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2015.05.13|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(5月8日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=saO-a8wViSU

岡田克也代表記者会見
2015年5月8日(金)15時00分~15時28分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
〇ネパール大地震について
〇TPP交渉の情報開示に関する西村副大臣発言について
〇術後の体調と今後の活動について

■質疑
〇TPP交渉の情報開示に関する西村副大臣発言について
〇安全保障関連法案の名称について
〇安倍総理の米国議会での演説について
〇党勢回復に向けて
〇次期参議院選挙に向けた対応について
〇皇位継承問題について
〇イギリス総選挙の結果について
〇憲法改正をめぐる議論について
〇術後の体調と今後の活動について

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■冒頭発言

〇ネパール大地震について
【代表】
 私から冒頭、ネパールの大地震、残念ですが犠牲者も日を追って増え
ている状態で、現時点で7900名と、被害の全容がまだつかめない状況
です。犠牲者の皆様、被害者の皆様にお悔やみ・お見舞いを申し上げた
いと思います。
 党としては、国会での対応以外に、被災者支援などの活動を行っている
NPO・NGOを支援するため、国会議員の皆さんに5000円をめどに資
金の募集を行う予定にしています。詳細はネパール大地震災害対策室、
室長の近藤洋介衆議院議員の下で検討中であります。

〇TPP交渉の情報開示に関する西村副大臣発言について

【代表】
ニュースを見て、「ああ、いいこと言うな」と思ったのですが、西村内閣府副
大臣が、来週以降TPPのテキスト(条文案)へのアクセスを国会議員に認
める方向で調整したい、と言われておりました。
 それが結局、今日も農水部門会議で安東TPP政府対策本部参事官から
話を聞いたようですが、具体的に何か方針が決まったり調整しているという
事実はございません、と全面的に(西村発言を)撤回されたような形になって
います。西村副大臣からはそのことについてきちんとした説明もなく、「意図
が異なって伝わった」と。テレビを見る限りは、異なって伝わるような言い方
ではなかったと私は思いますが、一体これはどうしたことかと思います。
 わが党としては従来からTPPの情報についてしっかりと開示されるべきだ
と主張してきているが、今回のことは極めて遺憾で、西村副大臣がこの間
の経緯についてきちんと説明すると同時に、もちろん一定の範囲でというこ
とになるでしょうが、約束された情報開示を行うことが必要だと思います。

〇術後の体調と今後の活動について

【代表】
 私自身のことだけ最後に申し上げておきます。網膜剥離の措置を4月28
日に行い、30日に退院しました。その後、自宅で安静にしており、昨日抜糸
もいたしましたので、これで措置は終わりということになります。
 なお、しばらくは安定するために多少の時間も必要だと思いますので、あ
まり大きな無理はせずに小さな無理程度で、これからも代表としての職責を
果たしていきたいと考えています。
 20日の党首討論、その後、安全保障法制について様々な委員会での審
議もあります。そういうところでしっかりと総理と議論していきたいと考えてい
ます。

■質疑

〇TPP交渉の情報開示に関する西村副大臣発言について

【NHK・花岡記者】
 民主党としてはTPPの情報開示の法案を出していると思うが、アメリカ並
みの情報開示を今後求めていくかということと、西村副大臣について委員
会などで発言の変遷の経緯等について問い質していく意図はあるか。

【代表】
 委員会でという以前にまず西村さん自身が、あれだけの会見をやられた
わけですから、きちんと説明されること。帰りがけの会見ではなくて、きちん
と記者会見で、もう一度国内で、あれは何だったのかを説明されることがま
ず必要だと思います。それを受けて、わが党として委員会その他での対応
ということになっていくと思います。

【NHK・花岡記者】
 アメリカ並みの情報開示については、どのようにお考えか。

【代表】
 我々、法案も出しておりますので、こういうこともあったわけですから、政
府としても我々の法案について真剣に向き合っていただきたい。もちろん
できることとできないことはある。守秘義務の問題等も今のままでいくと残
るとは思いますが、一方でこれは国民の権利・義務に関わる案件でありま
すので、丁寧に説明するということについてぜひ我々の考え方も受け入れ
ていただきたいと思います。

