優先すべきと判断をし、温室効果ガスの公表制度、省エネルギー対策への支援措置、産業界の自主的な取組などを基礎とした施策を実施してきたところです。こうした施策により、二〇一三年度以降は着実に排出削減を進めてきたという認識であります。
〇岡田委員 確かに産業によっては負担が増えることで国際競争力を失うとかという問題もありますが、同時に、そういったことで、カーボンプライシング、そのことによって、省エネルギーあるいは再生可能エネルギーの導入、その関連の設備投資も進み、それが経済成長につながる、当然そういう考え方もあるわけですね。
そういう考え方に基づいて温対税が入った。だけれども、順次税率を上げてきたんだけれども、二〇一六年以降は、私は、温対税を更に上げていく、そういう選択肢があったと思うんですね、しかし、それが止まってしまった。
それから、排出権取引は、実はEU共通の取引市場が発足したのは二〇〇五年。我々民主党政権のときに排出権取引も入れたかったんですが、具体的な制度設計をするには時間がなかったので先送りせざるを得なかったんですが、ヨーロッパは更にずっと先を行っていたわけですね。民主党政権のときにできたのは、温対税とそれから固定価格買取り制度。三つのうちの二つはやったつもりなんですが、排出権取引はできなかった。
ようやく最近になって、排出権取引について具体的に動き出したとか、それから、温対税ではなくて違う仕組みですが、事実上カーボンプライシングの制度が入ったというのは、私は遅過ぎるというふうに思うんですね。自民党政権の中でも、菅政権が発足して、小泉さんが環境大臣になられたんだけれども、その辺で少しかじを私は切ったと思っていますが、それまでの、民主党政権の以前も含めて、地球温暖化対策についての遅れというものが私は日本の現状を招いている。
例えば、太陽光発電だって、世界のワン、ツー、スリーは日本メーカーだったんですね。ところが、需要が急に拡大したときに日本の国内市場がなかったものだから、いつの間にかドイツに抜かれ、そして今はもう中国に完全に席巻されてしまっているということだと思うんです。風力発電だって、三菱重工が取り組んでいましたよね。だけれども、日本に市場がないものだから断念してしまった。そういうていたらくを招いたことについての責任、どう考えておられますか。
〇武藤国務大臣 今までのエネルギー政策ですとか今の気候温暖化、いわゆる環境と産業振興、いわゆる経済産業省の立場で、いろいろと政府として統一をしてこなかったというところは、確かにさっきの田嶋先生の御指摘もあるところなんだと思います。
そういう中で、今、世界の潮流の中で、DXがあり、またGXがありという形の中で、大きな政策転換、これがまさに、おっしゃっていただいたように、二〇二〇年、菅政権のときにカーボンニュートラルゼロということで、ちょっと変わってきた、節目が変わったということだろうと思います。
遅過ぎたという田嶋先生からもお叱りを受けましたけれども、ある意味で、日本の政策の転換期に当たって、環境省といつまでもけんかしているんじゃないよというのが、正直、政策の中の中心でもあり、我が党の中でもいろいろな議論がありましたけれども、ここはしっかり先へ進めるべきだ。ただ、そこの中でもやはり慎重論というのが確かにあるのは事実です。
とにかく、このGXもそうですし、半導体のときもそうだったんですけれども、国民が理解をしていただけるように我々としてはしっかり公表というかあるいは示していくということも大事だろうし、そういう意味の中で、私は今回、少数与党という形の中でやらせていただきながら、皆さんの意見を拝聴しながら、間違いのない方向に進めていかなきゃいけない、しかも加速感を持ってやっていかなきゃいけないんだろうと思います。
是非、岡田委員のまた御指摘もいただきながら、先に進めていきたいというふうに思っています。
〇岡田委員 私は、やはり、地球温暖化対策に対する取組の決定的な遅れ、これは相当政府あるいは経産省の罪は深いというふうに思いますよ。今頃になって慌てていても、産業の方は消えてしまっているということだと思います。
今回、石油石炭税の減収分を埋め合わせる形で化石燃料賦課金というものを入れるということですが、私よく分からないんですが、埋め合わせる形でといったって、何でそんなことをする必要があるのか。特に個々の企業から見たら予見可能性というのが非常に失われる。むしろ石油石炭税を段階的に増税していく、そういうスケジュールを示した方が、賦課金というのは幾らになるかよく分からないということになりますから、企業にとっては投資の予見可能性を失わせることになりかねない。こういう複雑な制度になぜしなきゃいけないんですか。もう既に決まってはいることですけれども、法律で。
