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2014.03.18|国会会議録

平成26年2月14日 第186回国会 衆議院予算委員会「国の資産売却、日米密約、内閣府・内閣官房の事務・組織の見直し」

○岡田委員 岡田克也です。
 まず、国の資産売却について何点かお聞きしたいと思います。
 JT株の売却について、平成二十三年度に法改正をして、二分の一超から三分の一超ということに引き下げまして、既にこれはもう売却がなされました。九千七百億円の収入が国に入って、被災地の復興のために使われたということであります。
 このJT株の売却について議論がいろいろありまして、実は、私は全株売却を当時主張したわけですけれども、葉たばこ農家や小売店の影響もあるということもあり、あるいは、葉たばこ農家は福島に多く集積しているということもあり、まずは三分の一超ということにした経緯があります。
 しかし、法律上、復興財源確保法附則第十三条には、「その保有の在り方を見直すことによる処分の可能性について検討を行うこと。」ということが明記されているわけであります。
 もう三分の一にまでなったという現状で、さらなる売却についてどういう検討状況なのか、麻生財務大臣、お答えいただきたいと思います。

○麻生国務大臣 これは、岡田大臣というか岡田先生よく御存じのところなので、この復興財源確保法の附則には、御存じのように、政府が保有するJT株式の売却につきましては、たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与のあり方を勘案して、その保有のあり方を見直すことによる処分の可能性について検討を行うこととされております。
 それによりまして、今言われましたように、三分の二を売却しておりますが、問題は、このJT株式の保有を政府がやっておるというものは、これは今言われましたように、いわゆる国産葉たばこの全量買い取り契約というものがありますので、これを担保するという点と、JTの国内たばこの製造独占とも密接な関係を有しているということから、この全株売却に当たっては、法制の根幹について議論をしておく必要があるというお話があっております。
 そして、今言われました附則第十三条における検討ということですけれども、復興財源確保法につきましては今申し上げたとおりなんですが、この附帯決議におきまして、たばこ関連産業への国の関与のあり方を勘案する際には、葉たばこ農家や小売店への影響などを十分見きわめることとされておりまして、こうした規定を踏まえまして、現在、葉たばこ農家、小売店の状況について、引き続き実態調査をしているところですけれども、これは結構、数が物すごく多いというのが正直な実感です。

○岡田委員 たばこ事業法の法目的に、たばこ税が財政収入において占める地位に鑑みと、そういう理由で、今大臣がおっしゃったさまざまな規制がかかっているわけであります。
 しかし、たばこ税の税収はもちろん大きなものではありますが、それがいろいろな規制を合理化するものなのかというと、私はかなり疑問があるわけですね。
 例えば酒について考えても、同じような規制が別にかかっているわけではありません。今大臣がおっしゃった全量買い取りとか価格規制とか、あるいは国内における製造の独占とか、そういうものはもちろんないわけで、私は、規制改革という観点から見ても、こういう規制、それからもう一つは、国がなぜたばこ産業を、一部とはいえ株式を三分の一持たなきゃいけないのかという合理的な理由というのは考えられないわけです。
 そういうことを考えると、いろいろな経緯があることはわかりますけれども、やはりここは抜本的に考え方を変えるべきではないか、そういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
 もちろん、いろいろな経緯もありますし、葉たばこ農家に対してもし何らかの保護が必要であるということであれば、それはむしろ農業政策として対応すべき話であって、たばこ産業株式会社に何か負担を強いる、そういう話ではないはずだというふうに思うわけであります。

○麻生国務大臣 ごもっともな御意見だと思います。
 今、たばこは、ちょっと正確な数字じゃありませんけれども、多分二兆円ぐらい税収を上げているんだと記憶しますけれども、そのうち半分がたばこを買っていただいたその地方にかかりますので、御存じのように、本社が東京にあるところの支店で買うと全部本社が税金を納めますが、支店で買っていただくんじゃなくて、そこにあるお店で買っていただきますと、そこの市、町にたばこ税が落ちるというのは約一兆円ぐらいあったと記憶いたしますので、そういったものの話というのは、これは丸々民間になったときに、それだけの税金を取り上げて全部配る、ちょっといろいろなことを考えないかぬところだと思います。
 おっしゃるように、葉たばこ産業を保護するためだけにこれをやるような値打ちがあるのかという点が御指摘なんだと思いますけれども、その点につきましては、検討の余地はないわけではないと思います。

