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2010.06.01|記者会見

岡田外務大臣とジャパン・プラットホームとの共同会見(平成22年6月1日)

岡田外務大臣とジャパン・プラットホームとの共同会見(平成22年6月1日(火)15:00~15:37 於:本省会見室)

○冒頭-アフガニスタン・パキスタン人道支援の開始について(ジャパン・プラットホーム 長有紀枝共同代表理事)
○アフガニスタン・パキスタン人道支援

冒頭-アフガニスタン・パキスタン人道支援の開始について
【岡田大臣】私(大臣)、NGOの力をもっともっと借りて、そしてODA、経済協力を進めていきたいと従来から考えてまいりましたけれども、この度、その節目となる1つの仕事ができましたので、ご報告をしたいと思います。
 5月27日、NGOの緊急人道支援組織であるジャパン・プラットフォームが、アフガニスタン・パキスタン人道支援事業の実施を決定いたしました。日本政府としても、学校、診療所、給水施設の整備など、現地コミュニティのニーズに合った形で支援を行う日本のNGOを支援していくため、その第1フェーズに最大15億円までの政府資金の活用を決めたところでございます。これは、昨年11月に発表したアフガニスタン・パキスタンに対する新たな支援パッケージの実施に当たって、NGOとの連携を更に深めるものであり、我が国の草の根の平和構築支援として大きな一歩を踏み出すものであります。本事業はジャパン・プラットフォームの単独のプログラムとしては過去最大の規模であり、従来の政府資金を活用した我が国NGOによる対アフガニスタン支援の約5倍の規模であります。事業計画概要については、長ジャパン・プラットフォーム共同代表理事からご説明いただくことにしたいと思います。政府としても、この問題について、長さん始め、ジャパン・プラットフォームの皆さんと長い間議論をしてまいりました。その中身、特に安全に関する話し合いなども行ってまいりまして、一定の合意に達したので、本日はご報告するものであります。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】ただいま、大臣よりご紹介いただきましたジャパン・プラットフォームの共同代表理事をしております長有紀枝と申します。霞クラブにおける大臣のこうした会見の前に先立って、共同記者会見という形で外部の者が参加するのは極めて異例と伺っております。ですが、皆様の多額の税金をお預かりして、アフガニスタンという危険地で活動するにあたっては、皆様にご報告する責任があると思って本日はやってまいりました。また、発表のタイミングにつきましては、皆様、違和感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、大臣からもお話がありましたように、プラットフォームとしましても、約半年強にわたってこの問題はずっと議論してまいりました。やはりアフガニスタンという危険地であること、そこで私たち日本のNGOに何ができるのかということ、もう既に個々のNGOがいるときに、プラットフォームという枠でどのような一体感を持った質の高い援助ができるのかということ、或いはモニタリングをどうするのかとか、いろいろな問題をいろいろな場で話し合ってまいりまして、約半年の時間を費やしたのですが、大変詳しい議論を行ってきました。その意味ではプラットフォームという組織の健全性の表れかとも思っております。本日は、短い時間ですが、プラットフォームについて少しと、支援内容につきまして、今後の予定につきまして、3点手短にご報告を申し上げます。
 プラットフォームは2000年にスタートしました日本のNGOによる人道支援をオールジャパンで支援していこうという組織でございます。33の日本のNGOと外務省、経済界、学術界、メディアなど多様なセクターからなる組織でございます。資金に関しましては、外務省からの政府支援金と、経済界や個人の方々からの寄付金で運営されております。支援の内容につきましては、お手元に本日ご用意いたしました資料にあるとおりですが、私どもとしましては、国連を始めとする国際社会の人道支援の戦略に則りながら、これから申します方針に従って、緊急支援、復興支援を通じてアフガニスタンやパキスタンの方々の生活に資する支援をしてまいりたいと思っております。期間は2010年から5年間。そのうち7月から来年12月までの1年半を第1フェーズとして予定しております。支援の重点分野ですが、社会基盤の整備、教育・保健の強化、平和構築、この3つを重点分野として考えております。支援の地域ですが、アフガニスタンと国境を接地しますパキスタンの北西辺境州に住んでいらっしゃる一般の住民の方たちです。ただし、残念ながら大変治安の悪いアフガニスタンの南部の6州については、少なくとも第1フェーズにつきましては、活動の対象地とはしておりません。これは一重に安全治安上の問題からです。予算でございますが、この第1フェーズ、1年半の予算は15億円ということで、これについては政府支援金を財源としておりますが、同時に広く民間の方々にもご協力を呼び掛けてまいりたいと思っております。そして、運営、安全管理面。皆様一番お気になさるところかと思いますが、これにつきましては、当面、日本、或いは隣国からの遠隔管理方式を取る予定でおります。また、お手元の資料にありますとおり、安全の5原則に従って活動してまいります。特に経験のあるNGOが、経験のあるスタッフのみで入るということ。また、誰に強制された訳でもなく、私自身の責任において現場に入るということでございます。実際に活動を予定しております団体は、プラットフォームのメンバー33団体中の3分の1に当たります11団体で、アルファベット順に申しますと、難民を助ける会、ADRA Japan、BHAのテレコム支援協議会、ケア・インターナショナルジャパン、JADE(緊急開発支援機構)、JEN、日本国際民間協力会(NICCO)、ピースウィンズ・ジャパン、セーブ・ザ・ザ・チルドレン・ジャパン、シャンティー国際ボランティア会、ワールド・ビジョン・ジャパン、この11団体でございます。
 今後の予定でございますけれども、プラットフォームで出動すると言いますと、皆様すぐに現場に入られるとお思いになられるかもしれませんが、お手元の資料にありますとおり、それぞれのNGOが申請書を用意しまして、それを審査委員会を通して、そこで審査を通りました後に常任委員会という組織でゴーサインを出して、それで初めて現場で活動を開始するということでございます。
 また、詳しいことにつきましては、明後日になりますが、ジャパン・プラットフォームで活動するNGOがみんな揃ってジャパン・プラットフォームの記者会見で皆様により詳しくお話をさせていただく予定でおります。

