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2016.02.05|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(2月5日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=CEv4symxa8Y

岡田克也代表記者会見
2016年2月5日(金)15時00分~15時49分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
○衆議院予算委員会・安倍総理の答弁姿勢について
■質疑
○衆議院選挙制度改革・定数削減について
○甘利前大臣の金銭授受問題について
○遠藤大臣の口利き疑惑報道について
○特例公債法案について
○企業団体献金の禁止について
○清原氏の覚醒剤所持容疑について
○鈴木貴子議員をめぐる報道について
○参議院選挙について
○NHK予算案について
○野党の協力・結集をめぐる議論について
○TPP交渉について
○次期総選挙に向けた対応について
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■冒頭発言

○衆議院予算委員会・安倍総理の答弁姿勢について

【代表】
 私からは1件。予算委員会、総括的な質疑、今日で3日目。今日は長妻
昭代表代行も質問されました。この3日間通して、「総理は大丈夫かな?」
という感じがします。
 例えば昨日の大串博志さんや山尾志桜里さんに対する答弁。山尾さん
には「クイズみたいな質問するな」と。非常に論理的に彼女は展開していて、
前回総理が説明したことが間違っていると質したと思いますが、それに対
して、(総理は)今申し上げたような言いぶり。大串さんの憲法9条をめぐる
議論についても、公党を侮辱するような、言いぶりで逃げようとする。非常
に感情が入った言い方で、一国の総理らしくない。
 その前日に本会議場で共産党の塩川さんが質問したことに対して、「安
倍政権は政治資金によって左右されることはありません」と答弁されました
ので、ちゃんと甘利さんあるいはその事務所の状況を見ていって、検証した
ほうがいいのではないかという私の質問について、私は紳士的に申し上げ
たが、答えは「悪魔の証明で、ないものはない」と言い切られた。それは証
明できない、と言われた。じゃあ、証明できないことを、わざわざ本会議場
でなぜ言い切ったのか。
 いずれにしても、もう少し丁寧に、そして国民の皆さんに、テレビを見てお
られる国民に対して説明するという側面もあるわけですから、きちんとした
対応をされたほうがいいのではないかと思います。

■質疑

○衆議院選挙制度改革・定数削減について

【日本テレビ・川上記者】
 予算委員会で代表も質問されていたが、定数削減について、総理は「最
終的には私が決める」「答申は尊重すると言っている」という言いぶりをされ
ている。実際に賛成するのか反対するのか非常にあいまいな言いぶりだと
思うが、そのあたりは、代表は実際に質問されてどのようにお感じになるか。

【代表】
 今までの流れから言うと、佐々木調査会(衆議院議長の諮問機関「衆議院
選挙制度に関する調査会」)の答申は尊重すると言わざるを得ない。これで
ひっくり返したら、一体何のためにやってきたのかということになる。国会議
長のもとに置かれた調査会ですから、その権威は全くなくなってしまう。国会
に対する侮辱だということにもなる。
 一方で細田案に対しても答申の趣旨に沿っているような言い方もされてい
て、そこは非常に気になるところです。答申の最も骨格は「アダムズ方式」を
入れて、各都道府県に対する1県1議席割り当てというものをやめるというと
ころが一番の根本で、これは最高裁が求めているところですが、細田案は
それをやらないわけですから、単に(一票の格差を)2倍以内にするように都
道府県の中で線引きをやり直すというだけ。10年に1回の調査の時に、「ア
ダムズ方式」をまず入れてちゃんとやる、その上で5年ごとの時には微調整
で2倍以内におさめると佐々木調査会の答申は言っている。その最初の入
り口のところで「アダムズ方式」を入れるということをやらなければ、それは
換骨奪胎というか、何もやらないに等しい。しかし、そういう方向に行くリスク
は十分にあると私は思っています。

○甘利前大臣の金銭授受問題について

【「ニュースソクラ」・河野記者】
 直近の国会で岡田代表は安倍首相に甘利大臣の任命責任を追及されて
いたが、直近の世論調査では少しずつ安倍内閣の支持率が上がってしまう
ような結果に陥っている。この件についてどうお感じか。