〇安全保障関連法案の名称について

【朝日新聞・渡辺記者】
 政府は近く、集団的自衛権行使を可能とする自衛隊法改正などを含む1
0本程度の関連法案をまとめて一括法として「平和安全法制整備法案」とい
う名称で出してくるという報道がある。法案の名称については、先日、福島
瑞穂さんが「戦争法案」と委員会で政府に聞いたところ、議事録削除云々と
いう話になった。この法案の名称について代表の所感を伺いたい。

【代表】
 名前についてすら説明を受けおりませんのでコメントは差し控えたいと思
います。現時点でそういう状況です。アメリカであれだけ明確に期間も切って
約束されたわけですが、国内的に言うと何の説明もしていない。少なくとも法
案に則した説明が何もないというのが現状です。

〇安倍総理の米国議会での演説について

【NHK・花岡記者】
 安倍総理はアメリカの議会で、「夏までに」と明確に期間を区切って安全
保障法制の成立を目指すと発言された。まだ国会の審議が始まっていない
状況でああいう発言をされたことについて、野党からの反発が非常に強い
が、代表ご自身としてはどのようにお考えか。

【代表】
 (4月30日に公表した)談話(「安倍総理の米国議会での演説について」)
のとおりです。
 それから、「目指す」ということを総理は言われたわけではない、「必ず成
就させます」と言われたはずで、“目標”ではなくて“断定”された。国内で、
国会も含めて何の説明もせずに、米国議会で約束されたこと、私は民主主
義国家として全くあってはならないことが起きたと思います。
 米国議会の委員の皆さんから見ても、あの演説それ自身は何か歯切れ
がいいとか、そういう評価は当面あったかもしれませんが、議会人として考
えた時に、他国の議会に行って約束してくる、そういったことが正常なのか
異常なのかと言えば、議会人であれば、外国であろうと日本であろうと、あ
るいは日本の与党であろうと野党であろうと、あの約束が異常であるという
ことは共通の認識ではないかと私は思います。

〇党勢回復に向けて

【毎日新聞・葛西記者】
 昨年12月の衆院選に続いて統一地方選も民主党にとって厳しい結果だっ
たと思う。世論調査では、安倍政権の進める安保法制に対して「反対」が過
半数以上だが、一方で民主党の支持率はそれに比例して上向いてはいない。
安倍政権に対して「危うい」という見方もあるが、対抗勢力として国民が民主
党にそれほど期待している状況ではないとも思う。参院選まで1年以上ある
が、今後どう反転攻勢をかけていくか伺いたい。

【代表】
 私は数字に一喜一憂することはございません。しっかりやるべきことをやっ
ていきたいと思います。

【毎日新聞・葛西記者】
 安倍政権に対峙する方法として、安保法制など国会論戦が中心になってい
くとお考えか、それとも選挙協力など参院選を見据えた動きも並行してやって
いくことになるか。

【代表】
 あらゆることをやっていかなければいけないと思いますが、国会での議論と
いうのは非常に重要だと認識しております。残念ながら(開催されなかった)
4月の党首討論も含めて、そういう場をなるべく作らないようにというのが安
倍政権のやり方ですが、それを打ち破って、しっかりとチャンスを捉えていか
なければいけないと思います。

〇次期参議院選挙に向けた対応について

【産経新聞・山本記者】
 来年の参院選に向けて連合の産別の候補者数が12人内定ということで、
これは2000年代で最大人数だ。この積極的擁立の狙いと、今後の見通し
について伺いたい。

【代表】
 やはり基本はそれぞれの産別のご判断です。我々として、特に「従来より
もたくさん」とか「少なく」とか、そういったことを言ったわけではありません。
しかし、従来よりも多い産別からの候補者を決断していただいたことは、私
は評価しております。
 これからそういった産別以外のいろいろな、比例選における候補者の擁
立を順次進めていきたい。決まり次第、手続をとっていきたいと考えていま
す。

〇皇位継承問題について

【フリーランス・安積記者】
 5月2日に英国でシャーロット王女が誕生された。ヨーロッパの王室はお
互い婚姻を重ねていて、1000位以上、王位継承権を持っている方がいる
が、日本は次の世代の皇室問題となると、どうなるのか不安がある。これに
ついて代表はどのようにお考えか。

