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2012.10.04|夕刊フジ

特例公債法案を「政争の具」にしてはならない(夕刊フジコラム「ズバリ直球」12年10月4日号)

 野田第3次改造内閣が1日、スタートした。今回の特徴は、城島光力財務相や樽床伸二総務相、前原誠司国家戦略相など、これまで党側で野田内閣を支えてきた人々が重要閣僚に登用されたことだ。今度は閣内から、野田佳彦首相を支えてほしいと思う。

 田中真紀子文科相の起用もメディアは注目している。真紀子氏は科学技術庁長官や衆院文科委員長を歴任されている。非常に突破力のある方なので、期待している。

 私自身は引き続き、副総理兼一体改革・行政改革担当相を務めることになった。

 社会保障と税の一体改革は、法律こそ成立したが、「国民会議の早期設置」などの宿題が残っている。これは1年という期限が切られており、近く行われるであろう民主、自民、公明3党の党首会談でも焦点となるはずだ。

 そもそも、国民会議の設置は自民党が提案したもの。ところが、自民党からは「次期衆院選が終わってから」といった声も聞こえてくる。社会保障改革を前に進めるためには、3党で協力して早く設置する必要がある。

 また、消費税増税に当たっては、中小企業などに負担を押し付けないための価格転嫁対策や、所得が少ない人々への逆進性対策にも取り組んでいく。

 行政改革では、いわゆる「シロアリ退治」を徹底していく。

 例えば、先般、国と独立行政法人から公益法人に対する2011年度の支出を見直し、654件の支出を廃止した。これだけで約470億円の削減効果があった。今後、公務員総人件費の削減も含め、具体的な成果を挙げていきたい。

 加えて、野田内閣は現在、日中、日韓という外交上の問題や、原発・エネルギー政策という重要課題を抱えている。政権の根幹に関わる政策決定に当たり、副総理として、引き続き野田首相を全面的に支えていきたい。

 新内閣の面々も、緊張感に満ちている。政権交代から3年が過ぎ、民主党政権として仕上げの時期に入っている。次期衆院選でもう一度、民主党を選んでいただくためにも、着実に成果を積み上げていくことが必要だ。

 さて、自民党では総裁選を経て、安倍晋三総裁が誕生した。まずは、お祝いを申し上げたい。党役員人事では、安倍総裁-石破茂幹事長など、バランスが取れた体制ができたのではないか。ただ、総裁選の中で、安倍氏が「沖縄県・尖閣諸島への公務員常駐検討」や「河野談話の見直し」を主張していたが、対中、対韓外交を考えると心配だ。

 ともかく、臨時国会では、特例公債法案の早期処理が求められる。政治も新しい時代を迎えている。民主党も自民党も、どちらが与党、野党になろうとも、今後、同法案を「政争の具」にして、国民生活を犠牲にすることは許されない。まず、そのことを確認し合うことが重要だ。 (副総理)




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