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平成28年2月29日 第190国会 予算委員会

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○岡田委員 民主党の岡田克也です。
 まず最初に、衆議院の選挙制度改革について、総理、この問題は極めて重要だと私は考えるわけです。
 憲法の法のもとの平等、しかも参政権という民主主義の根幹にかかわる部分、最高裁からは何度も違憲状態であるという判決も出ている、何としてでもこれは解決しなければいけない問題だというふうに考えております。総理もそういう思いも当然おありだと思います。今まで、何回も何回もさまざまな発言を繰り返されてこられました。もう一々言いません。
 そういう中で、衆議院選挙制度調査会の答申が出て、その根幹はアダムズ方式の採用であります。つまり、最高裁の判決は、単に一票の価値が二倍以内におさまればいいということではなくて、やはり都道府県の議席の配分を比例的に行うべきだと。そういう考え方、最高裁がそう言っているということを調査会としても認識し、その具体策として、いろいろなやり方があるわけですけれども、ある意味では最も大きな変化が起こらないマイルドな案としてアダムズ方式を進めたわけであります。
 このアダムズ方式の導入、総理、まずはっきりと、これは採用するということをお答えいただけますか。イエスかノーかでどうぞ。

○安倍内閣総理大臣 今回の第三者委員会の答申をよく読んでみますと、まず定数削減については、我が党もお約束をしておりますし、御党も約束をしているし、多くの党が約束をしています。ただ、定数を削減しない、共産党もそうでありますが、削減すべきでないという党もございます。そこで、第三者委員会の結論は、結論としては定数削減は好ましくないという結論ではありましたが、各党が約束をしているということに鑑み、十程度を削減するという案を示しておられます。
 我々は、十の削減についてはこの答申どおりに行っていく。選挙区六そして比例四の削減を今回の国勢調査の簡易調査にのっとって行う選挙区の区画の変更に合わせて行うということを既に明言しているところでございまして、三十二年、十年ごとの国勢調査のときの改正には先送りをしないということを明言しているところでございます。
 もう一点は、先般行われた一五年の簡易調査であります。簡易調査に対しては憲法が二倍以内という要請をしておりますから、違憲状態という状況をなくすためにこれにすぐに応えていくということにおいて、選挙区の区画の境界を変更していくことによって応じていく。いわば第三者委員会もそれを求めているわけでございます。
 まさに今岡田委員が挙げられたアダムズ方式を五年ごとにということではなくて、五年ごとの簡易調査のときには今申し上げた形で対応し、そして十年ごとの本調査に対してはアダムズ方式を導入するようにという提案がなされているわけでございまして、ここのところを正しく読んでいかなければならないわけであります。
 でなければ、では簡易調査でアダムズ方式を導入してやったら、例えば選挙が一七年、一八年になったとすると、もう二〇二〇年には新たな、アダムズ方式で県ごとの人数を変えるということを大幅にやっていかなければならなくなってしまうわけでありまして、これはむしろ、それは行うべきではないという趣旨であろう、こう考えております。
 岡田委員の御質問は、いわば三十二年においてアダムズ方式を導入すべきかどうかということを考えているのかという趣旨だろう、論理的にはそういうことだろう、こう思うところでございますが、そこで今自民党において議論を進めているところでございますが、私が再々申し上げておりますように、第三者委員会の答申を尊重すべきだということを申し上げております。
 当然、アダムズ方式を中心に議論がなされていくものと考えております。

○岡田委員 アダムズ方式を、私はそれ以上のことを何も言っていない。アダムズ方式の導入を総理として明言されますねということを確認しているんです。私の質問はそれだけです。はっきりお答えください。

○安倍内閣総理大臣 新たな選挙制度に対してどのように対応していくか、そしてまた第三者委員会がどのような答申を出したかということについて少し国民の皆様にもつまびらかにお話をした方がいいんだろうということで、先ほど述べさせていただいたところであります。
 誤解があるのは、一五年の簡易国調においてアダムズ方式を入れるべきだと答申は述べていないわけでありまして、そこのところが間違って伝わってしまっているのかなと思いますので、それをもう一度確認させていただいたわけであります。
 いわば選挙制度を、幾ら何でも五年ごとに県の人数が変わるというものを導入してしまえば、これは非常に毎回毎回大きな議論を行わなければならなくなってくるわけでありまして、それはそうするべきではないという考え方、趣旨で第三者委員会の答申は書かれております。
 そこで、五年ごとのまさに簡易国調においては境界の区画を変えていく、これを求めているわけでありまして、これは普通の読解力があれば、あの答申を読めば今のとおりだろうと思うわけであります。その上において、三十二年、二〇二〇年の国調においては先ほど申し上げたとおりでありまして、まだ自民党において議論がなされているわけでございます。私は、今申し上げたとおり、この答申を尊重すべきであるという点と、アダムズ方式を中心にしっかりと議論してもらいたい、このように申し上げているところでございます。