○岡田委員 値打ちがあるかということもありますが、もう民間企業ですね、たばこ産業は。そこに対してこういうさまざまな規制を強いて、負担を強いるということもよくわからないし、国がわざわざ法律をつくって規制しなきゃいけないということもわからないし、国がたばこをつくる企業の三分の一の株式を持たなきゃいけないということもわからない。わからないことだらけで、それを説明するのは、従来からの専売から流れてきた経緯ということですが、もうそろそろ考えていいのではないか。
 そして、そういう規制を取っ払えば、恐らく株の値段は上がります。そうすると、それを売却すれば、売却益も、あと残りの三分の一ということですから、恐らく二兆円ぐらいは、現在でも二兆円以上入ることは確実で、そういうことを総合的にお考えになって、国家としての収入をふやすべきじゃないか、こういうふうに考えるんですが、いかがでしょうか。

○麻生国務大臣 これは御存じのように、たばこ事業法においては、国際的に見て割高な国産の葉たばこというものの全量買い付けをJTに義務づけるという点と、もう一点は、国内たばこの製造独占をJTに認めるという点なんですけれども、独占を見直して完全に民営化するということについては、これは今申し上げましたように、小売店とか葉たばこ農業とかいうものに対する影響などを十分に考える必要がありますので、今言われましたように、これを農業政策でやるのかというと、そこのところはいろいろ検討してみる必要があろうかとは思いますが、いろいろなものを考えて、これはちょっと、今すぐ即答はいたしかねます。

○岡田委員 小売の方は、今の定価販売ということが維持できないわけではないと思うんですね、そういうものはあるわけですから。ただ、それも、定価販売を維持すべきなのか。酒なんかは定価販売ではないわけですから、そこに合理性があるのかどうかという議論もあると思います。
 いずれにしても、これは東日本大震災の必要な収入を賄うための一環でありますので、少し馬力をかけて御検討いただきたいというふうに思っております。
 それからもう一つ、太田大臣に来ていただいていますが、同じ東日本大震災の関係の財源として検討事項になっておりますのが、政府が保有する東京地下鉄株式会社、東京メトロの株の売却であります。
 これは東京都との調整が必要だということですが、現時点においてどこまで話が進んでいるのか。何か問題があるとすれば、乗り越えなければいけない問題は何なのか、御説明いただきたいと思います。

○太田国務大臣 東京メトロの株式につきましては、平成十四年に制定されました東京地下鉄株式会社法によりまして、経営効率化と利用者サービス向上の視点から、民営化に向けて、国と東京都はできる限り速やかに売却するよう規定をされております。
 また、今御指摘のありましたように、東日本大震災の復興財源確保法におきまして、東京メトロの株式売却収入は復興財源に充てられる。早期の売却は非常に重要であると認識をしております。
 このような認識のもとで東京都と調整を進めているところでありますが、この調整の中で、東京都の意向にも配慮しまして、民営化に先立ち、まずサービスの一体化をしっかり進めるために、昨年七月から東京の地下鉄の運営改革会議を開きまして、終電延長などさまざまな施策を中間的成果として本年一月にまとめたところです。
 猪瀬知事の時代は、全体的な一体化とか、そういうことも含めていろいろ論議はあったわけですが、今回、新しい東京都知事になりましたが、東京メトロの株式売却につきましては、国と東京都が十分な連携をとることが大事だというふうに思っておりまして、新しい舛添知事の考え方も踏まえながら、早期売却に向けて関係者と調整を進めてまいりたい、このように思っております。

