存立危機事態 ─ 簡単に戦争始めると言うな
10年前の安全保障法制によって、存立危機事態 、即ち日本の存立が脅かされ、国民の基本的な人権が根底から覆される明白な危険がある場合には、限定的に武力の行使が認められることになりました。日本が攻撃された場合に限って武力行使が可能という、それまでの憲法解釈を変えての大転換でした。
私が11月7日の予算委員会でまず確認したのは、10年前の法案審議の際の法制局長官答弁で
す 。「我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまる」「他国にまで行って戦うなどという海外での武力行使を認めるものではありません」などが維持されていることが高市総理の答弁で確認されました。
次に、台湾有事の場合を問いました。私は、「台湾有事は日本有事」などの軽々しい発言が自民党幹部から相次いでいることに危機感を持っています。法律に定めた「日本の存立が脅かされる」「国民の権利が根底から覆される」に加えて、先ほどの法制局長官答弁を踏まえた慎重な答弁を求めた訳です。
高市総理は当初は慎重に発言していましたが、突然、「武力行使を伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考える」と踏み込んだのです。日本の存立が危うくなってはじめて存立危機事態になるにもかかわらず、それに言及しない全く不用意な発言であり、私自身びっくりしました。
存立危機事態と認定するということは、日本が武力行使する、即ち戦争を始めるということです。日本に反撃があり、国民の多くの命が失われる可能性があります。安易に総理大臣が言うことでは絶対にありません。
この間のやりとりで私が思ったのは、高市総理が国民の生命と暮らしがかかった重大な局面で賢明な判断ができる人物なのかということです。果たして日本のトップリーダーとして適格性があるのか、深刻な疑問を感じています。

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