○岡田委員 総理、私も、五年ごとの簡易調査でアダムズ方式を導入すべきだなどということは言っていないんです。十年に一回の本調査、国勢調査でアダムズ方式を導入すべきだ、そのことははっきり申し上げておきたいと思います。
 そして、総理、今までこれだけのことを言ってきたんですから、自民党で議論しているからでもいいんですけれども、あなたは総裁でもあるわけですから、しっかりアダムズ方式は入れると明言されるべきだと思いますよ。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 今、私と岡田さん、一致できたのは、アダムズ方式の導入は十年ごとの本調査であるということ、これは重要な点だと思います。つまり、十年ごとであれば、当然これはアダムズ方式を導入するとすると三十二年になるんだろう。
 まさか二〇一〇年というのは、もう既に二〇一五年の簡易調査は出てしまっていますから、当然それとの数字の差も出てきます。対象の県が変わってくるんですから、二〇一〇年と一五年、それを考えれば当然のことなんだろうと思いますから、これは二〇二〇年という合意ができたんだなと思います。
 その一致点の上に立って考えますと、先ほど申し上げましたように、現在もまだ党においては議論がなされているわけでございます。私は自民党の総裁ではありますが、独裁者ではございませんから、私が決めれば全員が右を向くわけではなくて、しっかりと、民主主義の土俵ですから、土俵についてはまずは議論してもらう。
 ただ、私が総裁として申し上げたことについては、しっかりと党員の皆さんは理解していただいているんです。十削減というときにも、私はここでは明言しませんでしたけれども、私はその方向で考えているということを申し上げた。私の方向に沿って議論していただけるものと期待しているということを私はここで申し上げた。自民党においても随分反対する人はいましたが、しかし、結論はそうなっております。
 自民党においては、いわば責任政党として、しっかりと申し上げたことは実現するのが我が党であります。ですから、ここはまずは我が党の中において議論していくというのは当然のことだろう。その中で、今ここで私が私の考え方として、三十二年の国調において行われる改正においてはアダムズ方式を中心に議論がなされる、このように申し上げているところでございます。

○岡田委員 我が党は党内議論をして、この答申を全面的に受け入れるということを確認しました。各党それぞれ結論を出しています。出ていないのは自民党だけですよ。いつまで議論するんですか。
 これは、憲法十四条、その根幹にかかわる話だということを申し上げているんです。行政府の長であるあなたがそんな煮え切らない態度で、私はこれで本当に立憲国家かというふうに思いますよ。
 そして、先ほど申し上げましたように、私は、本調査と簡易調査はやり方も違います、ですから、この答申が述べているのは、本調査で都道府県間の配分を行い、そして、十年に一回ですから、その間の五年に一回の簡易調査で二倍を超えるところは都道府県間の配分は変えない中で調整を行うべきだと言っているわけです。
 そこで、総理は二〇二〇年の国勢調査だと言われるが、もう既に二〇一〇年の国勢調査の結果は出ているわけです。ですから、二〇一〇年の国勢調査に基づいて都道府県間の配分をまず行う、その上で今回の簡易調査で二倍を超えるところがあれば、それはその県の中で線引きを変える、それがまさしくこの答申の述べているところじゃないですか。
 なぜ二〇二〇年まで先延ばしするんですか。二〇二〇年といったら、総理は多分もう総理じゃないですよ。実際にやるのは二〇二二年、二三年。そんなに先送りして、その間は違憲状態が継続する。それで本当にいいんですか、総理。

○安倍内閣総理大臣 二〇二〇年に私が総理であるかどうかというのは関係ない話であります。まずそのことは申し上げておきたいと思いますし、そもそもそれは、我が党の党の規約とかかわることでありますから、これはこの場にはふさわしくないんだろうと思います。
 その上で申し上げますと、今、岡田さんが言われたことは非常に矛盾することをおっしゃっているわけでありまして、答申が求めているのは、あくまでも、いわば直近に行われた調査にどう対応していくかということであります。直近に行われた調査というのは二〇一五年の簡易調査でありまして、この簡易調査においていわば選挙区の区画を変えていく、このことによって二倍以内、しかも我々はさらにそれを深掘りしていこうということであります。これをまず申し上げておく。
 そして、その上において、では二〇一〇年の国調を今やるとなれば、二〇一五の簡易国調が出ていますから、二〇一五の簡易国調と二〇一〇年の国調とは、アダムズ方式を適用した場合、出てくる県の対象が変わってくるんですよ。それはすごく奇妙なことに映ってしまうわけでありまして、求められているのは、恐らくこれは党利党略でおっしゃっているんだと思いますよ。
 いわば我が党は……(発言する者あり)では、それを今私が説明しますよ。民主党の皆さん、少しは静かにしてくださいよ。こちらの席と向こう側の席は行儀よくやっていますよ。ただ、自席から私を誹謗中傷するのはやめてください。
 なぜ私がそう申し上げたかといえば、よろしいですか、落ちついて聞いてくださいよ。なぜ私がそう申し上げたかといえば、つまり第三者委員会が求めているのは、国調をやって、そしてその結果に合わせて選挙区の定数の是正をしていきなさいということを求めているわけであります。
 それを普通に素直に考えれば、今回は、二〇一五年、昨年、簡易国調の結果が出たんですから、この簡易国調の結果にのっとってやるべきことは、五年ごとのことですから、選挙区の区割りを変えていくということ以外にはないわけでございます。さらに五年前にさかのぼるということは、その五年前と今は既に変わっているんですから、皆さん、あと四年すれば新たな十年ごとの国調が出るんですから、そこでやるのが当たり前ではないでしょうか。
 そうしなければ、五年前の国調からして今それを変えていく、作業を終わるのは来年になっていきますよ。そうすれば、それを反映する選挙というのは例えば再来年になるかもしれない、そうすると二年後にまた再び国調をやるということになるわけでありますから、それはやはり求められていないし、そもそもこの第三者委員会のものをしっかりと読んでいけば、そういう結論が導き出される。
 そこで、つまり、我々はこの正当な議論を言うだろう、それは先送りだという批判を、これは当たらないんですけれども、しようと思ったら、そういう誤解を与えようと思ったら与えられるから、そういう誤解を与えようとしていることが私は党利党略だということを今申し上げているわけでございまして、こういうことは……(発言する者あり)
 今、うそつきだという批判がございました。私がこうやって説明しているんですからね。そういう誹謗中傷をするのはやめてくださいよ。しっかりと冷静な……(岡田委員「静かにしよう。議論しましょう」と呼ぶ)今、岡田党首も皆さん落ちついてということを言っておられるんですから、岡田党首に従って皆さんも行動された方がいいのではないかと思いますよ。
 しっかりと、第三者委員会が求めているものは何か、そして現実的に何を変えていくべきかということを私たちは考えなければならないということを申し上げているところでございます。

