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内閣総理大臣の国会答弁-民主主義の根幹という認識

 桜を見る会前夜祭。議院運営委員会において、安倍前総理への質疑がなされました。やりとりを聞いていて、疑問を感じた方は多かったと思います。とても「深く反省し」「心からおわびする」「政治的責任を痛感している」態度とは思えません。
 特に私が疑問を持ったのは、「会場費」の問題です。安倍さんの答弁を聞いていると、収支報告書に記載していないのは「会場費」であり、「飲食代」は含まれていないと聞こえました。「会場費」を主催者側が出費することは寄附にあたらない、と総務省は例示しているので問題ない、従って不記載のみが問題だったとの論理です。しかし、安倍さんの立場に立ったとしても、差額である約3,000円すべてが会場費であり、飲食代が出席者が支払った会費5,000円に収まっていたのかどうかは、明細書を見ない限り明らかではありません。安倍さんは、その明細書はホテル側に営業上の秘密があるため、自分としては出せないとも答弁しました。疑問に答える姿勢は見られません。

 安倍さんは内閣総理大臣として、118回にのぼる事実と異なる答弁を国会で行ってきました。この問題の本質は、国民を代表する国会において、行政府の長が事実に反する答弁を繰り返したことです。これを許せば、審議を通じて行政をチェックする国会の役割が完全に失われてしまうということです。民主主義の根幹をゆるがす問題なのです。その認識は与野党問わず国会議員全員に共有されなければなりません。

 検察が不起訴とした判断の是非は、今後検察審査会で問われることになるでしょう。しかし国会で内閣総理大臣が事実に反する答弁を繰り返したことについては、国会が責任をもって、それが意図的なものであったのか否かを含めた事実解明を行い、安倍前総理の政治責任を正さなければなりません。与党・野党はありません。これは国権の最高機関である国会の問題であり、民主主義の根幹にかかわる問題なのです。

 与党議員、そして国会議長や議運委員長、予算委員長はどう受け止めているのでしょうか。明細書の提出一つをとっても、自民党や公明党が賛成すれば、議院運営委員会として、ホテル側に提出を求めることが可能です。あくまで安倍さんを守るのか、それとも事実を明らかにするのか、与党も問われています。あいまいな決着を許せば、国民の議会制民主主義に対する信頼を深く傷つけることになることを想起すべきです。




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