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2001.05.15|国会会議録

平成13年5月15日 第151回国会 衆議院予算委員会

岡田委員 きょうは、外交問題から質問をしていきたい、議論したいというふうに思っています。

まず、総理にお尋ねしたいと思います。

アメリカのブッシュ新政権が発足をいたしまして、政権がかわったから当然なんですけれども、新しい幾つかの注目すべき動きがあるというふうに私は思っております。総理も六月には日米首脳会談を考えておられるという報道もありますけれども、現時点において、日米首脳会談が行われたとすれば、何を一番ブッシュ新大統領とお話しになりたいというふうにお考えでしょうか。

小泉内閣総理大臣 まだいつ会談が実現するか決まっておりませんが、サミット前には、できたら直接話し合いの機会を持ちたいとは思っております。

その中で私が第一にお話ししたいことは、戦後の平和と発展は日米友好関係の基礎に成り立っている、今後とも日米安保条約を堅持して、この日米安保条約が有効に機能し、日米協力が緊密であればあるほど、隣国を初め各国との協力関係が発展できるのではないか、日本の国益を考えた場合、日米友好関係こそ最も大事な外交関係である。一部には、日米関係が多少損なわれても、ほかの関係国との協力関係を深めていけばいいのではないかという議論がごく一部にありますが、私はそういうことは断じて考えていない。日米友好関係がよければよいほど、他国ともよりよい友好関係が築けるものだ、私はそういうふうに考えているということを申し述べるつもりであります。

岡田委員 日米重視であるという総理のお考えはよくわかりましたが、ただ、今総理の答弁を聞いていて、私は気になりました。言葉が非常にあいまいであります。

つまり、三つの言葉があったと思います。今おっしゃった中でも二つあった。日米安保条約が有効に機能する、そして日米友好関係。所信表明演説では、同じコンテクストの中で、日米安保体制が有効に機能するように努めると言われた。今は、日米安保条約がと言われた。これは従来、違う意味で言われてきたと私は思いますが、どちらが真意でしょうか。

小泉内閣総理大臣 大枠の中で考えていただきたい。日米友好関係の中には、安保条約が有効に機能しないと友好関係は保てない、友好関係は大事だということを重点的に言ったということを御理解いただきたいと思います。

岡田委員 それじゃ、この所信表明演説の中で、総理は日米安保体制がより有効に機能するように努めるというふうに言われておりますが、そのことの具体的意味をお教えいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 日米安保体制というのは日本とアメリカの安全保障を考える上において最も重要なものでありますから、これが有効に機能するようにその場その場でお互い協力していく。

具体的な点と言われたが、どういう事態において具体的な点かということを御指摘いただければお答えいたしますが、総合的に有効に機能されるように各省庁と連絡をとりながら判断するという基本方針に私は変わりないと思っております。

岡田委員 この中で述べられているのは、日米安保体制がより有効に機能するよう努めるということでありますから、現状よりも変えたい、そういう総理の何か具体的な意図が含まれているのか、こういうふうに思って質問したわけですが、今の御答弁ですと、むしろそういうものは具体的に考えていない、こういうことでよろしいんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 いろいろ細かいことまで言われますが、それは日米友好関係がより発展するという意味と同じですよ。日米安保体制がより有効に機能する、日米友好関係、もういろいろな分野で協力関係を進めていきたい、そういう意味で使っているわけであります。

岡田委員 今の細かいという表現は取り消していただきたいと思いますが、具体的な話はないというふうに理解をしておきます。これは本当は大事な話ですよ。

それじゃ、次に外務大臣にお尋ねしたいと思っています。

先般、アーミテージがやってまいりました。それにお会いにならなかったことについてはきのう説明を聞きましたので、きょうは申しません。ただ、ブッシュ大統領の唱える新たな戦略的枠組み、これは私は非常に重要な内容だというふうに思っています。

簡単に申し上げると、一つは、脅威の概念を変える。従来のソ連、ロシアの大量破壊兵器じゃなくて、一部の無責任な国の少数のミサイルが脅威であるというふうに認識を変える。そしてそのための、ミサイル防衛を可能にするための枠組みが必要である。三番目に、従来の戦略核について大幅な削減をする。こういう一つのパッケージであります。

このことについて外務大臣は、アーミテージの方は同盟国である日本と協議するために来日したということでありますが、外務大臣、お出にならなかったようですが、このブッシュの新しい提案に対してどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

田中国務大臣 お答えいたします。

私も、日米の関係は大変重要だというふうにずっと考えてきております。

それから、お尋ねとはあれですけれども、どのようなメッセージを持ってアーミテージさんが来られたか、お目にかかっておりませんので、まだ事務方からも、報告を早く上げてくれというふうにお願いをしてありますが、中身を聞いておりません。したがって、もう少し時間をいただいてからでないと、中身を吟味してからでないとお答えいたしかねます。

岡田委員 ちょっと今のお言葉は、私には理解しがたいことであります。

このブッシュの提案は、冷戦後の枠組みを大きくがらりと変える、非常に大事な提案だと私は思っています。

もちろん、問題はいろいろあります。日本にとっても、例えばミサイル防衛というのは本当に技術的に可能なのか、あるいはこれに参加するときに今の憲法のもとでできるのかという問題もあります。