○岡田委員 これは第三者委員会の解釈の問題ですから、責任者の方に確認するというのは一つのやり方だと思いますが、私の理解は、この答申はまず二つの問題があると言っているんですよ。
 一つは、やはり二倍以内にしなきゃいけない。もう一つは、都道府県の議席配分を比例的な方法でやらなきゃいけない。今回、それがアダムズ方式ということになったわけですね。比例的なやり方にする、都道府県の配分を変えるのは十年に一回の国勢調査でやります、しかし、その結果でも途中で二倍を超えることもありますから、簡易国調でそれを調整します、それは都道府県の配分を変えない範囲で線引きを変えます、これがこの答申の考え方ですよ。
 ですから、もう既に二〇一〇年の国調があるわけですから、これで都道府県の配分をまず決めて、その上で今回の簡易調査の結果で都道府県の配分を変えない範囲で線引きを変えて二倍以内に抑える、これを一緒にやればいいだけの話であって、総理の言っているのは、簡易国調と本格的な国勢調査は違うということを総理もおっしゃっていたと思うんですが、いつの間にかこれを一緒にして議論してしまっているんですね。そこの解釈は、私は違うということを申し上げておきたいと思います。
 では、もう一点だけ、本当は十分で終わるはずだったんですが、確認します。
 衆議院議員の選挙区の画定審議会設置法があります。この中に、従来は一人別枠方式というものが配分の基準として書かれていました。これは削除されました。しかし、削除された結果、今、基準が書いていないんですね。では、このアダムズ方式について、区割り審の設置法の三条にアダムズ方式による配分を明記するということはいいですね。これは書かなかったら全然担保されませんよ。そのことは約束していただけますね。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 このアダムズ方式というものをどのように例えば法文に書いていくかどうかということについて、今議論もなされているわけであります。実際に今、アダムズ方式というものについて法律の中に書き込んでいくかということも含めて議論していく中において、アダムズ方式という言葉そのものを使えるかどうか、これは技術的な問題なんですが、そういうことの検討も行っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、今、自民党の中においてはこのアダムズ方式を中心に議論をしている最中でございまして、きょう法律を出さなければいけないという時期が来ているわけではありません。いましばらく自民党において議論をさせていただきたい、このように思います。

○岡田委員 アダムズ方式という言葉を法律に書くかどうかは、それはどうでもいいことなんですね。
 ただ、そのアダムズ方式の考え方をちゃんと区割りの基準として法律に明記するのか、それとも、一部言われているように、附則か何かにアダムズ方式も含めて今後検討するみたいな書き方で、結局先送りして、またもう一度議論がやり直しになるのか。やはり調査会の答申をしっかり受け入れるというのであれば、基準を、アダムズ方式を法律の中に、区割り審の三条に書くということがなければ、私は答申を受け入れたことにならないと思いますよ。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 ですから、先ほど来申し上げておりますように、今、自民党の中では議論をしているわけでありまして、民主主義の土俵を決める議論でありますから、我が党においてはまさに上下の差はなく、お互い対等な議論を行います。そしてその中で、我が党は必ず結論を出してまいりました。今回も必ず結論は出します。その中において、先ほど申し上げておりますように、私は自民党の総裁としてこのアダムズ方式について、答申を尊重するという立場から、当然このアダムズ方式を中心に議論がなされるもの、このように確信をしているということを申し上げているわけでございます。
 そこでどのようなことを書き込んでいくかということについてはまだその結論を得ているわけではございませんから、自民党が結論を出すまでいましばらく時間をいただきたい、このように思う次第でございます。

○岡田委員 アダムズ方式の具体的内容を三条にきちんと書かなければ、これは何もやらなかったのと一緒だということは申し上げておきたいと思います。賢明な決断を自民党が、あるいは総理・総裁がされることを期待したいというふうに思います。
 次、ちょっと話がかわります。
 総理は、アベノミクスの果実で二十一兆円税収がふえたということをかつて言われたわけですね。私は非常に驚きました。
 まず、アベノミクス、国税ベースでいうと二十一兆円が十五・三兆円になるんですが、この中にはもちろん消費税の増税、引き上げが含まれていますね。財務省の資料でも六・三兆円、これが消費税の引き上げ分だと。あと、所得税で金融課税、これも野田政権のときに一〇%を二〇%に引き上げました。当然それで税収はふえますね。金融課税、株の配当金や売買で三兆円、野田政権のときと比べて、民主党政権のときと比べて税収がふえているということなんですけれども、しかし、それは一〇%を二〇%にしたことによる結果でもあるわけです。
 ですから、この十五・三兆円、税全体でいえば二十一兆円というのがアベノミクスの成果だというのはかなり上げ底じゃないですか。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 平成二十八年度の国、地方の税収については、政権交代前の平成二十四年度に比べて、これは国、地方を合わせてでありますが、二十一兆円ふえています。
 国の税収としては、今十五・三兆円と岡田委員はおっしゃったんですが、十五兆円以上増加をしております。消費税率の引き上げによる消費税の増収分は十五兆円のうち六兆円でありますが、そのほか、配当、株式譲渡所得に係る税収が約三兆円ふえています。法人税収が約三兆円ふえています。そして、給与所得に係る税収が約二兆円増加をしているわけであります。また、地方の税収も五兆円以上増加をしておりますが、税率引き上げによる地方消費税の増収は二兆円であります。
 そして、我々の政策によっては、法人関係税が二兆円、個人住民税が約一兆円増加をしております。これはまさに安倍内閣における三本の矢の政策の成果であろう。事実、そうした政策の成果により、名目GDPは二十七兆円ふえ、企業収益は過去最高となっているわけであります。
 企業収益がふえていないというのであれば、それは岡田委員のおっしゃるとおりだろうと思いますが、企業収益が過去最高となった結果、法人関係税はふえているわけでございます。そして、賃上げにおいても十七年ぶりの高水準となった。そうしたこと等が給与所得に係る税収……(発言する者あり)今、税収の話をしているんですから。税収はふえているということになるわけでありまして、好調な企業収益が雇用・所得環境の改善につながり、それが消費や投資に結びつくという経済の好循環をこれはまさに反映したものであるというふうに考えております。

