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2010.08.20|記者会見

外務大臣会見記録(平成22年8月20日)

外務大臣会見記録(平成22年8月20日(金曜日)12時25分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)外務省本省の幹部の異動について
(2)インド、タイの訪問について
(3)ミャンマー情勢について
○アフガニスタンにおける邦人誘拐事案
○日韓関係(日韓併合100年)
○六者協議の再開
○児童の性的搾取と表現規制
○日露関係(北方領土問題、「第二次世界対戦終了の日」制定等)
○米軍再編問題
○民主党の代表選挙
○沖縄知事選
○日中関係
○日印原子力協定交渉
○日韓関係(日韓併合100年)
○ミャンマー情勢
○外交分野における菅総理への期待
○中東外交
○日韓関係(日韓併合100年)

冒頭発言
(1)外務省本省の幹部の異動について

【岡田大臣】それでは、私(大臣)からは本日、外務省本省の幹部の異動がありました。詳細についてはご説明をいたしませんが、先ほど辞令の交付がありました。特に次官をやっていただいた藪中さんは、今回退職となります。1年間という短い期間でしたが、一緒に仕事ができて私(大臣)としては、よくやっていただいたと感謝を申し上げたいと思います。政権も変わって、お互いいろいろ戸惑いもあったと思いますが、そういう中で信頼関係を構築して、私(大臣)も言いたいことは言いましたし、やりたいことはやってまいりましたが、そういう中でよく理解をし、支えていただいたというように思っております。
後任の佐々江さんは外務審議官ということで、今までともに仕事をしてきましたので、大体人となりはわかっているつもりですが、しっかりと新しい外交を開いていくために、ともに頑張っていきたいと思っております。
なお、薮中さんは外務省顧問ということにいたしました。

(2)インド、タイの訪問について

【大臣】それから、私(大臣)のインド、タイの訪問ですが、本日の夜から24日までの日程でインド、タイを訪問するということであります。
インドは定期的にやっております日・インド外相間戦略対話を、クリシュナ外相との間で第4回日・インド外相間戦略対話を行うということで、二国間の課題、経済連携協定あるいは原子力協定の話、その他議論すべき課題はたくさんあると考えております。それから、シン首相への表敬も行う予定であります。
タイでは23日(月曜日)に、カシット外相との間で二国間の問題を中心に議論を行うとともに、旧知のアピシット首相への表敬も行う予定であります。その合間を見て経済協力案件の視察や、我が国から進出している企業の現場なども視察をする予定であります。

(3)ミャンマー情勢について

【大臣】3番目はミャンマー情勢について、この前の会見の日にミャンマーのことについて十分触れることができなかったのですが、13日にミャンマー政府は総選挙を11月7日に実施することを発表したわけであります。この件に関して、ミャンマー政府がアウン・サン・スー・チー女史を含む政治犯の釈放を行わないまま総選挙を実施するということであれば、我が国を含む国際社会がこれまで求めてきた自由公正で開かれた総選挙の実施とは異なるものであり、遺憾であります。
引き続きアウン・サン・スー・チー女史を含む政治犯の早期釈放及び同女史との実質的対話の速やかな実施などを通じて、すべての関係者を含む形での総選挙の実施を強く求めるということであります。
なお、今、私(大臣)が申し上げた点につきましては、昨日、フラ・ミン在京ミャンマー大使を通じ、今、申し上げた考え方をミャンマー政府に伝えたところであります。部長が大使に伝えたということでございます。

アフガニスタンにおける邦人誘拐事案
【フリーランス 上杉氏】昨日ですが、テレビ朝日でジャーナリストの常岡浩介さんのビデオが流れたということがありました。これは拘束中だと言われていたのですが、実際に映像では確認されました。これについて外務省並びに政府の何らかの見解はございますでしょうか。

【大臣】私(大臣)は直接見ておりませんが、そういう報道があったということは承知をしております。それ以上、今、申し上げることはございません。

日韓関係(日韓併合100年)
【共同通信 斎藤記者】日韓関係でお伺いします。韓国側では日韓併合100年に向けて、改めて100年前の併合条約は締結のときから無効だったと。これは韓国は従来からそういう主張をしているわけなのですが、改めてこの機に無効であるという主張、そして日本側も無効であるという認識を持つべきではないかという論調が高まってきていると認識をしております。
 日本側の立場としては、はっきり出ているところでは1995年に村山さんが総理談話を出したその後だと思いますが、この併合条約自体は国際法的に見て有効であるという立場を示して、その後、韓国側が反発するという経過があったように記憶しております。政権が代わったわけなのですが、現時点で民主党政権、菅内閣として日韓併合条約が無効であるか、あるいは有効だったのか、この論争についてどのような見解をお持ちなのか、そして、そういう見解を持つに至った経緯も含めてご指摘願いたいと思います。