アフガニスタン・パキスタン人道支援
【共同通信 斎藤記者】今のお話の中で、この支援ですが、基本的には遠隔操作方式を取るというお話でした。となると、いわゆる邦人、つまり皆様方は現地に入られない代わりに、これを執行する方々が現地で事に当たるということだと思うのですが、どういった方々、どれぐらいの規模、そしてまた、その連絡はどのようにしていくのか、この辺についての説明をお願いします。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】ただいまご質問がありました遠隔操作方式でございます。これは日本のNGOだけではなくて、危険地で活動するときに、イラクなども含めてですが、欧米の多くのNGOも取っている方式でございます。遠隔と言っても全く日本人が入らない訳ではなくて、折に触れ、出張という形では現地に参ります。出張していない時期は日本や隣国におる訳なのですが、その間は現地の職員の方々が中心になって活動を行っております。調整ですが、Skypeなどを使ったりですとか、或いはEメールなどは通じますので、そういったもので始終連絡は取っておりますし、或いは、時によっては、アフガニスタンから日本に来ていただいて調整というようなこともあろうかと思っております。繰り返しになりますが、これは日本のNGOだけが、プラットフォームだけが、取っているものではなくて、危険地で活動するときの1つの手段として、こうした人道支援の業界で広く取られている方法でございます。

【週刊金曜日 伊田記者】こういった枠組みができたこと、努力されたことに敬意を表します。貴重な税金が投入されるということですので、敢えてお聞きするのですが、この主な事業を全部足すと14億円なのですが、残り1億円はどういうことになるのか、詳しくご説明いただければと思います。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】現在の時点でこれぐらいの事業規模になるだろうというものの積み上げで、きちんとその額がはっきり使われるという訳ではございません。これから11のNGOが、その組織によって準備の出来状況で申請の時期は変わってくるのですが、それぞれがまた再度見積もりを取り直したりですとか、申請書を積み上げて、最終的には15億にいかない可能性もあると思っております。これから個々の事業の詳細が決まっていくという形でございます。

【週刊金曜日 伊田記者】差額の1億円は予備費と考えているのですか。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】予備費ですとか、モニタリングなどの費用になるかもしれませんし、或いはもう少し支援が広がった場合には15億以上の資金が必要になって、その際には民間の方々にも広く呼びかけてまいりたいと思っています。15億を超える場合もあると存じております。

【大臣】これは15億で第1フェーズは終わりでなくて、その後もあります。

【NHK 別府記者】去年の11月に発表されました民生支援中心の支援策の中での位置づけの確認なのですが、あれに基づいて初のNGOと協力して行う事業になるという、初物と位置づけてよろしいのでしょうか。