しかし、私はこの提案に対して非常に魅力を感じるのは、冷戦時代の象徴であった米ソ両国の、何回でも人類を殺せるという大量破壊兵器を、それを下げていこう、そういう考え方のもとで組み立てられている。私は、それだけの大量破壊兵器を持つということは極めて非人間的であるというか、あるいは反人間的であるというふうに思っておりますが、そういうものを変えるという可能性を持った提案でありますから、これは、我が国としてもどういうふうに対応していくかということは重要な課題であります。それを外務大臣が御存じないということは、御存じないというか事務方から上がっていないということは、この国の外交が動いていないということを意味しているんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。

田中国務大臣 岡田委員のおっしゃっている趣旨は十二分によく理解しておりますけれども、まだ詳しく、最終的な決定も何も出ておりませんので、内閣一体となって協議をしてからまたお答え申し上げる機会があればというふうに考えます。

岡田委員 それでは、もう少し具体的に聞きますが、この中で、ABM条約を新たな枠組みに変える、そのために米ロが協力しなければいけないという提案が含まれております。この点について、外相はどういうふうにお考えでしょうか。

田中国務大臣 ロシア、中国等の対応もはっきりいたしておりませんし、事務方からまだ上がってきておりませんで、きのうもおとといも、私は北米局長に……(発言する者あり)そうなんですよ。ところが、新米なものですから、北米局長に今ほども三回目の、早目にということを申しておりますので、それを見て検討させていただきます。

岡田委員 私は、これは事務方が議論する話ではなくて、アーミテージは政治家として議論をしに来たと思うんですね。あなたがいろいろな御都合でお会いになれなかったことはさておくとして、それでは、副大臣がお会いになっているわけで、事務方がという話じゃないはずであります。副大臣からはお話は聞いていないんでしょうか。

田中国務大臣 先生方がおっしゃる趣旨は私も全く同じ思いがしておりまして、したがって、私が、ちょっとこれは別件ですが、議員立法をやっておりますのも、役所のところで官僚ばかりが情報を掌握していて、殊に幹部がですね、それによって政治家に情報が上がらないことによって国益があるいは世界との関係がミスリードされて損なわれてしまうことはならぬという観点で議員立法を、もう法制局ででき上がっておりますけれども、そこでちょうど拝命をいたしましたので、それをまさしく事務方に指示をしておりますけれども、なかなか、百三十年も歴史のある官僚制度というものは、まだ二週間ぐらいの内閣では動きませんので、頑張っておりますので、ぜひ応援をしていただきたいと思います。

岡田委員 私は、今のお話を聞いていて、本当に日本の外交というものが動いているのかどうか懸念をするわけであります。

事務方がとおっしゃるが、アーミテージに御都合でお会いになれなかった、それなら即座に、どういう議論があったのかということを、事務方でも副大臣でも結構です、まず事実をはっきりと押さえて、そして、今何も御答弁できなかったわけですけれども、こういう大事な問題について、外務大臣としてのきちっとした見解をお持ちになっていないということは、私は信じられないわけです。

田中国務大臣 全く同感でございます。

それで私は、副大臣と、それから、ほかの方はわかりませんが、総理とどのような、親書の中身も、すべて少しでも早く知りたいと思って、そこはすぐに速やかに上げてきました。

ところが、事務方が、朝一時間半ぐらい会ったんでしょうか、副大臣がお会いになる前に、それから、お昼も一緒に一時間半ぐらい幹部がしております。それから、最後は、きのうになって次官が、実は私飯食っていますとおっしゃったので、それらの話の中身を、骨を何度私が言ったらあなた方出すんですかということを言っております。

ですから、思いは同じですので、お互いに共通ですので、与野党の対立図式に持ち込むのではなくて、みんなお互いバッジをつけている者同士として、やはり共闘できるところはぜひお願いをしたいと思います。今も私、部屋に入ってきて、まだなのということを秘書官に言ってあります。

岡田委員 私は、機密費の問題など徹底的に解明していこうという外務大臣の姿勢には敬意を表しております。ただ、今のお話は、私は、今、日本に外交がない、そういうふうに理解をせざるを得ません。事務方が事務方がとおっしゃるが、それはあなたの責任です。そのことを認識していただきたいと思います。

それでは、総理に聞きます。

総理もアーミテージとお会いになっているようですが、この提案に対して、例えばABM条約をどうするか、あるいは戦略核の大幅な削減の提案、そういうものについてどのようにお考えでしょうか。

小泉内閣総理大臣 私も、ブッシュ大統領の演説というものを理解する上において、主要点については私なりにブッシュ大統領の情勢認識を勉強しておりますが、まず、核兵器の一層の削減を表明したということは歓迎すべきことだと思っております。そして、弾道ミサイル、この拡散が安全保障上の深刻な脅威となっていることにつきまして、私はアメリカと共通の認識を持っております。米国がこれに対処するため各般の外交努力を行っておりますので、今後ミサイル防衛計画をアメリカが検討していることを我が国としても理解しているということを既に表明しております。

我が国は、このミサイル防衛問題が軍備管理、軍縮努力を含む国際安全保障環境の向上に資する形で扱われていくことを望んでおりまして、米国側が、関係国、特にロシアや中国等と十分協議したいと言っていますので、我々としてもそういう方向は歓迎すべきだと思いまして、この問題につきましても引き続き米国と緊密に協議をしていきたいと思っております。

岡田委員 今のお話の中で、ABM条約について、新たな枠組みに変えるという方向でロシアと議論を始めるということについては、日本としてそれで基本的に結構である、そういうお話だったのでしょうか。

