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2016.03.10|夕刊フジ

民主、維新新党へ急ピッチ 小沢氏との会談、野党協力について確認(夕刊フジコラム「ズバリ直球」16年3月10日)

民主党と維新の党は現在、3月27日の結党大会に向けて、さまざまな作業を急ピッチで進めている。

両党の合流は、私が昨年1月に民主党代表に就任して以来、最重要課題の1つだった。「自民党1強」のなか、国民のため、政権交代のある政治を実現するためには、考え方に大きな違いがない両党の合流は必要不可欠だと考えていた。

ただ、当時の維新の党には、かなり考え方の違う「大阪系」の議員もいた。そうした人々が昨年秋、おおさか維新の会として分裂したことで、合流が可能となった。

政策については、今年1月に統一会派を組む際に、かなり詰めた議論をしたので問題はない。統一会派として3カ月ほど活動して人間関係も深まった。新党の綱領も、私たちの立場や考え方が伝わる中身のあるものにしたい。

党名については、今年夏の参院選を見据えて「略称に『民主』という言葉を残すべきだ」という意見と、「まったく新しい党名にすべきだ」という意見に分かれている。公募の結果を踏まえて、民主党の赤松広隆前衆院副議長と、維新の党の江田憲司前代表で検討し、素晴らしい党名となるよう期待したい。

重要なことは、現在の安倍政治に疑問を感じている人々の、信頼できる受け皿になることだ。

私が2日、生活の党の小沢一郎代表と会談したことが話題となっている。お互いの考え方を述べて、これからの野党協力について確認した。いまでも野党5党は幹事長・書記局長が定期的に協議しているが、今後も安全保障法案廃止以外でも協力できないか、話し合いを続けていきたい。

さて、沖縄県・米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる代執行訴訟で、国と沖縄県の和解が成立した。このまま工事を強行すれば、何が起こるか分からない危険な状況だった。私は1月の衆院本会議での代表質問で「工事を直ちに中断すべきだ」「話し合いを再開すべきだ」と訴えた。政府が決断したことは、まずは良かった。今後、国と沖縄県の信頼関係を築いてほしい。

他方、今回の決断について、「6月の沖縄県議選や、7月の参院選を見据えた選挙対策」「衆参同日選を狙ったものでは」という見方がある。安倍晋三首相の真意は分からないが、常在戦場、何があっても対応できるよう準備するのが、衆院議員や政党の責任だ。

11日で東日本大震災から5年を迎える。私は先日、福島県を訪れ、被災地の現状を視察し、住民の方々のお話を伺ってきた。中間貯蔵施設の土地買収が進まないなど、被災地の悩みは深かった。復興の明るい側面は歓迎するが、いまだに仮設住宅で寒い冬を過ごす高齢者、故郷に戻るメドが立たない家族も多々いる。われわれは被災者一人ひとりに寄り添い、誰も置き去りにしない政治を進めていきたい。 (民主党代表)




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