○岡田委員 私は、安倍総理の経済政策の結果が十五・三兆円の一部にあるということは全く否定していないんですよ。
 だけれども、さっきの消費税の増税分六・三兆とかあるいは金融課税の部分の一部とか、そういうものは野田政権で税制改革をしたその結果ですから、丸々この十五・三兆円がアベノミクスの成果だと言うのは違うということを申し上げているわけでして、総理もそれは否定できないと思いますね。
 それでは、この残りの部分の、今言われたアベノミクスの成果か何かわかりませんが、それで税収がふえたという部分も、例えば次元を超えた金融緩和によって円安になり株が上がった、その結果として一部の企業も所得がふえましたから、そういったことで法人税がふえたり所得税の一部がふえているわけですけれども、これはアベノミクスの結果だけなんですか。つまり、為替とか株の価格というのは、それは安倍総理の政策の結果だけで今の成果を生んでいるんですか。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 そもそも我々は、この政権をスタートする中において、デフレから脱却をしていくということを掲げました。そして我々は今までと違う次元の政策を展開したわけでありまして、大胆な金融緩和を行っていくし、機動的な財政政策を行っていく、持続的な成長のための成長戦略のための構造改革も行っていくということを申し上げたわけであります。
 その際、我々は金融政策によってインフレ期待を上げていくということを一つの手段として掲げたわけでございますが、その中において、結果としてはそうした目標に向かって進んでいるのは事実で、いろいろな御批判の声がありましたが進んでいるのは事実でありまして、行き過ぎた円高がそのことによって是正をされたわけであります。我々は為替に働きかけることを目的とはしておりませんが、結果として行き過ぎた円高が是正されたのは事実でございます。そして、そうしたことによっていわば株式市場において株価が上がっていったのも事実でございます。
 そもそも最初、我々が、さまざまな成果として期待されるものの中においてはそうした株式市場においても恐らく変化が出てくるということは申し上げていたわけでございますから、それはそのとおりになっていると言ってもいいんだろうと思います。それはまさに、消費者のマインドを変えていく、あるいはデフレマインドを変えていく上においては大きな役割を果たした、このように考えるわけでございまして、そうしたことも全てを包含するのが私どもの政策であるということは申し上げておきたいと思います。

○岡田委員 先ほど来言っておりますように、安倍総理の政策が円安や株高に一定の効果を発揮したということは私は認めます。ただ、それだけで為替のレートが決まったり、株の価格が決まったりするわけではない。
 総理だって最近、株安について、あらゆる要素が反映されているというふうに言っておられるじゃないですか。つまり、一国だけで決められない部分はたくさんあるわけでしょう。だから、それを全部アベノミクスの成果だと、もっと言うと、成果だから自由に使わせろ、アベノミクスの成果を、だからこれを使っていくんだ、こういう言い方は私は注意した方がいいと思うんですよ。
 最近は余りおっしゃいませんが、税収だって底上げがあるとか、そういうことも言っておられましたよね。やはり余りにも楽観的な一方的な見方で財政再建というものを考えていくと、私は国を誤るというふうに考えるわけです。
 次、ちょっとこれを見てください。
 まず麻生財務大臣に、ちょっと一言、簡単にお聞きしますが、二〇〇九年の麻生政権のとき、予算の規模、最終的にはこれは補正で百二兆円という大幅な対策。これはリーマン・ショックの後ですね。大変な状況になって、世の中は派遣切りで失業者があふれる、そういう状況でした。百二兆円の予算規模になって、公債も四十四・一兆円出したわけですね。こういう状況になって、そして政権交代で民主党政権にかわったわけです。
 いろいろお気持ちはあったと思いますが、非常に経済のどん底の中で民主党政権にバトンタッチをするということについて、麻生元総理はどういうふうに感じておられたでしょうか。
 もちろん、こういうことが私は必要なかったと言うつもりはないんですよ。リーマン・ショックというのはまさしく日本の外で起こったことですから、それへの対応は一定程度必要だったというふうには思いますけれども、しかし、いずれにしても、民主党が政権を受け継いだときはこういうどん底の状況だったということです。
 何か一言あれば、おっしゃってください。