小泉内閣総理大臣 その点については、日本も歓迎すべきだと思っております。ロシアとその削減条約、協議してもらいたいという方向で、我々は歓迎しております。

岡田委員 歓迎するというか、アメリカが話し合って、ロシアはそれに対して必ずしも今その方向に賛成をしているわけではありませんので、私は歓迎という話じゃないと思うんですけれども、ただ、ロシアときちんと話ができるのであれば、そういう方向で議論することは私は結構なことだと。別にABM条約が金科玉条ではなくて、新しい枠組みに向かって議論していくことは、私は一つの可能性として後押しをしていいんじゃないか、そんなふうに思っているところでございます。

それではもう一つ、集団的自衛権の問題について一言お聞きしておきたいと思います。

先般の本会議の代表質問で、自民党の山崎幹事長は、日本の平和と安全に重大な影響を与える周辺事態に限って国会決議を行うことで集団的自衛権の行使を容認していいんじゃないか、そういう提案をされました。それに対して総理ははっきりお答えになっていなかったように私は思いますが、この山崎提案に対してどのようにお考えでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは、私は、いろいろ状況の変化、時代の変化に応じて研究するのはいいことではないかと言っております。山崎自民党幹事長が国会で決議したらどうかという御発言をしているようでありますが、それも一つの方法ではないかなと。議論をよく見きわめていく必要があると思っております。

岡田委員 そういたしますと、国会決議をもって解釈改憲をする。しかも、山崎さんの言っていたことは、周辺事態において集団的自衛権の行使を容認するということですから、解釈改憲というより集団的自衛権をはっきり認めるわけですから、かなり今の憲法の解釈をがらっと変える。本来、こういうものは、私は、やる必要があるかどうかは別にして、もしやる必要があるのであれば憲法改正でやるべきだという総理の従来の見解、そちらの方が正しいように思うのですが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 私も基本的には同じ考えです。

しかし、いろいろ研究についてまで否定することはない。特に、憲法の改正については十分な配慮が必要ですし、国民的な議論も見きわめなきゃならない。私自身も常々申し上げておりますように、政府の解釈については、長年国会の審議等積み上げられたものがあります。これをもし変えるというのであれば、よほど慎重な十分な配慮がなされなければなりませんし、そういう点も含めまして、私は、幅広い議論が行われることが必要であり、もしも変えるということがあったとしても、これは十分に慎重に検討しなきゃならない。

本来望ましいあるべき姿は、そういう――賛否両論があります。また、解釈によってもいろいろ違いがあります。ということで、望ましい姿を言えば、それはきちんとそういう誤解のないような形で憲法改正という手続をとってやった方がより好ましいというのは、岡田議員と同様の考えを持っていると私は認識しております。

岡田委員 私は、武力行使、集団的自衛権というのは武力行使するということであります。これは、憲法九条の根幹の問題であります。

私は、基本的に、今までの解釈の積み上げ、これは非常に大事だというふうに、そこは総理もおっしゃいましたけれども、思っておりまして、もし集団的自衛権というものを一般的に憲法が認めているという考え方、解釈に立ちますと、じゃ憲法九条の存在価値は何だろうか。それは、結局侵略戦争を禁じているにすぎないということになる。そうすると、日本の憲法というのは、いわば手を縛ってきたわけです。みずからの手を縛ってきた。そのことをいわば否定することになってしまう、こういうことだと思います。

それはそれで一つの我が国の選択かもしれません。普通の国になる。しかし、それを解釈改憲でやるのは私は絶対反対であります。もし必要であれば、それはきちんと議論して、国民的理解を得て憲法を変えるということなら、それは可能性としてはわかりますが、憲法の解釈でそこまで認めてしまうということは私はあり得ない、そういうふうに思っておりますが、そこの基本認識は総理は同じだと考えてよろしいでしょうか。

小泉内閣総理大臣 基本認識は同じと言ってもいいと思います、やるべきことは。

日本の憲法には非常に制約がある。その中で、いろいろ苦労しなきゃならない点もある。現実の状況が変化しておりますので、憲法の範囲内の中で何が可能か、そういう点については研究してもいいのではないか。しかし、今言ったように、きちんとやれるというためには、根本的に憲法を改正した方がいいのではないかという基本認識は、私と共有する面がかなり多いと思っております。

岡田委員 それじゃ、次に参ります。

緊急経済対策に関して、幾つかお聞きしていきたいというふうに思っております。

まず、与党三党の合意の中で、連立政権の継続の三党合意の中で、今国会で所要の予算措置、法整備を行うというくだりがございます。予算措置というのは補正を考えておられたのではないか、こういうふうに思いますが、聞くところによると、この国会で補正は出ない、こういうことであります。

そうしますと、三党合意はこの時点で変更した、こういうことでしょうか。自民党総裁である小泉総理に聞きたいと思います。

小泉内閣総理大臣 変更したということではなくて、今のところ補正予算を組んでやる必要はないのではないかというふうに私は考えております。

岡田委員 ですから、合意の中で今国会で所要の予算措置を講ずると書いてありますから、予算措置というのは補正しか私はあり得ないと思うのですが、それが補正をやらないということであると、この合意はその部分は変わったのですねということを聞いているわけです。

塩川国務大臣 予算の必要な措置といいますのは、何も補正予算だけが措置じゃございませんで、予算の配当並びに使用、そういうものにつきましても予算の必要な措置ということになってくる。ですから、当面のところ、補正は考えてはおりません。

