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2015.12.17|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(12月17日)⇒ https://www.youtube.com/watch?v=GWmBtXv97Zc

岡田克也代表記者会見
2015年12月17日(木)14時03分~14時42分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
○「夫婦同姓」「女性の再婚禁止期間」の民法規定をめぐる最高裁判決を受けて
○衆議院選挙制度改革、調査会の答申案について
■質疑
○衆議院の選挙制度改革について
○民法改正について
○「立憲民主主義促進法案」の提言について
○次期参議院選挙について
○放送法に関する代表発言をめぐるコラムについて
○消費税の軽減税率について
○FRB「利上げ」と日銀「異次元金融緩和」について
○党人事について
○憲法改正の議論について
○通常国会について
○野党協力について
○衆議院の選挙制度改革について
○下野から3年、党勢回復に向けて
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【司会・辻元清美役員室長】
 ただいまから岡田克也代表の記者会見をさせていただきます。
改めまして、今日から司会を辻元が務めますので、どうぞよろしくお願いい
たします。それでは、代表のほうからまず冒頭発言をさせていただきます。

■冒頭発言

○「夫婦同姓」「女性の再婚禁止期間」の民法規定をめぐる最高裁判決を受けて

【代表】
 私からは2点申し上げます。
 第1点は、昨日の最高裁の判決について。昨日、談話を出しております。
まず選択的夫婦別姓、民主党はこれまでも改正案を提出しております。そ
の基本的考え方は、女性の社会進出を加速させる、そして多様な考え方を
認め合う、そういう社会を我々は目指しており、その考え方に基づいてこれ
までも法案を出してまいりました。最高裁も、これは立法府で議論すること
だ(「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」)と、違憲では
ないと言いましたが、もちろんそれでよしとしているわけではありません。そ
ういう意味で、我々はもう一度しっかりと国会に法案を提出したいと考えてお
ります。非常に重要な問題です。国会の中で議論し、成立を期したいと考え
ております。
 (女性の)再婚禁止期間については、政府で対応されることを期待している。

○衆議院選挙制度改革、調査会の答申案について

【代表】
 選挙制度改革について。昨日、佐々木毅座長(「衆議院選挙制度に関する
調査会」座長)が記者会見をされたようですが、まだ最終的なものかどうか、
はっきりしない。したがって、そういう前提でお話ししますが、まず佐々木調査
会の方向性は、我々が今まで党内でまとめ、そして明らかにしてきた方向性
と完全に一致していると思いますが、定数削減などは十分ではありません。
そういうところに問題はありますが、方向性が一致している。
 そして重要なのは、次の選挙を「違憲状態」と判断された中で行うということ
ではなくて、この調査会の考え方を反映させて選挙を行うべきです。
 そういう意味で、党内の議論はまだ残してはおりますが、大きな方向性とし
て、この調査会の方向性について我々は賛成していることは申し上げておき
たい。
 総理も今まで、調査会の結論に従うと。そもそも調査会を設けて議論すべ
きだと言い出したのも総理で、その結論には従うということを言われているの
ですから、しっかり党内をまとめて、調査会の考え方で早期に法案を提出して、
次期総選挙がそのもとで行われるようにしっかり対応していく責任があると申
し上げておきたい。

■質疑

○衆議院の選挙制度改革について

【NHK・花岡記者】
 今後、党のほうでどういったプロセスを経て正式に党内の結論を出したいか
ということと、(議員定数の)削減幅ということだったが、実質的には「7増13減」

と、小選挙区の削減も代表は常々求めてこられたが、今回小選挙区の削減に
ついても踏み込んでいる。この点についてどういうふうに評価しているか。

【代表】
 先ほども申し上げたのですが、我々が今まで議論してきた方向性と一致して
いる。ただ、その程度が不十分だということです。
 したがって、丁寧に進めてまいりましたから、党内的に大きな議論があるとは
思いませんが、しかし、全員参加の政治改革・国会改革推進本部の開催、そこ
での手続は欠かせないと思います。年が明けて時間を置かずに、本部長は幹
事長ですので、開催を今お願いしている。
 それから、やはり減る都道府県連、増えるところも含めて、丁寧に意見を聞く
ことも大事だと思います。
 ただ、繰り返し申し上げますが、我々が今まで提案してきた案の枠の中に入
った内容ですので、そういう意味で本質的な異論が出てくるとは考えていない。

