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2015.11.05|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(11月5日)⇒ https://www.youtube.com/watch?v=8ecDM9V7PvA

岡田克也代表記者会見
2015年11月5日(木)14時00分~14時26分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。


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■冒頭発言
○日韓首脳会談・日中韓首脳会談について
○「夫婦同姓」「女性の再婚禁止期間」の民法規定をめぐる司法判断について
■質疑
○選択的夫婦別姓制度の意義について
○閉会中審査・予算委員会の重要テーマについて
○維新の党との連携協議会について
○もんじゅ運営見直し勧告と核燃料サイクルの見直しについて
○就業形態調査結果「非正規雇用が4割」について
○大阪府知事・市長選挙の対応について
○次期参議院選挙の対応について
○松本議員の離党表明について
○民主党の経済政策について
○国連総会における核兵器廃絶決議の採択について
○日本郵政グループ3社の株式公開について
○従軍慰安婦問題をめぐる日韓交渉について
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■冒頭発言

○日韓首脳会談・日中韓首脳会談について

【代表】
 私からは冒頭2点。
 第1点は、日韓・日中韓首脳会談の開催です。3年半ぶり、安倍政権に
なって初めての日中韓首脳会談が開催されました。日韓首脳会談も同じ
であります。
 総理は、この日中韓首脳会談の開催を「非常に評価できる」というか、
会議の開催そのものを「大変なことが実現できた」というふうに述べられ
ていますが、これは非常におかしな話だと思います。なぜ3年あるいは
3年半の間、会談の開催ができなかったのかということについて、それ
は当然、中国側・韓国側にも問題はありますが、日本側にも問題がな
かったのか、総理の側になかったのかということをよく省みてもらいたい
と思います。3年間、首脳会談がなかったことがどれだけ国益を損なっ
たかということはよく考えていただきたいと思います。

○「夫婦同姓」「女性の再婚禁止期間」の民法規定をめぐる司法判断に
ついて

【代表】
 第2点は、最高裁の大法廷で夫婦別姓や女性の再婚禁止期間につい
ての弁論が行われ、結審いたしました。年内にも判決が出る見通しだと
いうことです。
 わが党としては既に、選択的夫婦別姓の導入や再婚禁止期間の短縮
を盛り込んだ議員立法を提出しております。判決の内容も、我々の考え
るのと同じような結果になることを期待いたしますが、いずれにしても次
の通常国会においてこれらの問題が非常に大きなテーマとして取り上げ
られ、そして前向きな立法ができることを期待したいと思います。

■質疑

○選択的夫婦別姓制度の意義について

【朝日新聞・村松記者】
 民主党として、夫婦別姓が選択できる社会というものの意義についてど
のように考えているか、岡田代表のご意見を伺いたい。

【代表】
 わが国としては、結婚すれば一つの姓になるという慣例・慣行、もちろん
法律上も認めてきたわけですが、原点に立ち返れば、そういうこと自身が
非常に偏った一方的な見方であるということに気がつくと思います。既に
一つの姓で生まれた時からずっと生きてきて、結婚すれば姓を変えなけ
ればならないというのは非常に一方的な考え方で、そこは自由な選択肢
があってしかるべきだと思います。

○閉会中審査・予算委員会の重要テーマについて

【共同通信・関記者】
 来週、衆参両院で予算委員会の閉会中審査が行われる見通しだ。久々
の国会論戦となるが、安保法制やTPP、閣僚の資質など、代表がかねて
から指摘している問題点があると思うが、どのようなテーマで論戦を党と
して挑むつもりか、お考えを伺いたい。

【代表】
 月曜日には通告はする予定ですが、あまり今言う話ではないと思います。

○維新の党との連携協議会について

【毎日新聞・松本記者】
 維新との政策協議は当初10月22日に中間まとめをする予定が、だい
ぶずれ込んできている。維新の分裂騒動以外には何か理由はあるか。

【代表】
 ございません。

【毎日新聞・松本記者】
 今後、どれぐらいでまとめる予定か。

【代表】
 これは相手方の要請に基づいて状況を見ているわけですから、維新の
側の考え方、それを尊重したいと思います。

○もんじゅ運営見直し勧告と核燃料サイクルの見直しについて

【TBS・山本記者】
 来週、行政事業レビューの仕分けが始まるが、その中の目玉として核
燃料サイクルの見直しがあると思う。もともとこれは民主党政権で取り組
んだ政策だと思うが、核燃料サイクルについて民主党がどういう考え方
に立っているのかを改めて伺いたい。
 安倍政権は原発推進と見られているが、そうした内閣の中での河野大
臣の取り組みについて、どれぐらい実現できるのかどうか、その辺どのよ
うにお考えになっているか伺いたい。

