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2012.10.29|記者会見

副総理としての定例記者会見(平成24年10月26日)

岡田副総理記者会見要旨 平成24年10月26日
(平成24年10月26日(金) 15:47~16:16  於:合同庁舎4号館1階108会議室)

1.発言要旨
 私からは冒頭3点です。
 第1点は、今朝行いました「消費税の円滑かつ適正な転嫁等に関する対策推進本部」についてであります。
 資料はお配りをしておりますが、消費税、今回5%上がる、しかも2回に分けて短い期間で上がるということで、その転嫁がきちんと最終的になされるかどうかということが極めて重要であります。国会でもたびたび、ここのところについて御質問いただきまして、従来、つまり導入時、それから5%に引き上げた時点と比べても、格段の対策を講じるということを何度もお約束をしてきたところであります。
 そういう観点で、今回、まず本部を改組をするということと、それから「中間整理」の具体化について決定をさせていただきました。
 内容については、一つは相談体制を整備すると。それからもう一つは、転嫁拒否等に対する調査等の枠組みの整備ということで、大きく分けて2つありますが、一つは独禁法、下請法の特例法を作るということであります。
 この中身も大きくて2つありますが、一つは転嫁拒否などの行為を取り締まるとともに、被害者の救済を図ると。もう一つは、転嫁カルテル、表示カルテルについての適用除外、独禁法の適用除外、そういった内容を含む立法措置を図るということであります。
 それからもう一つは、転嫁拒否等に対する調査のための体制を整備するということで、転嫁対策調査官(仮称)を置くと。そしてその司令塔、各府省に置かれた全体の司令塔的機能を担う消費税価格転嫁等対策推進室(仮称)を設置するということであります。その他、大規模な転嫁状況に対する調査なども実施することとしております。
 いずれにしても、消費税の引上げの半年前には、様々な準備が開始されなければならないということで、来年の通常国会には、関連法を提出させていただくということを決めさせていただきました。
 なお、まだ公共料金に、この消費税をどのように反映させていくかとか、あるいは総額表示に対する弾力的運用というものをどう考えていくかと、そういった問題については、引き続き本部及びその下に設けました幹事会で議論をしていただいて、順に決定をしていきたいというふうに考えています。
 こういうことで、幾つかの消費税引上げに伴う宿題の一つである転嫁対策について、今日は一つ進歩したということを御報告しておきたいと思います。
 それから第2点は規制・制度改革ということで、この点についても今日、私のほうで発言を閣議の折にさせていただきました。今日は、経済対策の第一弾ということで決めたわけでありますが、1か月以内に、11月中に本格的な経済対策を作るということになっております。
 経済の現状は、3か月連続で下方修正されるなど非常に厳しいものがあるというふうに考えておりますが、それにあわせて、経済対策をしっかりやっていかなければいけない。その中で、この規制・制度改革というものも重要な柱の一つというふうに今日位置づけられました。
 具体的には2つ。一つは、「日本再生戦略」の前倒し・加速に関する規制・制度改革ということで、「グリーン・ライフ・農林漁業」という重点3分野における規制・制度改革。もう一つは、「モノ」、「人」そして「お金」がダイナミックに動く環境整備に係る規制・制度改革ということで、今まだ議論が続いておりますが、今日から経済活性化ワーキンググループを設けて議論をスタートさせたところであります。
 いずれにしても、今日の閣議で私から各大臣に対して、こういった2つの分野について、しっかりと私のところで議論をしていくので、そして11月中には中間的な取りまとめということを念頭に置いているので、つまり、この経済対策と歩調をあわせてやっていくということであるので、各大臣のしっかりとしたリーダーシップをお願いしたいということを今日閣議で発言したところであります。
 3番目は、公共サービス改革分科会の開催ということで、お手元に資料もございます。29日から分科会がスタートするということで、これは藤本副大臣に基本的にはお願いしておりますので、また詳細は副大臣にも聞いていただければと思いますが、先般の行政改革懇談会においても、政府調達戦略を推進するための司令塔機能の確立、あるいは調達改革に関する目標設定などの基盤整備、そういったことが指摘をされておりまして、全体で(年間)約6.7兆円、政府は調達を行っているわけで、そこの改革というのは非常に重要なことなので、しっかりと議論をしていきたいというふうに考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)【消費税転嫁等対策推進本部関連】
 最初から失礼します。フリーランス記者の上出です。転嫁対策なのですが、ここにも書いているとおりですが、消費税で一番、もしかしたら問題になるのではないかというのは、納税者である零細業者が元請から消費税の分だけ、実際には値引きさせて下請、入札させられるとか、そういうことは前のときも報告されて、これはただ、この相談を受けただけでは、結局また値引きさせた入札なんかが横行すると、結局消費税の分をかぶった形で納めなければならないということになって、それは大変見えない問題なので、この辺までも含めた対策となると、やはり経団連とか大きな、やはり大企業が参加している経済団体など、この協力をきちんと求めなければ実現は難しいと思うのですが、いかがでございましょうか。
(答)それは当然のことですね。また間近になれば、そういうことは改めてお願いすることになりますが、単にこれはお願いだけではなくて、法的にきちんと措置をして、そしてしっかり取り締まるということであります。したがって、単なるお願いベースの話ではないということです。