【フリーランス・宮崎記者】
 「7増13減」に関して伺いたいが、三重県も定数が5から4に減る案だ。ご自
身が三重3区の代議士として、この案は嫌か、ちょっと嫌か、嫌でないか、三
択だったらいかがか。

【代表】
 そういう次元の話ではない。そして今までわが党が提案した考え方でも、三
重県は減ることになっています。

【日本経済新聞・甲原記者】
 定数削減について、昨日示された調査会(の案)では比例も含めると「10減」
ということだが、自民党内からは既に「10減は難しい」という声も出ているように
も聞いている。自民党内でのどういう議論を求めるか、政府・与党に対してどう
いう姿勢を求めるか伺いたい。

【代表】
 前回の選挙は「0増5減」ということで行われました。我々は反対しましたが、
与党が主導して行った。それに対して「違憲状態である」という最高裁の判決が
下ったことについて、よくよく反省してもらいたい。そして総理も、(「0増5減」)こ

れで大丈夫だという趣旨のことを言っておられたが、最高裁からは明らかに「ノ
ー」と言われたわけであります。
 ですから、そういったことが繰り返されないように、そして最高裁の判決の中で、
各都道府県に1議席基数配分することについて否定的な見解が既に出されて
いる。そのことをしっかり受け止め実現することが重要です。
 調査会にお任せをして結論が出た以上、それは最大限尊重されるべき。今
さら数が減るのは嫌だとか、そんなことは言える状況ではない。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 佐々木調査会の答申が出て、それである程度形ができると、何年以内に「違
憲状態」を脱する区割りができるような着地点も見える。そういう動きになってく
ると、やはり総理の解散権、縛られるものではないまでも、やはり説明責任とい
うのか、解散がしづらくなる効果があるのかどうか。要するに「違憲状態」のまま
やるかどうかといこうことが並行で走るわけだが、その辺について野党としてど
うご覧になるか。

【代表】
 一般論としては、選挙制度について議論しているからといって解散権が縛ら
れるということではないと思います。そこは総理の言うとおりです。
 ただ同時に、やはり立憲国家として、最高裁が「違憲状態である」と、そうい
う現在の仕組みで解散するということは、行政府の長としても、あるいは立法
府としても本来なら避けるのが普通だと思います。だから急いで対応しなけれ
ばいけないということです。

○民法改正について

【フリーランス・宮崎記者】
 民法の法案提出について伺いたい。再婚禁止期間のほうは、官房長官や
法務大臣が法案を出すという趣旨のことを言っているかと思うが、民主党の
ほうで議員立法として出す考えはあるか。選択的夫婦別姓も法案として出す
ということで、どういったタイミングで通常国会で出していかれるか伺いたい。

【代表】
 政府が迅速に対応するということであれば、我々があえて出す必要もなくな
るということだと思います。

○「立憲民主主義促進法案」の提言について

【フリーランス・安積記者】
 SEALDs(のメンバーら)が(民間シンクタンクを設立し)、来春をめどに、
違憲立法を許さないという「立憲民主主義促進法案」を作る予定だという発
表があった。この法案の中身はともかく、この法案の趣旨について、国会の
機能を全く認めていないことが前提だと思うが、これについてどうお考えか。

 要するに国会議員も憲法遵守義務は憲法に書いてあると思うが、これに
ついて全くもって国会議員は信用されていないのではないかという読み取り
方ができると思うが、この法案の存在意義についてはどうお考えか。

【代表】
 法案の中身を私、詳細に承知していませんので、どういうふうに法案を理
解するかというのは、お考えはあるのでしょうが、私はそこまで言及するの
はいかがかと思います。
 ただ、法案の形で出してくるということは、結局、国会で議論されるわけで
すから、それほど国会議員に対して否定的な考え方が前提になっているか
どうか。それは国会議員もいろいろですから、SEALDsの皆さんも、それぞ
れ国会議員の顔を見て判断するということだと思います。全否定しているわ
けではないと思います。

