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2015.04.29|記者会見

岡田克也代表記者会見(4月28日)「安全保障法制に関する民主党の考え方」(PDFダウンロード参照)

 
 「安全保障法制に関する民主党の考え方」
                                   
 「日米ガイドラインの改定について」
 
岡田克也代表 NC記者会見 
「安全保障法制に関する民主党の考え方」について
2015年4月28日(火)11時25分~11時44分

編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

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■冒頭発言
〇「安全保障法制に関する民主党の考え方」を「次の内閣」で承認
〇「日米ガイドラインの改定について」(談話)を発表
〇安全保障法制に関する国会審議について
■質疑
〇「安全保障法制に関する民主党の考え方」について
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■冒頭発言

〇「安全保障法制に関する民主党の考え方」を「次の内閣」で承認

【代表】
 二つのことについてご説明します。
 まず、今日の「次の内閣」で、昨日、北澤俊美安全保障総合調査会長が
会見でご説明いたしました「安全保障法制に関する民主党の考え方」が
「次の内閣」、つまり民主党の政策についての最高意思決定機関で承認
されましたので、ご報告いたします。内容については昨日北澤会長から説
明があったと思いますので、繰り返すことはいたしません。ご質問があれ
ばお受けします。
 ただ、報道を見ていて少し気になったのは、今回の「安全保障法制に関
する民主党の考え方」は、集団的自衛権の話だけを書いているわけでは
ありません。いろいろなことをこの中で語っておりますので、全体について
ご覧いただければと思います。
 個別の問題についても、領域警備法を整備すること、周辺事態法につい
ての「周辺」の概念は堅持すること、恒久法ではなく特措法で対応すること、
「現に戦闘行為を行っている現場でない場所」という概念は認めないことに
ついて、わが党の考え方を説明しています。集団的自衛権行使の問題も、
極めて重要だということはわかりますが、全体について我々の考え方をき
ちんと述べている。是非、バランスのとれた理解をしていただきたいと思い
ます。

〇「日米ガイドラインの改定について」(談話)を発表

【代表】
 それから、日米防衛協力に関する指針、日米ガイドラインについては、
「日米ガイドラインの改定について」という一枚紙、談話という形で配付し
ておきました。
 ここに書いたとおりなのですが、これまでも申し上げているように、憲法
解釈の変更を含む大きな変化・変更を、国会でも、あるいは国民に対す
る説明もない。私は今朝、説明を受けたのですが、そういう状態で閣僚間
で合意してしまうことの異常さ。私は許しがたいことだと思います。
 中身的にも、先ほど言ったことにもつながりますが、「周辺事態」の概念
がなく、(ガイドラインに基づく自衛隊の活動範囲が)全世界的ということに
なったり、しかも集団的自衛権の行使も前提になっていると、この「第二に
~」のところで書いたとおり、さまざまな問題点がそこに含まれています。

〇安全保障法制に関する国会審議について

【代表】
 連休明けに国会での論戦が始まりますが、そこで我々もしっかり議論し
ていきたい、そう決意しておりますが、政府の側にも、国民に理解してい
ただくという観点で、丁寧な責任ある説明を求めたいと思います。
 これだけ重要な中身を含み、戦後の安全保障政策を根底から覆す、内
容であるにもかかわらず、恒久法以外は1本に束ねて、非常にわかりに
くくしてしまっている。本当に説明する気があるのか、それともどさくさに紛
れて短期間に力で押し切ってしまうのか。そこは国民からも問われている
ところだと思います。わが党としてはしっかりとした議論を実現するように
頑張ってまいりたいと思います。

■質疑

〇「安全保障法制に関する民主党の考え方」について

【NHK・花岡記者】
 今まで民主党は安保政策について「わかりにくい」「右から左までバラバ
ラだ」という指摘をされていたが、今回、見解・考え方を取りまとめたことの
党にとっての意義と、これをもとにこれからの安保法制の議論にどのよう
に臨んでいくか伺いたい。

【代表】
 今までもさまざまな議論を経て党としての見解を取りまとめてまいりまし
た。私は北澤会長にやはり「わかりやすく」ということをお願いいたしました。
表現で逃げることなく、中身がしっかりとしているようにと。今回はそういう
観点で大変ご苦労いただきながら、非常に長い時間を費やして、多くの人
の意見を聞いて、合意に至ったということは画期的なことだと思います。
 「いろいろな意見を言う機会をいただいた」とか「意見を聞いてもらった」
という発言が随分、双方の立場から出ておりました。そういう意味では北
澤会長はじめ関係者の皆さんのご努力に心から感謝したいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 (周辺事態法について)「『周辺』の概念を堅持する」ということだが、昨
日からの(2プラス2で決まった)ガイドラインでは「周辺事態」という言葉自
体が削除されている。これは今ある周辺事態法を、与党の取りまとめで
は「重要影響事態安全確保法」に変えたいということだが、それに反対だ
ということか。

【代表】
 我々はやはり今までの「周辺事態」の考え方に立って、「日本の平和と
安全に重要な影響を及ぼす事態」というのは日本の周辺に起こることだ
という前提で法整備をすべきだと。つまり今までの考え方を堅持すべきだ
と考えております。
 それ(ガイドラインに基づく自衛隊の活動範囲)を全世界的に広げてし
まうということになると、具体的に世界のどこか片隅で起きたことが「日本
の平和と安全に重要な影響を及ぼす事態」ということになると、それは今
までの「日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす事態」とは違う概念に
なってしまうのだろうと思います。同じ法律ではなくて、全く別のものが出
てきたと理解せざるを得ない。そういうものは必要ないというのが私達の
考え方であります、

