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2006.02.14|マスコミ

考えが明白に異なる人は民主党から出せない

昨年の総選挙の前、当時民主党代表だった私に、堀江貴文さんのほうから「会いたい」という話があり、90分間話をしました。出席者は5人。ライブドア側は 堀江さんと取締役だった宮内亮治さんら計3人が出席しました。これまで会談の内容を表に出すことは控えてきましたが、「民主党も堀江氏に出馬要請した」と いう誤った情報が意図的に流されているので、説明責任を果たす意味でお話しします。

民主党が出馬要請をした事実はありません。それは私が堀江さんの発言を聞いて、民主党の考え方とは合わない、民主党からは出せないと判断したからです。

「国民はバカだ」

「強い者をさらに強くすることが日本のためには必要だ」

「民主党でも自民党でもどちらでもいい。政権をとるほうから出たい。早く与党という立場で自分の思いを実現したい」

すでにその時、堀江さんは自民党の武部勤幹事長と会っており、具体的な選挙区名もあがっていたので、僕・u桙ヘ「自民党から出ることはやめたほうがい い、人気者を出して選挙を有利に運ぼうとしている自民党に利用されるだけだ」と忠告しました。しかし堀江さんは「自分は負ける勝負はしないんだ。フジテレ ビの時も損はしていない」という言い方をしていた。選挙そのものの勝敗は別にしても、ビジネスを含めた総体としてはマイナスにはならないという判断をした のでしょう。自民党から出たいという発言はありませんでしたが、総選挙出馬の意志は固かった。

自民党と堀江さんはお互いに相手を利用し合ったのです。自民党は、堀江さんの自社株の時価総額を上げるという企業戦略に貢献した。一方、堀江さんは自民党の広告塔として最大限利用され、自民党は比例で少なくとも数十万の票を手にしたと思う。

自民党は特定企業のオーナー経営者の人気を利用して選挙を戦い、政党が越えてはいけない一線を越えてしまった。確かに、堀江さんが違法行為をしているこ とは事前にはわからなかったでしょう。しかし、自民党がつくり上げたホリエモンの虚像を信じて投票した有権者や株を買った株主に対して、小泉総理には責任 があるし、国民に謝るべきです。

また広島6区をはじめとする「注目の選挙区」をおもしろおかしく報道したメディアにも責任があると思います。メディアには公共性があるのだから、単におもしろければいい、視聴率がとれればいいという発想は乗り越えてもらわなければいけない。

とはいえ僕にとっても、堀江さんに出馬要請しないという決断はしんどかったですよ。代表として、選挙には勝たなければいけないという思いがありますか ら。民主党から堀江さんが出馬すれば、選挙の流れは変わったかもしれません。公示前からテレビがどんどん堀江さんを取り上げるのを見て、若干、これでよ かったのかな、という逡巡はありました。 しかし堀江さんが逮捕されたことで、国民のみなさんも気づいてくれたのではないでしょうか。政治が「なんでもア リ」に堕してはいけないということに。(談)




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