【大臣】この点は、日韓基本条約の範囲で両国間の議論になって、そして今や無効であるという考え方で落ち着いたという経緯があります。当時の日韓基本条約を結んだときの考え方、今や無効であるということについて、何か付け加えるべきものがあるとは私(大臣)は考えておりません。

【共同通信 斎藤記者】今の点の補足ですが、繰り返しになるのですけれども、村山総理は1995年の国会答弁で、有効という言葉に言及しております。有効という言葉を使って、明言したわけなのですが、そうした有効という言葉を現政府としては明言する立場にはないのでしょうか。この点を確認願います。

【大臣】当時の村山総理の発言の詳細は、私(大臣)は承知しておりませんので、そのことを前提にしたコメントは特にいたしません。先ほど申し上げたとおりです。

六者協議の再開
【毎日新聞 西岡記者】六者協議についてですが、胡正躍外務次官が昨日平壌を訪問して、金桂寛外務次官と会談をしたということを中国政府が発表しているのですが、六者協議の再開の見通しについて大臣のご所見をお伺いしたいと思います。

【大臣】まだ、この点は日韓あるいは日米韓で議論をしておりましても、まだその時期ではないと、つまり、天安号事件についてのきちんとしたけじめがついていないということであります。将来的には核やミサイルの問題は六者協議の場で議論するということでありますので、再開ということは当然念頭にあるわけですけれども、まだそういうタイミングにはない。
 それから、再開するに当たっていろいろ条件がついたりいたしますが、例えば制裁を解除しろとか、そういった北朝鮮側の条件つきの開催については、我々はそういう立場にはないということは申し上げておきたいと思います。

【毎日新聞 西岡記者】大臣が先ほど仰った条件つきの再開、北朝鮮から具体的に日本政府に対して、どういう制裁解除の条件を飲むならば協議に応じていいとか、そのような要求は既に来ているのでしょうか。

【大臣】特にございません。

【共同通信 斎藤記者】大臣は天安号事件があって、まだけじめがついていないと仰られましたけれども、そのけじめなのですが、北朝鮮側は具体的にどういう形でけじめをつけるべきなのか、どういうふうにけじめをつけることによって、六者協議再開へ扉が開かれるのか、その辺について具体的にご指摘願いたいと思います。

【大臣】基本的には、当事者である韓国政府がどう考えるかということが非常に重要なことだと思います。ただ、この前のベトナムでも韓国側は、北朝鮮側は韓国政府が中心になって各国が協力して行った調査そのものがでっち上げであるということを明言したわけです。そういった認識というのは我々の認識と全く違うわけであります。そういった点について、現状のままで六者協議を開くということには簡単にはならないと思います。

児童の性的搾取と表現規制
【週刊金曜日 伊田記者】表現規制の関係でお伺いいたします。平成20年、2008年にリオデジャネイロで開かれた第3回児童の性的搾取に反対する世界会議において、日本政府、外務省がステートメントを発表しまして、外務省のホームページに仮訳が載っているのですけれども、その中で今後の課題として「漫画、アニメ、ゲーム等でしばしば児童を対象とした性描写が見られます。これは現実には存在しないコンピュータ等でつくられた児童が対象ではありますが、児童を性の対象とする風潮を助長するという深刻な問題を生じさせるものであります」という発言があります。
 この現実には存在しない児童を対象にした表現が児童を性の対象とする風潮を助長するというように断言されているのですけれども、この根拠というものがございましたらお教えいただければと思います。

【大臣】それは外務省の発言としてですか。

【週刊金曜日 伊田記者】はい。そうです。

【大臣】私(大臣)は、詳細は、突然で言われてもわかりませんので調べてみたいと思います。ただ、今お聞きしたところでは、実際の児童ではないけれども、架空のそういった人物ではあるけれども、という趣旨で使っていたというように想像されますけれども、詳細はよく調べてみたいと思います。