【大臣】それを初物と言うかどうかですけれども、金額もかなり大きいですし、NGOとタイアップして外務省が行うものとしては、今までにない取組みだと思います。NGO側からの非常に意欲的なご提案もいただく中で、ずっと話し合いを行って本日に至ったものであります。これがうまく成果が出せることになれば、今後更に広がりを持つ話だと考えております。

【日本インターネット新聞 田中記者】私もアフガニスタンに二度ほど入ったことがあるのですが、年々歳々危なくなっていて、もはやジャーナリストは入れないぐらい厳しくなっていると思います。そこでNGOの方が入ってくださるのは非常にありがたいのですが、とにかくアフガニスタンをブラックボックスにしてはいけないのです。それで、NGOの方は支援活動に入っている訳で、今こうなっているというところを伝えるプロではないですね。そこら辺で時々ジャーナリストを同行させるとか、そういったことは考えておりませんでしょうか。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】組織によっては、そういったことをしていらっしゃる団体もあるかと思います。プラットフォームもアフガニスタンではないのですが、これまで支援地での活動を広く募金をくださった方々に知っていただくために、カメラマンの方に同行していただいたことはございます。これから個々の組織がその辺を検討していくかと思います。プラットフォームとして同行させるということは、現在は想定しておりません。

【読売新聞 川崎記者】大臣にお伺いしますが、予算の第1フェーズの総額は15億円ということで、これは政府が15億円目いっぱい出す用意があるという理解でよろしいのかどうかということと、今回、つまり金額の面が大きいというのが初めてという意味で、これまでもこういうNGOとのタイアップはしてきているとは思うのですが、どういう面で新しい取組みなのかということについて、もう一度ご説明をお願いします。

【大臣】金額も大きいですけれども、ジャパン・プラットフォームという日本のNGOの主なところが集まって作っているところに、外務省がお金を出してアフガニスタン支援という1つのテーマでやるということは、今までなかったことであります。第1フェーズで15億ということですけれども、これで成果が出れば新しい1つのツールとして、外務省としても更に力を入れていきたいと考えております。つまり、JICAとか、国際機関とか、そういったことを通じた支援のほか、NGOの皆さんを通じた支援というものをより本格化させていく意味で、非常にパイプを太くする1つのきっかけだと考えております。

【フリーランス 岩上氏】長代表にお話をお伺いしたいと思います。ジャパン・プラットフォームというものがどういう組織であるのか、既によくご存じの方も多いと思いますけれども、インターネット等で今、不特定多数の有権者国民、納税者に向かって話せる機会でもありますので、なぜ個々のNGOで支援を行うのではなく、それが集結して、しかも国と一緒になって動くのか。それによってどういうメリットがあるのか。集まって動くことの意味、意義を少し易しく説明していただけるとありがたいと思います。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】ご質問どうもありがとうございます。もともとジャパン・プラットフォームが2000年にできますときに、その理由なのですが、プラットフォームができるまでは、何か海外で事がありますと、日本のNGOはそこで自分たちが持っているなけなしのお金で行って、現場を見てきて、帰ってきて記者会見を開いたりですとか、支援者の方に呼びかけて募金を集めて、それから、再度支援に出かけるというと数か月が経っていまして、当初の緊急事態が終わっているという事態を何とかしようということで、外務省に働きかけ、一緒に作ってまいったのがこのジャパン・プラットフォームでございます。
 外務省だけではなくて、経済界からもご支援をいただきまして、自然災害などにつきましては、本当に24時間以内に現場に行けるような体制が整っております。それまでも個々のNGOは現地で活動はしておりましたけれども、まず個々のNGOですと先ほど申し上げたような何か事が起きてから時間がかかると、それがプラットフォームができたことによって、もとからあるプラットフォームの資金で出動することができるようになりまして、本当に出足が早くなったということです。まさに緊急支援ができるようになったのは、プラットフォームがあるからこそと思っております。
 更に、今は募金のことを申し上げていますが、企業の方々からしても1つのNGOを支援するというよりは、日本のNGOが30団体集まっているところに支援するということで、いろいろな方々のご理解が得やすくなることも伺っております。そうしたことから外務省資金と民間のお金を集めて、私どもは活動している訳なのですが、単体でやりますとどうしても現場にあるニーズが、例えば、私がいる難民を助ける会は地雷だけになってしまったり、或いは子どもさんを対象にしている組織は子供だけとか、シェルターといってテントなどをしているところはテントだけとか、なかなか支援が点になってしまうのが、プラットフォームとして全体としてやることによって、点ではない面として現地のさまざまな状況に応えられることがあると思います。また、1団体ではなくて三十数団体のNGOが集まっていることで、オールジャパンなら応援してあげようという皆様が大変多くいるのも事実でございます。