〇武藤国務大臣 ちょっとテクニック的にメカニックなところもあるので、もし私のあれで説明不足でしたらまた事務方の方から補足させていただきますが、化石燃料賦課金を含むカーボンプライシングは、石油石炭税とか再エネ賦課金といったエネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させていく中で導入することを二年前に成立した現行GX推進法で皆様方に御審議をいただき、ここに明記をされているところであります。
こうした負担への配慮に加えて、GX投資促進のためには、委員から御指摘いただいたような事業者にとって予見性の確保、これがまさに重要な視点だと思っています。この点、化石燃料の使用量減少に伴う石油石炭税の減収額が拡大することから、徐々に化石燃料賦課金の単価は上昇していく見込みであるというふうに思います。
毎年の石油石炭税の減収の範囲の中で機動的に化石燃料賦課金単価を上げていくので、将来にわたっての具体的な賦課金単価をあらかじめお示しすることはできませんけれども、中長期的に単価水準が安定的に徐々に増加していく点は予見可能であることから、企業のGX投資の意思決定を促進するには十分可能であろうというふうに思っているところだと思っています。
〇岡田委員 ですから、何で減収の範囲という考え方に立つのかと聞いているわけですね。むしろ石油石炭税を今までやったように定期的に上げていくということを示せば、それが一番予見可能性が高まるというふうに私は思うんですね。非常に分かりにくい制度だと思います。
そもそも、この化石燃料賦課金というのは、これは税なんですか、何なんでしょうか。税なら、憲法上、憲法八十四条で租税法律主義というのがあって、法律の定めがなければ税率などは変えられないということになっているんですが、今回の賦課金は政令でその額を定めることになっていますよね。本来、実態は税であるものをこういう形で恣意的にというか政府の判断で税率を変えられるというのは、私は租税法律主義を逸脱するものだというふうに思いますが、いかがですか。
〇畠山政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の化石燃料賦課金、これはまさに、今大臣から申し上げましたように、エネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させていく中で導入する。このため、これは税ではなくて賦課金として措置することとしております。賦課金として措置することで、毎年、既存のエネルギーに係る負担額の最新状況を踏まえて、適切に単価を定める制度設計にしてございます。その意味では、予見性の確保と負担の水準というもののバランスを考えた、そういう仕組みとしているわけでございます。
こうした制度の基本的な考え方を前提としつつ、委員御指摘の租税法律主義の趣旨を踏まえて対象者の予見性を確保することが重要だと考えておりまして、化石燃料賦課金の対象物や単価の設定に当たっての考え方、単価の上下限、こうした必要事項を可能な限り法律に明記する形で二年前に国会で御審議をいただいたものでございます。
その上で、政令で決定する具体的な負担水準につきましても、法律に定める単価の上下限の範囲内で適切に定め、行政手続法に基づきパブリックコメントを実施するなど、恣意的な運用を排除して、透明性の確保に努めてまいる所存でございます。
〇岡田委員 租税法律主義というのは、国会の決定なくして勝手に負担を増やしてはならないというのが基本的考え方で。いろいろ仕組みは書いてはありますけれども、具体的にどうなるかというのは政令で決めるわけですから、国会は関係ないんですね。そういうやり方が適切だとは私は全く思えないということは申し上げておきたいと思います。
それから、先ほど田嶋さんとの質疑の中で答弁いただきましたので省きますけれども、本当に二十兆円返せるのかということも、先ほどの答弁を聞いていてもよく分からなかった、非常に不安の残るところであります。
さて、次に、石油石炭税についてお聞きしたいと思います。
例えば、石油天然ガス田の探鉱、資産買収等で今年度予算でも五百六十三億円計上されているというふうに思うんですね。