【週刊金曜日 伊田記者】それでは、後ほどで結構ですので、またお願いいたします。

日露関係(北方領土問題、「第二次世界対戦終了の日」制定等)
【北海道新聞 島田記者】北方四島へのビジネス渡航についてお尋ねさせてください。ここ最近ずっと取材をしていて、実際に択捉島に行ったという方に何人か会ったりしたのですけれども、ビジネス渡航のツアーみたいなので視察ツアーみたいなのがあったりとかなりの大人数が行っているようなのですけれども、そういう人たちに会って話を聞くと、実際、水産業界などは特にこれから厳しい状況、先細りが懸念される中、やはり北方四島でビジネスをしたいという声もかなり聞かれました。そこで改めてお伺いしたいのですけれども、閣議了解を踏まえた上ですけれども、今後そういうビジネスについて何らかの形で一部解禁するとかそういうお考えとかはありますでしょうか。

【大臣】まず、今のお話の中で、閣議了解があるにもかかわらず、もし渡航している人がいるということであれば、これはゆゆしきことであります。先般もそういったことが一部明らかになったわけですけれども、閣議了解の趣旨を徹底するために各省庁に外務省としてお願いをする。そういう考え方で今準備を進めているところであります。
 つまり、知らないからということで行っておられる方がいるかもしれないということで、そこはしっかりと政府の考え方をいろいろな関係者、企業とか金融機関とかそういうところに徹底したいと考えております。
 ビジネスということですが、我が国の領土である北方領土でビジネスということになりますと、そこのビザの問題とか、いろんなことが出てくるわけで、基本的に北方領土の返還を求める日本として、それと矛盾するような行動は取るべきではないと考えているところです。

【北海道新聞 島田記者】その関連の質問でお願いします。私、行ったことがないのでこれも伝聞になってしまうのですけれども、現実に米国の企業とか、韓国の企業はかなり北方四島でビジネスを展開しているようなのですけれども、国際的に見てそういうビジネスをやっている外国の企業というのは、北方四島の帰属がロシアとか日本とかという認識はないのかなという感じがするのですけれども、こういう米国や韓国とか諸外国の企業が北方四島でビジネスをするということは、ある意味国際的な観点から見ると、ロシアの実効支配を国際的に認めかねない状況になってしまうのではないかと思うのですが、こういう外国の企業などに対しては日本政府として何か働きかける考えなどはございますでしょうか。

【大臣】それは日本とロシアの主張が食い違っている中で、日本としてどこまでできるのかという問題はあると思います。どういったことが可能か、よく検討してみたいと思います。

【週刊金曜日 伊田記者】北方四島に絡めて、7月25日にロシアで成立した第二次世界大戦終結の日の法案、メドベージェフ大統領が7月25日に署名して成立した件についてお聞きします。
 ロシアの声の日本語ホームページによりますと、ロシアの有力シンクタンクで対日政策に影響を与える科学アカデミー極東研究所のパブリャチェンコ日本センター長がこう述べているということです。「日本側の最初の反応は十分に肯定的なものだった。ロシアが制定に際して非常に繊細に慎重にアプローチした点について、複数の当局者が満足の意を表した。終戦の日は、ロシア国民全体にとって祝い日に当たる正当な記念日であり、歴史的な事実を明らかにするものだ」というように述べております。
 日本側も当初の反応というのが肯定的なものだったと述べているのですけれども、これは岡田大臣としてはそういう対応だったのか、どういう認識だったのかということをお聞きしたいと思います。

【大臣】いろいろな議論があったと思いますが、そして、個々人の言うことをいちいちコメントする必要はないと思いますが、当初伝えられていた対日戦の終了を記念するという位置づけからロシアにとって第二次世界大戦そのものが終了したというように位置づけが変わったという点については、一定の評価ができると思います。
しかし、そのことと根っこからどうかというのはまた違うわけでありますから、必ずしも肯定的であったという、これはだれが何を言ったことをもって肯定的だったと考えておられるのかよくわかりませんので、このことはコメントしにくいと思います。

【週刊金曜日 伊田記者】ただ、ロシア側がそう受け止めている以上、今後、戦後の現実を変えることはできないと、北方領土の返還には応じられないと態度を硬化させてくる可能性があると思います。以前のエリツィン大統領のときは、スターリン主義からの脱却と、つまり、あれは間違ったスターリンの帝国主義的な負の遺産だったのだというような立場で、北方四島を返還することがロシアにとってもいいことだと、スターリン主義からそれが脱却になるのだという立場だったと思うのですけれども、明らかにロシア側の態度が変化し、北方領土の返還がかなり強硬姿勢に出てくることも予想されるのですけれども、そのことについてどういうようにお考えになっているのか。もしくは、また9月2日の記念日に合わせて、日本から何らかのメッセージを発表、出すつもりがあるかどうかについてお聞かせください。

