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2015.09.25|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(9月25日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=iQJuMJwc9js

岡田克也代表記者会見
2015年9月25日(金)16時26分~17時07分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。


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■冒頭発言
○維新の党・共産党と党首会談を実施
○新国立競技場問題・第三者委員会の報告書について
○今国会を振り返って
■質疑
○共産党との党首会談について
○今国会を振り返って
○新国立競技場問題について
○《安保法制》今後の対応について
○《安保法制》地方公聴会の議事録・報告なき採決強行について
○安倍首相の「新3本の矢」会見について
○地方選挙の結果について
○榛葉参議院国対委員長の辞意表明について
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■冒頭発言

○維新の党・共産党と党首会談を実施

【代表】
 私からは冒頭3点。第1点は、今日行われた維新、それから共産との
党首会談について。
 まず午前中に維新と党首・幹事長会談を行いました。
野党結集に向けて両党がしっかり野党結集を引っ張っていく、野党第1党
である民主、第2党である維新が野党結集を先導していくことを確認いた
しました。
 具体的には両党の代表・幹事長による連携協議会を設置する。この4名
での連携協議会でさまざまな議論をしていくことにいたしました。その連携
協議会のもとに、政策と選挙について、それぞれ協議する場を設置する。
 選挙については今日は議論をしませんでしたが、政策については、民主
党からは長妻昭代表代行、それから細野豪志政策調査会長、維新からは
井坂政調会長、井出衆議院議員が参加するということで、具体的なテーマ
としては「外交・安保」「経済」「行財政改革」「共生社会」「地方分権」「エネ
ルギー」、これだけのテーマについて基本的な考え方を協議し、まとめ上げ
ることにいたしました。私からは、10月半ば、今から半月後ですが、先ほど
の代表・幹事長から成る連携協議会を開催することとして、そこで中間報告
をいただきたい。その後10月いっぱいで、それぞれ各項目についてまとめ
ていただきたいということを申し上げた。この会見の後、長妻さんや細野さん
に、改めてお願いしようと思っております。したがって、あまり細かい政策とい
うよりは基本的な考え方をそれぞれの項目についてまとめるということです。
 選挙の協議については、その10月半ばの連携協議会でメンバーなどを改
めて決めることにいたしました。民主党側としては幹事長と選挙対策委員長
をメンバーにしたいと考えている、と申し上げた。
 それから共産党との会談ですが、(枝野幸男)幹事長、共産党側は山下書
記局長、それから国対委員長、わが党からは安住淳国対委員長代理も出席
して行いました。
 これは共産党が既に共産党の中でおまとめになった「『戦争法(安保法制)
廃止の国民連合政府』の実現をよびかけます」という紙について説明をいた
だいた。今日は説明をいただいたということで、それ以上のことはありません
が、ここで三つの点を共産党としては言われている。第1点が「戦争法(安保
法制)廃止、安倍政権打倒のたたかいをさらに発展させよう」。第2番目が「戦
争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同して国民連合政府をつくろう」。
第3点が「『戦争法廃止の国民連合政府』で一致する野党が、国政選挙で選
挙協力を行おう」という、この3点です。志位さんからかなり詳しくご説明をい
ただきました。
 私からは、思い切った提案をされたことには敬意を表しますと申し上げた上
で、何点か質問をいたしました。詳細は省きますが、特に申し上げたのが、こ
の「国民連合政府」というのは果たして現実的だろうかと。わが党の中にもさま
ざまな意見もあるし、失礼だが共産党と政府をともにできるというのはかなり
ハードルが高い。政策も違うという中で、果たしてそういうことが現実的なのか、
ということは申し上げました。ひとわたり質問と説明がありまして、最後は、今
日は基本的には説明に留めるということにいたしました。
 次の日程は特に決めておりません。ただ、引き続き話し合っていこうというこ
とにしました。
 以上が今日の二つの党首会談であります。

