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11/8 外務委員会(日米貿易協定)

【委員会】 外務委員会
【日 時】 11月8日 9時31分~9時51分(20分)

* 動画はコチラ
⇒ YouTube 【岡田かつや国会論戦】 https://youtu.be/Nx_u-iIQUyc
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○岡田委員 岡田克也です。
 まず、茂木大臣にお聞きしたいと思いますが、前回の私の二十三日のやりとりで、トランプ大統領と安倍総理との通商拡大法に基づく追加関税がないということのやりとり、それから、ライトハイザー代表と茂木大臣との間の数量規制はないということのやりとり、これをぜひ出してくださいというふうに申し上げたところです。この点について、まだその資料が示されていないということですが、これはどういうわけでしょうか。

○茂木国務大臣 今御指摘のありました二三二条に基づきます追加関税が課されない旨、そしてまた、私とライトハイザー代表との間で、数量規制等、輸出制限的な措置がとられない旨、これにつきましては前回の委員会におきまして御説明を申し上げました。
 その上で、その資料等をどうするかについては理事会において話し合われる、そのようなものだと私は承知をいたしております。

○岡田委員 理事会で話し合われても、その決着がついていない。これは基本的には政府の判断することですからね。この協議、この審議に当たっての一番コアの部分の一つですよね、追加関税が本当に課されることはないのか、あるいは数量規制は大丈夫なのか。多くの国民が心配しているところです。それをちゃんととったから認めてくださいというのが政府の説明ですが、本当にとれているのかどうかわからないからここで問題になっているわけでしょう。
 これは、議事録をきちっと示す責任があるんじゃないですか。

○茂木国務大臣 まず、米通商拡大法二三二条に基づきます追加関税、これが課されないことにつきましては、九月の二十五日の日米首脳共同声明におきまして、この協定が誠実に履行されている間、この協定そして今回の共同声明に反するような行動はとらないということが明記をされております。そして、この明記をされた内容については、日本の自動車について追加関税は課さない、こういう趣旨であるということは、首脳会談におきまして明確に確認をさせていただいております。
 日米の首脳間の合意であります。しかも、たくさんの関係者のいる間の合意でありますので、確認事項でありますので、これは明確であると思っております。
 また、数量規制の問題につきましては、私とライトハイザー代表との間で、五月、そして八月の二十三日になりますが、二度にわたって、課さない、この旨は確認をいたしまして、そして、このことは対外的に発表すると、私の方から、この後会見があるから、それについても米側から了解を得ておりますので、これについても明確にそういうことはないと考えております。

○岡田委員 これは微妙な問題ですから、どういうやりとりをしているかによって解釈が変わってくる可能性がある。
 普通なら、これは共同の文書を出すか、今、単なるやりとりじゃなくて、あるいは、共同の記者会見のときにトランプ大統領の口からもきちっと述べてもらうというのが普通だと思うんですね。そういうのが全くなくて、一方的に、いやいや、会談で確認しましたからというのでは、我々は到底納得できないわけですよ。だから、ちゃんとしたやりとりを出せということを求めているわけです。
 安倍総理は、外交のルールとしてそういうやりとりは出せないけれども、しかし、日本側が何を言ったかは、ルールとして、そういうのはあるんだということも予算委員会でお認めになっています。ですから、少なくとも第一弾として、私は、やりとりをきちっと出すべきだというふうに考えていますし、その要求を引っ込めるつもりはありませんが、まず第一弾として、安倍総理がどう具体的に述べたのか、そして茂木大臣がどう述べたのか、そのことは安倍総理も出せると一般的なルールとして言っておられるわけですから、きちっと出す責任があるんじゃないですか、いかがですか。(発言する者あり)

○松本委員長 御静粛に願います。
 茂木外務大臣、お願いします。

○茂木国務大臣 御指摘の総理の答弁は、こういった外交上のさまざまなやりとりの中で、みずからの発言についてはそれぞれの自国における国内説明等のためにその概要を対外的に紹介することはあり得る、こういう趣旨であると考えております。
 ただし、その場合でありましても、首脳会談であります。岡田委員も外務大臣も経験されてお詳しいと思いますが、その詳細なやりとりの一つ一つについて明らかにすることは、外交上の配慮で慎重な対応が必要であると思っております。
 また、先ほど申し上げた、この二三二条の追加関税が課されない、そしてまた、数量規制が課されない、仮に協定の中に課されるか課されないか微妙な表現があるとしましたら、それについて明確に、協定の内容ですから、お示しする必要はあるかもしれませんけれども、二三二条を課す、若しくは数量規制を課す、このことは全くこの協定の中には含まれていない、そのように承知をいたしております。