ただ、資産買収はともかくとして、探鉱の方は時間がかかるわけですね。石油があるかどうかを試掘をして確認して、そして、あれば生産する、そのための、探鉱のための予算ですから。そうすると、二〇五〇年には、完全になくなるかどうか分かりませんが、我が国に対する原油の輸入というのはゼロに近くなってくるということであると、二〇五〇年というのは二十五年後ですから、探鉱のために十年とか十五年はかかりますよね、そうすると、これから十年ぐらいかけてこの予算というのはフェードアウトしていくというのが本来の考え方だと思うんですが、いかがですか。これは事務方で結構です。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、化石燃料が我が国のエネルギー供給の大宗を担っている状況を踏まえますと、GXを推進する中におきましても、エネルギーの安定供給を確保しつつ、現実的なトランジションを進める必要があるというふうに考えてございます。
まず、石油でございますけれども、これは、現在、一次エネルギーの約四割を占めておりまして、幅広い用途を持つことに加えまして、平時のみならず緊急時のエネルギー供給に貢献するため、国民生活、経済活動に不可欠と考えてございます。
それから、天然ガスでございますけれども、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少なく、再生可能エネルギーの調整電源として中心的な役割を果たし、カーボンニュートラルの実現後も重要なエネルギー源であると考えてございます。
中長期的な石油や天然ガスの需要量につきましては、今後のカーボンニュートラル燃料の価格の動向であるとかあるいは新産業による電力需要の拡大等に大きく影響を受けますが、このような環境下におきましても、我が国の民間企業がエネルギーの安定供給に必要な石油、天然ガスに関する権益を維持、獲得し、資源開発を推進することは重要であると考えてございます。
このため、脱炭素技術の進展状況などを精査しながら、民間のみでは負担することが困難なリスクをJOGMECが補完することで、エネルギーの安定供給と脱炭素の両立を図ってまいりたいと考えてございます。
〇岡田委員 何も答えていないんですね。
ですから、カーボンニュートラルは国として決めているわけでしょう。私は、それがぴたっと二〇五〇年に本当にゼロになるかどうかというのは、それはアローアンスはある程度見てもいいと思いますが、基本的な流れとしてそういうふうにするときに、新たに石油があるかどうかを試しましょう、そういう探鉱予算までこれから十五年も二十年も計上していくんですか。だって、探鉱して、それから現実にそれが出るかどうかは分かるまでにやはり時間がかかるじゃないですか。二〇五〇年ゼロに向かってやっていくということであれば、少なくとも探鉱予算についてはそんなに多額の予算を計上し続けるというのは明らかにおかしいんじゃないですか。無駄遣いじゃないですか。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
私どもとしても、二〇五〇年の石油、ガス需要については様々な機関の分析なども踏まえて検討しているところでございますけれども、二〇五〇年の石油の需要につきましては、相当、様々な機関が様々な幅を持った見通しを出しているところでございます。まだまだ続くというところも、そういう見通しを出している機関もございます。
そういった中で、委員御指摘のとおり、開発については相当リードタイムがかかるということでございまして、需要が、必要なときに、そのときにすぐに開発をして石油を掘削するということはなかなか難しいという意味では、長い目でしっかりと、長期的な需要の不確実性なんかも踏まえながら、探鉱開発をしっかりと支援をしてエネルギーの安定供給を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
〇岡田委員 国家備蓄についても、今年度で四百六十八億円が計上されていると思いますが、石油の消費量が減れば当然必要な備蓄量も減っていくわけですね。これから二〇五〇年に向けて国家備蓄基地というのもある程度整理していかなきゃいけないというふうに思うんですが、その具体的スケジュールは作っておられますか。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、我が国は、石油を海外からの輸入に依存していることから、地政学リスク等による我が国への原油輸入の途絶、それから国内の災害時の石油供給の不足といった事態に備える必要があると考えてございます。