○新国立競技場問題・第三者委員会の報告書について

【代表】
 新国立競技場の報告がまとまりました。
 当初は総理や官房長官が「デザインの決定は民主党政権がやった」と責任
を転嫁するような話もありましたが、この報告書で下村文部科学大臣の責任と
いうことが明確に指摘されました。安倍政権のもとで旧計画の見直しを行うべ
きだったと、2013年夏から年末にかけて、そういうチャンスがあったとも指摘
されております。混乱の原因は安倍政権にあったことが明確になったと思いま
す。
 こういった指摘がなされた以上、しっかりと下村文部科学大臣はその責任を
果たされるべきだと思いますし、安倍総理も任命責任があるということを申し上
げておきたい。

○今国会を振り返って

【代表】
 大きな三つ目、この国会を振り返ってですが、非常に長い熱い国会で、そうい
う中で、わが党の議員は本当に頑張っていただいた。歴史的な議論が行われ
た国会だったと思っております。とはいえ、労働者派遣法改正案は成立しまし
たし、安全保障法制も、強引な採決の中で成立してしまいました。我々の力が
足らなかったことは率直に反省しつつ、しかし「戦いはこれからだ」と、今回示さ
れた「新しい民主主義の動き」、そういった皆さんとともに、少なくとも違憲部分
について白紙にするための戦いをしっかりとやっていかなければいけないと考
えています。
 この国会、QT(党首討論)を毎月1回やるという約束が、結局2回しか行われ
ませんでした。最終盤はQTに代わるものとして(総理出席の)予算委員会の集
中審議をお盆明けに開催するという約束が果たされませんでした。それはまこ
とに遺憾だ。党首間の議論というものが後半国会では全くなされなかった、安倍
総理には約束を果たしていただきたいと申し上げたい。

■質疑

○共産党との党首会談について

【NHK・花岡記者】
 共産党との会談について、代表のほうから、「国民連合政府」というのはハード
ルが高いと意見表明をされたと聞いたが、それに対しての志位委員長の答えとし
てはどのような答えがあったか。

【代表】
 私が不正確に言う話ではないと思いますので、共産党側に、必要があれば聞
いていただきたい。

【朝日新聞・渡辺記者】
 選挙協力、もしくは選挙区調整、そうした議論は今日は出たか。

【代表】
 共産党のご主張の3番目にそういう話が出てきている。1、2を満たした場合、
「『戦争法廃止の国民連合政府』で一致する野党が、国政選挙で選挙協力を行
おう」ということで、論理的に1番・2番が満たされて初めて3番という構成に、紙自

身はなっております。そこの基本線は変わっていない、それ以外の説明があった
わけではありません。
 我々は2番目がハードルが高いので、そうすると論理的に1・2・3と来るとすると、

これでは3番目まで到達しませんねという話でした。

【NHK・花岡記者】
 代表は共産党の表明があってから、まずはじっくり話を聞いてみてということだ
ったが、今日、共産党から詳しい説明を受けて、選挙協力の可能性も含めてどう
いう印象を受けたか。

【代表】
 ちょっと今日の段階ではなかなかそこまでは言えない。主として聞いてみたので
すが、先ほど言ったように、「『戦争法廃止の国民連合政府』で一致する野党が、
国政選挙で選挙協力を行おう」ということですので、我々はそういう2番目の「国民
連合政府」というのが非常にハードルが高いと思っていますので、そういう意味で
は今日はなかなか厳しいなという印象です。
 いつとは言いませんが、どういうお考えなのかさらに、私のレベルなのかどのレ
ベルなのかわかりませんが、もう少し聞いてみる必要はあるかもしれません。

【日本経済新聞・甲原記者】
 次の日程はまだ決まっていないということだが、次までにそのハードルの高い部
分をもう少し下げられないかとか、向こうに対して何か要請したり、あるいは次まで
にこういうところをもっと詰めていこうという話はあったか。

【代表】
 具体的にはしていません。今日は主として話を聞いたということで、次回のこと
は特に何も決めておりませんので。

【毎日新聞・葛西記者】
 安倍自民党への対抗勢力、受け皿として、先ほどおっしゃった「新しい民主主義
の動き」ということで、国民からは共産党とか野党の連携を望む声、野党結集を望
む声が強いと思う。ただ、一方で民主党内では共産党との連携にアレルギーを感じ
るような声もある。この民意と永田町の政治家との認識のズレを感じることはあるか。