【代表】
 民主党は政権時代に「革新的エネルギー・環境戦略」を決定いたしまし
た。その中で「(もんじゅについては)年限を区切った研究計画を策定・実
行し、成果を確認の上、研究を終了する」と決めております。
 その後、この日本原子力研究開発機構、さまざまな問題が指摘され、
今回は原子力規制委員会のほうから「運営主体として不適当である」とい
う極めて厳しい指摘を受けたということです。我々も、この原子力研究開
発機構自身にも問題があるということは、そう受け止めておりましたので、
こういった規制委員会の指摘を真摯に受け止めてもらいたいと思います。
 核燃の問題について、我々が明確に答えを出しているわけではありま
せんが、基本的に新たな原発を作らないという考え方に立っております
ので、はたしてこういったことが必要なのかどうかということは、我々もあ
まりそういう立場には立っていないということは言えると思います。
 政府の、原子力発電所を再稼働する、あるいはさらに原発を推進する
という立場と、今回の河野大臣との関係は必ずしも矛盾するということで
はないと思います。そこまではっきりと言う必要はないのではないかと思
います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 原研機構が「もんじゅ」の問題で非常に叩かれているが、この組織に「も
んじゅ」だけで1兆円以上出し、核燃サイクルは10兆円のオーダーのお金
が流れている。もともと「もんじゅ」は旧科学技術庁・旧通産省の失政では
ないかと思うが、一特殊法人の問題なのか。岡田代表は経産省(旧通産
省)の出身だが、行政の責任についてはどうお考えになるか。

【代表】
 これだけの国民の税金をつぎ込みながら、成果が出ていないということ
は非常に問題です。それは(責任は)もちろん現場にもあるわけですけれ
ども、あるいは担当している事業団にもあるわけですけれども、それを監
督してきた省庁、文科省あるいは政府、当然そこにも責任がある。
 ですからこれをどうするかという方針、もちろん河野大臣がまずは行政
事業レビューで取り上げられるということですが、それを踏まえて政府とし
てどう考えるか。年末までにきちんとした答えを出すべきだと私は思います。

○就業形態調査結果「非正規雇用が4割」について

【朝日新聞・村松記者】
 昨日、厚労省が2014年の労働者の内訳について調査(「就業形態の多
様化に関する総合実態調査」)の結果を発表したが、初めて4割が非正規
労働者であることが明らかになった。岡田代表として、この結果について
アベノミクスとの相関をどのように考えているかというのが1点。
 2点目は、民主党としてこれから非正規労働者を正規社員に変えていく
ほうに軸足を置くのか、それとも賃上げを含め労働環境の改善の方向に
軸足を置いていくのか。民主党の労働政策について伺いたい。

【代表】
 非正規労働が増えていることは非常に問題があると思います。もちろん、
多様な働き方というのが一方であります、ただ、正規を望むにもかかわらず
非正規を選ばざるを得ないという人がたくさんいることも現実で、そこは「多
様な働き方を認めるからいいんじゃないか」という議論とは別の議論として、
非常に重要だと思います。どちらを重視するかと言えば、いずれも重要です。
 非正規の問題について言うと、先ほども言いました、正規を望みながら非
正規に留まらざるを得ない人達がいる。そしてアベノミクスの3年間で、これ
はいつを基準にとるかということによっても多少変わりますが、安倍総理は
「100万人以上雇用が増えた」、こう言われるのですが、正規は確実に減
っている。非正規がそれをはるかに超えて増え100万人超に増えている。
年代別に見ると結構、25歳から44歳ぐらいまでの、これから結婚し家庭を
持ち子どもを産み育てるという、そういう世代の正規がかなりの勢いで減っ
ています。これは相当深刻な事態だと思います。そういうことはぜひ国会で
議論したいと思っています。