○麻生国務大臣 二〇〇八年九月でしたかね、リーマン・ブラザーズの破綻というのが起きたのは。あれは戦後最大と言われておりますので、残念ながら道半ばだったと今は思っていますが。いずれにしても、民主党にも景気回復というものを確固たるものにしていただけるように努力していただきたいとは思っていたのが正直なところです。これは、すぐできる話じゃありやしませんから。
 そういった意味で、私の在任中は、わずか二カ月という早さで、国際金融機関と言われたIMFがほぼ破綻状態になるんだというお話でしたので、ここに、当時で一千億ドル、約十兆円ですか、今で言えば十一兆になると思いますが、それで慌てて各国に、G7の国々に働きかけて、G20でするという話やら何やらをさせていただいて、とにかく世界の金融状況というものを考えたときにこれはもう金融収縮が起きてえらい騒ぎになりますよということから、いろいろな話で三年間で。
 実に四回、補正予算を含めて本予算、四回やらせていただく等々を半年余りでやっておりますので、迅速に対応できたとは思っております。景気対策、経済対策を打ったことは実績としては言えるとは思いますが、それによって借入金がふえたとかいろいろなことによっていろいろな評価が出てくると思いますので、これは、しばらくたちまして、歴史の中で評価されるということではないでしょうか。

○岡田委員 我々が政権を受け継いだとき、まさしく経済的にはどん底の状態で受け継ぎました。野田政権まで民主党政権三代の政権の中で、そのどん底から何とか少しでもよくしようということで頑張ってきたわけですね。その間、東日本大震災もありました。
 例えば、安倍総理は雇用の数字をよく言われるんですが、麻生政権の最後のとき、二〇〇九年八月ですが、完全失業率は五・五%。民主党政権の最後は、一二年の十二月ですが、四・二%。五・五から四・二になったわけですね。今は三・三ということで、もちろんそれは安倍総理の御努力の結果でもあるんですが。
 やはりお互い、この国を何とかしなきゃいけない、そういう思いの中で努力してきたことは認め合わないと。何か、民主党政権は全部だめだと。それは、野田政権の最後と比べれば数字はよくなっているものもありますよ。だけれども、そこだけ誇っていて、民主党政権は全部だめだみたいな言い方は、私は、一国の総理としていかがか、いつもそう思って総理の答弁を聞いているわけですね。
 さてそこで、より大事なことは、二〇〇七年度の第一次安倍内閣と二〇一六年度の第二次安倍内閣の予算案を比較してみたいんですが、まず税収、五十三・五兆が五十七・六兆に四兆ふえていますね。それはいいんですが、所得税が一・五兆ふえて、法人税は四兆円ぐらい減っています。では、なぜ税収がふえているのかといえば、消費税が十・六兆から十七・二兆に、つまり消費税を八%まで上げたからここまで税収がふえている。
 安倍総理は税収がふえたことをみずからのアベノミクスの成果だとおっしゃるが、十年前と比べたときに、むしろ消費税の引き上げがなければ税収は減っているわけですね。これが一つ。
 それから、これは国民の皆さんにもぜひ理解していただきたいんですが、社会保障関係費は二十一・一兆から三十二・〇兆に十兆円ふえています。これは、年金も、医療も、そして子ども・子育ても。そういう形で社会保障関係費は十兆ふえている、それはぜひ国民の皆さんにも理解していただかなくてはならないことだと思うんですね。公債金、国債の発行は、二十五・四兆から三十四・四兆に九兆円ふえている。
 二〇〇七年と二〇一六年を比べたときに、もし消費税の増税なかりせば予算は組めていないですよ。この分を全部借金に置きかえたら一体どうなりますか。既にこの十年間で五百四十七兆の残高が八百三十八兆。ほぼ三百兆円ふえているんですね、十年間で。
 私は、こういう現実をきちんと踏まえた上で財政の健全化というものを考えていかないと、何かアベノミクスで経済がよくなって税収が自然にふえていくからそれで何とかなるんじゃないかというような、そういう考え方で財政健全化を考えたらとんでもない間違いになるというふうに思いますが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 私も、民主党政権の政策が全部だめだということは一言も言っていないわけであります。もしそのように捉えていたのであれば私の不徳のいたすところでございますが、そういうことは一回も言っていないということでございます。
 しかし、経済において、常に私どもの経済を批判されますから、比較として、不本意ながら民主党政権時代の数字を挙げつつ比較をさせていただいているわけでございます。
 そこで、平成十九年との比較でございますが、平成十九年も安倍政権でございましたが、そのときは、いわば当時の税収のピークであったわけであります。まさに当時のピークにまた我々は至ることができたということでございます。そして、社会保障費が二十兆円から三十兆円にふえていった。だから、そういう問題意識については共有しながら、そこで税と社会保障の一体改革に、私たちは野党であるにもかかわらず賛成をしたわけでございます。
 同時に、我々は十兆円、公債の新規発行は減額もしている、一方で減額もしているということも申し上げておきたいと思います。
 このように、しっかりと我々は、やるべきことはやりながら経済を成長させ、そして税収もふやしながら、社会保障の水準も維持をしながら、かつ財政の健全化も目指しているということでございます。
 同時に、経済の成長を当てにするなという趣旨のお話がございましたが、これは、先般民主党が提出した財政健全化推進法の中においても、経済成長施策を着実に実施することにより経済成長に伴う歳入増を図る、こう書いてあるわけでありまして、我々は当然のことを目標として、かつ私たちは成果も出しているということは申し上げておきたいと思います。