【代表】
 「民意」とおっしゃいましたが、確かに既存の野党の枠を超えて協力してほしいと
いう声は一方であると思いますが、そうでない民意もあります。別に永田町だけで
はなくて、どちらかというと保守的な、あるいは中間層的な人々の間にもそういう声
はありますので、そこは永田町と国民の民意の間で対照的になっているということ
では必ずしもないと思います。

【フリーランス・横田記者】
 「ハードルが高い」という考えの表明が、国民の民意・期待を裏切ることになるの
ではないか。SEALDsの奥田さんも、戦争法案・安保法制廃案を目指して安倍政
権を打倒してほしいと連日訴え、小林節さんも名称は違うが「護憲連立政権」を樹
立して廃止法案でこの法案をなきものにすると訴えている。その民意に応えようと
しない民主党、と映るような気がするが、その辺はどうお考えか。

【代表】
 そういうレッテル貼りには、「それは違う」と申し上げたい。どうしたら安倍政権に

一番勝てるのかという一点で私は考えております。いろいろな民意がありますので、
そこはしっかり見極めながらやっていかなければいけない。
 「同じ政府をつくる」というところまで多くの人が求めているのかどうかというところ
も、さまざまな意見がある。「協力して安倍政権を倒してもらいたい」と思っている方

がたくさんいらっしゃるとしても、「同じ政府をつくってもらいたい」というところまで、
どのくらいの方が考えておられるのかということも、さまざまな見方があると思いま
す。

【ビデオニュース・神保記者】
 確認だが、「ハードルが高い」とおっしゃったのは、「戦争法廃止のための国民連
合政府」という考え方が難しいのか、それとも共産党と一緒に政府をやる、連立政
府は難しいという意味なのか。また、「ハードルが高い」とおっしゃった「ハードル」の

中身で大きなもの、幾つかでも結構なので伺いたい。

【代表】
 ともに政府をつくるということは、この法律の廃止だけに留まるものではなく、さま

ざまな日々の営みも含めて、あるいはいろいろなことが起こり得る、そういったこと
をやっていかなければいけないわけで、そこで政策が一致していないとか、そうい
うことになると、かえって国民にとって不幸なことになるかもしれません。だからそこ

は一定の責任を持って、しっかりと理念・政策というものが共通していなければいけ
ない部分は当然あると思います。だから同じ政府をつくるというのはハードルが高
いということです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 共産党の思い切った提案に敬意を表するとおっしゃったが、この会談を終えて、
共産党に対する敬意は強まったのか、遠くなったのか。つまり安倍政権を打倒して
この安保法制を白紙撤回するという目標はたぶん共通だと思うが、その方向に向
けて連帯していく、「連帯」というのは枝野さんの言葉だが、連帯・連携を強めていく

という方向性、要するに「敬意」の部分がどうなったのか伺いたい。

【代表】
 ですから方法論です。どうしたら安倍政権を倒せるのか、そういう視点で物事を
考えていく必要があると思います。

【IWJ・ぎぎ記者】
 国会前で岡田代表は他の野党の党首と一緒に手を挙げていた、あの時のような
熱が今感じられないというか、今回、統一政府は横に置いておいて、選挙協力をす
るということにもっと民主党として食いついて逆に提案することはお考えにならない
のか。

【代表】
 ともにこの法案を廃案に追い込む、あるいはもう既に成立してしまっていますので、

少なくとも憲法違反の部分を白紙化するということは、共通している。しかし統一政
府をつくるということが前提だとハードルが高いと申し上げているので、それ以下で
もそれ以上でもありません。

【IWJ・ぎぎ記者】
 例えばそこが外されたら、選挙協力もあり得るのか。

【代表】
 それは相手が今条件にしているものを、こちらがもし仮にどうのこうのと言う議論
は避けたいと思います。

【朝日新聞・高橋記者】
 2番目のハードルが高いということだが、次回以降も三つパッケージで協議する
という理解でよろしいか。

【代表】
 朝日新聞は「協議」という言葉を使われるのですが、私は「協議」という言葉は1
回も使っていません。これからも時期を見て話し合いをするということです。

【フリーランス・安積記者】
 確認だが、共産党は安保法の廃棄と、去年7月1日の閣議決定の撤回を求め
ているが、民主党は安保法の廃棄は聞いたが、閣議決定の撤回までも党として
求める予定というか、目指しているか。