このため、本年二月に閣議決定をされた第七次エネルギー基本計画におきましても、引き続き石油備蓄の役割は重要であり、石油備蓄水準を維持することとされております。
今後のスケジュール、御質問のスケジュールでございますけれども、需要の動向など様々な考慮事項がございまして、予断を持ってお答えすることはできませんけれども、備蓄量につきましては、エネルギーセキュリティーの観点から、絶えず見直しを行ってまいりたいと考えてございます。
〇岡田委員 ですから、備蓄水準というのは、従来、何日と計っていたわけですね、何日間耐えられると。だから、消費量が減れば当然日数は増えちゃうわけですよ。それをずっとやっていくんですかと。やはり、二〇五〇年に向けて、国家備蓄基地も全国にありますけれども、こういうものもどこを残してどこをやめるかとか、そういう長期スケジュールを作るべき時期に来ているんじゃないかというふうに申し上げているわけです。結局、既得権で、今までやってきたから予算は減らせませんよというんじゃ話にならないというふうに思うんですね。
もう一つ聞いておきますが、石油の国家備蓄の平均購入単価、価格というのはどうなっていますか。もしそれを全部、今、市場価格で売り出せば、どのぐらいの含み益というのが出るんでしょうか。
〇和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、国家備蓄石油の平均購入単価は、令和六年三月末時点におきまして、国家備蓄原油の簿価を数量で割りますと、リッター当たり約二十八円でございます。
また、国家備蓄石油の時価と簿価の差は、令和六年三月末時点では約二兆二千億円のプラスになってございます。
ただし、これまで、原油価格等の影響を相当受けるということで、過去を見ますとマイナスを計上している年もございます。時価につきましては、国際的な情勢に伴う油価や為替の影響を受けて変動し得るものであることに留意が必要というふうに考えてございます。
〇岡田委員 ですから、含み益が二兆円以上あるという御答弁だったと思いますが、これだってGX債の償還に私は充てるべきじゃないかというふうに思うんですね。すぐに売れと言っているんじゃないですよ。二〇五〇年に向けて段階的に縮小していく中でやはり利益が、含み益が顕在化するわけですから、そういうものも含めて考えていくべきじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
〇武藤国務大臣 今も答弁させていただきましたけれども、石油、天然ガス、これが我が国のエネルギー供給の大宗を担う状況がまだ当面は継続するものだというふうに思っております。現実的なトランジションを進めなきゃいけない。
そしてまた、日本の地政的な今の状況、そして今の国際情勢、様々こういうところも判断をしながら、上流権益の確保支援や石油備蓄の水準維持、必要な措置も講じつつも、脱炭素技術の進展状況等も踏まえながら、関係予算を不断に精査をしながら、バランスをしっかり取っていかなきゃいけないんだろうと思っているところです。
本当に難しいかと思いますけれども、二〇五〇年カーボンニュートラルということで、まだ十五年ございますけれども、今の情勢をしっかり、我々としては、基本的に、再資源もそうですけれども、利用というものも含めて、資源の少ない国としては、やはりそこも含めて日本の安定的なものを図っていかなきゃいけないんだろうと思っていますので、また委員の御指摘、御指導をいただければというふうに思います。
〇岡田委員 私も、すぐにやれと言っているわけじゃないんですね。ただ、二十五年先には、国として、ゼロ、カーボンニュートラルを目指しているのであれば、もちろん、それが本当にできるかどうか分かりませんし、場合によっては地中にCO2をためるとか、そういうことであれば輸入はその分は続くわけですけれども、そろそろ、そういうものをにらんで、全体的な撤退戦略といいますか、そういうものをきちんと作ってやっていくべきじゃないか、柔軟性は持ちつつ、ということを申し上げているところであります。
次に、全然話は変わりますが、日米交渉についてちょっと大臣にお聞きしたいんです。
この前、商務長官とお会いになる前に、当然、いろいろな準備はしておられたと思いますが、安倍総理とトランプ大統領の会談、日米貿易協定を決めたときの会談、その議事録は、事前に勉強していかれましたよね。いかがですか。
〇武藤国務大臣 勉強させていただいて、見ています。