○岡田委員 過去の、二〇〇六年の骨太の基本方針、財政健全化目標ですね、これは小泉政権の最後につくったものです。そして財政運営戦略、これは菅政権で二〇一〇年につくったものです。基本的に、戦略の数字の部分は安倍政権でも現在も引き継がれている。
 非常に似ているんです、書いてあることは。違うのは何かというと、目標年次が二〇一一年度から二〇二〇年度に変わったということです。十年先送りされたということですね。中身は一緒ですよ。
 だから、今、安倍総理が言われたように、安倍政権のときには非常に、アメリカの住宅バブルもあって、輸出好調で経済は恵まれていましたよ。その後そのバブルがはじけて、最後はリーマン・ショックまで行き着くわけですけれども、どんどんどんどん、二〇〇七年の後半ぐらいから税収が予定どおり上がらなくなってきた、そういう状況になっていったわけですね。
 つまり、景気というのは、経済というのはやはり上がったり下がったりする、何があるかわからない。ですから、余りにも過度に経済成長で税収がふえるという見通しに立つと、私は経済成長は必要ないと言っているんじゃないですよ、だけれども余りにも過度にそこに依存してしまうと結局財政健全化というのはできないんじゃないか、やはり過去の歴史に学ばなければならないんじゃないかというふうに考えているわけですが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 これはまさに岡田委員が言われたとおりでありまして、我々は過度に経済成長に依存しているわけではありませんし、よく言われていたように、経済成長だけで財政健全化できるとは思っておりませんが、しかし同時に、経済成長しなければ財政健全化はできない、そしてデフレから脱却しなければ財政健全化はできない、こう考えています。
 やはりデフレ下にあっては残念ながら税収はふえていかないわけでありまして、税収がふえていかない中においてただ単に歳出削減だけを行っていくと、経済はもっと厳しいことになっていくわけでございます。
 そこで、私たちは、しっかりと経済を成長させ、それによる果実を得ながら同時に無駄遣いはなくしていく、そういう考え方のもとに、そしてしっかりとデフレ脱却をして、デフレ脱却はやはり財政を健全化していくために必要な条件でありますから、そういう条件もしっかりとクリアしながら財政健全化の道をしっかりと歩んでいきたい、このように考えております。

○岡田委員 大事なことは歳出の削減、あるいは、直ちには削減できなくても仕組みを変えること。
 安倍総理、覚えておられますか。私は一月の代表質問で、安倍政権における行政改革の具体例を挙げてくださいというふうに言いました。総理は三つ答弁されたんですね。私、実は驚いたんです。というのは、三つのうちの二つは民主党政権のもとで、私は行革担当をやっていましたが、ほぼ仕上げて国会まで法案を出したけれども解散で廃案になったもの、それがちょっと変わって出てきたものなんですね。
 つまり、特会改革、特別会計改革ですね、もう一つは独立行政法人改革。それぞれ我々民主党政権でしっかりつくって国会まで出した、しかし残念ながら解散で廃案になった。しばらく中で自民党は御検討になったと思いますが、我々から見ると少し弱まったという感じはしますが、でも、余り変わらないものが国会に出てきているんですね。だから、三つの成果のうちの二つは実は民主党政権が実態的にはつくっているということなんですよ。
 そしてもう一つは、だから、自分でやったものは何かを私は本当は答えてもらいたかったんですね、自分でやったものは基金だと。つまり、公益法人などで外に基金をつくって、その基金のうちの五千億円を潰して一般会計に戻しました、これが三つ目のお答えだったんですね。
 五千億円の基金を、もちろん必要のないものを潰して一般会計に戻すというのは正しいことなんですが、中身を精査すると、五千億円のうちの二千五百億円は第二次安倍政権になってから積んだものなんですよ。だから、この三年間に基金として積んで、結局使い切れずに、あるいはそもそもの目的が間違っていたのかもしれません、それを戻しただけ。自分でつくって、そしてそれを戻して、それが行革の典型例だと言うのは私は恥ずかしい話だと思いますが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 まず、改革については、我々は政治家ですから、いろいろなアイデアはそれぞれ考えます。こうしたいという方針も置きます。しかし、政治というのは、一番大切なことはそれを実行できたかどうかということであります。
 確かに、皆さんのアイデアとして、我々はいいアイデアは取り入れますから、しかし実行したのは、誰が考えたって、我々がしっかりと実行し、実行できる政治力を備えていたからであろう、このように思うわけであります。ですから、我々は、実行した中で三つあるということを申し上げたわけであります。
 そのうち二つについて、民主党政権時代だったではないかと。それは確かに、前からそれは大体そういう考え方としてあったわけでございまして、むしろここは、一致したことをお互いに喜び合った方がいいのではないか、私はこう思う次第でございまして、今後も、岡田委員の建設的な提案であればどんどん我々は取り入れていきたい、こう思っているわけでございます。
 そして、我々も、基金の改革についてもしっかりとこれからも、無駄がないかということに目配りをしながら結果を出していきたい、このように考えているところでございます。
 基金については、毎年度の予算編成において、基金方式による実施が真に必要か個別に精査した上で予算計上しております。そもそもこれは甘い見通しでつくったものではない、このように考えております。
 安倍内閣においては、行政事業レビューにおける外部有識者のチェックを抜本的に強化するとともに、各府省みずからが基金の執行状況や余剰資金の有無を自己点検して、その結果を基金シートとして公表する仕組みを新たに導入いたしました。これをもとに、さらに行政改革推進会議を中心に、経済情勢の変化など、個々の基金を取り巻く状況の変化も含め毎年点検を行い、PDCAサイクルの確立に努めた結果、総額五千億円を超える国庫返納につなげることができたと思います。
 今後とも、行政改革に総力を挙げて取り組んでいく考えでございます。