【フリーランス・宮崎記者】
 (国際社会の平和・安定の為に活動する他国軍への支援について)「恒
久法ではなく特措法を検討する」ということだが、与党の取りまとめでは、
国際平和支援法(いわゆる恒久法)に関しては例外なき国会承認だが、
それ以外は例外もあり得る国会承認ということになっている。国会の事前
承認については党としてどうお考えか。

【代表】
 国会承認については、我々はそういう「日本の平和と安全に重要な影響
を及ぼす事態」というものを、日本周辺以外で認めるという立場に立って
おりませんので、それに関する国会承認とか、そういう議論も同じ次元で
は議論できない話だと考えています。

【読売新聞・前田記者】
 今回の議論の進め方を見ると、党内で議論を尽くして一つの結論を導
くことを重視して進められたと思うが、集団的自衛権行使が容認できない
という部分については、安倍政権の進める集団的自衛権は認めないが、
他の政権ならいいのかとか、多少わかりにくい部分があるかと思う。集団
的自衛権行使を、党として今後どう方向づけるか。また、必要なのか、必
要ではないのかということについてわかりにくいところがあるかと思うが、
いかがか。

【代表】
 見方がパターン化していると思います。集団的自衛権行使を認めるか
認めないかというのは、それは1年前の議論で、与党ですら「限定的にし
か認めない」となっている。集団的自衛権行使を認めるか認めないか、
それははっきりしないからおかしい、みたいな話はちょっと昔にとらわれ
過ぎた、パターン化した見方だと私には思えます。
 我々は、ここに書かれたとおり、いろいろなことを具体的に挙げた上で、
集団的自衛権行使について、今申し上げたような表現になっており、「以
上、専守防衛に徹する観点から、安倍政権が進める集団的自衛権の行
使は容認しない」と。はっきりしている。これ以上はっきりした言い方はな
いと思います。
 では、未来永劫ないのかといえば、それはいろいろなことがこれからも
あり得るわけですから、すべてにわたって未来を否定する、そういうイデ
オロギー的な考え方は我々はとらない。現実的な平和主義を我々はとっ
ているということの表れで、多くの方にとってはごく普通の考え方ではない
かと思います。

【読売新聞・梁田記者】
 国会論戦の姿勢を伺いたいが、今回の見解の中でも「現実的に」という
言葉を強調している。野党としては政権の姿勢を厳しく追及しなければい
けない側面もある反面、事、外交・安全保障となると、諸外国との関係か
らいっても党によって考え方が大きく違うのはかえって懸念を生む材料に
もなりかねない。政権を一度担った党として、対決姿勢と、「現実的に」と
いうバランスはどのようにとっていくのか、どちらに比重を置くのか伺いた
い。

【代表】
 我々は国民の生命・財産に直接関わってくるような事案については、必
要な対応をしっかりやっていく。もちろん武力行使に当たらない範囲でと
いうことですが、個別的自衛権以上のものは認めないという前提に立って
ですが、しっかりやっていく、例えばグレーゾーンとか、あるいは従来の意
味での「周辺事態」に対する対応については、この中でも強調しているわ
けです。
 しかし、それから離れた、「何のために行うのか」ということをはっきりしな
いものについては、それは抑制的に。それは憲法の基本的な考え方であ
るということで整理しているわけです。
 今、お話が出ましたが、変わったのは与党です。つまり、今までの安全
保障に対する考え方、憲法に対する考え方を、ある意味では全部ひっくり
返して、やりたいことはみんな盛り込んだということであって、我々はそうい
うやり方は国民が理解しないし、そして必要性から言っても問題があると
いうことを申し上げています。

【毎日新聞・村尾記者】
 (国際社会の平和・安定の為に活動する他国軍への支援について)「よ
り強い民主的統制を担保するために、国会による監督・関与を確保する
べく、新たな法的枠組みの制定等を検討する」とあるが、もう少し具体的
に、どういったものをイメージされているのか伺いたい。
 同じく(周辺事態法における支援メニューについて)「例えば発進準備中
の航空機への給油・整備や新たな技術革新に伴う措置等をはじめとして」
とあるが、給油や弾薬の提供などが代表的な例として議論されているが、
そのあたりについての考え方は現状どう捉えているか伺いたい。

【代表】
 そこは今回は結論を出しておりません。ただ、我々、周辺事態法の改正
案という形で、国会に法案を出すかは決めておりませんが、出す方向で今
議論しています。出すということになれば、その中でどこまで認めるかとい
うこともあわせて答えを出さなければいけないことになるのだろうと思います。
 それから、「より強い民主的統制を担保するために、国会による監督・関
与を確保するべく、新たな法的枠組みの制定等を検討する」、ここも非常
に抽象的に書いてありますので、もう少し議論を重ねたいと思います。

【東京新聞・横山記者】
 今回、自民党・政府側は「切れ目のない安全保障法制」、一方、民主党は
「専守防衛」、この二つの対立なのかなと思う。専守防衛を堅持することの
メリットはどういうところにあるとお考えか。

【代表】
 「専守防衛」ということで全部言い尽くされるわけではありませんが、つま
り我々は個別的自衛権の範囲でやりますと、そういう意味では専守防衛な
のですが、武力行使にわたらない範囲では一定の範囲で、先ほど言った
周辺事態法改正案とか、あるいはグレーゾーンとか、そういうことで対応
する部分もあるわけなので、今おっしゃった「『専守防衛』か『切れ目のな
い安全保障』かが対立軸」というのは、私はあまりピンとこないです。




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