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2008.05.29|TALK-ABOUT [ブログ]

アフリカ開発会議――同じ人間としての共感を持って

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昨日、横浜で「TICADⅣ(第4回アフリカ開発会議)」が開催されました。福田総理はじめ政府の各大臣が出席し、アフリカ諸国の首脳が一堂に会して会議がスタートしました。

私も途中から2時間ほど参加してまいりました。アフリカ各国の大統領や首相が、3分間スピーチならぬ5分間スピーチを次々とされていた姿が印象的でした。

このアフリカ開発会議、TICADⅣは、北海道洞爺湖サミットを前にして、非常に良い機会だと思います。私もアフリカのスーダンやケニアを訪れて、その極めて悲惨な状況を目にしてまいりました。


日本がもっとアフリカに対して関心を持たなければいけない――。そういう中で、福田総理がアフリカに対するODAを厳しい予算状況の中で倍増すると決断し、発表されたことは、評価されることだと思います。

ただ、他方で様々な問題もあります。私はアフリカのNGOの皆さんとも少し意見交換をさせていただく時間がありましたが、そこでも様々な意見が出ました。

まず、市民社会がこの日本とアフリカの関係をどう考えているのかという問題があると思います。「市民社会」というときに、それはアフリカ、日本双方あります。

例えば、日本側です。私が地元でこのアフリカ支援の話をしますと、まず出てくる反応は、いま財政状況が厳しいなかで、どうしてアフリカにまで多大な支援をしなければいけないのか――。こういう声が一般的だと思います。

それに対して、アフリカの現状を丁寧にお話しすると、多くの方に納得していただけるわけです。同じ人間としての共感を持って、アフリカで、例えばエイズやマラリアでたくさんの子どもたちが亡くなっている。教育が十分に受けられない子どもたちもたくさんいる。サブ・サハラ(サハラ砂漠以南)は、世界の中で貧困層、1日1ドル以下で生活している人が最も多い。そういう地域がある。

そういうことを具体的に私自身の経験も含めてお話ししますと、多くの方がうなずいていただきます。ただ、平均的には、私が先ほど申し上げたようなことで、「なぜアフリカに」というのが、国民の気持ちだと思います。

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同時にアフリカの市民社会、NGOの皆さんとも随分話をしたのですが、そういう方から見ても日本の援助というのは遠い存在だという感覚があると思います。

確かに、アフリカに支援をしても、それが本当に市民レベルまで下りて有効に使われているのか。途中で消えてしまっているのではないか。あるいは、市民レベルには全く関係のない大規模プロジェクトばかりがなされていて、しかもきちんと活用されていないのではないか――。

そういう疑問はアフリカ側にも日本側にもあると思います。そして、それは残念ながら現実でもあります。私も、立派な機械が入っているにもかかわらず、ちょっと壊れたら修理ができなくて放置されている例とか、あるいは、これはアフリカではありませんが、立派な病院はできたけれど、それが十分に活用されていない。そういう例を見てきました。

ですから、もっともっと日本の国民レベルでも、そして、アフリカの人たちの一般の住民の皆さんのレベルでも、日本国民がこの苦しいなかで払った税金を有効に使っている、そのことが確信できるような説明が必要なのだと思います。

私たちも政治家として、そのことを国民の皆さんにきちんと説明していく責任がある。同時にODAについて、それがきちんと意味のある使われ方をしている、そういうことになるように、私たちが政府をしっかりとウォッチしていかなければいけないと、改めて感じた次第です。

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