【代表】
 「直近の」というのがいつのことかわかりませんが、こういう国会のやりとり
を見ていると、やはり問題があるという認識は深まっていくと思います。
 あの記者会見で、非常にうまく「事務所のスタッフは悪いけれども、甘利大
臣はその責任を取った」というような演出があったと思いますし、私が非常に
気になったのは、あの日のテレビのいろいろな場面でコメンテ―ターなどが、
そういう一つの世論を作ろうとしていた。そういう動きは見えたと私は思う。
だから、「官邸はよくやるよ」と私は思いましたが、それに影響されている部
分もあると思います。
 しかし甘利大臣は、スタッフへの監督責任だけではなくて、自らもグレーな
お金を受け取っていたことが明らかになってきたし、それから、URとの問題
もスタッフがやったことは法に触れる可能性が高いということがだんだんわか
ってきていますので、これから世論は変わってくるだろうと思います。

【フリーランス・上出記者】
 内閣支持率の話が出たが、今おっしゃったとおりだと思うが、この問題の
背景にあるのは安倍政権のマスコミ対策、いわゆる威圧と萎縮、威圧とすり
寄りというか、会食をやったり、懐柔、「アメとムチ」がだんだん功を奏したの
が反映されているのではないかと思う。(政権に批判的な)コメンテーターが
辞めた。それから新聞は、こういう大きな問題であるにもかかわらずワッペン
記事も連載記事も書いていない。この辺にも追及の及び腰があるのではな
いかと思う。「安倍政権の危機管理がうまい」と皆さん持ち上げているが、今
の問題を、どう分析されているかもうちょっと伺いたい。

【代表】
 官邸は巧みにやったと思いますが、これはほめられることではない、事実
をねじ曲げて伝えているということですから。官邸がどこまでやったかは、こ
れは証拠がないことなのでわかりませんが、メディアの中にそれに追随する、
そういった動きに呼応するようなコメントをした人たちが何人もいる。その名
前を忘れてはいけないということだと思います。本当に危ない時には、そうい
うふうに反応する一部の人達がいるということでしょう。

【フリーランス・上出記者】
 この問題、ざっと調べただけでも、それから古手の政治ジャーナリストから
聞いても、甘利さん自身がかなりの金権体質の人であると。ところがTPPの
問題なんかで非常に美化しているのではないか、この辺を全然マスコミが突
いていないと。事務所費を使い過ぎている問題とか、飲食費が非常に多いと
か一部報道されているが、甘利さん自身につながっているいろいろな問題を
もう少し厳しく追及するという考えはあるか。

【代表】
 そこは一定の根拠に基づいて言わなければなりません。それを言う以上は、
その根拠があるかどうかを確認しないと。軽々に言う話ではないと思います。
 ただ、私自身が取り上げたように、やはり建設会社の社長と大臣室で会う
こと自身が異例だと私は思いますが、会った時のお金を、甘利さんの言葉
を信じれば、後で菓子折りの中に、袋の中に入っていることがわかった。総
務担当の方は全然違うことを言っておられるが、甘利さんの発言をそのまま
受け入れたとしても、後でわかりました。それを「適正に処理しなさい」(と指
示した)と。
持ってきたほうは政治献金だと一言も言っていないし、のし袋に入っていた
お金であれば、普通は政治献金ではない。何らかのお祝い金、あるいは裏
金としか思えない。それを「適正に処理しなさい」と言って政治献金として受
け取ったと。しかも、それが処理されたのは3ヵ月ぐらい先。それまで会館事
務所か地元事務所の金庫に、そのお金は眠っていたのだと思うが、その間、
そのお金が政治資金だということにはならなかったと思う、領収証も切って
いないわけですから。そういう非常にグレーな話です。そういうことがきちん
と国民に伝わっているのかというと、残念ながらそうではないと私は思います。
 国会では取り上げられませんでしたが、甘利さんが読み上げた、弁護士が
秘書から聴取した中にも、社長が50万円を取り出して菓子折りの入った袋
に入れたという記述がある。これは、甘利大臣の目の前でと読むのが普通
ではないかと思います。例えば控室で秘書はいたけれども甘利さんはいない
ところでそういう行為があった、それを大臣室で丸ごと渡したというよりは、や
はり目の前で袋に入れたとしか読めないような記述もあります。こういうとこ
ろも一体どうなのかと、甘利大臣にはぜひ質してみたいが、本人は出てこら
れないので、いまだにチャンスがない。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 同じ日に共同・毎日・読売・産経・日テレ、全て内閣支持率、つまり安倍さ
んの人気が衰えないと。主要閣僚、本当の中央の人がスキャンダルで辞めて、
なおかつそれだけ上がるというのは、これは率直に言って、安倍さんは強いと。
この強さというのを民主党執行部はどう受け止めているのか。これは容易な
らざる強さだと私は率直に思ったが、そこをどうご覧になっているか。甘利さ
んの問題ではなくて、安定政権の安定性、強さについて。なぜ内閣支持率が
上がったかということについて、どう分析しているのか伺いたい。