【NHK・花岡記者】
 参議院選挙の動きで、熊本県で共産党が初めて候補を降ろす方向で調整
に入っている。代表は常々、共産党が候補を出すことで与党を利していたと
発言されていたが、今回の熊本の動きについてはどう評価されているか。こ
うした動きが今後も他の県で広がっていく可能性については、どうお考えか。

【代表】
 熊本の話は最終的な結論が出ているわけではないので、今、プロセスだと
思いますので、他党のことでもあり、コメントすることは控えたいと思います。
 ただ、一般論として申し上げると、同じ選挙区で、特に1人区で野党が複数
出ることは与党側を利することになると、従来申し上げてきたとおりでありま
す。

○次期参議院選挙について

【毎日新聞・影山記者】
 岡田代表はインタビューで、自民・公明・「おおさか維新」の憲法9条の改憲
勢力を3分の2未満に抑えることが目標だとおっしゃっていたが、これの趣旨
と、参院選で与党側は憲法改正を争点にしてくるかもしれないが、民主党とし
て争点化したいと狙っているのは改憲阻止なのか、それとも民主党として第
一として争点化していきたいものは別にあるのか伺いたい。

【代表】
 まず正確に申し上げると、朝日新聞の記事だと思いますが、私は「おおさか
維新の会」を捉えて、9条改正の問題を議論していたのですが、9条について
自民・公明と並べて「おおさか維新の会」と言った事実はありません。そこは
朝日新聞社のほうで、そういうふうに補って書かれたのだと思いますが、私
は注意深く、そういった言及は避けておりますので、そのことは申し上げて
おきたい。
 現時点で「おおさか維新の会」をそういう存在というふうに私が見ているわ
けではない。まだできたばかりですので、その言動を見ながら、どういうお考
えの党かというのを判断していきたいというのが私の基本的スタンスです。
 それから、参議院選挙で(改憲勢力が)3分の2取れば憲法改正に行きま
すよと、そういうことを申し上げているわけで、別に参議院選挙の争点とか、
そういうくだりで申し上げたわけではありません。

【時事通信・小松記者】
 参議院選挙の議席目標だが、与野党逆転というハードルは高いが、決して
不可能ではない、挑戦しがいのあるハードルだとおっしゃっていたが、その目
標は今も変わっていないということでよろしいか。

【代表】
 「目標」という言葉を私は使っておりませんが、今、議席数の目標を私が言
うつもりはありません。ただ、与野党逆転ということになれば、これは多くのこ
とが変わります、“ねじれ”になる。それは相当高いハードルであるということも
申し上げていますが、それが我々としては目指す一つのところだろうと思いま
すし、他にもいろいろな、一番低いところは先ほど言った「3分の2を許さない」
とあります。いろいろな段階があるのだと思います。

【産経新聞・松本記者】
 参院選で3分の2を取れば憲法改正に行きますよ、という趣旨のご発言だ
ったということだが、これは3分の2を取って憲法改正に行くことはよくないと
捉えているのか。

【代表】
 私は9条の改正の議論をしているのですが、そういうことになるということを
国民の皆さんにしっかり自覚してもらいたいということです。私は、9条の改正
を今の安倍政権で行うことは反対です。しかし、安倍さんは9条の話を今なる
べくしないようにしている、経済が争点だというようなことを言われています。し
かし現実に(3分の2を)取ればやってきますよということを、警告を発している。
国民の皆さんに「よく考えてください」ということを申し上げている。

【フリーランス・宮崎記者】
 衆参ねじれになるには、公明党が10取ると考えて、おそらく自民党が45議
席以下にならないとねじれにならない。比例も含めて34ということになると、か
なりハードルが高いだろうと思う。橋本内閣の時、民主党ができて最初の参院
選では、複数区で共倒れ連発があったが、そういった中で、衆参ねじれを来年
7月に作っていくことは可能だと考えているか。

【代表】
 非常にハードルは高いと思います。それ以上のことをあまり今言っても仕方
がないという状況だと思います。しっかりと一つ一つステップを上がっていく。

【毎日新聞・田所記者】
 民主党など野党は安保法制の時や臨時国会(開会要求)で、政府に対して
「憲法違反だ」と批判してきたわけだが、参院選ではこの立憲主義の重要性を
訴えて、政府がそれに対して軽視していると訴えていくことはあるのか。