○大阪府知事・市長選挙の対応について

【毎日新聞・松本記者】
 今日告示された大阪府知事選に関連してダブル選の関係だが、改めて、
都構想を一度敗れてまた問い直すことに対しての感想と、与党・政府は応援
態勢について足並みが乱れているが、その点をどのように思われているか
伺いたい。

【代表】
 選挙は告示されていますので、私の口からコメントすることは特にありませ
ん。我々はどちらの立場にも、党本部として立っているわけではありません。
 それから与党・政府は足並みが乱れているのかどうかということもはっきり
しない。つまり、自民党は候補者を知事も市長も擁立しているわけですから。
それと政府が違うのかどうかということは私にはわかりませんので、そのこ
とを前提に何か言うのはいかがなものかと思います。

【毎日新聞・松本記者】
 公明党は自主投票ということで、自民党側に推薦なり支援という形になっ
ていないが、その辺の足並みの乱れについては。

【代表】
 公明党も、党本部としての対応はそういうことだと聞いていますが、ちょっと
私、大阪のほうはどういう判断をしているのか承知しておりません。少なくとも
与党のことをとやかく私が言っても仕方がないと思います。

○次期参議院選挙の対応について

【日本テレビ・川上記者】
 つい先ほど、桜井充参議院議員がメルマガで、執行部について、考え方が
バラバラであると。執行部の中でも、共産党との協力についても言っている
ことが違うということで、政調会長を特に批判している。その上で、今の執行
部では民主党の再生ができないので早期に解党的出直しをとメルマガで書
いているが、受け止めを伺いたい。

【代表】
 そういうことが「バラバラだ」と言われるのです。

【時事通信・小松記者】
 桜井さんも含めて、1人区の参議院議員が昨日の参議院議員総会で複数
声を上げ、執行部に危機感が足りないという認識と、反安倍政権の立ち位
置を明確にすべきだということと、1人区は民主党の支持層だけでは勝てな
いので共産党との協力が必要になってくるということをおっしゃっていたが、
それに対して、共産党との選挙調整も含めて代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 それぞれ立場、立場でご意見があるのだと思います。
 私が共産党について申し上げていることはずっと同じです。二つ。一つは、
1人区において共産党は候補者の取り下げも含めて調整すると言っている。
そのこと自身は評価できることだと私は思います。ただし、その前提が国民
連合政府だということになると、それは理念や考え方が違うということですか
ら、そういった条件が付くのはいかがなものか、おかしいではないかと申し
上げているわけです。
 念のために申し上げますと、1人区も、「協力」と言っても、候補者を出さな
いという協力であって、積極的に応援するというのはあまり想定しにくいと思
っています。しかし、そういったことはこれからよく意思疎通していく中で答え
が出てくるのだろうと思います。

○松本議員の離党表明について

【共同通信・関記者】
 先日、民主党からの離党を表明した松本剛明議員が、先ほど枝野幸男幹
事長と面会を行い、離党に当たっての意図を説明したということだ。今後、
離党届の受理を含めて判断のプロセスについて考えを伺いたい。

【代表】
 幹事長から報告は受けました。松本さんがどう考えているかということにつ
いても私なりに理解をいたしました。あとは、常任幹事会においてその取り
扱いを最終的には決めることになるのだと思います。今の段階で私の個人
的意見を言わないほうがいいと思います。

○民主党の経済政策について

【NHK・花岡記者】
 代表は最近、民主党の経済政策について街頭や講演で触れる機会が多
くなっているかと思う。民主党の経済政策はパッケージとしては、今のところ
代表になってからまだ出ていないが、参院選に向けて民主党の経済政策、
いつをめどにどういう形で打ち出していくか、お考えを伺いたい。

【代表】
 これは非常に重要なことなので、経済政策については政調会長をヘッドに
今議論してもらっていますが、アベノミクスに対するいろいろな問題、限界も
明らかになっている中で、「民主党ならこういうふうに考える」というものをし
っかりとまとめなければいけないと思います。私なりの考えは街頭演説など
でお話をしている。

【NHK・花岡記者】
 やはり維新との協議が終わらないとまとめにくいということか。

【代表】
 いや、特にそれはありません。

○国連総会における核兵器廃絶決議の採択について

【日本経済新聞・甲原記者】
 国連総会で日本提出の核廃絶決議が採択されたが、保有国は賛成しなか
った。このことに関する代表の率直な感想と、今後この問題に日本としてどう
いう姿勢で臨めばいいかということを伺いたい。