【代表】
 閣議決定の撤回は当然だと思います、それが前提になっているわけですから。
 この安保法制を白紙化するというところの具体的なことについては、党の中もま
だ議論していませんので、どの範囲でということについては、あるいはどういう形
式でということについては、まだわが党としては「これでいく」ということを決めたわ

けではありません。ただ、私は繰り返し申し上げていますが、少なくとも憲法違反
の部分については、白紙化するということは申し上げている。

【ビデオニュース・神保記者】
 (ともに)政府をつくったらば、実際にこの法律の廃止以外もいろいろやってい
かなければいけないことがあるという話だが、共産党が言っていることで、例え
ば、とにかくこの法律を廃止するためのみで連立をして、廃止したら速やかに解
散して、今度は全くゼロから総選挙をやり直すという可能性、あるいはそうした
考え方に代表はどのような問題があるとお考えか。

【代表】
 政府を構成するということは、これを廃止するのにどのくらいの期間がかかる
かわかりませんが、少なくとも国会を召集して、その中で一定の議論は必要でし
ょう。その間、何が起こるかわからないわけですから、やはり国民の命と暮らしを
守る、そういうことに責任を持つのが政府ですから、この1点だけでというところ
には、私は困難さを感じる。

【フリーランス・横田記者】
 今のお答え自身が民意とずれているのではないか。立憲主義・民主主義を否
定して独裁国家になるような安倍政権を倒してほしい、戦争法をいち早く廃止し
てほしいというのが国民の多くの民意だと思う。細かい政策の違いはさて置いて、
共産党と野党共闘して安倍政権を打倒して暫定的に連立政権を樹立するという
考えに至らない理由がよくわからない。なぜそこまで慎重になるのか伺いたい。

【代表】
 考え方の相違でしょう。
 それから、この法律を廃止するのは、政府をともにしなくても可能です。政府を
ともにするということは、やはり国民の命に責任を持つわけですから、そこでい
ろいろな考え方が違うということが果たして一瞬でも許されるのかということは、
やはりちゃんと考えなければいけない。もちろん共産党がどうお考えになるかま
だわかりませんので、どうしても政府を構成しなければいけないのかどうかとい
うことも含めて、はっきりしないところはありますので、私は決めつける気はない。
ただ一方で、やはり政府を構成する、政府を担うことの責任も真剣に考えなけ
ればいけない問題。そうでないと国民の期待を裏切ることになってしまう。

【フリーランス・横田記者】
 「国民政府」という概念の問題だと思うが、閣外協力でもよくて、とにかく政権
交代に追い込んで安保法を廃止するところで一致できれば、共産党側がハード
ルを下げれば、選挙協力もやぶさかではないというお考えと理解してよろしいか。

【代表】
 「たられば」の議論はしないほうがいいと思います。
 それから、候補者をバッティングしないようにするということは、これはどの党
であれ必要なことだとは思います。ただ、それだけでは済みませんという話で、
現時点では、政府をともにしないと難しいということなので、いろいろ私は申し上
げている。

【共同通信・光山記者】
 「ハードルが高い」ということだが、代表のほうから志位委員長に、2番目の、
政府を構築するということについて、もう少し考えてもらえないかとか、そういっ
た提案はされたのか。

【代表】
 今日はそういった協議をする場ではありません。説明を聞いて、私から申し
上げたのは、ともに政府をつくるということになると、本来、民主党を潜在的に
支持している、あるいは自民党から支持をかち取れる保守層・中間層がかえ
って減ってしまい、結果的には目的が達成できなくなるのではないか、そうい
う議論も当然ありますとは申し上げました。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 この安保法の白紙撤回を唯一の旗印にして野党が結集するのは無理がある
と、民意はもう少し広いだろうというお話かと思ったが、その辺の認識。この法
律が国民の世論を二分して、これで与党と野党が「関ヶ原の戦い」をするほど
のものとお考えになっているのかどうか。そこは共産党とは違うということでよ
ろしいか。

【代表】
 私の言ったことを正確に聞いていただきたいのですが、同じ政府をつくると
いうことはハードルが高いと。しかし安保法案を廃止することを目指してとも
に戦うというのは今までもやってきたこと、これからもそういったことが必要だ
と考えている。