【代表】
 先ほど来言っていますように、甘利問題の処理が美談のように伝えられて
いる、国民に伝わっているということではないですか。「よく決断した」「総理が
決断して、盟友を辞めさせた」ということではないでしょうか。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 先ほど代表は、こういった一連の問題についてきちんと国民に伝わっている
かというと、そうではないという問題意識をおっしゃったが、こういった問題を
民主党としても国民に伝えていくことが課題になってくると思う。こういう課題
について、国会の中での論戦もそうだが、どういうふうにアピールしていけば
いいか。その点について、どのようにお考えか。

【代表】
 国会での議論でだいぶ伝わったと私は思います。あの(辞任の)瞬間は、国
会やっていませんでした。メディアの皆さんの伝え方で国民は理解したと。し
かし、その後、今日も含めて3日間の予算委員会の中でのやりとり、それが
伝わる中で世論も変わってきていると私は思います。

○遠藤大臣の口利き疑惑報道について

【NHK・花岡記者】
 「政治とカネ」の問題について、現役閣僚で遠藤オリンピック担当大臣のAL
T(外国語指導助手)をめぐる補助金の問題、政治献金との関係の問題が新た
に浮上している。こちらは現役の閣僚ということで、今後どのように追及して、ど
ういった点に注目されているか伺いたい。

【代表】
 具体的なことは国対、あるいは予算委員会の皆さんに任せていますので、代
表が一々こうするべきだとか、そういう指示をしているわけではありません。た
だ、疑惑が伝えられている以上、しっかりと国会の中で取り上げて質していく必
要があると思います。
 安倍総理が、安倍内閣の政策が政治資金で影響を受けることはないと断言さ
れていますから、その断言自身に根拠がないというのは先ほど申し上げたが、
それに違う結果が出てくれば、それは総理の発言そのものが問われる。総理も
大きな責任を負うことになるということだと思います。

○特例公債法案について

【産経新聞・松本記者】
 民主党政権時代に赤字国債を3年は出していいとされたが、今回これを5年に
するということで、細野豪志政調会長は最近の会見で「明らかに財政規律の観点
からも問題だ」と述べられたが、代表の見解を伺いたい。

【代表】
 基本的には同じです。安倍政権の財政の健全化に対する努力、これが明らか
に不足している。現に「2020年・プライマリーバランス黒字化」という目標は野田

政権の時と変わっていないのですが、現実的には6.5兆円の要調整額、つまり
まだ足らないということになったまま、放置されたままです。数字が何もない。ここ
は自民党の稲田政調会長からも指摘される始末。
 そういう状況の中で5年間も赤字国債の発行を任せると、極めて不健全な財政
になる可能性がある。そういう意味で、基本的には元に戻して毎年毎年きちんと
チェックできる態勢が望ましいと思います。

○企業団体献金の禁止について

【共同通信・関記者】
 今日の民主党と維新の党の政策調整会議の中で、維新の党の政治資金規正法
改正案の原案をもとに議論がなされた。維新案ではパーティー券(企業団体による
パーティー券の購入)も含めた形での企業団体献金の禁止という形でうたわれてい
るが、まず党として、代表としての企業団体献金に関する基本的な考え方について
伺いたい。

【代表】
 これは党の中で、今、政治改革・国会改革推進本部で議論していますので、私が
先に結論を言うことは好ましくないと思います。
 ただ方向は、企業団体献金は法律で禁止をする、その法律を国会に出すという
方向性です。「企業団体献金」という時に、パーティーも含めて考えるべきだという
のは、これは民主党の今まで一貫した、私が与党幹事長をやっている時から一貫
した主張です。献金だけというのは、それは実質的に全てパーティーに逃げてしま
い、規正したことにならないということです。

