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2014.04.22|TALK-ABOUT [ブログ]

閣議議事録公開―法律でルールを決めなければ、情報公開は不十分


4月1日の閣議および閣僚懇談会の議事録が公開されました。

これは、政権がかねてから約束していた、閣議後3週間程度でその内容を明らかにするということに沿ったものだと思います。

そういった形で閣議の中身について議事録を公開するということは、いままでと比べれば、評価できることだと思います。

4月1日ということで、今回のこの閣議の中でも、従来の「武器輸出三原則」に代えた、「防衛装備移転三原則」の中身についての簡単な説明、あるいは、消費税引き上げがスタートしたことに伴う関係大臣の発言などが載っており、内容は各大臣がいろいろな場で語っていることとはいえ、閣議で語ったことが明らかになったということは、意味のあることだと思います。


ただ、民主党政権時代、私が進めていた議事録の公開と比べると、非常に問題があるということは併せて指摘しておきたいと思います。

まず、今回のこの議事録ですが、各大臣が発言されている中身は、事前に各省庁で調整した発言要領を読み上げていると思われます。

我々のときもそうなのですが、閣議や閣僚懇談会で各大臣がどういう発言をするかということをあらかじめ(書面で)明らかにし、内容について各省庁で調整したうえで発言するということが行われてきました。今回の議事録は、その範囲での内容が公開されているということです。

しかし、より重要なことは、そういった各省庁で調整した発言ではなくて、特に閣僚懇などで、閣僚が一定のテーマについて自由に意見交換することについての情報が公開されることです。

今回はたまたまそういう発言がなかったということかもしれませんが、この情報公開の中身にはそういうものは含まれていません。

これから、頻繁に各閣僚の発言がなされたときに、それはどこまで情報公開されるのかという話が当然出てきます。むしろ国民が知りたいのはそういった議論の中身だということになります。

他方で、3週間でかなり情報公開されてしまうということになると、特に閣僚懇での自由な発言が制約されるという問題も出てきます。

そういう意味で、今回の3週間経てば原則的に議事録を公開し、公開できないものはその旨を明記して公開しないという今回の方針について、基本的な疑問があるということを申し上げておきたいと思います。

やはり、国の最高意思決定機関が閣議です。閣議ないし閣僚懇で活発な意見交換が行われ、安全保障に関わるものや、情報公開法の非開示事由にあたるようなものを中心に、一定の範囲では30年間は公開しない。しかし、逆に30年経ったら基本的に公開するとそういうルールをきちんとビルトインしておかないと、しかも、それは法律によってそういう対応をしておかないと、閣議の情報公開は十分なされたとは決して言えないということだと思っています。

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