【フリーランス 岩上氏】関連してのことを大臣にお伺いしたいのですけれども、ジャパン・プラットフォームという形で集まった団体に対して、今、募金上のメリットというお話もありましたが、これは外務大臣にお聞きすることではないのかもしれませんけれども、税制の優遇とか何かそういう寄附をすることによる控除とか、こういった点で寄附する側にも何かメリット、或いは特例とか、そういうことを設けられる可能性は現時点だけではなくて、近い将来も含めてその辺を教えていただければと思います。

【大臣】ジャパン・プラットフォームだからということではないのですけれども、NGOに対する寄附について、NGO全部に対象になるのですか。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】全部ではないです。認定NPO法人は税制の優遇措置をいただいております。

【大臣】今回はオールジャパンでやりますので、寄附金の集め方も何か工夫ができないかということは、今いろいろと模索をしているところです。例えば、コンビニに行ってすぐ寄附ができるとか、そういうもっと身近なところで、うんと頑張らなくても、すぐ寄附ができるような仕組みづくりというのができないものかと考えているところです。アフガニスタンの人々を助けるということで、国民の関心がそれによって更に高まることも期待できる訳です。そういう新しい取組みも検討中です。

【フリーランス 岩上氏】では、集まったことによる特例はないということですね。

【大臣】もともとNGOに対しての寄附の特例というのはありますから。

【共同通信 西野記者】アフガニスタン支援は、いろいろと難しいところがあると思うのですけれども、JICAとか、従来の大使館を通じて情報収集をするとか、これまでの日本の支援と今回のNGOを活用したというか、NGOと一緒になってやる支援の違いといいますか、メリット、或いはデメリットはいろいろあると思うのですが、そこら辺については、大臣はどのように判断されたのかということを、まずお聞かせください。

【大臣】もちろん、JICAのアフガニスタンにおける支援というのは、非常に意味のあることを本日までやってきたと思います。しかし、なるべくいろいろな多様な担い手があっていいと思います。特にNGO、まだまだ欧米のNGOに比べると規模は小さいかもしれませんけれども、非常に熱心に、特に若い人たちが一生懸命、汗を流して公のために働いている訳です。そういうところに対して、国としてももっとしっかりと後押しをしたいと思った、それが最大のきっかけであります。

【共同通信 西野記者】反面、遠隔操作ということで、慎重な対応から入るということなのですけれども、一方で安全確保という面は非常に大きな課題として残ると思います。丸腰の人たちが行く訳ですから、どのように安全確保をやっていくのか、政府としてそこら辺はどのように考えているのですか。

【大臣】ここは、私(大臣)、或いは福山副大臣とプラットフォームの皆さんとの間で相当議論を重ねたところであります。初めての試みでもありますので、危険ということに対しては、私たちはかなり慎重にということで、むしろプラットフォームの皆さんにお願いをしたところであります。余り慎重にし過ぎると、なかなか現場に行けないということもあるかもしれませんが、そしてNGOの皆さんはプロですから、そのプロの皆さんに、これもだめ、あれも危ないというのはいかがなものかという気はしますけれども、せっかくの新しい試みでありますので、何か事故が起きて、それが途中で頓挫してしまうということにならないように、非常に慎重な取扱いということを相談して、合意したところであります。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】私からも一言よろしいでしょうか。今のお話で、まずNGOを活用したというご質問がありましたが、私どもは活用されたとは少しも思っておりませんで、やはり私どもの方から、日本のNGOだからこそ、政治的にも、宗教的にもアフガニスタンにおいて中立な日本のNGOだからこそできることがあるのではないかということで、外務省にもずっとお話をしてまいりましたが、今、まさに話題になっていました安全対策のところで、実は話が宙ぶらりんで、何か月も過ぎてしまったというのが実態でございます。例えば、外務省の方では「危険であるから防弾車を必ず使うように」ということに対して、私どもNGOは、「防弾車を使うことによってかえって目立ってしまう。それによる危険性もあるのではないか」というようなことで、防弾車の使用1つにつきましても、外務省と長い折衝がありまして、本当であれば、今年の初旬ぐらいには私たちはスタートできるかなと思っておったのですが、特にこの安全面のことで時間を要しました。最終的には、プラットフォームとしても、最終的な判断といいますか、責任をとるのは現地に行く個々の団体で、個々の団体ごとにセキュリティーといいますか、安全に対するまさに自分の職員の命に関わる面というのは、それぞれ状況は違いますし、また活動する現場もそれぞれ違いますので、活動する現場ごとに防弾車が有効な地域もあれば、防弾車を使うことでかえって目立ってしまって、ターゲットになるということもありますので、最終的な判断は個々のNGOにお任せいただいているということが実情でございます。