【代表】
 今の規定の中では非常に限られているということで、そういう危機感があっ
たからこそ、一度、小泉政権の時に議論になったと思います。その後、この
議論はなされないままになっておりますが、長い目で見た時に、しっかりとし
た皇位継承がなされていくように、現状のままでいいのかどうかということは
本来議論されなければならないと思います。

〇イギリス総選挙の結果について

【時事通信・大町記者】
 イギリスの総選挙で、現在、二大政党ともに単独過半数を取れない見通し
になっているが(最終的に保守党が単独過半数獲得)、二大政党が民意の
受け皿になり切れていないという見方があると思う。第三極の必要性につい
てどのようにお考えになっているか伺いたい。

【代表】
 それはそれぞれの国の有権者の判断ですから、それがいいとか悪いとか
私が申し上げるべきではないと思います。
 前回、1党では単独過半数を取れず、そういう中で連立になっているわけ
で、そういう意味では新しい話ではない。ただ、一つの地域で議席を非常に
たくさん増やした、そういう新しい第三極が出てきたところは従来と違うとこ
ろではないかと思います。
 完全小選挙区制度というのは、結局、基本的には2党ということが想定さ
れていて、その壁を越えるのは簡単ではない。だから今のイギリスの自由
民主党は、前回などは得票率から言うとかなり取っていた。しかし議席は
限られているわけです。そういうことも踏まえて日本では並立制がとられて
いる。つまり小選挙区プラス比例で、第3党以下がきちんと議席をある程
度得られる、そして将来的にはそれが二大政党に取ってかわることができ
るような仕組みとして今の並立制はあると思います。

【時事通信・大町記者】
 今回の結果が、日本における衆院の選挙制度改革に影響を与える部分
はあるとお考えになるか。

【代表】
 先ほど申したように、完全小選挙区制度である英国と、日本のような並
立制をとって比例代表をビルトインしている制度とは違いますので、直接
的に何か影響があるとは思いません。小選挙区だからということであまり
短絡的に、制度が違うものを同一線上で議論すべきではないと思います。
 それから、私が責任者をやっておりました衆議院の選挙制度改革につ
いての各党の議論を聞いても、今の制度を当面は維持すべきだというの
が、たしか社・共を除く各党の基本的な考え方。将来的には議論があって
いいということですが、当面は今のまま行こうというのが各党の基本的な
考え方であったと記憶しています。

〇憲法改正をめぐる議論について

【朝日新聞・渡辺記者】
 昨日、実質的に衆院選後初めてとなる憲法審査会の討議が行なわれた。
民主党からは武正公一さん、長妻昭さん、辻元清美さんが発言されたが、
まず立憲主義と「押しつけ憲法観」について質したいということから入られた。
この審査会に臨む民主党の姿勢について、改めて伺いたい。

【代表】
 そこでの議論で尽きていると思いますが、やはり憲法というものをどう考
えるかということの共通認識が議論の前提としてなければなりません。従
来はそうだったと私は思っているが、しかし、安倍総理になってからの言
動を見ていると、「たった8日間で素人が作った代物である」という、現行
憲法を侮蔑するような言い方をしています。これは安倍総理だけかと思っ
たら、自民党は最近、漫画の憲法読本みたいなものを出していますが、
それも長々とその辺の事情を表現しているわけです。
 その後70年近く、国会や国民が日本国憲法を育んできた。その中でい
ろいろな解釈も生まれたし、今の憲法はできてきたということに全く触れな
い。無視して、できた経緯だけを、しかもまるで侮蔑するような言い方をす
るということでは、私はまともな憲法論議にはならないと思います。そうい
ったことをきちんと改めてもらうことが必要だと思います。
 もう一つは、国会での議論の中で、立憲主義、憲法とは一体何のために
あるのかということについても、基本的に誤解されているのではないか。権
力を縛るということが憲法の主たる、よって立つべきところであるにもかか
わらず、縛られるべき権力者の側が自由に振る舞えるのが憲法みたいな、
基本的人権をかなり制限できるというような全く誤った考え方に立っている。
そういう前提で議論するわけにはいかないと思います。まず、その認識をき
ちっとそろえること。
 従来は、自民党も含めてそういう認識だったと私は思います。それがいつ
の間にか変わってしまっているので、そういうことをきちっと再確認して、そ
の上で中身の議論に入るべきだというのが当然のことだと私は思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 昨日、辻元さんが、国民の側が改憲には今は関心がない、あるいはそれ
を望んでいないと。同じ趣旨を枝野幸男幹事長からも伺ったことがある。こ
の頃、「機は熟した」と公明党も言っているが、国会で議論する機が熟した
かどうかについて、代表はどうごらんになっているか。