(問)これは相当難しい問題だと思うのですが、今の段階で言えない部分もあるのでしょうけれども、どのような効果的な、実効を上げるためのことを考えておられますでしょうか。
(答)法案の中身はこれからということになりますが、もう既に原形は独禁法、下請法に公正な取引方法ということで規定はあるわけですね。それをより迅速に発動できるような、そういう仕組みを考えていきたいと思います。

(問)テレビ朝日の成田です。今もおっしゃったと思うのですけれども、今回の増税が2回に分けてという点などで、前回のときと格段に、更に対策を講じなければいけないという話なのですけれども、例えば書面調査ですとか、そういう調査の対象を増やすですとか、具体的なそういう規模感でイメージがあれば教えてください。
(答)先程も言いましたように、調査については従来と比べて、かなり大規模にしっかりとした調査を行いたいというふうに思います。具体的なこと、制度設計はこれからですが、当然ボリュームも増やすし、それからやり方も更に効果のあるものを考えていくということにしたいと思います。

(問)NHKの田村です。一体改革の法律に関しては、3党合意というのが基礎にあるもので、その低所得者対策とかは3党で協議することになっていると思うのですけれども、この転嫁対策について、今後、来年の通常国会に提出する前に作業の中で野党との協議というのはどういうふうにお考えでしょうか。
(答)ちょっと今そういう状況では必ずしもありませんが、説明は必要なところにはさせていただいております。最終的には、これは法案を作るときの協議ということになるかと思いますが、そういったものがスムーズに進んでいくためにも、なるべく丁寧に進めていきたいというふうに思っています。今回のこのことも、野党の要望については、非公式には説明もさせていただきました。

(問)「じほう」の小野と申します。医療機関の控除対象外消費税の問題が、この消費税増税の中で問題になっておりますけれども、こちらの対策推進本部の中で、今後こうした問題について検討されるのかどうか、そういったことをちょっと教えていただきたいのが1点と……
(答)一つひとつにしてください。ちょっと今、よく意味が分からなかったので。最初何とおっしゃいました。

(問)控除対象外消費税というような(ものが)、あろうかと思うのですけれども。
(答)控除対象外消費税。

(問)はい。
(答)ちょっと中身を教えてください。

(問)医療機関の仕入れに対して、仕入れの部分には消費税がかかっているのですけれども、それが転嫁、医療機関のほうは社会保障ということで、非課税になっているものですから、それが転嫁、還元されないという問題が起きているかと思うのですけれども。
(答)基本的に、医療機器、特に費用のかかるものについては、それは別途見ていくという方向性は示されております。

(問)それに関連して、厚生労働省のほうでは中医協に分科会を作って、医療機関の高額な投資に関して今検討が進められていると思うのですけれども、その検討の内容について、こちらの対策推進本部のほうで、そういった中医協分科会での議論を参考にしたりというようなことというのはございますでしょうか。
(答)参考にするというか、中医協のほうで御議論いただければ、最終的にはこの本部に御報告いただいて、そういう方向でいくかどうかを決めるということになると思います。

(問)【公共サービス改革分科会関連】
 共同通信の蒔田ですけれども、この分科会の今後の役割を見ると、今後、強力に推進するための基盤整備とあって、数値目標、設定やインセンティブ付与とあるのですが、こういうのを定めていくのは、いつぐらいに定めるとか、そういうスケジュールの目標があれば教えてください。
(答)詳細は副大臣に聞いていただいたほうがいいかと思いますが、全体のスケジュールはどこか書いてありましたっけ……。おしりが書いていないのは問題だよね。

(藤本副大臣)これは分科会を立ち上げて、その後、ワーキンググループを大体週から10日に1回ぐらいずつやっていきますから、そうやっていきますと、大体2月ぐらいには、その具体的な方策は取りまとめると、そういう方向になると思います。
(問)もう1点、副大臣にお聞きしたほうがいいのかもしれないですけれども……
(答)後で聞いてください。