○岡田委員 独法改革と特会改革、重要なのはやはり政府の中の調整ですね。各省庁、さまざまな抵抗があります。それをきちんとまとめて、法案の形にして我々は国会に出したんです。ですから、実質的な作業は私たちがやったということを申し上げているわけですね。
 基金についても、今は一般論で述べられましたが、五千億円のうちの半分をこの三年間で積んだというのはやはり相当反省が要りますよ。必要ないものをいっぱい積んだということでしょう。それが行革だと言っているのは全くおかしな話だと思うんですね。
 一例を挙げましょうか。電気自動車のスタンド、これをつくるために、二〇一二年度の補正予算、安倍内閣ですけれども、一千五億円計上しました。しかし、二〇一五年それから二〇一六年度で七百六十九億円返納する。つまり、使ったのは二百数十億にしかならないわけですね。二割強しか使っていない。やはりこれは、どう考えたって、見通しを誤ったということじゃないですか。
 そういうことを続けていたのでは、しかも、それを、いやいや、七百億円以上国庫に返納したからこれが行革ですと言うのは、私はおかしな話だなということを申し上げているわけです。
 最後にもう一つ、公務員の定員の問題ですね。やはり公務員の人件費をどう削減していくかというのは非常に重要な課題だと思うんです。
 我々は民主党政権で、自衛隊などを除くベースは三十万人ですが、三十万人の中で、二〇一〇年には千九百九十三名純減です。純減。二〇一一年はさすがに東日本大震災もありましたので千三百九人にとどまりましたが、翌年は二千百二人。
 私が行革担当大臣をした二〇一三年は、とにかく三十万人の国家公務員がいますから、その一%、三千人を目指そうと思ったんですね。三千人純減できれば、十年で一〇%純減になるわけですね。ですから、何とか三千人を目指そうということで、現実には二千八百五十一人、これは安倍内閣で閣議決定された一月の数字です。しかし、結局、補正でこれを減らして、二千百八十四人に減らしちゃった。
 その後はどうかというと、千百四十六人、八百八十八人、九百十七人と、民主党政権のときに大体二千人ぐらいやっていたのに比べて、半分になっているじゃないですか。公務員の数って……(発言する者あり)公務員の数は急に減らせませんよ。それ以上減らしようがないって本当ですか。しっかりとそれは見据えて、本当に無駄な人員がないかどうか、必要なところはつけなきゃいけませんよ。だけれども、無駄なところがないかどうかというのをやっていくのが政府の責任じゃないですか。
 なぜ民主党のときには二千人で、安倍政権は千人なんですか。そういうふうになっていることをどう考えておられるんですか。お答えください。

○安倍内閣総理大臣 定員の純減については、厳格な定員管理によって自民党政権時代から定員の純減を続けてまいりました。
 今、岡田委員は民主党時代の純減を誇っておられましたが、それは、実態としては相当無理をして採用抑制を行った結果として達成したものと私は承知をしています。その結果、どういう問題や課題が生じたかといえば、交代制勤務職場でシフトが組めなくなるという実態がありました。そしてまた休暇取得が困難となる等の支障が生じたのも事実であります。
 政権交代後の二〇一三年の純減の減少は、尖閣国有化後の海上保安庁体制の整備を行いました、そしてまた北朝鮮問題への対応や、あるいは除染等の震災復興など、急を要するやむを得ない必要な体制整備を行った結果であります。その後も、国際テロ対策やサイバー対策など、取り巻く環境が変化し、内閣の重要課題に対応するための体制整備の必要性が高まっています。そのような中でも、着実に今申し上げましたような新たなニーズに応えつつ、かつ定員の純減は実施をしているということであります。
 国際テロの危険が高まる中で、それは横に置いておけということにはならないわけでありまして、しっかりとその分野においては定員増で対応していかなければいけないわけでありますし、海上保安庁の諸君の今の勤務状況も相当過酷なものがあるわけでありまして、例えば近隣国がどんどん海上警察の能力を向上している中においてそれに対応していかなければならないわけでありまして、それは隻数をふやせばいいというだけではなくて、当然その船に乗る人員も確保していくことは大切だろう、このように思います。
 皆さんがそういうものは全く必要がないと言うのであれば別でありますが、私たちは必要であると考えています。必要なものはしっかりとふやしながら、しかし一方、減らすべきところは減らし、そして減らすべきところは、これは必要なものをふやした以上に減らしていますから純減をしているということを申し上げているところでございます。

○岡田委員 総理、議論をすりかえないでもらいたい。必要なところにはつけるべきだと私も言っているんです。しかし、それだけで、今答弁を棒読みされましたが、こういう問題を、役人の書いた答弁を棒読みしている、それで本当にできるんですか、総理。
 政府の中の例えばIT化を進めていけば、人はそれだけ必要なくなるはずですよ。あるいは、今の時代の要請で本当に必要なのかどうか、そういったことも検証できるはずですよ。そういったことをしっかりやっていただきたいということを申し上げているわけです。
 では、次に行きます。
 総理が野党時代の発言を紹介したいと思います。夫婦別姓の問題ですね。
 総理は、夫婦別姓は家族の解体を意味します、家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという、左翼的かつ共産主義のドグマです、こういうふうに発言されていますね。これはどういう意味ですか。お答えいただけますか。

○安倍内閣総理大臣 突然の質問でございますので、後ほど確認させていただきたい、このように思います。

○岡田委員 これは昔の発言じゃないんですよね、野党時代の発言ですから。これは、「WiLL」という雑誌の平成二十二年七月、そのときの対談ですね。自民党の何人かの議員が対談しておられる中での総理の発言なんですよ。
 こういう考え方で夫婦別姓というものを考えていれば、我々は選択的夫婦別姓、法案も国会に出していますが、そういうことについて頭から、もうイデオロギー的にだめだということですか。

○安倍内閣総理大臣 こういうものは、前後でどういう発言をしているか、対談ですから、それを見ないと私もにわかにはお答えのしようがないわけでありますが、私は、家族の価値を重視する保守党としての自民党の考え方を恐らく述べたものであろう、こう考えるわけでございます。
 いずれにいたしましても、夫婦別氏に対する考え方については、政府としての長である内閣総理大臣として既に答弁をしているとおりでございます。