【代表】
 公明党もかなり慎重な物の言い方をしていると思います。今、改めて聞い
て、「機が熟した」という答えなのかどうかわかりませんが、私自身は、憲法
は時代の変化とともに変えるということは当然あっていいという一般論を何
度も申し上げている。しかし先ほど言ったような、憲法ができた時の経緯に
対する侮蔑的な物の言い方、70年間、憲法を育んできたことを全くの無視、
そして憲法そのものに対する考え方が根本的に間違っていること、そういう
ことを放置して憲法の議論をするのは間違っていると私は申し上げています。

〇術後の体調と今後の活動について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 代表の目の回復は非常によかったと思うが、その目は現状で元に戻って、
見える視野などはどうなのか。ジムに行けなくなったとおっしゃっていたが、
もう完全に抜糸されて、9割方よくなったと見ていいのか。

【代表】
 ジムは夏くらいまでは封印しようかと思います。前回も50日くらい経って、い
きなり2回目の剥離をやりましたので、少し注意深く、とは思います。
 状況は、時間がある程度経てば視力が回復していくと言われておりますが、
時間が経ってみないとわかりません。かなり視力は落ちています。でも、手術
の直後と比べると多少改善しています。だから栄養のあるものを食べて、目を
休めながら回復を待つということではないかと思います。もちろん右目は普通
ですので、そんなに不便はないです。
 と言いながら、連休中は電子書籍リーダーで字を大きくして何冊か本を読ん
でしまいましたので、反省が足らないのですが(笑)。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 代表選の時に発病され、「目を大事にしたほうがいい」とたくさんの方がおっし
ゃり、ご家族も(出馬に)反対されたが、代表自身が「目が潰れても今は出てい
くんだ」というので代表選に出たと議員の方から聞いた。治ってよかったが、改
めてその決意、大病されて何か“開眼”されたこと、視野も含めて何か変わった
ことがあったら伺いたい。

【代表】
 まず、目は大事にしたいと思います。あまり無理をやり過ぎてまた再発という
ことではご迷惑をかけますので、大事にしながら、やるべきことはしっかりやって
いきたいと思います。
 幸いにして2人の代表代行や幹事長はじめ皆さん、活発に地方に行ったり選
挙をやっていただいたりしています。本当にありがたいことだと思っています。
 病気をして何か変わったかというのは、自分ではわかりませんので何とも言い
ようがないのですが、目もありますので、少し人に任せるという方針で。もちろん
大事なところはしっかりと押さえながら、有能な方がたくさんいらっしゃいますので、

そういう方々につかさつかさでやっていただく、そう心がけております。

【共同通信・高尾記者】
 代表はしばらく地方出張は控えて東京近郊で、また国会ではQT(党首討論)も
安保法制もあるので、そういった対応に専念される感じになるのか。

【代表】
 今までも東京近郊でいろいろな施設を視察したりしておりますので、そういうこと
はこれからも続けていきます。遠くにというのも、それは場合によりけりだと思いま
す。ご要望があれば各県に出かけていってということも当然あるが、そう詰め込ま
ないということが大事かと思います。2回目の剥離の直前なども、金曜日は神奈川
県で夜遅くまで県連大会等をやって、土曜日は茨城県連、日曜日・月曜日は福島
ということで、日程がかなり詰め込まれていましたので、そういうところはもう少し
考えながら。
 それから、ちょっと残念ですが、しばらくは大勢の皆さんと握手をするのは少し控
えたほうがいいのかと。振動は注意してくださいと言われています。

【共同通信・高尾記者】
 振動ですか。

【代表】
 手を握ると、こう振動が伝わりますよね。だからその辺は少し様子を見ながら考
えていかなければいけないのかと。少人数ならいいのですが、例えば100人、20
0人と続けて握手をするとか、そういうことはこの前の統一地方選挙の間も控えて
いた。ちょっと残念ですが、夏くらいまでしばらく大事をとったほうがいいのかなと
思います。




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