(問)【その他】
 フリーランス記者の上出です。もういろいろな方が言っているのですけれども、改めまして、記者会見で(お聞きします)。
 昨日、石原慎太郎知事がああいう新党立ち上げ(表明)と。いろいろな感想があると思いますが、岡田副総理としてはどういうふうに受け止められて、今の状況の中で、それはどういう意味を持っているか。もし批判すべき点があればと。好き放題、政府のほうを批判しておりました。その辺も含めて、言っていただける範囲で御説明いただければと思います。
(答)まあ、これからスタートするわけですから、あまり冒頭から何か批判的なことは言わないほうがいいのではないかというふうに思います。
 ただ、かなり唐突な感じはありますね。ですから、あれは94年でしたか、石原さんが突然、本会議場で「もう自分は辞める」というふうに言われて受けた唐突感と、やや似た感じはありますね。
 しかし、知事として長くやってこられて、実績もある方ですから、どういう政策でどういう切り口で新党というのを立ち上げていかれるか、注目をしております。

(問)朝日新聞の田伏です。今の関連なのですが、まだ石原新党のほうはどういう政策なのかというのは分からないのですが、いずれにせよ自民党の安倍さんも含めて、かなり保守色が強い形になっているのですが、それに対して副総理は今政府にいらっしゃるのですが、民主党としてはどう対立軸というのですかね、違いというのを打ち出すべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)我々が、石原新党がこうだから、こういうふうに対立軸を打ち出すとか、そういう気持ちは全くございません。民主党は民主党の考え方をしっかりと訴えていけばいいわけで、ほかの党がどうだということではないと思います。

(問)フリーランスの安積です。先日、中井洽さんが引退宣言をされました。中井さんとは、たしか副総理とは新進党以来ずっと御一緒だった、途中もしかしたらちょっと違ったかもしれませんが、ずっと御一緒だったと思います。それと同じ三重県連ということでお近かったかと思いますけれども、中井さん三十何年間、議員生活を、このたびお辞めになるということで御感想をお願いします。
 それと、結構、中井さんは話題が多い方だったのですけれども、とりわけ印象的な出来事などがあったら御紹介いただけますでしょうか。
(答)中井先生とは新進党で一緒になりまして、その前に細川政権のときから、党は違いますけれども、連立与党ということで、そして新進党が分裂して自由党になったときに、私は民主党に合流をいたしましたので、そこの期間は別でした。しかし、別とはいえ非自民ということで、いろいろな形でつながっておりましたので、長く一緒にやってきた同士であり、先輩ということです。
 したがって、今回の引退表明は突然でしたし、残念に思っております。ですから、県連としては、その後をどうするかということについて、早急に決めなければいけないというふうに思っております。
 印象的なことというのは、予算委員長でしたから、閣僚として、私は怒られることはなかったのですけれども、なかなかの名采配ぶりというか、実は中井予算委員長を決めたとき、私は幹事長でしたので、私のほうで予算委員長がいいのではないかということで決めさせていただきましたが、これは非常に「いい人事」だったなというふうに思っております。単なる与党の委員長というよりは、本来の意味で主要な委員会の委員長として辣腕を振るわれたと、そういうふうに思っています。
 筆頭理事として議論する場面もありまして、そこは若干、もう少しこっちを向いてくれてもいいのではないのかなと、ちょっと(自民党の)武部筆頭と仲が良すぎるのではないかというふうに思ったこともありますが、それも今となっては思い出話であります。

(問)月刊誌のFACTAの宮嶋です。石原都知事は80歳で新党というのは、やはり世界的にも非常に異様な感じがするような年齢とあれだと思うのですけれども、そういう状況になってしまった現在の政治について、どういう御感想を持っておられるかと。
 それから、石原さん自体は、大震災後にあえて4選をしたわけなのですけれども、それを投げ出したと。それは当然批判されてしかるべきで、与党民主党としましては、やはりしかるべく、この首都というのをやはり選挙でというふうにお考えになると思うのですけれども、都知事選について民主党のトップとしまして、副総理としまして、どんなふうなお考えがあるのか、お聞かせいただきたいのですけれども。
(答)今は政府の中に身を置く立場として、なかなかお話ししにくいのですね。しかも、これは突然ですので、なかなか党も大変だと思うのです、候補者を擁立することは。しかし、私としてはきちんと候補者を、いい候補者を擁立して、そして都民に選択肢をというふうに思いますが、現実はどうなのか、そこはもう幹事長に聞いていただいたほうがいいのではないかというふうに思います。
 石原さんが新党を立ち上げるということについて、そのこと自身、私はコメントするつもりはありません。それぞれ政治家として、今の世の中を見て何とかしなければという思いもあったのかなというふうに思います。
 それから幹事長時代には、亀井さんからしきりに石原新党の構想をずっと聞かされておりましたので、別に違和感というか、そういうものはあまりないというか、いつかはそういうのができるのだろうなというふうには思っておりました。
 これから、先ほど言いましたように、どういう考え方を打ち出されて、どういうふうに連携していくのかと、ほかの党とですね、ということも分かりませんので、なかなかコメントしがたいのですが、「たちあがれ(日本)」の園田幹事長がどういう役割を果たされるのか、恐らく中心的役割を果たされるのではないかと思いますが、そうだとすると、なかなか手強いなというふうに思います。