○岡田委員 それが確認できないから申し上げているわけですね。
 二十三日の外務委員会で、私と茂木大臣との間でこういうやりとりがありました。茂木大臣はこういうふうに答弁されたんですね。WTOに整合的でない、そういった数量規制、輸出自主規制等の措置を課すことはない、こういったことを確認しています。
 若干詳し目に大臣の述べられたことを説明したものだというふうに考えていますが、ここで非常に問題なのは、WTOに整合的でない、そういった数量規制、輸出自主規制の措置を課すことはないというふうに言っておられるわけですね。単なる数量規制、輸出自主規制ではなくて、WTOに整合的でない、そういう限定をしておられるわけです。
 しかし、アメリカ側は、既に幾つかの協定の中で、韓国やあるいはメキシコ、カナダ等の中で数量規制を入れている。つまり、アメリカ側は、そういった数量規制はWTOに整合的でないというふうに考えていないわけです。そういうことはWTOの中で認められるという前提に立って数量規制を入れているわけでしょう。
 したがって、茂木大臣はWTOに整合的でない数量規制は課すことを考えていないというふうに言ったとしても、ライトハイザーがイエスと言ったとしても、それはライトハイザー自身が数量規制はWTOに違反するとは考えていないわけだから、全く禅問答みたいになってしまっているわけですよ。だから、確認したことになっていないんですよ、これは。
 だから私は、本当のところ、どういうやりとりだったのか、少なくとも総理そして茂木大臣の発言をきちっと示してもらいたい、その上で議論しましょうというふうに申し上げているんですが、いかがですか。

○茂木国務大臣 日本としては、WTOに整合的でないあらゆる措置については反対であります。そして、数量規制、輸出自主規制、アメリカとして求めるのであれば、USMCA、新KORUSにあるように、当然それは協定の中に盛り込まれるものだと。日米貿易協定におきましては、そういった項目は全く盛り込まれておりません。

○岡田委員 協定に盛り込まれているか盛り込まれていないかは、それは関係のない話です。そういった既存の協定でも、WTOに整合的でないときにはそれに対して訴えることができる権利は留保されているわけでしょう、韓国やメキシコやカナダには。だから、そこは関係ないんです。
 アメリカ側がどう考えているかということを私は問題にしているのであって、アメリカ側は数量規制はWTOに違反するというふうには考えていない。そのアメリカに対してWTOに整合的でないものはだめですということを言ったところで、それは何も確認したことになっていないということを申し上げているわけでございます。わかりますか。

○茂木国務大臣 岡田委員の方からUSMCAのお話を出されましたので、USMCAには明確に数量規制が書かれております。アメリカとして、メキシコ、カナダとの間で数量規制が必要であると思ったから、そういう協定を、規定を盛り込んだんだと思います。
 今回、日本としては、数量規制、輸出自主規制については反対だと明確に主張いたしまして、相手の了解もとった。ですから、盛り込まれておりません。そして、その旨はライトハイザー代表との間で確認をし、また、記者会見がすぐにその後に、八月二十三日にありましたので、対外的にこのことは発表するということについてライトハイザー通商代表の了解も得ておりますので、この点は明確になっていると思っております。

○岡田委員 ライトハイザーは、数量規制、輸出自主規制はWTOに整合的でないというふうに認めたんですか。

○茂木国務大臣 今の話とはちょっと違った議論だと思いますけれども、数量規制そして輸出自主規制については課さないという旨を明確に確認をしております。

○岡田委員 だから、明確に確認しているといっても、一般的に茂木大臣は確認していないんですよ。この前のこの委員会での茂木大臣の答弁は、何度も繰り返しますが、WTOに整合的でない、そういった数量規制、輸出自主規制等の措置を課すことはない、これを確認していますというふうに言っているわけですから、WTOに整合的であるというふうにアメリカ側が考えている数量規制があるとすると、そこの部分については何も確認したことになっていないというふうに申し上げているわけです。いかがですか。

○茂木国務大臣 日本に対しては数量規制、輸出自主規制は課さないという旨を確認しておりますので、その点は明確であると思っております。
 新KORUSによりまして、韓国には課しております。また、USMCAにおきましては、カナダ、メキシコには、実際に協定の合意のときに課しているわけであります。今回は全く課していない。そして、そのことについても明確にしておりますから、これはWTOに整合的であるかどうかというアメリカの解釈にかかわらず、アメリカの行動で明らかになっていると思っております。

○岡田委員 全く説明になっていないと思うんですね。
 私は、だからこそ、茂木大臣がライトハイザーに対してどういう言い方をしたのか、総理がトランプ大統領に対してどういう言い方をしたのかということをきちんと示さないと、これはとても、大丈夫ですということにはならないということを申し上げているわけです。
 日本の主張すら示されないというのは、やはりそこに何か問題があるから、だから示せないんじゃないんですか。いかがですか。