○岡田委員 これは、誰が考えても必要なことは、まず東京メトロと都営地下鉄との一体化、経営統合ということだと思うんですね。その上で、民営化をする、株式を上場するということが必要かと思います。いろいろ都営地下鉄と東京メトロとの、どういうふうに評価するか。これは、いわば資産査定をきちんと第三者に行わせればできることでありますので、そういう形で一体化して、そして株式を公開すべきだというふうに思います。
 私、特に思うのは、オリンピックなんですね。やはり外国人のお客様が地下鉄を利用するということは非常に多いというふうに考えられますので、利便性をより増して、サービスをよくしてということを考えると、早く民営化した方がいいんじゃないか、その方がずっとサービスが向上するんじゃないかというふうに思うわけです。
 ですから、オリンピックを一つのターゲットにして、先ほど言った経営統合や民営化、そしてサービスの向上、株式上場ということをやはりやっていかなきゃいけないと思うんですが、そういう御決意はおありでしょうか。

○太田国務大臣 まずサービスの一体化というところで進めて、そこを結節点にしてやっているわけですが、新しい知事とよく協議をして、サービスの一体化、それからその先、株式の売却に至るまで、協調していけるように努力をしたいというふうに思っています。

○岡田委員 今大臣もおっしゃったように、知事もかわりましたので、ぜひ新しい舛添知事とよく協議をしていただいて、オリンピックまでに私が申し上げたようなことができるように御尽力いただきたいというふうに思います。
 それから、公務員宿舎の削減、売却計画というのを野田政権のときにつくりまして、平成二十八年度末までに五・六万戸、二五・五%削減するということになっております。
 それから、使用料につきましても、本年四月から、二年ごとに三段階で約一・七倍に引き上げるということも決まっております。
 政権はかわりましたが、現状、どこまで来ているのか、順調に進んでいるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

○麻生国務大臣 国家公務員宿舎の削減計画、平成二十三年の十二月一日では、国家公務員宿舎の戸数につきましては、平成二十八年度末を目途に、二十一万八千戸から十六万三千戸まで、五万六千戸、約二五・五%、おっしゃるとおりの削減を行うということにされております。
 この削減計画において廃止を決定した宿舎につきましては、平成二十八年度末までの売却手続が可能となるよう、退去期限を設定の上、順次退去及び廃止手続を進めているところでありまして、今、二年弱になりますが、宿舎の戸数の削減は、二十五年九月一日時点で六割相当が進捗しております。約五万六千戸に対して約三万二千戸が終わっておるということであろうと思います。
 廃止した宿舎の跡地につきましては、同年、二十五年九月までに約四百八十億円が売却済みという状況でありまして、おおむね順調に推移をしておると思っております。

○岡田委員 国家公務員宿舎の売却は、計画どおりおおむね進んでいるというふうに私も認識をしております。
 問題は、独立行政法人の宿舎の問題で、これにつきましても国家公務員に倣って、野田政権の折に、五年間で三分の一に当たる約六千六百戸を廃止する、使用料についても、そのときの使用料の一・九倍にするということになっております。
 これは、現状、私はかなりおくれているのではないかというふうに思っているんですが、どうなっているんでしょうか。

○稲田国務大臣 独立行政法人の職員宿舎については、岡田委員が行革担当大臣の平成二十四年四月三日、民主党政権において、宿舎戸数及び使用料の見直しの方針が決定され、平成二十九年末を目途に約八千百戸を廃止するとの実施計画、これは、平成二十四年十二月十四日、岡田委員が行革担当大臣のときに策定されたというふうに承知をいたしております。
 私が行革担当大臣になって、岡田委員に来ていただきまして、当時の状況、そして引き継ぎをさせていただきました。この問題についても、方針の進捗状況についてはフォローが必要であるという引き継ぎを受けたところです。
 現政権においても、この方針に基づいて、行革の立場から、計画どおり進められるよう、各独法の取り組みを毎年度フォローアップすることといたしております。
 現在、実施計画の最初のフォローアップ作業を行っているところでありまして、今月中に取りまとめの上、公表することといたしたいと考えております。