【代表】
 非常に残念なことです。同時に、当然、保有国とも調整をしてきたはずです
から、その調整が実らなかったという意味では外交の失敗でもあるということ
だと思います。
 ただ、「日本は核軍縮・不拡散について何をしているか」と問われると、安倍
総理はいつもこの決議のことをいの一番に挙げられるが、私は決議が、少し
ずつ中身は前進してきたが、決議を提案しているからわが国が核軍縮や不
拡散に役割を大きく果たしてきたということでは決してないと思っています。も
っと直接、核保有国あるいは核を持とうとしている国に対するしっかりとした外
交というものを日本外交の中で位置づけるべきだと、外務大臣の経験者、あ
るいはそういうことをやってきた者として、今の政府のやり方はいかがなもの
かと思います。

○日本郵政グループ3社の株式公開について

【朝日新聞・村松記者】
 昨日、日本郵政グループ3社が上場した。これまでの郵政民営化の10年に
及ぶ歩み、結局民営化は正しかったのかどうか、現時点の代表の評価につい
て伺いたいことと、グループ3社の今後の課題について、例えば経営改善であ
るとか、地方の郵便網の維持であるとか、どのような課題が考えられるか伺
いたい。

【代表】
 民営化の議論はかなり迷走したことは事実です。ただ、今回株式上場に至っ
たことは一つの大きなステップとして評価できると私は思います。
 問題は、やはり今後の姿がきちんと描き切れていないことです。3社同時上
場という選択になったが、今後、銀行や保険会社について、国はどの程度株を
持ち関与していくのかということは全く示されていない。本当は上場計画、最初
に上場する時にそういう先の姿を見せないと、株を買うほうも判断できないだ
ろうと思うが、見切りで上場しました。中途半端な形で、銀行や保険会社という
民間と真っ向から競合する分野を担っている「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保
険」が存在するということは、いろいろな議論は呼ぶだろうと私は思います。
最終的にどこまで国が関与するのか明確にされる必要があると思います。

○従軍慰安婦問題をめぐる日韓交渉について

【NHK・花岡記者】
 昨日、(自民党)谷垣幹事長と安倍総理が官邸で会い、その後、谷垣幹事長
は「日韓で立場が違う」というような発言をして、今日訂正した。従軍慰安婦の
問題について、政府の今回の対応と民主党の考え方を伺いたい。

【代表】
 まず谷垣さんは、(総理の発言を)誤解したということですから、それはそれと
して素直に私は受け止めております。
 「年内に」ということで区切ったわけではないが、「年内だめ」ということでもない、

ということなのだと思います。ですから、なるべく早く解決できるように努力してい
くという基本姿勢で、「年内ができない」とも言っていない、しかし「年内にどうし
ても」とも言っていない、というのが今の日本政府のスタンスではないかと思い
ます。
 非常に難しい、かなり歴史的な経緯もある問題ですので、そういう意味では問
題は簡単でないことは私も理解します。ですから慎重に取り扱い、しかし、やは
りここで日韓両国、あるいは関係者が納得できる答えを見出してもらいたい。せ
っかく一定の結論に達したのに、またそれに対して双方から異論が出るというこ
とでは困る。そういう意味で、しっかりと両国政府、あるいは最後は両国首脳の
決断ですから、そういう政治的決断を期待したいと思います。
 いろいろなことがありますけれども、やはり戦時中に、これは韓国だけではな
いのですが、そしてどこまで官憲が関与したかどうかについては、狭義の強制性
については証拠がないわけです。しかし、軍の関連する施設として慰安所が存
在し、そこで10代も含む少女や若い女性が働いていたことは事実ですから、や
はりそのことについて正面から向き合って、お互いの納得できる答えを見出して
もらいたいと思います。

【TBS・山本記者】
 今の質問に関連して。予算委員会では70年談話についても触れられるという
ことだったが、
議論したいと先週の会見でおっしゃっていたかと。総理は70年談話で、次の世
代にそういう責任を背負わせるべきではないと書いている。安倍総理が今回発
表した70年談話と、この従軍慰安婦の問題にどのような影響があるかどうかと
いうあたりを、意見があれば伺いたい。

【代表】
 それは総理に聞いてみないとわからない。私の意見を述べても仕方がないと
思います。




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