【大臣】9月2日というのは、私(大臣)の理解では、戦艦ミズーリで調印を行ったという日だと思います。北方領土に何か直接関係があるということではなくて、その9月2日を終戦記念日としたということは、北方領土に対するロシアの態度に何か影響を及ぼすというのは私(大臣)には理解に苦しむところであります。
 いずれかこの場でも申し上げたことがありますけれども、我々は8月15日をもってポツダム宣言を受諾した日ですから、それを終戦記念日だということにしております。一般論として言えば、違う考え方があっても決して不思議ではないと思っています。そのことと北方領土が関係があるとは考えておりません。

【フリーランス 安積氏】65年前の8月18日は、クリル北端の占守島にソビエト軍が上陸したことから、クリル空挺部隊の日となっているそうです。今年から地域レベルの国家記念日に指定されたという報道がありましたが、既に先ほど伊田さんが仰ったように、第二次世界大戦終結の日について7月27日に外務省の方から欧州局参事官からロシアの臨時代理大使に対して申し入れされていますが、今回この件について何かアクションをとられたことはありますか。

【大臣】今のところ、私(大臣)はそういうことは聞いておりません。地方レベルの話にどこまでものを言うかということはあると思います。事実関係をよく把握しておりませんので、把握した上で対応が必要かどうか検討してみたいと思います。

【週刊金曜日 伊田記者】先ほどの関連ですけれども、8月15日にポツダム宣言を受諾したにもかかわらず、ソ連はその後、北方四島に侵略してきているわけです。明らかに日ソ不可侵条約を破って、ソ連の方が日本を侵略してきたわけですけれども、つまり15日を終戦ととらえるか、9月2日を終戦ととらえるかによって、その後のロシアの日本に対する侵略が正当化されかねないというような危惧があると思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

【大臣】ちょっとお考えがよくわからないのですが、15日と9月2日と、それぞれ法的には意味のある日だと思います。15日は日本として正式にポツダム宣言を受諾したと、無条件降伏を宣言した日ということであります。それを文書の上で形式を整えたのが9月2日ということで、それぞれ法的な意味のある日でありまして、そのことと何か当時のソ連の行動をどう考えるかということは、必ずしもリンクしない問題だと思います。日本としては、8月15日に無条件降伏ということを明確にしたにもかかわらず、攻撃は続いたということは、そういった事実があるということは何ら変わらないわけであります。

【共同通信 斎藤記者】今、岡田大臣は8月15日以降のソ連の対日参戦の下りで、それにもかかわらず攻撃が続いたというように表現されました。その攻撃の性質についてお伺いしたいのですが、ソ連の8月15日以降の攻撃、そこで多くの日本の兵士の方々が命を失ったわけですが、この戦いは国際法上に照らして、許される攻撃だったのか、許されない攻撃だったのか、大臣の認識をお伺いしたいと思います。

【大臣】いろいろな議論はあるのかもしれませんが、日本人として無条件降伏をした、言わば白旗を掲げたにもかかわらず、攻撃がなされたと。しかも、ずっと攻撃をしてきたというよりは、その直前に中立条約に反して攻撃がスタートしたわけですから、それは当然釈然としないものを私(大臣)は感じています。

【日本テレビ 野口記者】北方領土の返還交渉についてお伺いします。今度は来月上旬に鳩山前総理がロシアを訪問されると。まずそこでメドヴェージェフ大統領との会談は、これはもうセットはされたのでしょうか。

【大臣】私(大臣)は確認しておりません。まだ聞いておりません。

【日本テレビ 野口記者】菅総理の名代として鳩山前総理が訪ロされると思うのですが、北方領土返還交渉という観点から、鳩山前総理がロシアに名代として行かれるということに関して、政府として、どのような位置づけとしてとらえていらっしゃるのかということと、鳩山前総理にはどういった役割を期待されるかということをお願いいたします。