岡田委員 ちょっと何を言ったかよくわからないのですが、予算はすべて箇所づけされていますから、それを今さら変えるということではなかろうと思うのですが、趣旨不明でありますが、次に参ります。

株式買い取り機構についてお尋ねしたいと思います。

株式買い取り機構については、九月まで法案の提出は見送る、そういうことだと聞いておりますが、少なくとも株式買い取り機構の骨格だけはお示しをいただけないでしょうか。というのは、かなり具体的な話が前政権で、例えば亀井政調会長のもとで議論されておりましたし、報道もされておりました。それはどうなったのか。九月に検討する、あるいは経済財政会議で検討する、総理のお得意の言葉でありますが、しかし、やはりこれも基本的な枠組みぐらいはお示しいただけないか、そう思って質問させていただきます。

柳澤国務大臣 金融機関の保有する株式は当然価格変動をするわけでございますし、そういう中で十三年度一番最初に来るのはこの九月末ですけれども、そこから時価会計が導入される、そういうようなことを考えまして、これはもう明らかに金融機関の財務の安定性というものを損なうので、まずこの金融機関の保有する株式というものをどう考えるか、これをやはり一定の規制のもとに置くべきじゃないか、こういう問題意識が生じているわけでございます。

そして、その保有制限と保有規制というものを考えた場合に、仮に数字的な目標を決めた場合に一体いつまでにそれを実現されるか、これもまだ検討をさせているわけでございますけれども、そのいつまでにという期限との関係で、大量にいわば規制をオーバーした部分については市場なりなんなりに放出をさせなければいけない、こういうことを考えますと、一時的に市場の需給に非常に大きな影響を与える。

これを何とか、もうちょっと緩やかな形で、通常あるようなそういう市場の需給関係というものを実現しながらうまくこの保有規制の実現を図っていくという方法はないだろうか、そこに買い取り機構というものを一つショックアブソーバー的に置いたらどうだろうか、こういう発想で先般の緊急経済対策におけるこの保有制限と買い取り機構がワンセットとして実は規定された、こういういきさつでございます。

我々は、小泉内閣になってからは殊にそうだと私は認識をしておりますけれども、もう市場原理というものをできるだけ生かしていきたいということを考えているわけでございまして、しかし、この保有規制にしても、あるいはそれの受け皿としての買い取り機構にしても、やや扱い方によっては市場をゆがめるということは否めません。そこで、これを一体どうやって両立させるのかということを非常に思い悩むわけでありまして、私も今本当に苦悩をしているわけでございますけれども、何とかそういったものを考えたいというふうに思っているわけでございます。

骨格を示せということでございますけれども、緊急経済対策の中に言っていることは、まず基本的には、出資というものには銀行自体が参加することが必要ではないか、こういうことを言っている。それからもう一つは、買い取りの資金については、これについては政府保証をするというような形で公的な支援というものが、結果として非常に最小限に抑えなきゃならぬけれども、そういうものを考えていくということではないかというようなことが「等」というような若干のゆとりを持った表現でそこにされておるわけでありまして、私ども、現在鋭意そういうラインに従って検討をしておる、こういう状況でございます。

岡田委員 ちょっと答弁が長いものですから、もう少し端的にお答えいただければありがたいと思いますが、今のお話の中で一つ気になることがあります。これは総理にお聞きしたい。

損失補償について考慮するという、もちろん検討中であるという前提ではありますが、補償すべきではないか、そういうお話がありました。私は、これは容認できません。今言われているスキームは、仕組みは、基本的に銀行を中心にその保有機構の株主になる、そしてそこに銀行の株を移す、五年間に売却していく、細かいことはまだ決まっていないということでありますが。

そうしますと、それで売却益が出たときには、最終的には株主たる銀行にその利益は行く。では、損したときはどうか。そこで、今の柳澤さんの話では、最終的にそれを補償する、つまり税金で穴埋めをするという可能性を否定されなかった。しかし私は、それは絶対におかしなことだと。損したときも得したときも国に帰属するというならわかる、あるいは損したときも得したときも銀行に帰属するということならわかる。しかし、得は銀行で、損は国民の税金で負担をするという考え方は、私は断じて容認できませんが、総理、いかがなんでしょうか。そこだけ明確に否定しておいていただけませんでしょうか。

柳澤国務大臣 基金造成の一番のもとになるコアの、資本金というんでしょうか、そういったようなものについても、私は今、緊急経済対策で書かれていることを申し上げたんですね。「銀行等」と書いてありますので、銀行ということを例として挙げたわけでございます。

したがって、今岡田委員御指摘のように、得をしたときは銀行の株のもうけになるということ、それから、損をしたときは政府保証で政府の負担になる、今我々が決めるスキームが一義的にそういうことになるということにはなっておりませんので、それらのことを含めて今検討しているということで、御理解を賜れないでしょうけれども、一応現在段階の状況はそういう状況だということを報告申し上げるという意味でございます。

岡田委員 御理解はできません。きょうは明確な答えはなかった。場合によっては税金投入の可能性がある、そういうことだというふうに理解をしますが、それは私どもは理解をいたしません。そのことをはっきり申し上げておきたいと思います。

総理から明確な答弁がなかったのは非常に残念なことであります。総理、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 私より柳澤さんの方がはるかに詳しいんですよ。柳澤さんが言っているとおりでありまして、今、得したら金融機関、損したら税金で補償する、そういうことに必ずしもならないようなことを検討していると言うんですから、その検討状況をよく見て判断したいと思います。

