トピックス

2010.06.01|TALK-ABOUT [ブログ]

日中首脳会談―真摯な議論が関係の深化につながる

中国の温家宝首相が来日し、鳩山総理との間で日中首脳会談を行いました。私も同席しましたが、非常に良い会談だったと思います。

前段・後段2つに分かれて、前段は少人数で韓国の哨戒艦の話――つまり、北朝鮮が魚雷によって沈没させたこと――について、両首脳間で意見交換を行いました。


これは、すでに報じられているように、日本政府と中国政府のスタンスは明らかに異なります。そういったことを前提にしてですが、温家宝首相の語ったことは、日本の考え方とは違いますが、1つの考え方をある程度説得力を持って示されたと思います。

いずれにしても、これから日中間あるいは韓中間で、この問題について、なるべく歩調を合わせることができるようにしていかなければなりません。

中身は申し上げられませんが、良い会談だったということは申し上げておきたいと思います。

そして、その後、各大臣にも入っていただいて、より大規模な首脳会談が行われました。この中で、外相会談などでこの間何度か取り上げてきた問題の1つは、中国製冷凍ギョーザ中毒事件をはじめとする、食の安全の問題です。日中間で新しい文書を交わすことで今回決着がつき、長妻厚生労働大臣が署名をされました。

そして、東シナ海のガス田開発の問題ですが、これは、首脳間での合意がありながら、課長レベルで前に進まないやり取りがずっと進まないなかで、最近局長レベルまで上がりましたが、中身的に進歩はなかったわけです。

私は、これを是非条約の話し合いにまで持って行くべきだと。つまり、「白樺」ガス田(中国名、春暁)については日本側の出資、そして、北部地域については、共同開発。そういったことを行うためには、日本と中国の間で文書を交わす必要があり、その交渉に入っていくべきだと主張し、今回、温家宝首相から、前向きな発言をいただいたと思います。

そして、中国海軍の演習に絡んだトラブルについても、そういったことが不測の事態に繋がらないように、そういったことに対して、これまでと違い、温家宝首相からいままでと比べれば一歩進んだ発言がありました。

その他、人の交流などについても、日本と一緒になって進めていこうということで、全体として非常に前向きで、物事を進めていこうという姿勢がはっきりと出た首脳会談だったと思います。

私は、いままで外相レベルでいろいろ議論してきたことが、具体的に中国側も決断し、また理解し、一歩進んで行くということは、非常に意味のあることだと思っています。

日中間には、2国間で解決しなければならない問題がまだまだありますが、そういうものを真摯に議論し、1つひとつ解決していくなかで、日中関係が将来に向かって更に深まっていくことが、可能になるのだと思います。

※ブログの動画版はこちら



コメントを返す

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。


TOP