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トランプ大統領―早期退院は暴挙では

新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領が退院しました。2日未明に入院してからわずか3日間の入院でした。新型コロナウイルスを乗り越えた強い大統領を演出し、リードを許していた大統領選を逆転したいとの思惑やあせりがあるのでしょうが、大きな疑問を感じます。

まず大統領夫妻やホワイトハウスの中で感染が拡大したことに対する反省が全くありません。自らマスクの着用をほとんどしないばかりか、討論会でバイデン候補のマスク着用について、まるで臆病者とでもいわんばかりの取りあげ方でした。大統領出席の会合でもマスク着用がほとんどないケースもありますが、大統領がマスク着用に後ろ向きであれば周囲もそれにならうしかありません。結果として国の中枢であるホワイトハウス内での感染拡大につながりました。危機管理の甘さを指摘されても仕方ありません。
大統領は陰性になったのでしょうか。車やヘリでの移動、ホワイトハウス内でのスタッフとの接触などは避けられず、更に感染を拡大する可能性は否定できません。十分な感染拡大防止策を前提として大統領として不可欠な仕事を続けることはやむを得ないと思いますが、選挙対策としての政治ショーは感染中は最小限に控えてもらいたいものです。

何よりもトランプ大統領は一般の人々が望んでもとても受けられない最高レベルの治療を受けていることを忘れてはなりません。アメリカの死者数は21万人を超えていますが、その中には十分な手当てを受けることなく命を落とした人も多いのです。
トランプ大統領が短期間で病気を克服したとしても、それを支えた最高の医療スタッフと莫大な費用の結果であって、トランプ大統領が「コロナを短期間で乗り越えた特別な人」であったことにはなりません。

トランプ大統領も高齢です。自身の感染を甘くみると急激な悪化の懸念もあります。大統領職の任期は来年1月末まであり、アメリカや世界の安全や経済が重大な混乱におちいることのないよう、十分に自重しながらその責任を果たすことを願っています。




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