【共同通信・関記者】
 パーティー券も含めた企業団体献金の禁止という部分では、党内では慎重に検
討すべきだと、例えば連合系の方達の中からそういう意見も出ているが、党として
今後どうバランスをとっていかれるのかという点と、受け取りの自主規制の点だが、
おおさか維新の会など一部野党は自主的に、1月から受け取りをやめるという党
もあるが、その点についての代表の考えを伺いたい。

【代表】
 やはりパーティーも合わせてしないと、禁止したことにはならない。パーティーの
ほうが透明性が低い。献金であれば5万円以上は名前が出る、パーティーはたし
か20万円以上だったと思う。ということは申し上げておきたい。
 それから受け取りの、党としての自主規制という点ですが、民主党だけがそういう
ことを行えば、それは自民党を利するだけです。我々は法律を出して、そしてその
成立を目指すというのが基本的な考え方だと思います。

【フリーランス・上出記者】
 この問題は前から何回も出ていて、政権についていたころに記者会見でいろいろ
な方にお聞きしたが、もう辞めた幹部の中で、やはり企業団体献金は必要なんだと
はっきり、自民党が今言っているのと同じような感じで言われている方もいた。本当
にそれがどこまでできるのか、その辺の代表自身の決意と、これに伴って出てくる
のが政党助成金の問題で、これは一部政党は(受け取りを)やめているが、この辺
も含めてそういった「政治とカネ」の問題にどこまでやっていく意気込みがあるか伺
いたい。

【代表】
 一番いけないのは、お金が地下に潜ることです。今回の甘利問題も500万円の
うちの300万円、それから甘利さんご自身が受け取った100万円も、最終的には
届け出がなされたけれども、かなり時間もかかったし、渡すほうの意図としてはは
たして政治献金として渡しているのかということも疑われるわけです。
 だから形だけやるのではなくて、実質的に意味のあるようなものでなければなら
ないと思います。
 同時に、個人献金が促進される仕組みを、税制を初め、かみ合わせていかない
と、結局、政治活動のために必要な資金が手当てできないということになる。

【フリーランス・上出記者】
 今の数の力でいくと、幾ら野党がこう言っても、自民党は企業団体献金は正しい、
いいと言っているわけですから、難しい。先ほどの質問にあったように、自主規制的
な、行動としていろいろな党がやっていくということも一つのやり方かなと思うが、そ

のことは選択肢としてはどうなのか。

【代表】
 先ほど申し上げたように、他党でそういうものをやっておられているところも、パー

ティーも含めてきちんとやっておられるわけではなくて、結局、抜け穴のもとでやって

おられるのではないかと思います。完全にきちんとやるということになれば、これは
イコールな競争にはなりません。そういう意味では、イコールの競争になるような仕
組みをどうやって作っていくかという問題だと思います。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 自民党を利するだけという理由で、自主規制はすべきではないというお考えだと
思うが、一方で民主党はこの問題に長く取り組んできたと思う。その時に自民党か
らは「そういうことを主張するのであれば、正しいと思うのだったら自主的に取り組
め」という批判が何度もあったと思う。こういう自民党の批判に対して、しっかり説明

していくことも必要になるかと思うが、この点についてどういうふうに説明していけば

よいか、どのようにお考えか。

【代表】
 理不尽な言いがかりに説明など必要ないと私は思います。きちんと説明してい
ると思います。共にやりましょうと申し上げている。

 政治献金の話で言うと、もう一つ我々がやろうとしているのに、収支報告書をイ
ンターネットで閲覧できるようにする。一部のNPOなどがそういったことをもう少し

横展開しようとしていますが。
 やはり一人の政治家についていろいろな政党支部がいっぱいあったり、あるい
は政治資金を扱う団体がたくさんあったりして、わけがわからなくなっている議員
がいると思う。小渕さんの場合もそういうところが見られました。そういうものをも
っと透明性を高めて、有権者がきちんと把握できるようにすることは、最低限必
要なことではないかと思います。
 私自身は資金管理団体だけで、それ以外に政治資金を扱うところはありません。
それから関連するところで言えば政党支部ですね、三重3区支部、これ一つだけ。
それ以外に私の政治資金を扱うところはありません。本当はそういうふうにできる
はずで、いろいろな団体が入り組んでいて、お金があっち行ったりこっちに来たり
して、わけがわからなくなっているようなことは避けるべきだ。それが第一歩では
ないか。
 そのことと、先ほど言った(企業団体による)政治献金の法的禁止、そこが両輪
相まって国民に対してわかりやすく示していくことになるのではないかと思います。