○茂木国務大臣 何度も申し上げておりますが、きちんと、日本がどう主張したか、そしてどう確認をとったか、このことについては丁寧に御説明を申し上げているつもりであります。
 あと、資料の取扱いにつきましては、理事会等でお話合いをいただければと思います。

○岡田委員 何度も丁寧に説明しているって、何も説明していないじゃないですか、さっきから。だから、きちっと示していただきたいというふうに思います。
 そもそも、この委員会、前回の委員会でもいろいろな資料を我々は求めました。(発言する者あり)
例えば、後藤委員から、本当にアメリカは自動車及び自動車部品の関税を撤廃するということを納得しているのか、納得した上でいつ下げるかということになっているのか、それとも関税を撤廃するということそのものはまだ合意されていないのか、これは一番大事なところですよね。そこのところについてきちっと文書で示してくれということを要求いたしました。これに対する答えはありません。審議の中でというふうに言っているだけですね。
 それから、玄葉大臣からは、要するに、自動車・自動車部品について、そういうことで、少なくともいつ撤廃をされるのかもはっきりしていないわけですから、それを除いた数字を出すべきだと。これは当たり前のことだと思うんですね。その当たり前の要求に対しても、それに対して答えていない。
 だから、基本的には、この協定にかかわる、私の話も含めて基本的なところについての答えがしっかりと出てこない。そういう状況でこの審議、私はできないと思うんですよ。私は、ここでやはりきちっと出していただくということを踏まえて、ほかにも幾つか要求していますが、そういったことが誠意を持って示されるということをもって審議していきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。

○茂木国務大臣 自動車・自動車部品の取扱いにつきましては、前回も御説明申し上げましたが、協定の本文の五条の1におきまして、それぞれの附属書におきまして、市場アクセスの改善、このやり方を規定するという形になっております。
 そして、アメリカ側の附属書におきましては、関税撤廃について更に交渉するということが書いてあるわけでありまして、これは単に関税についてではなくて、関税の撤廃について、「ウイズ リスペクト ツー ジ エリミネーション オブ カスタムズ デューティーズ」、こういうことが明確に書いてありますので、関税撤廃の時期がいつになるか、こういったことを交渉すると。
 つまり、協定の本文の方に、市場アクセスの改善の仕方、これを附属書に記載をする。そして、アメリカの附属書につきましては、このような形で関税撤廃について更に協議をするということが明記をされている。これが合意されている全てであります。
 それはいろいろな、日本についてもどうしたいという思いはありながら交渉というのは進めてまいりましたけれども、合意したことは、協定、そしてまた協定に絡みます附属書、そしてまたサイドレター、交換公文、これに全て反映をされている。いろいろな思いというのはそれぞれ交渉者で持っております。私も持っておりますけれども、決まったことというのはお出しをしている協定になる、このように思っております。

○岡田委員 そもそも日本語訳が、関税の撤廃から、関税の撤廃に向けて交渉するというふうに途中で変わっているじゃないですか。そして、時期が明示されていないということは、百年先でもいいということになったら、こんなのは関税を撤廃しないのと同じですよね。だから、そこのところ、本当にアメリカは撤廃すると認めているのかどうか。撤廃すると認めないとガット法違反になる、そういう懸念もあって、一応認めることに、日本としては主張しているかもしれないけれどもアメリカ側は認めていない、そういうふうにしか読めないわけですね。
 そういったことについてきちっと、まず文章で私たちは確認したいということで求めているわけですから、ここはぜひ文書で出していただきたい。その上で私は審議を続けたいと思います。ここで審議をとめたいと思いますが、いかがですか。

○松本委員長 私に対してでありますか、岡田克也君。(岡田委員「委員長、どうぞ」と呼ぶ)大臣でよろしいですか。(発言する者あり)
 資料の要求については、既に理事会で協議を続けておるところでございますので、引き続き与野党間の協議をお願いをしたいと思います。

○岡田委員 いや、肝心かなめの大事な資料がいつも出てこない中で審議をしろということが、私は無理だというふうに思いますよ。ですから、そういう資料が出てきたことをもって私は審議したいと考えておりますので、そのことを委員長に求めたいと思います。

○松本委員長 理事会で協議をさせていただいている案件でございますので。
 岡田克也君。(発言する者あり)
 質疑を続行いたしたいと思います。岡田克也君。(発言する者あり)
 岡田克也君、質疑を続行してください。(発言する者、退場する者あり)
 本日の委員会につきましては、けさの理事会で理事全員の合意をいただきまして定めた質疑等に従いまして進めてまいりまして、各申合せの時間で質疑を進めてきたところでございます。
 岡田克也君に質疑を続けるように申し上げてまいりましたが、岡田克也君の申合せの時間が終了をいたしました。




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