○岡田委員 独法も非常に多様ですので、国家公務員と比べるといろいろ難しい点もあるんですが、ぜひ、フォローアップして、計画どおりできるように、あるいは、できれば深掘りができるようにお願いしたいと思います。
 次に、日米密約について、外務大臣と少し確認をさせていただきたいと思います。
 日米密約について、私が国会で発言したり、あるいは記者会見で確認したことについて現政権に引き継がれているかどうか、そういう観点から質問したいというふうに思います。
 まず第一に、ここに岩屋さんがおられますが、私が外務大臣のときに岩屋議員に、非核三原則というのはもちろん今、日本にあるわけで、つくらず、持たず、持ち込ませず、このことはきちんと原則として守っていくということを申し上げた上で、将来の、核が持ち込まれる可能性について御質問をいただきまして、私は、国民の安全が危機的状況になったときに、原理原則をあくまで守るのか、それとも例外をつくるのか、それはそのときの政権の判断すべきことで、将来にわたって縛ることはできないと思う、重要なことは、国民に対してきちんとその必要性を説明することだというふうに答弁をしております。これは、二〇一〇年三月の衆議院外務委員会であります。
 非核三原則を守るということを原則にしつつ、緊急時において内閣の判断で例外を認めるという答弁でありますが、現政権もこの方針を引き継いでおられるのかどうか、確認したいと思います。

○岸田国務大臣 まず、結論から申し上げますと、安倍内閣としましても、当時の岡田外務大臣が示された方針、引き継いでおります。
 岡田委員は外相時代に、今触れられましたが、国民の安全が危機的状況になったときに原理原則をあくまで守るのか、それとも例外をつくるのか、それはそのときの政権の判断すべきことで、将来にわたって縛ることはできないと思うと答弁されておりますし、重要なことは、国民に対してきちんと説明することだとも答弁されております。
 現政権もこの答弁を引き継いでおります。

○岡田委員 それでは、朝鮮半島有事の密約についてお聞きしたいと思います。
 日本の基地からの米軍の戦闘作戦行動につきまして、岸・ハーター交換公文で事前協議制というのが導入されました。これは一九六〇年の安保改定時であります。それに対して、朝鮮半島有事の際にはこの事前協議制を適用しないという密約があるのではないか、こういう問題でありますが、これにつきましては、外務省調査の結果、一九六〇年当時の藤山外務大臣とマッカーサー駐日大使との間の文書、俗に朝鮮議事録と言われていますが、これが発見され、密約が存在していたことが明確になりました。
 このことに関して、日米両国政府で交渉した結果、以下の二点が確認されております。
 一つは、朝鮮議事録は既に失効している、すなわち、朝鮮半島有事の際に、日本からの戦闘作戦行動については事前協議を必要とする。第二に、日本政府としては、朝鮮半島有事の際の事前協議がなされた場合には、適切かつ迅速に対応することにする。こういう二点を日米間で確認いたしました。
 これは国会で聞かれませんでしたので、私は、平成二十二年六月十五日の外相としての記者会見でこのことを明らかにしたわけですが、この点についても現政権に引き継がれているかどうか、確認したいと思います。

○岸田国務大臣 御指摘の立場につきましても、安倍内閣において引き継いでおります。
 すなわち、御指摘の文書は第一回安全保障協議委員会のための議事録ですが、これは、岸・ハーター交換公文において事前協議の主題とされている戦闘作戦行動のための施設・区域の使用に関するものであり、朝鮮有事という緊急事態においては、在日米軍が行う戦闘作戦行動のために、例外的な措置として、日本の施設及び区域を使用することができるという内容のものでございました。
 この文書につきましては、一九六九年の佐藤総理、ニクソン大統領の共同声明、さらには佐藤総理のナショナルプレスクラブにおける演説による対外的表明によって実質的に置きかわったものと考えられ、今日的な意味はないと考えております。
 そして、平成二十一年から二十二年、岡田外相時代に行われました外務省におけるこの調査結果を受けて、米国との間で、日米安保条約第五条の規定に基づいて行われるものを除き、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は事前協議の対象であること、さらには、御指摘の議事録の内容は有効ではないことを改めて確認している、このように承知をしております。
 日本政府は、朝鮮半島における有事の際には、米国政府から行われる事前協議に対しては、朝鮮半島における平和と安定の維持は日本及びこの地域の安全に極めて重要であることを踏まえて、個別状況を考慮しつつ、適切かつ迅速に対応することとしております。