【代表】
 それは当然あると思います。ただ、どのぐらいの重点を置いて、どういう議論
をしていくか、これから国会も始まるわけですし、気が早過ぎるのではないかと
思いますが。一つの大きな論点であることは間違いありません。

【時事通信・小松記者】
 「野党統一候補」と言われたり、無所属の候補を各党が応援するという方式
について、各党の比例票の上積みにつながらないのではないかという見方が
あったり、あるいは安保法制に関して全廃を主張している共産党との政策の
違いについてどういうふうに国民に説明していくかという課題があると思うが、
その辺の見解を伺いたい。

【代表】
 個々の候補者によって中身はいろいろです。そして、その候補者が基本的
には決めることですが、各政党との距離感、これも違います。ですから、今現
実に出てきた話はまだ、決まった話はないのですが、これから決まるという話
でもあります。

【時事通信・小松記者】
 参議院選挙の話だが、無所属の候補を各党が応援する方式について、共
産党が最近、無所属で当選した後の国会での活動について、引き続き無所
属で活動することが条件であると主張し始めている。例えば衆議院の北海道
5区補選などは党籍としては民主党に所属している方だと思うが、民主党とし
ては国会活動を無所属でということを容認されるのか伺いたい。

【代表】
 これは候補者の方がどう考えるかということがまず基本です。そういう候補
者に対して各党が、そのことも織り込んで推薦するかしないか。そういう問題
だと思います。

【時事通信・小松記者】
 次期衆議院選挙だが、民主党と連立を組むことを想定している政党と連立
政権の枠組みを国民に示して、共通公約なりを掲げて戦うということは考えら
れるか。

【代表】
 衆議院選挙はまだ具体化しているわけではありませんので、現時点で何か
協議しているとか、党の中で議論しているということは特にございません。ま
ず参議院選挙をしっかり乗り越えることが大事で、その先の話として、いろい
ろな姿が見えてくる。
 もちろん、何があるかわかりません。明日解散かもしれません。そういう時
には、今ある中でしっかり戦っていくということに尽きると思います。

○放送法に関する代表発言をめぐるコラムについて

【「ニュースソクラ」・板倉記者】
 3日に代表が行った会見の中での「NEWS23」の岸井さんに対する擁護発
言に対して、13日の産経新聞で名指しで批判が行われていたが、それに対し
ての見解を伺いたい。

【代表】
 名指しで批判とは受け止めておりませんし、これは産経新聞というよりは、ど
なたかが言っておられて、それを産経新聞が掲載したということではなかったか
と思います。ですから、個別のことはコメントするつもりはございません。

○消費税の軽減税率について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 新聞の売り上げは今、年間1兆円。すると1年間で、2%だから200億円、5
年で1000億円の「補助金」をもらえるのが今の軽減税率だと私は見ている。
ある新聞の社説には、新聞は「民主主義のコメ」だと書いてあるが、「民主主義
のコメ」に対する補助金として年間200億円は高いのか安いのか、この辺のこ
とを伺いたい。

【代表】
 私は、高いか安いかを判断する立場にはありません。ただ、私はよく、副総
理の時に新聞協会から抗議を受けたこともありますが、やはり軽減税率とい
うやり方は好ましくないと基本的に考えています。
 今回、新聞プラス食料品、外食は除くと、こういう区切りになりましたが、境界
があいまいなものもある。
 それから、これから「やはり軽減税率を適用してくれ」という、いろいろな業界
からの陳情も出てくると思う。そういう、大きな意味で言えば一つの補助金、そ
ういう仕組みがビルドインされるということは好ましくない。政府がそれだけ権
力を持つわけです。
 ましてやメディアが、そういったところで一生懸命にお願いすると。「じゃあ雑
誌もお願いします」とか「いやいや、他のものも」ということになると、それは権
力に対して非常に物が言いにくくなる雰囲気が出てくるということを懸念してお
ります。

【読売新聞・小野記者】
 軽減税率の財源1兆円のうち、4000億円が社会保障に充てる財源から
充当される方向になっている。3党合意との兼ね合いもあろうかと思うが、
今後、消費税の引き上げ自体に反対、もしくは凍結して先送りすべきだとい
う主張をするつもりはあるか。