【テレビ朝日 山本記者】支援した後の話ですけれども、実際こういった支援を行った後に、うまく回っているかとか、現地の人の役に立っているかとか、そういった問題もあると思いますが、なかなか危険地域で入りにくいという点もあると思いますが、そういう検証作業というのは、どういった工夫を考えていらっしゃいますか。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】その検証作業を私たちはモニタリングと呼んでおりますけれども、ジャパン・プラットフォームでは、支援活動をした後に、必ず部外者の中立な立場の方も入れてモニタリングを行って、そこで事業の評価をしております。やはりアフガニスタンの場合は、このモニタリングについても今回時間がかかった要因の1つです。私たち自身が遠隔操作になるようなところで、一体、誰にどうやってモニタリングしていただくのだろうということです。モニタリングを必ずするということは決定しておりますが、ではどうやって、いつどの段階でというのは、現在も検討中でございます。ただ、必ず第2フェーズに行くにあたっては、第1フェーズのモニタリングをしっかりして、その上で進もうということだけは決めております。

【フリーランス 小山氏】他の国のNGOは、自分たちの安全を守るためにどういうことをアフガニスタンでやっているのでしょうか。軍隊を使っているのですか。それとも何か他の方法を使っているのでしょうか。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】NGOで軍隊を使ってというのは、全くないという訳ではないと思いますが、例は本当に少ないかと思います。アフガニスタンには、アフガニスタンNGOセキュリティーオフィス(ANSO)というNGOが、安全管理だけで情報交換をしているネットワークがありまして、そういったところの情報を取りつつ個々の団体でやっています。この点に関しましては、本当にそれぞれの組織のケース・バイ・ケースである場合が多いです。ただ、私どもが現場に行くときには、そういう欧米の団体がどのようなセキュリティー対策を取っているかということも、事前にかなり調査した上で行くつもりでおります。

【共同通信 比嘉記者】確認ですけれども、この15億円の予算について、政府支援金というのは11月に発表しました50億ドルの一部と考えてよろしいのでしょうか。

【大臣】50億ドルの内訳と考えていただいて結構です。

【共同通信 比嘉記者】あと一点。鳩山総理が「新しい公共」の概念を提唱されていますが、それとの関わりというのはいかがでしょうか。

【大臣】それは関係あると言えば、あると言えますけれども、そのことを今の時点で明確に位置づける訳ではありません。こういったことがうまく成功して、NGOの活動の領域が更に広がれば、これはまさしく「新しい公共」の1つの具体例といいますか、そういうことになるのだと思います。

【共同通信 西野記者】改めて、このような形で共同記者会見をするということに至った経緯ですが、大臣の方からお持ちかけになったのか、長理事長の方からお持ちかけになったのか。このような形でやること自体の意義ですが、異例の会見だと思うので、改めてそこについて短くコメントしてください。

【大臣】私(大臣)は、これを発表するにあたって、当事者であるプラットフォームの代表の長さんに来ていただいた方が、より説得力があると考えました。共に仕事をしていくパートナーとして、共に記者会見をさせていただいた次第であります。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】私どもの方も、やはり政府支援金で活動させていただく訳ですから、こういう機会に皆様にご報告するのが私どもの責務と思いました。とはいえ、こういう場所でNGOの細かい活動はご説明できませんので、別途、明後日の夕方5時からですけれども、ジャパン・プラットフォームの事務局で、参加するNGOが揃った記者会見を予定しております。

【ビデオニュース 竹内記者】長さんと大臣と、お二方に伺いたいのですが、コストパフォーマンスの面で、以前、弊社の番組で長さんにお話を伺ったときに、大きな国際的なNGOとかがやるよりも、もっと小さなNGOの方がコストパフォーマンス上、そこは有利であるというお話を伺ったのですが、その点について、政府が15億円というものを政府間で出すことに比べて、NGOに15億円出すというのがコストパフォーマンス上、どのように考えているのかということについて、特にお考えがございましたら、お話を伺えたらと思います。