岡田委員 それでは次に、雇用の問題について一言申し上げたいと思います。

二年ないし三年で不良債権を思い切って処理する、これは我々の考えと一緒であります。ただ、我々は、不良債権はもっと多いと思っていますから、もっと大変なことになるというふうに認識しています。そして、そのときに最低限やっておかなくてはいけないことは、失業者がふえる、そのことに対するセーフティーネットを張っておく、こういうことだと思います。

このことは本会議でも何回も議論されていますが、実はここも雇用対策についての具体策がございません。いろいろ答弁されますけれども、これもこれから検討するというお答えに終始していますが、私は、情勢認識が甘過ぎるのじゃないか。本気で不良債権の処理をするのであれば、ここをパッケージでしっかりやっておかないと大変なことになる。逆に言いますと、そこをないがしろにして不良債権処理というふうに言っておられるのを見ると、不良債権の処理は実は本格的にはやられないのかな、そういうふうにうがって見てしまったりもするわけであります。

雇用対策について、具体案をぜひお話をいただきたいと思います。

坂口国務大臣 御指摘のように、不良債権の処理が進みますと雇用の問題が大変重要になることは御指摘のとおりでございます。それで、その不良債権の処理の規模、そしてそのスピードによってそれはかなり違うというふうに思っておりますが、しかし、いずれにいたしましても、この雇用に対する準備は、セーフティーネットはしておかなければならないというふうに思います。

一つは、やはり日本の中でまだまだこれから雇用の開拓のできる分野というのは、第三次産業だというふうに思っております。第三次産業に対して、アメリカは七〇%まで行っておりますけれども、日本はまだ六〇%台でございますから、まだまだここは開拓ができるわけでございますので、この分野における雇用の開拓ということをまず目指して、そして具体策をやっていくというのが一つ。

それからもう一つは、ミスマッチでございます。ミスマッチの問題もいろいろ言われておりますが、しかし、若い皆さん方の場合のミスマッチの一番最初にまいりますのは賃金の格差、賃金に対する一致が見られない。それから、中高年にまいりますと年齢制限でございます。入り口のところでストップしている。賃金が合わないというのはなかなか難しい面がございますけれども、中高年の年齢格差ということにつきましては、取り払う努力を早くしておかないといけないというふうに思います。これが二番目。そうしてやっていかなければならない。

そして三番目は、不良債権を抱えます業界というのは、かなりこれは限定されていると申しますか、建設業でございますとか流通業でございますとかサービス業でございますとか、大体決まっているわけでございます。そうしたところ、個々の分野におきますところの個々の雇用対策を一体どうしていくかということも検討しなければならない。この分野につきましてまだ今のところ十分でございませんので、早急に個々の分野につきましても手をつけていかなければならない。

その三点に絞り込んで雇用対策をやっていかなければならないと考えているところでございます。

岡田委員 今の坂口大臣のお話でありますが、不良債権の処理の規模やスピードによって変わるとおっしゃいましたが、実は、もうこれは決まっているんですね。総理の所信表明演説の中でも、「二年から三年以内に不良債権の最終処理を目指します。」つまり、二年から三年で不良債権は一掃する、こういうふうに言っておられるわけですから、そういう前提で考えていただきたい。今までいろいろな対策が本会議等で語られておりますが、それはすべて不良債権の処理を本格的にやると決める前の対策であります。状況が変わった、そういう中で本格的な雇用対策を考えていただきたいと思っています。

今、三点について大臣から御説明がありましたが、民主党が考えているのは、そういったことも大変大事なことだと思いますが、同時にやはり、我々が考えているのは、一つは、雇用保険を安定させる。今の状況は赤字であります。これを安定させるために一般会計から二兆円つぎ込もう、こういうことが一つであります。
 
そしてもう一つは、雇用保険が切れた後、なお職がない人がたくさん出るだろう、そこに対して最低限の生活費を二年間に限って保障していこう。もちろん、そのためには教育訓練、職業訓練を受けていただくことが前提になります。そして、この失業対策の中で、そのネットからこぼれている廃業した自営業者の方も、その制度に乗せていこう。合計で四兆円ぐらいのお金がかかる大変な話でありますけれども、これを三年間、不良債権処理の期間とセットで時限措置でやっていこうというのが我々の提案であります。

ぜひ、政府におかれても、こういう我々の提案についても真剣に取り上げ、検討していただきたい。そのことを申し上げておきたいと思います。

それでは次に、規制改革の話、一言申し上げたいと思います。

総理も、規制改革というのは非常に大事であるということを強調されているわけですが、いろいろな議論がある中で、具体的な規制改革の考え方が出てきても、それが結局、いろいろな既得権その他、もちろん規制改革をすれば痛みを伴うわけですからそういう動きが出ることはわかりますが、しかし、そういう動きに押し戻されてしまって一度決めたことがころころ変わるようでは、規制改革は進んでまいりません。

そういう意味で、一つの例を挙げて総理の規制改革に対する態度というものを確認したいと思いますけれども、私が申し上げたいことは、お酒の免許のことでございます。

これについてはもう既に閣議決定もなされて方向性は出ておりますけれども、それに対して、酒販店に酒販管理者を置くということを義務づける法案が自民党の中で検討されているというふうに伺っております。そして、その中身を見ますと、例えば夜の十一時から翌朝の五時までは売り場にその人がいなきゃいけない。ほかの時間はその人は売り場にはいなくていい。ということを見ると、これは明らかにコンビニをターゲットにした法案であるというふうに言わざるを得ません。