【フリーランス・田中記者】
 仮定の質問で恐縮だが、共産党が「選挙協力までは一緒にやりましょう。
その先は言わないよ」というところまでハードルを下げたら、岡田代表はどう
思われるか。

【代表】
 ですから、そういう話には今なっていない。「たられば」の話はしないほうが
いいと思います。それはむしろ共産党に聞いていただいたほうがいいと思い
ます。

○今国会を振り返って

【毎日新聞・佐藤記者】
 代表は冒頭、今国会を振り返って、わが党の議員はよく頑張ってくれたと
いう評価をされたが、一方で政府・与党の今国会での立ち居振る舞い、姿勢
についてはどのような評価を与えているか。

【代表】
 まず、これだけいろいろ問題がある、議論がある法案を、党の中でほとん
ど異論なく出してきているということが、自民党は非常に衰弱したというか、
政党として活力を失っているということに私はやや驚いております。そういう
党ではなかったはずと思う。
 それから答弁も、衆参で200回止まったということですが、確かに稚拙だ
し、日によって言うことが総理も含めて違うし、もっと政府の中できちんと詰
めてあれば、ああいう答弁にはならないはずです。結局、総理の思いかな
にか知りませんが、結論先にありきで、その結論に合わせて論理構築して
いるので、官僚も十分に論理構築ができないまま法案を出しているというの
が私の率直な印象です

○新国立競技場問題について

【ビデオニュース・神保記者】
 文科大臣も自分の責任に触れられ、JSC(独立行政法人日本スポーツ振
興センター)の河野理事長も辞めるということだが、この間、組織委員長の
森元総理の責任について今のところほとんど何も言われていないが、岡田さ
んはそれについてはどのようにお考えか。

【代表】
 組織委員会がどういう権限を持っているのかというのは私も詳細にわから
ないが、少なくとも責任はお感じになるべきだと、他人事では済まされないと
いうのは最低限言えると思います。あれだけの立場の方がおられれば、法
律上どういう権限があるかというのは承知しませんが、事実上は決定権限が
相当あるわけで、そういう中でこういったことが起きてしまったということはや
はり責任を感じていただかないとおかしいと思います。

【日本経済新聞・甲原記者】
 今日、下村文科相が記者会見で、辞意を総理に伝えたと明らかにし、その
上で総理は内閣改造までは待ってくれと伝えたと。そのいきさつについての受
け止めと、国会はもう閉会してしまうが、予算委員会などで追及するべきだと
いう話も野党から出ている。そういう必要性について伺いたい。

【代表】
 辞めれば済むという話ではありませんが、しかし、責任が明らかに指摘され
たわけですから、当然辞めるべきだと思います。「間もなく内閣改造が行われ
るから、それまでいいじゃないか」と。責任というのはそういう問題ではないと
思います。下村さんご自身の将来のためにも、きちんとけじめをつけられたほ
うがいいと思います。

○《安保法制》今後の対応について

【ビデオニュース・神保記者】
 国会が終わるが、法律は一応成立しているので実際に運用が始まる。大き
な話は当然、国会の承認が必要なものが多いので、それは我々の目にも触
れることになるだろうが、いろいろな細かいところでは実際に法律の運用が始
まる。民主党としては今後、廃止に追い込むという大方針はともかくとして、実
際に始まった場合にどのように監視、ウォッチしていくのか、それについての態
勢をどうされるのか。その辺の考えを伺いたい。

【代表】
 これはしっかりウォッチしていかなくてはなりません。ただ、政府の中で、その
ベールの中で行われていることがどこまでわかるのかという問題があると思い
ます。皆様の情報提供なども期待しつつ、勝手に物事が進んでいかないように
したいと思います。
 ただ、やはり基本的には廃止といいますか、白紙に戻すしかない。もう一つは、
やはり参議院で与野党逆転を成し遂げて、国会承認をできなくするということが
具体的には必要だと思います。

【IWJ・ぎぎ記者】
 選挙について伺いたい。代表は法律の違憲部分を白紙にしていくとおっしゃ
ったが、自民党は憲法そのものを変えていくと明言している。そうなると本当に
自民党に勝つという目標を実現しなければいけないと思うが、維新との協力だ
けでは、最近の選挙で民主・維新の議席が横ばいということで、これからも同
じような結果を生むのではないか。自民党に圧勝させない、3分の2以上を取
らせないために、選挙で「ねじれ」を起こすような対案はあるか。