【大臣】もちろん、税金ですから、無駄なく使わなければならないということは当然であります。コストパフォーマンスで、今回のものと何とを比べた場合ですか。

【ビデオニュース 竹内記者】政府間で、例えば15億円ですとちょっと少な過ぎますけれども、アフガニスタンの政府に対して直接15億円払ったりするとか。

【大臣】それは一種の役割分担だと思います。アフガニスタン政府でなければできないこともありますし、より住民の皆さんに近いところにあって、まさしく草の根でやっていく、そういった活動はNGOにお願いした方がより効率的ないい仕事ができると私(大臣)は思います。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】今、ご質問いただいた点ですが、私ども、多分国連が使うお金よりは、11団体で1年半で15億円というのは決して大きな額ではないかもしれません。ただ、良い、悪いは別にして、NGOの給与とか手当というものが国際機関の職員と比べますと、その何分の1、場所によっては本当に10分の1まではいかない、一けた違うようなところで、よくも悪くもそういったものに回らない分、より多く現地の方々の支援に生かせるというように思っております。
 それから、遠隔操作のところで申しそびれてしまったのですが、遠隔操作の問題の一つは、私たち外国人の安全を確保するために、現地の方々を反対に危ない目に遭わせてしまうようなことが多くなっては、本当に元も子もないことですので、私たち日本人だけではなくて、現地の方々の安全対策というものも十分考えて、それにも必要な資金は使っていきたいと思っております。

【日本インターネット新聞 田中記者】私も世界各地で、世界のNGOの活動、日本のNGOの活動を見てきたのですが、政府間の援助はゼネコンに落ちたり、向こうの政治家に落ちたりすることが多いのですが、NGOの活動は本当に現地の人に役立っているのを見ています。それで、長さんがさっきおっしゃったように、日本のNGOだからできるというのはとてもいいスタンスだと思うのです。イスラムでもないし、キリスト教でもないし、ヨーロッパでも、米国でも、ロシアでもない。それで、とても日本のNGO活動というものは現地で役立っているのですが、これはアフガニスタン・パキスタンだけではなくて、例えば、ガザとかイラクとかにも広げるというお考えはないですか。

【大臣】これは第一歩なのです。ですから、将来的には更に大きな広がりを持って考えたいと思っています。

【ジャパン・プラットフォーム 長代表理事】イラクにつきましては、プラットフォームで既に展開はしておりますし、ガザにつきましては、プラットフォームのメインの活動ではないのですが、積み立てた自己資金といいますか、民間資金を中心にして、平和構築パイロット・プロジェクトというものをプラットフォームはやっておりまして、それではガザも一応、対象になっておりまして、予算規模は数百万円と、今回のアフガニスタンと比べて本当に小さいのですが、でも、取り組もうとはしております。

【週刊金曜日 伊田記者】大臣に、簡単で結構なのですけれども、そもそも、なぜアフガニスタン・パキスタンで最初にこういうことをやられるのか。つまり、貧困の撲滅というものがテロを無くすために重要であると考えて、ここを選ばれたのかどうか。その点についてお聞かせください。

【大臣】まず、アフガニスタン支援に対する政府の取組姿勢、これは非常にプライオリティーが高い訳であります。だからこそ、大きな金額を考えている訳です。そして、そういう中で、むしろNGOの、プラットフォームの皆さんから、是非、このアフガニスタンでやりたいというお話もいただきました。ですから、両者の考え方がまさしく一致した、そのようにお考えいただければ結構だと思います。

【週刊金曜日 伊田記者】プライオリティーがなぜ高いのかということは、どうお考えでしょうか。

【大臣】それは、アフガニスタンというのは、まさしく長く続いた戦いの結果として、貧困があり、そして、そういう中でテロへのつながりというものも出てきている。やはりアフガニスタン、或いはパキスタンというところをしっかりと支えていくというのが、私(大臣)は国際社会として共通のテーマであると考えております。そのために日本政府としても、例えば、元タリバン兵士の社会復帰とか、和平とか、和解の促進とか、そういったことに力を入れてまいりましたし、その延長線上に今回のこともあるとお考えいただいたらと思います。




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