【代表】
 消費税引き上げ10%を決めた時に、いろいろな約束事があります。行革、
議員定数の削減、社会保障の充実、これは1%部分。今回のことは、その
中で社会保障の充実を4000億円削ってこの軽減税率に充てるということ
はもう既に決まっているようです。残りの6000億円についてどうするかは、
現時点ではっきりしておりません。そういうところを国会の議論の中でしっか
り突き詰めていくことが大事だと思います。行革というのはどれだけできて
いるのか、議員定数はどうなのか、そして社会保障の充実、1%は社会保
障の充実に充てるという約束ですから、その約束はきちんと果たされるのか。
そういったことをきちんと議論することが非常に重要だ。
 その上で、我々は消費税について10%に上げることをどう考えるのかと
いうことは、そういった議論を踏まえて判断することだと考えます。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 政党には政党助成金という「補助金」があるわけだが、政党が出している
機関紙――これがニュースペーパーだとは僕は思わないが、そういう機関
紙に対して税金をまける、要するに税金でダブルの「補助金」をさらに与え
るということは、国民が理解するとは私はあまり思わないが、この点はどう
か。政党機関紙に対する税金による「補助金」という問題です。

【代表】
 即答するのはどうかと思いますが、ただ、(軽減税率を適用される)新聞
の条件は、今言われているのは週2日(以上の刊行)ですか。わが党は週
2回出しておりませんので、わが党の問題ではないのだろうなとは思います
が。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 要するに政党助成金をもらっているところが出す新聞らしきものに、税金
をまけると。政党機関紙は、一番わかりやすいのは公明新聞や赤旗だが、
まさにこの二つは全然違うわけで、赤旗の場合は政党助成金をもらってい
ないわけだから私はそれなりに理解できるが、公明党のほうはダブルにな
るわけで、そういうのはやはりおかしいのではないか。

【代表】
 我々は複数税率そのものに反対しています。複数税率を前提にしての
論については、もちろん国会において議論すべき問題だとは思いますが、
今、私が複数税率を認めることを前提にコメントすることは控えたい。

○FRB「利上げ」と日銀「異次元金融緩和」について

【日本経済新聞・甲原記者】
 FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを決定した。日本では異次元
緩和という形でいまだに続けているが、世界の金融の転換点になるような
タイミングでもあると思う。この金融政策を、今後参院選などで自民党に対
する争点として掲げる考えはあるか。

【代表】
 どのぐらいの争点になるかということは、先ほど申し上げたように、現時
点で申し上げることはできません。
 ただ、日銀の行っている「次元を超えた金融緩和」について、3年たって、
どこまで効果があるのか。最初言っていたような輸出の数量が増えたり、
あるいは設備投資、それから賃金が上がる、そういう状況にはなっていな
い。他方で輸入物価が円安によって上がってしまっている、実質賃金を押
し下げる効果がある。そういったさまざまな問題も出てきています。
 もう一つは、アメリカのように出口が明確になっていて、一定の要件を満
たせばその手順を踏んでいくということではなくて、「出口を議論するのは
早い」という黒田総裁の一言のもとで、それこそ全く出口のない状況にな
っている。国債の大量買い入れは続いている。非常にいびつな姿になっ
ている。こういうことですから、しっかり国会で議論しなければならないテ
ーマだと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 アメリカの利上げに関して伺いたいが、新興国のリスクをどのようにお
考えになっているか。段階的な利上げのスタートということで、新興国か
らアメリカへの資本の逃避、フライトが起こることは大なり小なり確実だと
思う。リーマン・ショック後、9年半ぶりの利上げということで、今後、新興
国、特に日本の輸出ということでは中国ということもあるが、どういったと
ころに気を使っていかれるか。

【代表】
 もう決まった話ですので、状況を注意深く見守るということだと思います。
今、憶測でいろいろ言ってもいかがなものかと。市場も既にある程度のも
のは織り込んでいるとも思いますし、どういう状況が起こるかということは
想像ではいろいろ言えますが、もう決まったことではありますので、ここで
私が私の考え方を言うことは控えたいと思います。

○党人事について

【フリーランス・安積記者】
 先日発表された党の人事について伺いたい。ちょうど役員室長と政調
会長代理が入れ替わりになっているが、入れ替わりにされた根拠はどう
いうものか。

