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林検事総長就任―なすべきことがある

7月17日付で林真琴氏が検事総長に就任しました。黒川氏の後任として東京高検検事長に就任した時から予想された人事です。就任の記者会見では国民の検察に対する信頼を取り戻すことへの強い意欲を示し、また、「職員一人ひとりが検察の理念に立ち返る」ことを求めました。林さんに期待する者の一人として是非実行してもらいたいことがあります。

第一に、幹部検察官の定年特例措置の復活を許してはならないということです。この規定が検察の独立性、政治的中立性、検察に対する国民の信頼を損ないかねないことは検察OBを含めた多くの人々から指摘されました。既になされた黒川検事長定年延長の閣議決定が先例とならないようにするためには、検察庁法案にあった特例措置を削除するだけでなく、国家公務員法の定年延長規定を検察庁法には適用しないことの明記を含めて措置する必要があります。

第二に、今回の黒川検事長の定年延長手続きそのものが不適切なものであったことを認めることです。法令の重要な解釈変更の省内手続きが口頭で行われ文書がなく、また人事院との協議も日付も名前もない紙一枚でなされたと法務省は説明しています。これは公文書管理法に明確に反する行為です。事実だとすれば、法務省という法令を最も厳正に運用しなければならない省庁だけに事は重大です。なぜこのような事になったのか、しっかりと検証し、明らかにする必要があります。

 前検事総長の稲田氏は同じ記者会見で黒川氏の定年延長について聞かれ、「答えは差し控える。私自身が決定したことではない」と述べました。事実上の答弁拒否であり、これでは国民の検察に対する信頼回復はとても期待できません。

 検事総長はすべての検察庁職員を指揮監督する権限を持っています。今回の定年延長問題についていったい何があったのか、検察庁職員も真実が知りたいと考えているはずです。「職員一人ひとりが検察の理念に立ち返る」ことを求めるのであれば、まずその疑問にリーダーが明確に応える責任があると思います。

財務省で公文書(決裁文書)が改ざんされ、法務省で重要な決定にあたり公文書が作成されなかったことは、国民の中央省庁に対する信頼を土台から失わせることです。法治国家の基本が危機に直面しているとの認識を持ち、林さんには筋のとおった対応を期待したいと思います。



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