【大臣】まず位置づけですけれども、総理の名代として行かれるわけではありません。これはセミナーといいますか、ダボス会合のロシア版のようなものですね。これが開催されるということで、日本からだれか出た方がいいと。鳩山前総理が総理の時代には出られる方向で調整をしておられたわけですが、総理が代わられたと。そういう中で、鳩山前総理に出ていただくということで、必ずしも、まず菅総理が出るということがあって、その名代として鳩山前総理ということになったわけではありません。鳩山前総理が出ていただくのが適任であるということで、政府としてお願いをさせていただき、前総理にも快諾をいただいたということで、名代ということの意味にもよりますが、法律的な意味での名代ということでは必ずしもありません。
 それから、北方領土の交渉をしに行くわけではございません。もちろん、大統領と会う機会があれば、前総理として、さまざまな議論をされるということになると思いますけれども、総理に代わって交渉しにくいという位置づけではございません。前総理として今までの経験を生かして、少しでも領土問題について前進が見られるような、そういう結果につながれば、大変ありがたいことだとは思っております。

米軍再編問題
【琉球新報 滝本記者】米国のゲイツ国防長官がカリフォルニアの講演で海兵隊の現状の体制見直しを指示されているということを講演で明らかにされて、その中では人員削減ということも言及されていたようですけれども、この機に日本の海兵隊のプレゼンスを返還させると、沖縄から撤退されるということについて、米国側に改めて交渉するというお考えはございませんでしょうか。

【大臣】日本政府としては、海兵隊の存在というものは抑止力として必要であると考えております。したがって、全面的な撤退とか、そういうことが日本にとって望ましいと考えているわけではありません。

【琉球新報 滝本記者】ゲイツ長官が仰られた内容について、日本政府として米国側から説明なり、方針についての何か見解なりということは、ご連絡なり、お話は聞いていらっしゃるのでしょうか。

【大臣】まだ講演でお述べになった段階で、詳細に決まっているとは理解していませんが、当然、海兵隊について、これからどういうようにやっていこうとしているのかということについては、日本政府としても十分把握をしていく必要があると思っております。

民主党の代表選挙
【NHK 藤田記者】民主党の代表選挙についてお伺いします。昨日、鳩山前総理の議員グループが軽井沢で勉強会というか研修会を開いて、その後の懇親会には160人くらいの議員が参加したということで、鳩山前総理も挙党体制が必要だと、ある種、菅さんを支持するのだけれども、注文を付けるような発言をされています。
また、党内では小沢前幹事長の立候補を目指す動きが出ていますけれども、代表選挙をめぐる党内の情勢はどうごらんになっているかということと、仙谷官房長官が本日の午前中の会見で、一般論としては選挙戦のあることが政権の正当性という意味からいうと望ましいと述べていますけれども、一方で短期間で総理が代わることは国民の理解が得られないとして、無投票が望ましいという意見も党内にあると思いますけれども、大臣としてはどういうようにお考えになっていますか。

【大臣】私(大臣)は、一般論としては代表選挙をやった方がいいと思います。これだと思う方は手を挙げられればいいと考えております。それは頭から選挙をやるべきではないと言うつもりは全くございません。もちろん、私(大臣)としては外務大臣をした1年の経験からしても、国のトップがそう何回も代わるということは、国益上大きなマイナスだということは肌身で感じておりますので、しかも菅さん自身は我々が総理に選んで、時間もわずかしか経っていないわけですから、しっかりと菅さんを支えていきたいと考えております。

【朝日新聞 山尾記者】小沢前幹事長も立候補を検討されていると言われていますけれども、政治とカネの問題を理由に幹事長を辞任した小沢前幹事長が代表戦に出る資格はあるとお思いでしょうか。

【大臣】代表選の規定によれば、別に何か条件が付いているわけではありませんので、それは最終的にはご本人の判断で、出られることについて、それができないということではないと思います。
ただ、私(大臣)自身も幹事長、代表として党の運営に携わってきて、民主党としては、例えば起訴された議員というのは厳しい措置を私(大臣)自身、課してまいりました。こういう感覚からすると、起訴される可能性のある方が代表、あるいは総理になるということについて、私(大臣)自身は違和感を感じております。小沢さんが出ると言っているわけではありませんので、小沢さんに対してというより、小沢さんに出てくださいと言う皆さんに対して、果たして民主党の立党の原点に返ったときにどうなのかという感じで見ております。