【毎日新聞・田所記者】
 収支報告書のインターネット公開は政治資金規正法改正案とともに、議員立法
のようなものを考えているのか、それとも自主ルールみたいなことで考えている
のか、どうお考えか。

【代表】
 我々、今までそういう主張をしています。ただ、これも民主党だけするということ
ではなくて、全体をそういうふうにすればいいと思う。そういう議論もこれからして
いきます。

○清原氏の覚醒剤所持容疑について

【東京スポーツ・高橋記者】
 政治と直接関係がないが、元プロ野球選手の清原和博容疑者が逮捕された
というニュースは、それこそ甘利さんのニュースなんか吹っ飛ばしてみんなこれ
に関心を持っている。この逮捕について、岡田代表の受け止めを伺いたい。

【代表】
 実績のある、存在感のある選手だったので、極めて残念ですね。本人も認めて
はいるようですが、これから裁判になるのだろうと思いますが、きちんと正直にお
話しになって、そして必要な刑に服する。少なくとも子どもたちの夢を壊さないでも
らいたいと思います。

○鈴木貴子議員をめぐる報道について

【「ニュースソクラ」・河野記者】
 先月末から報道されている鈴木貴子議員の離党問題について、代表は党大会
の後に、今の時点でコメントすることはないとおっしゃっていたが、その後、また
日経新聞に報道が出たりということが続いている。この件に関して自民党に抗議
したり、その他何か行動をとることは考えているか。

【代表】
 本人は何も言っていませんので、コメントする必要はないと思います。

【フリーランス・安積記者】
 衆議院北海道5区の補選に、鈴木さんを党として応援に行かせることはお考え
になっているか。

【代表】
 今、非常に微妙な報道がされていますので、そういったご質問に答える必要は
ないと思います。

○参議院選挙について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 自民党側から見ると宜野湾市長選もかなりのでき過ぎで、内閣支持率について
はびっくりするほどのでき過ぎ。この二つのでき過ぎで参議院選挙対策にどうも弾
みがついてきたと。今日あたりも、有名な女性歌手擁立みたいなのが出ている。そ
れに比べると民主党は、一任は取り付けたけれども、大阪から新党をつくって代表
選をやったらいいというような要望が出たり、参議院選挙に対する対応がちょっと
遅れが出ているのではないか。参議院選挙に向けて、民主党もどこかで弾まない
といけないと思うが、その辺の認識を伺いたい。

【代表】
 一つはやはり国会、今は予算委員会開会中ですが、予算委員会の中でしっかり
と我々の考え方を伝えていく。
 もう一つは、候補者です。候補者も、1人区を中心にだいぶ出揃ってまいりました。

いい候補者を相当立てることができたと思います。最後はそういった候補者の力量
というものが非常に大事になる。若干空白のところは残っています。今1人区で10
ぐらいあるのかな。しかし、めどがつきつつあるところもあるし、新潟などは菊田真
紀子衆議院議員が、それこそ勇気を奮って手を挙げてもらった。各地区でいい候
補者が揃ってきているということだと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 新潟選挙区だが、現職の衆議院議員がその任期中に参議院に行くということは
非常に珍しい。衆議院に落ちた人が参議院に行くのはごく当たり前になっているか
もしれないが。ダブル選になった場合はしょうがないが、菊田さんが負けたら、また
すぐに衆議院新潟4区に戻すとかそういった約束はあったのか。

【代表】
 私は聞いたことはありません。もちろん彼女は勝つつもりで立っていますので、そ
ういう話はあり得ないと私は思います。

【フリーランス・上出記者】
 党大会も済んで、これから国民に向けて「民主党はこういう党だ」とどうアピール
するか。安保法制で非常に盛り上がったが、自民党が国会をやらないでその火を
消してしまったという流れがあるのではないか。若い方も含めて、野党が一緒にや
ってほしい、議論はしづらいだろうが共産党も含めてやってほしいという声が根強
くある。そういう声に対して、これからの参議院選挙に向けてどうアピールするか。
安保法制に反対していた火が消えてしまっていることも、盛り上がらないことの中
にかぶさっているのではないか。その辺はどうお考えか。

