ホーム > トピックス > TALK-ABOUT [ブログ] > 復興税廃止―復興財源の考えから逸脱、財政規律を念頭に対応を

トピックス

2013.09.24|TALK-ABOUT [ブログ]

復興税廃止―復興財源の考えから逸脱、財政規律を念頭に対応を


今日は、消費税導入に伴って必要とされる経済対策、特に法人減税についてお話ししたいと思います。

この問題は、前回も少しお話をしました。法人税の恒久減税を行うのであれば、非常に大きな額のお金が必要になりますが、その財源をどこに求めるのかという議論なくして、そういった対策は取るべきではないということです。

もし、具体的な財源なしに法人税の恒久減税を行うことになれば、それは結局、消費税の増税に伴って生じた余裕、いわば消費税を使って法人税を減税することになります。


消費税の税収は、全て社会保障のために使い、うち1%は新しいこと、つまり充実させることに使い、残り4%は社会保障制度を維持していくため、つまり、現在赤字国債で賄っている分や、高齢化によって毎年1兆円ずつ増えていく社会保障費を賄うために使うというのが、消費税を引き上げを決めたときの約束です。その消費税を法人税減税に充てるということになれば、これは明確な約束違反、嘘つきと言われても仕方がありません。

したがって、そういったことは絶対にやるべきでない。法人税の恒久減税を行うのであれば、財源をきちんと確保したうえで行うべきだということを、前回も申し上げたところです。

そのことに加えて、いま議論されているのは復興特別法人税の1年前倒し廃止です。

法人税の一定程度の減税を行うということは、民主党政権の菅総理の時代に決めました。そのための財源もきちんと準備し、主として法人税の様々な特別措置などを廃止して、財源をつくりながら全体の税率を下げるということを決めたものです。

しかし、その直後に東日本大震災が起こり、多額の費用が必要になった。その捻出のために、その減税を一定期間停止して、その間生じる法人税収を復興に充てるという仕組みになっているわけです。

これは3年間の特別措置ですが、これを1年間前倒しで早くやめてしまうということになれば、約9000億円の財源が不足し、東日本大震災に充てる費用がそれだけ不足するということになります。

これに対して、いま法人税の税収が見込みよりも上振れしており、それをもって充てれば十分だ、などという議論が横行しています。

しかし、法人税収というのは景気の動向によって大幅に左右されるで、景気の良いときは上振れし、景気の悪いときには下振れするという性質を持っています。景気が良いときに税収が増えたからといって、それを使ってしまっては、景気が悪くなり減収になったときに、それを赤字国債で賄うということになってしまいます。

結局これは、復興対策は資産売却と所得税・法人税の一時的な増税によって賄うという考えから逸脱するものです。それでは、財政規律というものがいったいどこへ行ってしまうのか、ということになります。

あるいは、国民に対しては、所得税の増税を予定通りやりながら、法人税は当初の3年間の措置が2年間で終わってしまうということも、極めて分かりにくいということになります。

いずれにしても、その他の景気対策も含めて、それが臨時の措置であるのか、それとも長く尾を引くものであるのかということは明確に分けて議論しなければ、我々が非常に苦労して消費税の増税を決めたその果実を、まるで「花咲爺さん」のようにバラまいているというのが、今回の景気対策だと言われても仕方がないと思います。

財政規律ということを念頭に置いて、対応してもらいたいということを強くお願いしたいと思っています。

※ブログの動画版はこちら



コメントを返す

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。


TOP