沖縄知事選
【琉球新報 滝本記者】普天間に関連してですけれども、沖縄の知事選挙が11月に予定されていますが、知事選挙に向けての動きが沖縄の中で出てきていますが、日本政府としては、日米合意を推進する立場ということは変わらずあると思いますけれども、その意味でいろいろな許認可の権限を含めて持っている県知事が日本政府の方針に反対ではなくて、一定程度でも理解を持った知事になってもらうということが望ましいと、日本政府としてはお考えでしょうか。

【大臣】これは選挙ですので、政府が選挙について何か言うのは差し控えるべきだと思います。むしろ党の方で判断すべき問題だと考えています。

日中関係
【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者からの質問を代読いたします。日中関係についてでございます。先日、言論NPOとチャイナデイリーとの共同世論調査結果が先日公表されました。この中で相手国に対して、良くないと感じている割合が、中国では55%と前年比で10ポイント(アップ)の大幅な改善が見られましたが、日本では72%と横ばいの状況となっております。東アジア重視を打ち出している中、この両国民の意識の差に関しますご所見と、外務省として国民レベルでの相互理解の向上に向けて、どのような政策で今後乗り越えていかれるのか、改めてお聞かせください。

【大臣】72%というのは、ちょっと残念な数字ですね。したがって、現実は、東シナ海とか、いろいろな問題があることも事実です。しかし、最も関心が深かったであろうギョーザ事件というのは、その事件そのものは被疑者が起訴されて、そういう意味では日本政府としても納得できるような手続が進んでいるわけで、そういうところは正当に評価すべきだと思います。もちろん、そのことが食の安全全体につながる問題ではないとは思いますけれども、中国政府がしっかりと対応したことについては、それは卒直に評価をすべきだと思っております。
いずれにしても55%という数字も決していい数字ではありませんので、日中間の相互の理解というものが十分に行われていないというのが現状であります。したがって、草の根レベルでお互いの交流が進み、理解が進むように、政府としても外務省としても、もっともっと努力が必要であると感じております。

日印原子力協定交渉
【毎日新聞 吉永記者】今度のインド・タイ訪問で、インドの外相との戦略対話が開かれるときに、原子力協定のことについてお話しするということですが、これで、核軍縮を推進している岡田大臣として、どのようにインドに自国の立場を伝え、どのようなものをインドに求めていくかということについて、お話していただけますか。

【大臣】原子力協定そのものは、核軍縮を認めるものでは必ずしもありません。ですから、それは切り離した議論だと思いますが、核保有国に対して軍縮・不拡散というものは、インドに対しても当然、求めていきたいと考えております。原子力協定そのものについて、今後、内容についてはこれから交渉していく訳ですが、例えば、核実験を行ったときに、日本として、そういうものは到底認め難い訳ですから、そういった内容についてどうやって盛り込んでいくかということは、これからの交渉次第であります。ただ、基本的な考え方は、私(大臣)からも伝えたいと思っています。

【フリーランス 上出氏】インドの原子力協定については、日本の被爆国としての立場から言って、もっと厳しい対応を取るべきだという声も一部にあるのですが、そういう点から言って、前回の会見のときに、国際的には一応、認められているの環境の中では適切な措置だと言っておられたのですが、今回、必要なことは言うと言っていますが、どのような形でインドに釘を刺すと言ったら変ですが、そのような問題についてどのように要望するのか、具体的にもしありましたら教えていただけますか。

【大臣】それは、会談が終わってからお話した方がいいと思いますが、日本の中で、今仰ったような厳しい世論があるということも率直に伝えたいと思います。ただ、私(大臣)がインドに前回、外務大臣になる前ですが、訪れた折も、かなり議論をいたしました。非常に印象的だったことは、共産党以外の各党代表が一様に核の保有ということについて極めて肯定的で、理由はいろいろ挙げておられました。パキスタンのこともありましたし、中国のことも挙げていました。非常に彼らとしては、強い信念を持って核開発を進めてきたということであります。また、かなりぶつかり合うかもしれませんが、日本の考え方というものをきちんと説明したいと思います。

【産経新聞 久保田記者】日印原子力協定の関連ですが、日本は国際原子力開発という官民合わせた原発の売り込みの機関を創る予定になっていると思うのですが、原子力協定と資源外交といいますか、原発の売り込みの考え方についてご説明ください。