こういうことに対してはっきりノーと言う、決めたことはしっかりやっていく、そういう姿勢を示していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

塩川国務大臣 その話は、自由民主党だけではなくて、民主党の中の方も一定のそういう法案を考えておられることも聞いております。

私たちは、規制緩和した以上は、その執行についてはやはり十分に方針どおりやりたいと思っておりますが、しかし今、酒販の実態を見ますと、乱れておることも事実でございます。そうでございますから、いろいろと検討は進めておりますけれども、まだ管理士の方向で意見がまとまったということは私は聞いておりませんし、またそのような事実はございません。

岡田委員 今、民主党もというお話がありましたが、では、具体的に名前を挙げてください。

塩川国務大臣 民主党の方のどなたと私はわかりませんが、うわさで聞いておりまして、民主党の方でもそういう検討を進めていくということは聞いております。

岡田委員 これは驚きでありますが、答弁の中で、うわさをもとに大臣が答弁されるというのは前代未聞であります。取り消してください。取り消してください。

野呂田委員長 この扱いにつきましては、お昼の理事会でちょっと……。(発言する者あり)

それでは、財務大臣塩川正十郎君。

塩川国務大臣 いや、民主党のどなたということは申しません。けれども、そういううわさがあったということも、私は取り消しておきます。

岡田委員 もちろん、未成年者に対して酒を売るということは規制されなければなりません。しかし、そのことは、例えば罰則の強化、そういったことでできるわけですから、単に管理者を置いたからそれができるということではもちろんありません。社会的規制に名をかりた経済的規制の強化の典型例でありますから、こういうことに安易に乗らないように、小泉内閣としてぜひしっかりとした対応をお願いしておきたい、そういうふうに思います。

それでは、次に参ります。

総理は、所信表明演説の中で、保育所の待機児童ゼロ作戦、あるいは放課後児童の受け入れ体制整備、こういうことを言われました。私は非常に評価をいたします。

具体的に、こういったことを進めるためにどのようなスケジュールを考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 これは、男女共同参画会議の専門調査会において今審議をいただいております。その中で、仕事と子育てを両立する上において、今言いました、保育所待機児童をゼロにするというのに対して非常に要望が強い、放課後児童の受け入れ体制整備、これは重点的に取り上げるということで、近いうちに、これはどのぐらい時間がかかるかわかりません、時期も明示して、所信表明どおり、実施に向けて着実な整備を進めていきたいと思います。

その具体的な時期とか目標につきましては、もう少し時間をいただきたいと思います。方針ははっきりしております。

岡田委員 またまた具体案がないのは残念ですが、私ども、基本的方向は賛成ですから、もしいいものが出てくればもちろん協力していきたいというふうに思っています。

その上で、我が党の提案を二つ申し上げたいと思います。

一つは、無認可保育の話なんです。

これは、スマイルマム事件というのがありましたけれども、無認可保育について、できたものについては、今、厚生省の方でも無認可施設に対する指導基準というのをおつくりになっていろいろ指導されている。しかし、あるかないかというところの把握ができない仕組みになっております、無認可保育が存在するのか存在しないのか。そういう意味で、我々は今、児童福祉法の一部改正によって届け出を義務づける、こういうことを考えているわけですけれども、その考え方について賛成いただけるでしょうか。

坂口国務大臣 無認可保育所の問題につきましては、御指摘のように、私も問題意識を持っております。現在のところ、これは届け出をしなくてもいいということになっているわけでございますから、岡田議員がおっしゃいましたように、どこでやられているかということがわからないケースもあるわけでございます。したがいまして、それらの点につきましては、もう少しやはり全体で把握ができて、指導すべきことは指導がきちっとできるような体制にしていかないといけないというふうに思っておりまして、事務当局の方に、その無認可保育所と言われております保育所のあり方について早急に検討するように今言っているところでございます。

名案がございましたら、またお聞かせをいただきたいと思います。

岡田委員 届け出を義務づけるということはそう難しいことではございませんので、急いで検討していただきたいと思います。我々、法案を出しますので、ぜひ賛成をしていただきたいと思います。

もう一つは、育児休業制度の充実の話であります。

一つは、政府の方も法改正をお考えのようですが、子供の看護休暇の問題であります。政府の御提案は、これを、事業者に対する努力規定を置いているにすぎないということでありますが、我々は、年間十日程度の看護休業というものを認めるべきだという法案を用意しております。

そしてもう一点は、同じ法案の中で、今までの育児休業制度は一歳までですね、一回きり。しかし我々は、もう少しそこを弾力的に、小学校に上がるまでの期間で複数回とれるような制度に変えるべきだ、こういう主張をしております。

この二つの点について、どのようにお考えでしょうか。

坂口国務大臣 政府の方も、御指摘のように、育児・介護休業法の改正法案というのを今国会に提出しているわけでございます。今お話しいただきましたように、これは努力義務でございます。
 
ただ、これも、強制的にそういうふうにできるようにしようというのには、なかなか、そこの合意を得るのにはもう少し時間がかかるというふうに私は思っておりまして、やはり第一歩を踏み出すことが第一。そして、何はともあれ、気兼ねをして休まなければならない、休みをとらなければならないということではなくて、みんながそのことに応援をしてもらうような雰囲気がその職場に出てくるということが大事だというふうに私は思っております。そうしたことを含めて、まずスタートをするということが一番ではないかというふうに思います。