【代表】
 安保法制の火が消えているとは思っていません。引き続き各地区で安保法制を
白紙に戻すということについて、大きな市民の動きが続いていると認識しています。
いろいろなご意見はあるが、我々としては何とかもう一回、白紙撤回させるため
の運動を引き続き盛り上げていきたいと思います。
 民主党が何を目指しているかというのは、私の代表質問と、この前の党大会に
おける演説をしっかり皆さんに周知徹底していくということだと思います。そこに全
て書いてある。

【時事通信・大沼記者】
 これから何を訴えていくかということに関連するが、自民党が、民主党が得意分
野としていたような若者対策や社会的弱者に対する対策などに、参院選を目指し
て本腰を入れ始めている動きが出ている。そういった動きを代表はどう考えてい
るか。そういうことに対してどう対抗していく考えがあるか伺いたい。

【代表】
 いろいろなことをかぶせてきていることは事実です、同一労働同一賃金とか。昨
日ですが、「多様性」という言葉が安倍総理の口から出て、私、初めて聞いたが、
とにかくいろいろなものをかぶせてきて争点を隠そうと、そういう試みだと思います。

 逆に言うと、それだけ危機感も強いのかとは思いますが、問題は中身ですね。今
日も長妻さんが同一労働同一賃金について「法律を出すのか」と聞いたら、明言し
ませんでした。言うだけならば簡単ですが、本当にきちんと中身を詰めて、そして
前に進めるということが本物かどうかというのは、これからの国会の議論の中で明
らかになっていくと思います。
 昨年の派遣法の審議において、我々が提出した同一労働同一賃金の法案の、
「均等待遇」に、わざわざ「均衡待遇」を加えたのが自民党です。それを今さら「均
等待遇」と言われても我々は戸惑う。ちゃんと中身を議論していけば、化けの皮が
剥がれていくと思います。

○NHK予算案について

【日本経済新聞・宮坂記者】
 NHK予算が自民党の総務会で、3度目の正直で了承されたが、いろいろとタク
シー券の問題などが出ていて自民党内でも議論になった。民主党としてこのNHK
予算に対してどう対応していくのか、どういう問題を取り上げていくのか伺いたい。

【代表】
 部会でしっかり議論してもらいたいと思います。

○野党の協力・結集をめぐる議論について

【NHK・岡崎記者】
 民主党と維新の党の合流・再編をめぐって、今朝、民・維の代表と幹事長が一
緒に会談して意見を交わしたという一部報道があるが、事実関係と、可能であれ
ばどのような意見交換だったのか伺いたい。

【代表】
 決まった段階でご報告しますと、従来から申し上げています。

【毎日新聞・田所記者】
 維新との合流をめぐっては、解党や党名変更みたいなことがずっと議題になっ
てきたが、代表としてはこれは党内で解党や党名変更について意見が割れてい
ると見ているのか、集約されつつあると見ているのか、その現状認識を伺いたい。
また、意見がまだまとまっていない時には、代表が方向性を示した場合に異論
が出る可能性があると思うが、その場合、どうやって意見集約を進めるか伺い
たい。

【代表】
 なるべく異論が出ないように進めていく。最後は代表が決断するということだと
思います。
 「解党」という言葉は、その言葉を使うことは極めて問題があるということで、私
は禁句にしています。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 維新との協議の関連で、新党に否定的だという報道も出て、維新の中からは
反発というか突き上げ的な動きも聞こえてくる。こういった動きは懸念材料にな
るかと思うが、代表から維新の党員に向けてメッセージを出していく考えはある
か。

【代表】
 私と松野代表の2人で、しっかりと話をする。プロセスは中途半端に言うこと
はない、結論が出ればお話をする。ですから、いろいろな報道が乱れ飛んでい
るかもしれませんが、それは全て憶測に基づくものだ。そのことを正しく理解さ
れれば、一々憶測に基づいて物を言うということにはならないのだと思います。

【産経新聞・松本記者】
 維新との協議について、さまざまな選択肢があって、今その議論を収斂して
いっている途中だと思うが、先ほどおっしゃった「『解党』という言葉は問題があ
るので禁句にしている」というのは、解党という選択肢はもはやないということか。

【代表】
 この前も、ある県連からそういった話が出ました。私は自分の党を解散すべ
きだという話、それがまず来るというのはよく理解できない。一体どういうつもり
で言っているのかと思います。例えばある自動車会社、メーカーがあって、その
ディラーが「いや、うちの会社はだめでもう破産・解散するんだけれども、この車
はいいから買ってください」と、そんなことはあり得ません。だから、何をばかげ
たことを言っているのかと思います。

