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米朝会談失敗─残る様々な疑問

米朝首脳会談が、何も合意できないまま終わりました。安倍総理は、「非核化実現の強い決意のもとに安易な譲歩を行うことなく、同時に、建設的な議論の継続を行っていくというトランプ大統領の決断を全面的に支持する」としています。

安易な譲歩をしなかったことは幸いでした。しかし、政治的思惑から、準備不足のままトップ会談を行い、結果を出せなかったことは明らかに失敗です。このようなやり方を繰り返してはならないことをトランプ大統領は肝に銘じるべきですし、日本政府としてもしっかりアドバイスすべきと思います。

河野外務大臣は、CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)を追求することについて、日米間で完全に合意できていると外務委員会における私とのやり取りで強調しました。しかし、トランプ大統領もそのことを理解しているのか不安を感じさせます。会談が失敗に終わったあとの記者会見で、大統領は「北朝鮮は我々が望んでいた非核化の大部分を行う用意があった」「北朝鮮には多くを放棄することを求めている」と述べているからです。

寧辺(ヨンビョン)の核関連施設は全体の一部にすぎず、「大部分」ではありません。CVIDを求めているのであれば、「核の完全な放棄」と言うべきで、「多くの放棄」ではないはずです。河野大臣は、トランプ大統領の発言やツイートについて、「ご本人の性格上、いろいろ揺れがあるんだろうと思う」と答弁しましたが、そのような人物にトップ会談でディールをやらせてはならないと思います。

そもそも、CVIDを追求するのであれば、あらゆる核関連施設のリスト提出、その検証、そして廃棄のロードマップの作成が必要になります。河野大臣は、米朝間の実務者協議の中でそういう議論が行われており、合意がなければ経済制裁・経済支援という道に踏み出せないと答弁しましたが、首脳会談でリストの提出や検証が議論された形跡はありません。むしろ、いきなり寧辺の廃棄をめぐる議論になって、部分部分のディールの交渉になったのではないかと、私は懸念しています。

やはり準備不足のまま、そして、不確定要素の多いトップ会談に決定的な役割を期待することはリスクが大きすぎます。米朝実務者間の協議の積み重ねが重要であることをトランプ大統領に認識させることが、安倍総理の役割でしょう。そして、核(大量破壊兵器)、ミサイル、拉致という、日本にとり極めて重要な問題に、日本外交が主体的に取り組むことも大切です。そのためには、北朝鮮との水面下の交渉、そして日韓関係の改善努力が求められていると思います。

今回(3月8日)の外務委員会における河野大臣の答弁は十分なものとは言えませんでしたが、北方領土問題のときのような、何を聞いても「交渉中であり、答えられません」という答弁はなく、ある程度内容のある議論になったかなと思っています。

*動画はコチラ(衆議院インターネット審議中継「ビデオライブラリ」)
→ http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48738&media_type=



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