年齢の問題、一歳まででありますとかあるいは学校に行きますまでの問題でありますとか、年齢の問題もございますが、まずはともあれ第一歩を踏み出させていただいて、そして順次それを充実させていくという手順を踏ませていただきたい、そんなふうに思っているところでございます。

岡田委員 私はそこを、基本的考え方は異なります。第一歩を踏み出して順次やっていくというやり方ではなくて、ここは思い切って大きな一歩を踏み出す、こういうことじゃないかと思います。

どうして先進国の中で日本だけが、育児期間の女性の就業率ががくんと落ちて、いまだにM字型カーブを維持しているのか。先進国はみんなそういうのはもうなくなって台形になっている。つまり、子供ができても就業率は落ちない。それはよっぽど思い切ったことをしないと変わらないというふうに私は思っております。

そこの基本的考え方について、総理、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 女性の仕事は家事、育児というのはかなり前のことで、最近は女性も男性も家事、育児をしないとやっていけないということについては、もう若い世代では当たり前になってまいりました。

しかし、私以上の世代になると、育児で仕事を休むということに対して、必ずしも一般社会の理解度がそれほどでないというのが現実の中であると思います。それをどう変えていくかというのが、これから男女共同参画社会を実のあるものにしていく上において大事だと思っています。

こういう点は、今できるだけ、育児で仕事を休むにしても、一般が、男も、ああそれは大事なことだなと快く理解を示すような環境を整備していくのも大事だと思っております。

岡田委員 私は、日本経済の活性化という点から見ても、能力ある女性がその能力に応じてきちんと働ける仕組みをつくるということは非常に大事なことだというふうに思っております。一歩一歩も大事ですけれども、そこはぜひ大きな一歩が踏み出せるように御努力をいただきたいというふうに思っております。

それでは、時間も非常に限られておりますけれども、医療制度の改革について一言申し上げたいと思います。

実は、私が厚生委員会で野党側筆頭理事をしておりましたときに、小泉総理は厚生大臣でありました。いろいろな議論をさせていただきました。特に、医療制度の抜本改革の時期でありまして、総理からも、例えば当時の厚生省は「二十一世紀の医療保険制度」、総理、これを覚えておいでかどうかわかりませんが、そういうものをお出しになって、そして医療制度の抜本改革をやるということを何度も答弁をされました。

例えば、平成十年六月十一日の予算委員会で、私が、当時の二兆円の負担増と構造改革はセットである、政府も負担増の前提として構造改革をやると言ったじゃないか、ちゃんとできるのか、こういうふうに言いましたが、総理の方は、法案の国会提出は確かにおくれているが、平成十二年度を目途に実施するという基本方針は変えていないということを二回にわたって答弁されました。

あるいは薬価の問題について、私が、これは厚生委員会、平成九年でありますが、価格メカニズムが生きる形での薬価の決め方について抜本的検討をやるよう厚生大臣の決意を聞きたい、こういうふうに言いました。厚生大臣、小泉大臣は、薬価の問題についても思い切って現行制度を改正したい、その際、市場取引の実勢にゆだねるという原則に立って踏み込んだ改革案を出してみたい、こういうふうに答弁をされているわけです。

しかし、残念ながら、今振り返ってみると、そういった改革は何一つ実現していないと言っても過言ではありません。これはなぜなんでしょうか。私が懸念するのは、同じことが今起きようとしているのではないか、そういう心配をしておりますから、なぜ、ではあのときはできなかったのか、そして今回はできるのか、そのことについて明確に御答弁いただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 岡田議員の質問、よく覚えています。私も、あの岡田議員の質問に対して、当時の厚生大臣としてかなり評価した上で答弁した記憶がございます。

実際やってみて、この医療関係の利害関係の調整、大変なものがあるということがわかりました。しかし、薬価制度の改定にしても診療報酬の改定にしても、言った方向は、あの当時決めた状況は基本的に正しい。それについて、我々としても努力が足りなかったなと反省しております。

何とか、あるべき改革、当時提案された方向に向けて、せっかく総理大臣に就任したわけですから、その実現に向けて全力を尽くしていきたい、御協力もお願いしたいと思います。

岡田委員 今の御発言はかなり重い発言だと私は理解をいたします。この小泉大臣がおつくりになった厚生省案、その後、いろいろな提案もありますが、基本的にそういう方向で医療制度の抜本改革を総理として進めていく、そういうふうに理解をしてよろしいですね。

小泉内閣総理大臣 そういう方向で進めていきたいと思います。

岡田委員 厚生委員会の中で、私、もう一つ聞いたことがあります。それは中医協の話です。中央協議会の話であります。結局、総額三十兆円の医療費を、これは保険料の部分と税金の部分と自己負担の部分がありますが、全体をどういうふうに分配していくかと決めるのが中医協であります。

この中医協の構成について、現在では、支払い側が八名、医療提供者側が八名、中立委員が四名という構成になっております。これはいろいろな経緯があってそうなりました。しかし、私は、これは絶対おかしい。当時も申し上げたわけですが、国民の税金あるいは保険料をどのように有効に使っていくかということを決める場が、そういった利害関係者が多数を占めているという状況は絶対におかしい、だから中立委員を過半数以上にすべきだ、そういうふうに私は主張をさせていただいたところでございます。平成九年八月二十六日の厚生委員会であります。