【代表】
 人事の理由について説明するつもりはありません。ただ、正確に申し上
げると、役員室長は近藤洋介さんから辻元さんになりました。それから政
調会長代理もそうです。近藤さんにはネクスト経産大臣も兼務いただく。

○憲法改正の議論について

【毎日新聞・田所記者】
 先ほど、今の安倍政権の9条改正に反対だとおっしゃったが、9条では
ない、今の安倍政権の改憲には反対なのか、それとも9条に限定してい
るのか。

【代表】
 まず、9条と言いましたが、具体的には自民党の憲法改正草案を見ると、
限定なき集団的自衛権の行使、これができるようになる9条の改正で、こ
れに反対している、私は、そういう考え方には立っていない。
 その他の問題、議論することはいいと思いますが、何度も繰り返し申し
上げているように、安倍総理自身の憲法に対する考え方が基本的に間違
っているのではないかと思っている。立憲主義、権力を規制するために憲
法というものが存在する。もちろん他にもいろいろな意味がありますが、基
本はそこです。そこがわかっておられない人が憲法改正に手をつけた時
にどういう憲法になってしまうのかということはきちんと考えた上で、議論し
なければならない。

○通常国会について

【フリーランス・宮崎記者】
 気の早い話だが、大枠の話なので伺いたい。1月4日という異例の早い
国会召集で、本予算を衆参で審議して成立させていくためのめどは普通
は3月31日だと思うが、そうであるならば非常に長い(審議)期間を取れ
る。そういったところで予算国会、あるいは税制改正法案、特例公債法案
も含めた予算・財政国会という形にしていこうという心構えみたいなものは
あるか。

【代表】
 まだ議論も始まっていないのに、いつ予算が議論されるとか、いつ頃上が
りそうとか、そういう話をするつもりはございません。しっかりとした議論をす
ることに尽きると思います。

○野党協力について

【時事通信・小松記者】
 参議院で維新に打診していると思うが、それ以外にも社民党にも統一会
派を打診されたそうだが、社民党のほうでは、民主・維新の政策合意に拘
束されるものなのか、あるいは法案に対する投票行動も拘束されるのかと
いうことについて、民主党側の見解がはっきりしないので、再確認している
状況だと聞いている。これは民主党としてどういうスタンスか。

【代表】
 そういう状況に社民党があるかどうかは、私、承知しておりません。ただ
一般論として申し上げると、統一会派というのは国会における採決、これを
極力一致させるものだと私は理解しております。それから維新の時にそうで
あったように、やはり統一会派を組むに当たっては基本的な政策について
の合意が必要である。そうでないと実際の採決の時に異なる結果になりか
ねません。そういったことが前提だ。

【時事通信・小松記者】
 衆議院のほうはまだ打診を受けていないと社民党は言っているが、衆議
院も同じという考え方でよろしいか。

【代表】
 基本はやはり衆参で、党対党の話し合いがなされないと、衆参で別の扱
いになるというのは基本的には考えにくい。維新の場合には、タイミングは
ずれますが、統一会派を作るということについては、維新の党として衆議院
も参議院も含めて、我々と合意されている。
 もし衆参どちらかで統一会派を作るが、どちらかは統一会派でないという
ことになりますと、例えばある法案について、統一会派を組んでいないとい
うことで賛否が分かれる。しかし、それが他の院に行った時に、統一会派を
組んでいて結論は同じにしなければいけない。混乱が生じますね。
 そういう意味で、もちろん統一会派を組むというのは院の問題ではありま
すが、やはり党対党の関係が重要だと思います。

○下野から3年、党勢回復に向けて

【日本経済新聞・甲原記者】
 3年前の昨日が、衆院選で民主党が与党から野党に転落した日になる。
この3年間で民主党は何が変わって、3年を経て政権を再び取る準備は整
っていると代表はお考えかどうか伺いたい。

【代表】
 いろいろな準備はしてまいりました。私は、次の参議院選挙が非常に重要
だと思います。ここでしっかりと足がかりを掴む。「足がかりを掴む」というこ
との中身はいろいろあると思いますが、足がかりを掴んで、もう一度次の総
選挙で政権にチャレンジするということを考えている。そういう前提で、少な
くとも私の1年間、いろいろなことを準備してきている。




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