〇岡田委員 その議事録にどう書いてあったかというのは我々は分からないんですけれども、本来であれば、今回の自動車関税については、これは明らかな約束違反ですから、安倍総理の言うことを前提とすれば。
本当にきちっと議論して約束できているのかどうかというのは、私は国会として確認する必要があると思うんですね。予算委員会でそのことを協議してもらっていますけれども、政府の方は出せませんというのが取りあえずのお答えのようですが、私は、外に出ない形の秘密会とか、いろいろなやり方はできますから、国会議員なら漏らしちゃうとか、役所の人なら漏らさないとか、そんな話はないと思いますので、きちんと秘密性を担保した上で、その議事録を国会として精査すべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。
〇武藤国務大臣 委員の御指摘は承知しているところであります。
これは多分、予算委員会の方の理事会で検討されていると思いますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
〇岡田委員 是非、これは国会の問題ですので、与党、野党の問題ではありませんので、そのことは申し上げておきたいと思います。
最後に、日米協議の中で、交渉範囲というのが食い違っていますよね。関税について、どうも米国側は、相互関税の上乗せ分、一四%部分が交渉の対象、日本側は、相互関税全体と、自動車関税もあれば鉄もある、関税全体だと。ここの食い違いがある中で中身の議論に入っているというのは、私は非常に危ないなというふうに思うんですね。例えば、非関税障壁の話であったり農業の話であったり、そういう議論もしておられるようです、国会のやり取りを聞くと、赤澤さんの。土俵が決まらないのに中身の話をする、そういうやり方をどうして取られるんですか。
〇武藤国務大臣 基本的には、赤澤大臣が石破総理からの御指名を受けて、トランプ大統領からベッセントが指名を受けての、両者間、それが決まっていますので、経産省はもちろんですけれども、そういう、私は、国内の関税、国内の今の状況も含めて、しっかりサポートしていかなきゃいけない立場であります。
ですから、そういう意味で、今回、今委員の御指摘のあった相互関税でも、向こうは一〇%は残して一四%について議論しているとか、日本は、自動車関税についての撤廃を求めているとか、あるいは鉄やアルミも含めて総合判断をしなきゃ駄目だとか、いろいろ議論はされております。
一応、今月の中旬以降にまた第三回目の閣僚会談をやるということで今進められていると承知をしていますが、内容については、今、我々の方もサポートしながら、しっかりとした形でこれがまとまるように、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでいかなきゃいけない課題だというふうに認識をしているところであります。
〇岡田委員 この前御指摘申し上げた交渉者の数が一対三になっている話とか、今申し上げたように交渉の範囲が定まらないのに中身を議論しているとか、私は、非常におかしなことをやっていて、これで本当に大丈夫かというふうに思っているということは申し上げておきたいと思います。
それから、時間も参りますので、最後。
トヨタ自動車が決算発表の中で、国内生産台数は十一・四万台増加させる、三百三十五万台とするというふうに発表されました。私は、それは本当によかったし、企業として立派な態度だというふうに思うんですが、でも、他の、例えば日産は世界全体で二万人減らすということになっていますし、ほかのメーカーも減益予想を出しておられて、これから非常に国内生産のレベルが下がる可能性があって、この前も申し上げましたが、そのための対策というのは、これは機を逃さずにやっていかないと雇用問題が相当深刻になる可能性があるというふうに思っております。一言ありましたらおっしゃってください。
〇武藤国務大臣 千か所の相談窓口をつくった云々かんぬんは今までも御答弁させていただいたとおりです。なおかつ、情報についてはプッシュ型でこれからも情報収集してまいりますし、今いろいろと今度の経済対策の話も出てきておるようでありますので、しっかり、そういう形の中で、我々としては、特に賃上げというものに非常にこだわりながら、これからもしっかり頑張っていきたいというふうに思っているところです。
〇岡田委員 時機を失しないように、しっかりやっていただきたいと思います。
終わります。