そのときの小泉大臣の答弁は、国民の信頼を高めていくとの観点から現在のあり方を見直していきたい、よりよい構成にしていきたいと、かなり踏み込んだ答弁をされたわけですが、ここも先ほどの答弁と同じというふうに理解してよろしいでしょうか。

小泉内閣総理大臣 答弁は同じだと思って結構です。

岡田委員 ということは、中医協の構成の見直しに着手をするということですね。

小泉内閣総理大臣 より透明性、信頼性、中立性を高めていく意味において検討を進めるべきだという認識であります。

岡田委員 ちょっと後退したんじゃないですか。前の答弁は、よりよい構成にしていきたい、つまり構成を変えると言っているんですよ。先ほど言った人数、八人、八人、四人、構成というのはそういうことですから、それを変えるというふうにおっしゃった。ここはどうなんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは、今の御意見を踏まえまして、厚生労働大臣とも相談して、どういう今よりも進んだいい方法があるか、もう少し検討の時間をいただきたいと思います。

岡田委員 今の総理の答弁に典型的にあらわれていると思いますが、詰めないと非常に前向きなことを言われますから、それで、ああ、私の意見が通ったのかなと思うと、詰めていくと、いや、もう少し時間をくださいと言う。これは決まったパターンで、よほど国会質疑は気をつけて詰めていかないと、何か表現だけでごまかされてしまったんじゃないか、そんな感じもいたします。

私は、この問題でやはり日本医師会の存在というものをどう考えるかということ、そこを避けては通れないと思います。

まず、日本医師会自身は、例えば政治献金はできない。だから日本医師連盟をつくっておられます。しかし、日本医師連盟というのは、日本医師会と同じ建物にあって、会長も同じ人、つまりダミーであります。そして、そういう中で、例えばここ三年間で約二十億ぐらいの献金が自民党に対してなされている。そういう状況の中で本当にそういった医師会の意向と違う改革ができるんだろうか。私は、小泉厚生大臣の時代にいろいろ提案されながら結局できなかったのもそこに帰着をする、こういうふうに思いますが……(発言する者あり)

我々がいろいろ言うと今のやじが出てくるのは、やはりそれだけ痛いから出てくるわけですね。自民党にとって痛い。そういう痛みを伴う改革を本当に総理はできるのか、医師会との関係を基本的にどう考えていくのか、御答弁いただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 この医療改革というのは、診療側も支払い側も国民の医療、治療を受ける立場も総合的に勘案しなきゃなりませんから、医師会の役割も重要であります。しかし、医師会の言い分が全部通るわけではない。当然それぞれが支え合っていくのが社会保障制度ですから、その点も含めまして、私は、医師会の言い分は聞きますけれども、医師会の言い分が全部通ると思ったらこの改革はできませんから、支払い側の立場も考えなきゃいけません。いろいろな利害関係者は多いんですから。そういう点も含めて、私は、一特定団体に左右されないような、より公正な改革を進めていかなきゃ国民の理解は得られないと思っております。

岡田委員 もちろん、お医者さんの中にも国民の健康を本当に考える立派なお医者さんもたくさんいらっしゃいます。しかし、どうも医師会の過去の活動を見ておりますと、国民の健康のためにという観点から言っているんではなくて、自分たちの利害で言っているんじゃないかと思われる節がある。そういうものはやはりきちっと排除していかなきゃいけない。そして、プロフェッショナルとしての、国民の健康を守る立場からの意見について耳を傾けるのは当然でありますが、みずからの利益のために言っているとしたらそれは排除していく、そういう姿勢が非常に大事だと思いますが、果たしてこれだけの献金を受け取っていてそれができるのか、国民は見ています。

総理がかわったから簡単にできることじゃないと私は思いますが、もう一度総理の決意を聞かせていただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 それは私も、厚生大臣をやってみて、簡単にできるものではないと思っていますが、この医療改革というのは社会保障制度の根幹をなすものでありますから、持続可能な制度のために、医師会の理解も求めて何とか改革に着手したい、また実現させたいと思っております。

岡田委員 私は、この点が一つ小泉総理のリトマス試験紙だというふうに思っています。どこまでできるか、そのことで小泉総理の基本的姿勢が決まるというふうに私は考えております。

時間が参りましたのでこれで終わりにしたいと思いますが、二時間お話をさせていただいて感じることが二つあります。

一つは、やはり具体論がない。それはまだ一カ月だからというのもわかりますけれども、しかし、やはり総理として基本的な方向をきちんと示して、その上で具体論を議論していく、その基本的方向すら余り示されなかったのは非常に残念なことであります。そのことを一つ申し上げておきたいと思います。

そして第二は、特に、きょう最初に聞きました外交であります。今の外交の状況は大変私は問題がある、つまりこの国に外交が存在していない、先ほどの外務大臣の答弁を見ていてそう思いました。これは、早急にそういう状態を正常にしていただきたい。もちろん、機密費の問題その他、官僚が問題であればそこをきちっと正していく、あるいは制度を抜本的に変えていく、そのことは大事なことであります。しかし、そのことと、今大臣と事務方が全く切れてしまって機能していないということは別の問題でありますから、そこをきちんと、総理のリーダーシップで日本に外交がきちんと機能する状態を取り戻すように御努力をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

以上です。




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