○岡田委員 自分で御発言になったことですから、覚えていないというのはあり得ないというふうに思うわけですね。いずれにしても、ここに総理のやはり基本的な考え方というのが出てきているんじゃないかと思うんですよ。
 この前、最高裁が、憲法違反ではない、そういう判決を下しました。後は立法の問題だ、国会で議論する話だ、こういうことであります。ですから議論しているし、我々は、選択的夫婦別姓、別に夫婦別姓を強制するんじゃなくて、そういうことも可能ですよという法案を国会に提出しているわけであります。
 この最高裁の判決の中で、憲法違反でないという判決に反対した裁判官が何人かいらっしゃいます。女性の裁判官三人全員が憲法違反だという意見を述べられました。
 そこでどういう論理を述べておられるかというと、結局、多くの場合には夫の姓になってしまう、現実的に九六%が夫の姓になるんですね、結婚した場合に。妻となった者のみが個人の尊厳の基礎である個別識別機能を損なわれ、また自己喪失感といった負担を負うことになり、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とは言えない、だから憲法違反だと言っているわけです。
 私は、憲法違反だという考え方に立つものでは必ずしもないんですが、それは最高裁が判断されたわけですから尊重しますが、ここの論理というのは、やはり立法的にしっかり対応すべきだということになるんじゃないでしょうか。男女平等の本質に反するような、同姓を強制する、そういう仕組みはやはりおかしいんじゃないですか。先進国の中で、結婚したら同じ姓にしなければいけないと強制している、そういう国はありませんよね、日本だけですよね。なぜここに固執されるのか私はわからないんですが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 諸外国では、中国や韓国はそうでありますが、そもそも別氏であったわけでございます。
 夫婦の氏の問題は、単に婚姻時の氏の選択にとどまらず、夫婦の間に生まれてくる子の氏の問題を含め、我が国の家族のあり方に深くかかわる問題であろうと考えています。
 選択的夫婦別氏制度については、国民の間でさまざまな意見があるのも事実だろうと思います。例えば、直近の世論調査を例にとってみますと、反対が三六・四%、容認が三五・五%、通称のみ容認が二四・〇%などといった結果になっているところでございます。そのため、最高裁判決における指摘や国民的な議論の動向を踏まえながら、慎重に対応する必要があると考えております。

○岡田委員 これは日本の伝統だと言う人もいますけれども、明治三十一年からですね、法制的には。それまでは、一部の人を除いて、そもそも日本人は氏がなかったわけでしょう。
 いずれにしても、総理がこういう固定観念を持っておられると、この選択的夫婦別姓の話というのは全く進まないですよね。そこはしっかり考えを改めていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、子ども手当についてもとんでもないことを言っておられますね。
 子ども手当によって民主党が目指しているのは、財政を破綻させることだけではなく、子育てを家族から奪い去り、国家や社会が行う子育ての国家化、社会化です、これは実際にポル・ポトやスターリンが行おうとしたことですと。これは総理の発言ですよ。
 今、総理は子ども・子育てに随分力を入れておられるようで、具体的政策でも展開しておられますが、根底にあるのはこういう考え方ですか。国家化、社会化である、子育てはということになると、これは非常にゆがんだ形の子ども・子育て政策になっていきませんか。この考え方、撤回されませんか。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 これは、民主党政権時代に行われたいわば子育て支援と私どもの支援は違うということを申し上げているわけでありまして、私は、全てを社会化あるいは国家が担うということは間違っているということを申し上げたわけでありまして、やはり大切なことは、家族が子供を育み育てていく、それを地域や社会が支援していく、国ももちろん支援していく、そういう姿が正しい姿であろう、こう申し上げているわけでありまして、その考え方は今も変わっていないということでございます。

○岡田委員 総理、それは基本的に違いますよ。我々が言ってきたのは、子ども・子育て、もちろんそれは家族の問題でもある、しかし、それだけでは十分でない、社会全体で支援していくんだと。これが民主党の基本的考え方ですよ。だから、今総理が言ったのと非常に似ているんだけれども。
 当時、私、担当大臣として自民党議員の質問をよく受けましたが、今総理が言われたような話じゃなくて、やはりこれは社会全体で支援するということ自身が間違っているんだというような、そういう議論を展開する方も結構いらっしゃいましたよ。この総理の発言もその一環じゃないかというふうにも思えるわけですね。
 やはり考え方をちゃんと改めるべきだ。この発言を二つ、撤回されませんか。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 今まさに、子育てについては、家族が愛情を注いで子育てを行う、しかし、その中において地域や社会や国家がしっかりと支えていく、それが正しい子育て支援だと私は今でも考えているわけでございます。
 あのとき民主党の中でこういう発言をした方もおられたんだと思いますが、つまり、子育て支援、子ども手当というのは、両親や家族からいわば養育費が払われるということではなくて、まさに国家から直接子供たちに養育費が行くということによって、自分たちは両親に対し何の義理や義務を感じる必要がないという議論もあったわけであります。ですから、そういうことではなくて……(発言する者あり)済みません、皆さん、静かにしてください。大切なところですから。全て子供を国家に委ねる、いわば家族ではなくて国家が育てるという考え方は間違っているということを申し上げたわけでありまして、その考え方は今も変わりがないということでございます。

○岡田委員 総理、今の発言は、私は聞いたことがありません。ですから、どこでどういう発言があったか明確にしてください。民主党ですよ、民主党がそういう発言をしたかどうか。もしそういう事実がなければ、撤回して謝罪してくださいよ。
 終わります。




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