(問)NHKの田村です。石原さんの関係でお伺いしたいのですが、先程、副総理は唐突感ということをおっしゃっていましたが、これはやはり任期途中でということを意味しているのかという点と、この13年も長い間首都のトップであったわけですが、その石原都政の評価、評価する点、評価しない点、一言ずつぐらいお願いできますか。
(答)そうですね、なかなか言い方は難しいのですけれども、評価すべき点としては、例えばNOXの規制などは、やはり石原さんがかなりリーダーシップをとってやられたというふうに思います。ただ、特に知事の枠を超えてやられることもあって、尖閣の問題などは、やはり外交ということについて最終的に責任をとれない、都知事として、取り組まれる問題ではなかったというふうに私は思います。
 日本は実効支配している、していた尖閣、今でもしているのですが、尖閣について、ああいう問題提起の仕方がよかったのかどうかということは、それはいろいろな意見があるというふうに思っております。
 そのぐらいで、まだ党対党ということになったときには、いろいろと、党首になられるでしょうから申し上げたいというふうに思いますが、まだ都知事ですから。

(問)朝日新聞の田伏です。全然別件なのですが、来週予定されています所信表明演説に関してなのですが、中身は結構なのですが、今回総理が作り上げていく上において、副総理から具体的にアドバイスなり助言されたことがありましたら、御紹介お願いします。
(答)中身、細かいことは幾つか申し上げたことがありますが、私としては、やはりこれは一体改革が成し遂げられた後、これから野田総理として、あるいは民主党政権として何をやるかということを明確に述べる場なので、「相当気合い入れてやってください」ということは申し上げました。
 やはり国民に、それが必ずしもうまく伝わっていないということは事実ですので、やはり野田総理、野田政権として、こういう思いでこういったことをやるということが分かりやすく伝わるように、しっかりとした内容、それから演説、いずれについてもお願いしたところであります。

(問)それに対して、総理から何か返事というか、ありましたでしょうか。
(答)いや、それは総理は十分にお分かりいただいているというふうに思っております。
 内容的にも、なかなかいいものができたのではないかというふうに思っています。

(問)フリーランス記者の上出です。石原都知事の関連で、最後のほうの質問をした方に絡んで2つ、短く。
 石原さんは、尖閣の問題のことだと思うのですが、政府に妨害されたということをかなり強い口調で言っておりました。このことについて、やはり政府の副総理としてはどう思われるかということと、都知事選では、まさか立てないということはないでしょうということ、民主党として、不戦敗ということはないとは思うのですが、その辺どうなのかということ。今言っていただける範囲でお願いします。
(答)では、後者の話は先程言いましたように、今、党の人間というよりは政府の人間ですので、分かりません。党の中でどういう議論をしているかというのは、むしろ幹事長にお聞きいただいたらというふうに思います。
 それから、前者の問題は、ちょっと中身がよく分からないのですね。もちろん、所有者から知事は都が買えると、買うということを確信しておられたかもしれませんが、私から見ていると、必ずしもいろいろな情報が知事に伝わっていないのではないかと、いい情報だけが集まっているのではないかというふうにお見受けしながら、これは国が是非買ったほうがいいという判断で、最終的に契約にこぎつけたということであります。

(問)FACTAの宮嶋です。消費税の転嫁のところに戻らせていただきますが、このいわゆる優越的地位の濫用というのですかね、それが一番やはり懸念されると思うのですけれども、そういう意味で、公取の役割というのを、リーダーシップが必要だと思うのですが、その点、副総理はどうお考えになっているか。
 現在、公取はなかなか人事のことで、まだリーダーシップがとれるような体制になっているとは聞いていないのですけれども、そういう問題を含めて、これをやる上で、やはり公取のあり方、国民の側に向いたリーダーシップができるような体制にどうしたらいいとお考えになるか、伺いたいのですけれども。
(答)公取、それから中小企業庁、非常に重要です。そして、その権限を強めるために法律を作るというふうにお考えいただきたいと思います。
 委員長空席だというのは大変問題で、是非この国会で決着をつけたいと、つける必要があるというふうに思っております。

(以上)




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