【毎日新聞・田所記者】
 先ほどの「解党を禁句にしている」という関係で、産経さんが「解党はもう選択
肢ではないのか」と質問されたが、私の理解するところでは、代表はこれまで解
党や党名変更については慎重姿勢がにじんではいたが、最終結論として発言は
まだされていないかと思っていたが、かなり堅い方針として「解党については禁
句」とおっしゃっているのか。

【代表】
 全くそんなことは言っていませんよ、先ほども。私、論理的に話しているので、
ぜひ論理的に受け止めていただきたいと思います。そういうふうに受け止められ
たとしたら、それは全く私が言っていることとは違うと思います。

○TPP交渉について

【NHK・岡崎記者】
 昨日ニュージランドで署名式が行われたが、民主党ではこれから党内の意見
を集約していく段階であり、またいろいろな意見があることも承知しているが、
民主党は政権に就く前からこの問題についてずっと議論をしてきて、当時、鉢
呂吉雄さんがPT(プロジェクトチーム)の座長としてこの問題を大きく前に進め
るという決断をした。今国会で審議が始まるが、さまざまな意見はあると思うが、
民主党として、TPPそのものに反対する可能性があるのかどうか、まずは代表
の認識を伺いたい。

【代表】
 TPPについての現時点におけるわが党の考え方は、先般取りまとめを行った
ところです。
 大きな枠組みとして、経済連携協定を進めるということは我々の考え方でもあ
ります。TPPについても、交渉に参加するということは野田政権のもとで進めて
いた話ですし、日・EU経済連携協定や、それからRCEP(東アジア地域包括的
経済連携)とか、ASEAN+3+3、こういうものが民主党政権で交渉が始まった。

日・EUなども、我々が政権についた時はほとんど破綻した状態だったものを、
私、外務大臣でしたが、EUともう一回掘り起こしをして、ようやく、野田政権最後
の場面でもう一回交渉を再開することが合意されて、今、話し合いが行われて
いると思います。ですから、経済連携協定を進めることについては我々、推進
する立場です。
 ただ、このTPPに関して言うと、その後全く情報開示もなされないまま、ブラッ
クボックスの中で交渉されてきた。(重要)5品目については例外扱いするという
約束も、品目によっては果たされていない部分がかなりある。やはりきちんと精
査しなければならないと思っています。5品目以外の農産物についても、基本的
には関税撤廃ということになっていますが、そのタイミングは品目ごとにいろい
ろ違うし、物によっては撤廃されていないものもあります。例えばコンニャクとか、
幾つかのものは撤廃されていません。そういうことを一つ一つきちんと検証して、
その上で賛否を明らかにする、決めるということになると思います。

○次期総選挙に向けた対応について

【NHK・花岡記者】
 代表は先日のテレビ出演の中で、解散・総選挙については4月もあるかもしれ
ないという発言があった。政権がやろうと思えば、いつだってできるんだという趣
旨の話かと思うが、今後、衆議院選挙に向けた準備作業、遊説も、代表の国会
日程が一段落したということで、今後本格的に地方も回られると思うが、遊説日
程などの準備や、その加速は考えているか。

【代表】
 週末はなるべく参議院選挙の応援に回りたいと思っています。ただ、2月中は
予算委員会でも質問の機会があると思いますので、その日程も横目で見ながら、
なるべく地方に出ていきたいと考えています。直接訴えることは非常に大事で、
先般、東京で街頭演説を3ヵ所で行いましたが、皆さん非常に熱心に聞いていた
だいたと思う。そういう機会もなるべく多くしていきたいと思います。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 衆院選の準備の話だが、代表は「3月末までに維新と合わせて(小選挙区で)
200人擁立したい」と前倒しする考えを示され、維新とも選挙関連の調整会議で、
調整を急ぐという方針を確認している。3月までに200人立てた後というのは、同
日選の話も出ているが、ゴールデンウィーク、さらに7月に向けてどのように作業
を加速していくべきとお考えか。

【代表】
 それは3月末までに200ということの仕上がりにもよります。なるべくたくさん出
したいと思います。
 解散が極めて近くなれば、40人、50人立てることは、そんなに難しいことでは
ない。ですから、200というのがまず大事だと思います。




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