○岡田委員 佐藤総理のプレスクラブにおける発言で置きかわったかどうかは、恐らく日米間できちんとした意見の一致はないというふうに私は理解していますが、いずれにしても、今やそれはもう有効ではないということは確認されたということでありました。
 次に、沖縄返還時に、有事の際の核兵器の沖縄への持ち込みについて、これは、外務省調査では確たるものは出てこなかったわけですけれども、平成二十一年十二月に、佐藤総理の御次男の佐藤信二氏によって、佐藤総理とニクソン大統領の署名入りの文書が御自宅に保存されているということが明らかになりました。
 この文書の中身は、極めて重大な緊急事態が生じた場合に、沖縄への核の持ち込みについて、米国政府は日本政府の好意的な回答を期待すること、それから、沖縄返還時に現存する核兵器貯蔵地、嘉手納や辺野古や那覇などをいつでも使用できる状態にしておくことなどが明記されている文書であります。
 この文書の効力について、日米両国政府間で少なくとも今や有効ではないという確認をいたしましたが、この点についても安倍政権の認識は同様ですか。

○岸田国務大臣 安倍内閣としましても同様の認識でおります。すなわち、御指摘の文書については、歴代の内閣に引き継がれていないと承知しております。
 よって、日米両国政府を拘束するような効力は、持っているとは考えていないというのが、内閣の立場であります。

○岡田委員 私がお聞きしたのは、内閣の立場だけではなくて、日米両国政府で確認をしたということで、アメリカがアメリカ側にある文書についてどう判断しているかということはわからなかったわけですが、そのことも含めて、少なくとも今や有効でないと。つまり、アメリカも、これは有効であるということを主張しないということを確認したところに私は意味があると思うんですが、この点いかがでしょうか。

○岸田国務大臣 おっしゃるような立場、安倍内閣も同じ立場、認識でおります。

○岡田委員 最後に、沖縄返還時の財政密約について。
 これは財務省が調査を行ったわけでありますが、大蔵省の柏木財務官とジューリック米財務省特別補佐官の間の了解文書というのが、財務省の中では発見できなかったけれども、アメリカにあった文書をもって、これは事実であるというふうに財務省が認定をされました。
 この了解文書では、沖縄返還時の日本政府の負担が四億五千万ドルとしているわけですが、公表された、あるいは国会で議論された金額は三億二千万ドル。そこに大きな開きがあるということが問題になったわけであります。
 当時の菅財務大臣は記者会見で、公表されている三億二千万ドルに加えて、基地施設改善移転費六千五百万ドルや労務管理費一千万ドルが後年度負担的に負担された可能性に言及されています。これは個人的な意見ではなくて財務大臣としての当時の菅財務大臣の発言だったと思いますが、この点は麻生財務大臣も引き継いでおられるのかどうか、確認したいと思います。

○麻生国務大臣 平成二十二年三月十二日の記者会見で、当時の菅財務大臣が、個人的な理解としつつ、日本政府は沖縄返還協定に記された三億二千万ドルに加え、約七千五百万ドルを追加的に負担したと考えられる旨述べたと承知をしております。
 菅大臣がそうした発言をした背景として、米国側の資料において、七千五百万ドルの公にできない追加負担が存在した可能性を示唆する記述があったとのことでありますが、一方で、当時の菅大臣も述べておられたとおり、財務省にはそれを示す行政文書は残されておりません。
 事実関係ができない以上、約七千五百万ドルが追加負担をされた可能性について評価するということは困難であります。