【大臣】原子力協定がないのに原子力発電所を造ることを協力する訳にはいきません。ですから、原子力協定とそういった原発の大型プロジェクトの売り込みというのは、もちろん両立するようにしなければいけない。原子力協定なしで売り込むなどということは、全く想定していない訳であります。私(大臣)も、新幹線や水プロジェクトに並んで、原子力発電所の日本の優れた技術がありますので、そういったものについてきちんとルール化して、インドの場合はともかくとして、基本的に原子力の平和利用というのは、これは遍く認められたことでありますので、そのような中で転用されたりしないように枠をはめて、しっかりと協力していくということです。日本の優れた技術が採用されるということは、より安全な原子力発電所が建設されるということにもつながる問題だと思いますので、しっかりと外務省としても支援していきたいと考えております。

【産経新聞 久保田記者】原子力協定を資源外交、つまり、民主党の成長戦略の一つの資源外交の一つというように位置付けた上で、やはりインドとの協定を進めたいというお考えと受けとってよろしいでしょうか。

【大臣】いや、原子力協定とそれから原発の建設というのは、原子力協定がなければ建設はできませんが、建設を促進するために協定を作るということではありません。もちろん、原子力協定を限られたマンパワーの中で、どこと結ぶかというときに、近々、原子力発電所を造ろうとしているという国を優先するというのは、必要があるところから協定を結んでいくというのは当然だと思いますが、それ以上の結びつきというのは余り考えておりません。

【共同通信 比嘉記者】インドは確かにNPTの枠外で、核保有国ではありますが、核廃絶という最終的な目的というのは、日本と同じかと思います。その中で、日印で、核軍縮・不拡散という点で、どのような協力ができるとお考えでしょうか。

【大臣】この点も、核廃絶ということをインドは非常に昔から強く主張している国でありますので、そのための具体的提言、共通の目標という意味では、将来の共通するものがある訳ですから、何か協力することができないのか、我々は核の数や役割を減ずると、それから不拡散ということ、具体的にステップを踏んで進めていこうとしている訳なので、共に協力できる分野があるのではないかと、一度率直に話をしてみたいと思っています。

日韓関係(日韓併合100年)
【共同 斎藤記者】もう一度日韓に戻りたいのですが、日韓ではすでに日本政府としては菅総理の談話を出している訳なのですが、実際の締結100年の調印は22日、次ぐ発効は29日、これから来る訳で、韓国側ではメディアも相当いろいろ記事を書いてきているという状況であると思いますが、改めてこの22日、29日、日本政府として更に談話に何か乗っける形で何らかのアクションを考えているかどうかこの点の確認をさせて下さい。

【大臣】総理談話まで出たわけですから、そこに尽きているというように私(大臣)は思います。

【フリーランス 島田氏】談話に関係してですけれども、民主党は参院選挙で「元気な日本を取り戻す」ということをスローガンに戦われました。談話等でお詫び、謝罪という言葉をかつても何度も言葉にされていますけれども、そういうことで日本に元気とか自信とかいうものは取り戻せたりする、もしくはそういうマイナスな影響を与えたりする可能性というのはありますでしょうか。

【大臣】私(大臣)に聞かれても分かりませんが、何かお詫びをすることについて私(大臣)は何度も申し上げてますが、誤ったことについて、お詫びをするのは人間として当然のことであるというように思っております。しかし、だからといって卑屈になる必要は全く無いわけで、もちろんそのことについて申し訳ないという心からの気持ちはそれは重要ですけれども、そのことは他のことにまで影響を及ぼすというように考える必要はないというように思います。

ミャンマー情勢
【朝日新聞 山尾記者】冒頭仰ったミャンマーの総選挙の件ですが、総選挙が現状のまま実施された場合なのですが、その選挙結果は認められるとお考えでしょうか。

【大臣】選挙結果を認める、認めないという話と、それが開かれた公正な選挙だったかどうかというのは別の話であります。どの国も選挙そのものが全て無効であるというのはよほどの場合でないとそういう表現は使われないというように思いますが、我々としては未だ時間もありますから、開かれた公正な選挙が行われることを期待するわけであります。あとは選挙が行われた結果、どういう選挙が行われたかを見て、我々の考え方をその時判断するということだと思います。ただ無効というのは、よほどのことがない限り他国が言うべき言葉ではないと思います。

