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1999.12.08|国会会議録

平成11年12月8日 第146回国会 衆議院議員大蔵委員会

岡田議員 確かに、その基準は難しい部分があることは、私もそう思います。

しかし、これは刑事罰がかかる問題ではありません。行政処分の問題でありますので、そういう意味では、ある程度弾力的なものであっても法律的には許されるのではないか、そういうふうに思っております。

いずれにしても、その基準をつくるに際しましては、業界団体の意見も聞いて、実態も十分踏まえながらつくりたい、そういうふうに考えております。

安倍(基)委員 幾つも質問を用意していたんですけれども、時間が、答弁が長いものですから、今のは短かったけれども。

それで、もう一つ、保証人取り消し権。これは、いいことはいいかもしれないけれども、なかなかそう簡単ではないのですよ。つまり、商行為において保証というのは非常に大事な問題ですから、民法では詐欺、強迫というような原則がございますけれども、では、契約のときによく教えなかったからという場合には、いわば挙証責任が転換されるわけですよね。これは、民法原則に対して、この保証人取り消し権というのをどう考えるのか。

確かに、今現在、消費者問題の議論をする学者の中で、民法原則だけではだめだよという議論があることはあります。だけれども、保証人の取り消し権というのを法律で書くというのは、これはほかの法体系との整合性がありますから、余り気軽に、いわばこの問題を突破口にしてというか、この問題で、ぱっと議員立法で書くのはちょっと問題かなと。

もうあと何分もございませんから、簡単に言いますと、民主党案はちょっといいことを書き過ぎているのじゃないか。共産党案はもっといいことを書き過ぎていますけれども。結局、いいことというのは、本当に実行できてこそいいことなんですよね。いいことずくめのことを国民の前にわっと言うことは簡単ですよ。しかし、責任政党たるものは、本当にこれが実行できるものかどうか。

例えば今の保証人取り消し権なんかも、果たしてほかの法体系との整合性がどうかということを完全に議論を尽くした結論であるのか、やはりこれは債務者がかわいそうだからということでぽっと入れたのか、その辺について御説明願いたいと思います。もうあと四、五分しかございませんから、その答弁で終わりにしてもいいですけれども。

金子委員長 あと三分であります。

岡田議員 安倍委員もお触れになりましたように、私どもの考え方は、国民生活審議会の中で議論されております消費者契約法の議論を、ある意味では先取りする形で提案をさせていただいております。法律的には十分成り立つものだというふうに考えております。

先ほど来お話をお聞きしておりますと、いろいろ慎重な御議論もわかるんですが、結局我々はどういう立場に立つかという問題だと思います。我々は、やはりこういった商工ローンの中で苦しむ、お金を借りている人の立場から考えて、政治家として一体何ができるのか、そういう視点で物事を詰めていっております。いろいろ理屈をつければ、それはいろいろな理屈はつくと思います。しかし、この現実を解決するために一体政治家は何をすべきか、こういうことだと思います。

一番最初の金利の問題も、昭和五十八年に、一〇〇%を超える金利から一挙に四〇%まで下げました。そのときにもいろいろな議論がありましたけれども、結果的には、多少の混乱はあったと思いましたけれども、そのことで乗り切ることができたわけであります。

そういう意味で、私どもは、もう一度繰り返しますが、今この問題で苦しんでいる、お金を借りている人の立場に立って、政治としてでき得る限りのことを提案させていただいた、こういうことであります。

安倍(基)委員 いや、我々も本当に国民のためを思って考えているわけですよ。

ただ、私が言いたいのは、いろいろな法体系との整合性とか、今の消費者問題についてもまだ結論が出ていないわけですから、この問題、本当に気の毒な人が多い、しかし、もっと長期的に物を見て、すべての法体系の中で果たしてこういうことまでやってもいいんだろうか、保証人の取り消し権というのを本当に今法律にしてもいいのかどうか。

これは、保証というのは非常に大きな話ですから、この問題は、契約の中であらかじめすべてのものについて知らせるといういろいろな条項をつけていますね。そのあげく保証人が判を押したのであれば、そう簡単に、例えば不実であるとか、大事なことを言わなかったとか言ったとか、そういう裁判になったときに挙証責任が非常に大きな問題になるのです。

でありますから、単に現在気の毒だ、気の毒だということばかりが中心ではなくて、それはもちろん気の毒なことを救わなくてはいけませんが、これは、私が当初に申しましたように、大きな経済政策の中から需給ギャップを解消していくことが大事なんです。

それとともに、この法体系としては、それらの法の整合性というか、契約法とは何だ、民法とは何だ、その整合性は何かということを十分見きわめた上でこういったものは結論を出さなければいかぬ。その意味で、あるいは与党案が余りそこまで踏み込んでいないとおっしゃるかもしれないけれども、逆に責任政党としては、責任ある立場から、実行できるものしかできないのだということで出しているわけでございます。

これはまたほかの委員がいろいろ質問すると思いますけれども、私は、ここでちょうど質疑時間が来ましたから譲ってやめますけれども、よく検討していただきたいと思います。(発言する者あり)

金子委員長 では、岡田克也君。

岡田議員 我々の取り消し権も、何でもかんでも取り消しできるというものではありません。法律で定めた、やるべきことを契約者がやっていない場合に限って取り消すことができるということでありますから、そこは誤解のないように願いたいと思います。

それから、先ほど来、安倍委員いろいろ御指摘でありますが、一番の問題は、銀行がなかなか貸さない。したがって、金利でいえば一〇%から二〇%ぐらいのところが全く空白になっているのです。一方で四〇%という規定がありますから、そこに全部集約されている。今度、与党の方は二九%にされるそうですが、そうすれば二九%に張りつくと思います。そうすると、やはり一〇から二〇ぐらいのところが空白のままなんです。

そこで、一〇から二〇で借りれば立派に立ち直る中小企業が、みんな二九とか四〇のお金を借りて倒れていくという現実を何とかしなければいけない、そういう視点で私どもは考えているということを申し添えたいと思います。




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