【代表】
 野党が分裂しているということが非常に大きい。それがなければ、自民党との
競い合いに勝てるチャンスはある。しかも今の、8割の国民を無視してできた
法律です。国民の怒りは簡単には解けないと私は思います。したがって、次の
参議院選挙でしっかりとした結果を出すことは十分可能だと思います。

○《安保法制》地方公聴会の議事録・報告なき採決強行について

【フリーランス・横田記者】
 地方公聴会で公述した水上弁護士が福山哲郎さんと一緒に記者会見をして、
地方公聴会の報告が委員会でなされず、議事録も載っていない、これは憲政
史上初めてのことで汚点だと指摘している。これについてはどう取り組むか。
訴訟とか、国会内でもう1回安保特を開けとか、いろいろ対応があると思うが、
その点についての考えを伺いたい。

【代表】
 現実に、新横浜で地方公聴会を開いていますが、これが全く記録に残って
いないということはあり得ないことだと思います。その点について、今後とも自
民党に対してしっかりと、どう対応するのか言い続けなければならないと思い
ます。

○安倍首相の「新3本の矢」会見について

【NHK・花岡記者】
 昨日、総理は自民党総裁再選を受けた会見で、今後は経済・社会保障に力
を注いでいくと。GDP600兆円とか、あとは1億総活躍担当大臣を設置するな
どの報道も出ているが、こうした総理の方向性についてどのようにご覧になって
いるか。

【代表】
 600兆円、これは名目を言っておられるのだと思いますが、それを2020年
にやりますということになると、名目3%を超える成長を約束されたということ。
 ただ、具体論は何もありません。目の前にきれいなケーキを見せて、このケ
ーキをどうやったら食べられるのかということは全く語っておられない。あり得
ないようなお話をされている。具体的な政策をしっかり語るべきだ。
 あそこで「(新)3本の矢」とおっしゃったのですが、具体策はほとんど何も語っ
ておられないので、もし新しい3本の矢というのに意味があるとしたら、従来の3
本の矢がもうなくなってしまうということを間接的に言われたのかなと。もう諦め
るという宣言なのか、特に3本目の矢です。そういうふうに私は受け止めました。

○地方選挙の結果について

【フリーランス・堀田記者】
 永田町近辺の民意を見ると「反安倍」だが、この間に行われた首長選挙、山
形市長選挙、新庄市長選挙、その1週間前の酒田市長選挙には和嶋未希さん
が出たが、みんな負けている。これについての受け止めを伺いたい。

【代表】
 酒田は、わが党は関係していない。和嶋さんはかつてわが党におられたけれ
ども、民主党の推薦とか、県連レベルも含めて何か得られて出られた方ではあ
りません。
 もちろん盛岡とか、山形とかありますが、やはり地方選挙ですから、国政のこ
ういう安保法案とか、そういうことがどこまで投票の時の判断要素になったのか
という問題もあると思います。かなり善戦したことも事実ですので、それが何か問
題があるとは受け止めておりません。

【フリーランス・横田記者】
 山形市長選がモデルケースになるのではないかという見方もある。山形市民が
有権者の3分の2を占める山形1区では、前回の総選挙では民主党の候補は自
民党にダブルスコアで負けている。それが共産党と連合と民主が組んで野党共
闘で戦ったら、ほぼ横一線の互角の戦いができたということは、安保法に反対し
て野党が結集すれば1人区でも互角の勝負ができるという見方も成り立つと思う
が、これについてはどう評価されるか。

【代表】
 国政と地方選挙は違いますし、候補者によっても全く結果は変わってきますの
で、あのことをもって一概に言うことはできないと思います。

○榛葉参議院国対委員長の辞意表明について

【日本経済新聞・甲原記者】
 榛葉賀津也(参議院)国対委員長が辞意を表明したということだが、代表として
受理されるのか、確認したい。

【代表】
 その話は私、聞いておりません。理由も聞いておりませんので、コメントのしよう
がない。
 それから参議院の国対委員長は参議院の人事です。代表人事ではないので、
私が辞表を受け取る立場にはありません。




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