○岡田委員 ここは、私は非常に深い闇だというふうに思うわけですね。国会では何度も何度も議論されながら、三億二千万ドルという説明をしてきた。しかし、それ以外にどうも負担したものがあったかもしれない、あるいはあっただろうということであります。
 これをどういうふうに処理したのかと考えると、菅財務大臣も示唆しておられるように、後年度の沖縄予算の中に埋め込んで、そして処理をしてきたということが一つ考えられるわけですが、いずれにしろ、それもまた非常に不健全なやり方で、こういうやり方がまかり通ったということは、私は非常に大きな問題ではないかと。そういうやり方をしなければ、本当に沖縄返還に支障が生じたのか。三億二千万ドルが、実はもう少しあるということで、正直に金額を述べるという選択は果たしてなかったのかというふうに思うんですが、麻生大臣、いかがでしょうか。

○麻生国務大臣 これは、その当時、その政治的判断をされた方々がいろいろおられるんだと思いますけれども、その方々がそれぞれ国益を考えられた上での判断だったと存じます。

○岡田委員 それぞれの密約について、そのときの状況あるいは国益、そういったものを判断する中で、事実に反する答弁などがなされたということについて、これは、私は一方的に批判しようというふうには思いません。
 ただ、ほかの密約の問題は、当時の核に対する厳しい国民感情とかそういったことを考えれば、私でも同じようなことをしたのではないかというふうに率直に思うわけですけれども、そういう部分があったんじゃないかと思うわけですが、この金額については、沖縄が返ってくるためにこれだけの負担は必要ですという説明を率直にして、それで何か反対運動が起こって沖縄が返ってこないとか、そういうことは私はあり得なかったんじゃないかと思うんですね。
 そういう意味で、これは少し安易にやり過ぎているんじゃないか。一回こういうことをやっているということは、ほかにもあるんじゃないか、そういう疑義すら生じるわけですけれども、先ほどの麻生大臣の答弁でいいんでしょうか。

○麻生国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、その差額の約七千五百万ドルにつきましては、関連をいたします行政文書が我が方には残っておりませんので、事実関係を確認できないという以上は、それが追加負担された可能性についての評価ということになりますので、極めてその評価については難しいと存じます。

○岡田委員 きょうはこの辺でやめておきますが、当時のことを知っている人からもしっかり聞かれた上での御答弁とは必ずしも思えないわけであります。
 国の予算について、事実と違う金額が国会に出され、そしてそれをもとに国会で議論されてきたというのは、私は非常に大きなことじゃないかなというふうに思いますので、この点は、なおお聞きする場面があると思います。
 最後に、官房長官に、内閣官房、内閣府の事務、組織の見直しについてお聞きしたいと思います。
 官房長官は、二月五日の記者会見で、内閣府のあり方について、今のままでよいとは思っていない、組織が非常に複雑になってきていると発言されています。
 内閣府の何が問題というふうにお考えでしょうか。

○菅国務大臣 これは、委員も副総理を経験されて感じたことだと思いますけれども、府省庁横断的な仕事、課題が数多くなっている中で、どうしても、平成十三年に再編をした当時と比較をして、内閣府、内閣官房に対しての仕事量が集中してきているということを私は常日ごろ感じておるところであります。
 そういう中で、当時の目的であります内閣を補佐する機能の強化、必要なものはやはりしっかり充実をさせて、そしてまた、集中をして、ある意味で処理が終わった部分についてはそれぞれの府省庁にまた戻していく、そうした不断の組織の見直しというものが必要だというふうに私は考えているところであります。