【フリーランス 上出氏】1990年のアウン・サン・スーチーさんが大勝利した選挙を取材したものです。その頃建設的関与ということで、外務省は少し米国とは違う立場でやっていたのですが、今回、最初言われた、国際的な要望には沿わない形でミャンマー政府がやっていると。実際にどのようにそれを変えていくために何がやれるのか、何をしていかなければならないのか、日本としての役割としてどういうように考えているか具体的に教えて頂ければと思います。

【大臣】今までいろいろなことをやってまいりました。外相とも3回ですか、かなり時間を取って議論を致しましたし、ミャンマーの首相が日本にお見えになった時にも、鳩山総理にもお話し頂きましたが、私も表敬をして、かなり長い時間、自由で開かれた選挙について様々意見交換をさせて頂いた訳であります。あとは、大使を通じて日本の考え方というものも伝えて参りました。そういういろいろな努力をしてきたにもかかわらず、全く顧みられない今回の発表については、先ほど申し上げたように、大変遺憾なこと考えております。今後どういうことが出来るのか、もちろん大使館を通じて日本政府の考え方を伝えて参りますが、それ以上にどういうことが出来るのかというと、あまり出来る余地は少ないかもしれません。しかし最後まで粘り強くやっていきたいというように思っております。

外交分野における菅総理への期待
【フジテレビ 高橋記者】菅総理の外務問題等の捉え方ですが、例えば、昨日、防衛省の幕僚等と会った時に「大臣は隊長なのか、何なのか」というような、ある種自分が知らないことが多いということを率直に言う機会というのが、外務、防衛に関して多いと思うのですが、内政は非常に得意ですが、一方で外交分野というのは、自分はまだ不勉強であるということを率直に認められる機会というのが多かったと思うのですが、菅総理について今後、外務分野等、国連等もありますけれども、どういった点で活動を期待していくのか、どのように勉強を進めて欲しいと思うのか、何か期待する点がありましたら教えていただきたいのですが。

【大臣】菅総理がどういう発言をしておられるのかということは、私(大臣)は報道以上のことを存じませんので、どこまでが総理の真意を伝えているかどうかということについては留保しておきたいと思います。私(大臣)も外務大臣になって感じたことですが、野党でいる時と与党になってからでは、いろいろな情報の質というものは違うわけであります、したがって、菅総理も今まで経済や財政の問題を中心に閣内におられたわけですが、外交の詳細まではご存知ないというのは当然のことだというように思います。したがって、今、重要な問題について、時間を見て順次ご説明をし、方針について総理の方からさまざまいただいているということです。

中東外交
【日本インターネット新聞 田中記者】中東政策に精通した中東調査会上席研究員の大野元裕さんが今度、参議院に当選されました。彼は 湾岸危機の時に人質となった邦人を保護したりしたのですが、こういった(中東情勢を)身を持って知っている方を、これからの日本の中東外交に活かすというお考えはないのでしょうか。

【大臣】大野さんは当選される前から私(大臣)もよく存じあげている人ですし、選挙も何回も応援に行ったわけですけれども、選挙期間の間ずっと、あの埼玉だけが土砂降りのなかで応援したのでよく覚えているのですが、いずれにしても、そういった専門家の知見というものは是非活かしていきたいというように思います。必要に応じてご意見を聞かせていただいたり、もちろん、ご本人も部会などでいろいろな発言をされると思いますが、私(大臣)も親しい仲なので必要に応じてアドバイスをいただきたいというよう考えています。

日韓関係(日韓併合100年)
【産経新聞 久保田記者】日韓併合100年の件でお尋ねします。朝鮮儀軌をお渡しすることについて、どういうことを考えられているのかということが一つと、韓国側から慰安婦の補償問題について、昨日も日韓の議員の討論会があったようですが、補償を求める声が出ておりますけれども、それについてのご見解をお願いします。

【大臣】朝鮮半島由来の儀軌をはじめとするそういった文書について、お返しするには当然、条約が必要になります。その条約をいつ出すのかという問題ですが、まだ決めておりません。これから始まる国会に出すのか、通常国会になるのかということも含めて、これから検討していきたいと思います。いつぞやも申し上げたと思いますが、当然条約ですから、国会で審議されるわけで、できれば私(大臣)は、多くの方の賛同を得て条約が可決成立することが望ましいと思います、そういう意味で丁寧に説明をしていく必要があると思っております。
 慰安婦の問題につきましては、日本政府としては、この問題については従来から基金を通じて対応がなされたわけで、その段階で金銭的な補償の問題については終了したという認識です。




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