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2014.08.07|夕刊フジ

「党再生」へ海江田氏は方針・政策を明確に(夕刊フジコラム「ズバリ直球」14年8月7日号)

 長崎県佐世保市の高校1女子生徒殺害事件は、極めて残念な出来事だ。新聞記事を読んでも「想像を絶する…」という言葉しか浮かんでこない。被害者のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々には心からお悔やみを申し上げたい。

 報道によると、容疑者の女子生徒については、(1)小学生時代に同級生の給食に漂白剤を混入した(2)猫を解剖した(3)父親を金属バットで殴った(4)精神科医が児童相談所に警告した(5)義母に殺人をほのめかす話をしていた-など、さまざまなサインがあったという。

 こうした危険信号に対して、周囲は十分に対応したといえるのか。マンションで一人暮らしをさせたことが適切だったのか。記事を読むたびに、疑問がわいてくる。

 犯人と家族、学校、病院、児童相談所…。一体どこに問題があったのか、何が必要だったのか、徹底的に議論すべきだ。そのうえで、二度と悲劇を繰り返さないため、全国規模で実効性のある対応を取るべきだと思う。

 さて、民主党両院議員懇談会(7月31日)で、海江田万里代表の続投が決まった。

 懇談会では、半数近くの出席者から「代表選を前倒しすべきだ」という意見が出された。決して、海江田氏に代表辞任を迫るものではなく、「党再生のため」「海江田氏も参加して代表選を」という前向きの意見だったが、海江田氏は「代表を続ける」と言い、前倒しを了承しなかった。

 党のルール上、代表の了承がなければ、代表選前倒しは実現できない。

 このため、私は「自分も前倒し論者だが、代表が『続投する』という以上、お互い心を1つにして、民主党のために頑張っていこう」と提起した。前倒し選挙を主張した議員たちには不満が残ったかもしれないが、海江田執行部は彼らの意見を深く受けとめて、しっかりと党運営をしてほしい。

 民主党の存在感が薄い最大の原因は、党の方針や政策を、はっきりと決められないことだ。

 例えば、集団的自衛権について、全部反対なのか、限定的に一部認めるのか。消費税率引き上げでも、必要不可欠だったと考えるか、必要でなかったと考えるのか。鹿児島県・川内原発の再稼働についても、私は「中身を精査して判断すべきだ」と考えるが、頭から「再稼働反対」という人もいる。

 国民的な課題に対して、党内で徹底的に議論して、最終的に結論を出さなくてはならない。「永遠の野党」に甘んじるなら問題先送りでもいいが、政権を狙う政党としては許されない。3年3カ月の政権を担当して、われわれはその厳しさを実感したではないか。

 海江田執行部は、党の方針や政策を明確にするよう、真正面から取り組んでほしい。それがなければ、国民の民主党への期待感は戻ってこない。 (民主党衆院議員)




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