○岡田委員 私は、今官房長官も言及されましたが、内閣府も問題だが内閣官房はさらに問題だというふうに思うわけです。
 省庁再編後の定員の増加を見ますと、内閣府は千二百人から千三百五十九人と百五十九人増、それから併任者は四百五十七人増です。これに対して、内閣官房の方は定員が五百十五人から八百十八人と三百三人増、それから併任が千百六人ということですから、当初五百三十九人が千六百四十五人になっているわけで、極めて肥大化しているというのが現状かというふうに思います。
 官邸主導とか、そういったことの必要性というのは私も認めるわけですけれども、それにしてもこれは多過ぎて、何でもかんでも内閣官房や内閣府に持ってきてしまうという傾向があるんじゃないか。内閣官房や内閣府に持っていくと、特に議員立法なんかでもそうなんですけれども、そっちの方が見ばえがいいと、余り検討も十分しないまま持ってきてしまう、そういう傾向もあるのではないかと思います。
 その結果、私は、内閣総理大臣や官房長官が極めて忙しくなり過ぎているというふうに思うんですが、官房長官は、危機管理とか、もちろん全体の調整、人事、そういう非常に重要な役割を果たしておられるんですが、やっていて、ここまでやらなきゃいけないのかというふうに思われたことはないですか。

○菅国務大臣 実際、日々業務を行っておりまして、府省庁横断の仕事が余りにも多くなり過ぎてきているんじゃないかなというふうに思います。
 そういう中で、どうしても内閣官房にその調整の役割というんですか、そうしたことがどんどんどんどんふえ続けてきている。とりあえずは内閣官房にこの仕事を一旦振ろうという府省庁も多くなってきているんではないかなというふうに思っています。
 そういう中で、ある程度役目の終わったというんですか、そうしたものについては、やはり関係の府省庁、なかなかこれは受けてくれませんけれども、そうしたところにおろしていって、できるだけ、常に、まさに不断の見直しを行っていって、仕事をしっかり行うことのできる体制というのをつくっていく重要性というのは、日々痛切に感じています。

○岡田委員 やはり重要な仕事に集中するためにも、もう一回きちんと見直す必要があるというふうに思います。
 実は、我々も同じような問題意識を持ちまして、平成二十四年十一月二日の閣議決定で、内閣官房及び内閣府の本来の機能を向上させるための事務分担の見直しの基本方針というものを閣議決定しております。
 その中で、今官房長官も言及された、同じことなんですが、所期の目的を達成したものはやめる、それから、関係省庁間の調整に委ねられるものは最も関係の深い省庁に移管をする、それから、内閣官房と内閣府の間の事務分担についても検討する、そういう三方針を決めたところであります。
 十二月七日、政権交代直前だったんですけれども、閣議決定で、既にある閣議決定や閣議口頭了解、各省庁申し合わせなどを見直して、かなりの部分を廃止したり、各省庁への移管を行いました。ただ、法律を変えなきゃいけないことについては、全く手つかずのまま終わってしまったということであります。
 ですから、一つの流れはつくったつもりですので、もちろん、中身は、政権がかわったわけですからもう一度精査されたらいいと思いますが、法律を変えることも含めて、つまり、総理大臣が本部長であるというふうに法律で書いてあると、これは変えようがないわけですね。
 そうすると、総理大臣がいろいろな会議に本部長として出ていって挨拶しなきゃいけない。中身はほとんど、実は余り聞く暇もないし、自分が何かやっているわけじゃないんだけれども、挨拶だけでも時間をとられてしまう。そういうこともあるんじゃないかと思いますので、これはもう一回精査して、法律に基づいてそういった廃止や移管をされたらどうかと思いますが、いかがですか。

○菅国務大臣 民主党政権で閣議決定をされたこの三点、そうした方向というのは、私も今痛切に感じておるものでありますので、必要なものはしっかりと受け継いで、正すことは正していきたいというふうに思います。
 法律改正の話でありますけれども、ここはなかなかすぐということにはいかない部分というのはあるとは思いますけれども、会合に出席して挨拶をする形式的なもの、そういうものはできる限り私は避けるべきだという思いの中で、ここはしっかりとした方向をつくっていきたいというふうに思っています。

○岡田委員 もう一つは、最初に、内閣官房や内閣府にそういった事務を追加するときに、あらかじめサンセット化とか一定期間経過後の見直しを基本にするということを法律の中にもちゃんと書いておくということも非常に重要なことじゃないかというふうに思います。
 終わります。




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